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殿様の試写室

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殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!


ラ・ラ・ランド
-2-

LA LA LAND

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Photo credit: EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND. Photo courtesy of Lionsgate. (C)2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.


アメリカもロサンゼルスもハリウッドも行ったことはありませんが、
本作を観て「あ、ここ知ってる!」って思えるのは
小さい時からおなじみの景色だから。

主人公が踊る向こうに見えるのは
ロサンゼルスの夜景。
懐かしいです。
『理由なき反抗』『マルホランド・ドライブ』――
その他タイトルも忘れてしまったけれど
何度も映画で見たような・・・

群舞シーンは『ウェスト・サイド・ストーリー』ですし。
150歳のとのにはたまりません。
タップダンスは両親の世代が泣いて喜ぶフレッド・アステアの世界でした。
(両親はもういないんですけど・・・)

「ロサンゼルスの現在の生活を
クラシックなミュージカルのスタイルで
描くという新しいアプローチに感心した」
と、多くの大ヒットミュージカルを手掛けてきたプロデューサーも絶賛。
まさに古くて新しく、新しいのに懐かしい映画です。

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ストーリー
映画スタジオのカフェで働く女優志望のミア。
何度オーディションを受けても、ろくに演技もしない内から落とされる。
落ち込んで街を歩くミアの耳に聞こえてくるピアノ。
その音色に導かれ一軒のジャズバーに。
そこでピアニストのセバスチャンに出会う。
それはあまり良い出会いとはいえなかったが。

数日後、パーティ会場のプールサイドで
不機嫌そうに80年代ポップスを演奏するセバスチャンに再会。
初めて言葉を交わすものの、ぶつかり合う二人。
しかし、互いの才能と夢に惹かれ、恋に落ちていく……

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気温40℃の渋滞中のハイウエイで
イライラしながら車に乗っている人々が突然歌って踊り始める
“Another Day of Sun”

“Another Day of Sun”
作曲:ジャスティン・ハーウィッツ
作詞:ベンジ・パセック&ジャスティン・ポール

And when they let you down You get up off the ground
Cause morning Rolls around And it’s another day of sun.
And they’ve let you down And morning rolls around
It’s another day of sun. It’s another day of sun.
It’s another day of sun. It’s another day of sun.
Just another day of sun. It’s another day of sun.
So the day has just begun.
It’s another day of sun. It’s another day of sun.

打ちひしがれても 立ち上がり 前を向く また朝が来れば 新しい日だから
打ちひしがれても 立ち上がり 前を向く
また朝が来れば 新しい日 また朝が来れば 新しい日 
また朝が来れば 新しい日 始まったばかり 新しい日 新しい日

ああ、このシンプリシティ。
これこそ思わず口をついて出てくるミュージカルの良さであります。
そして、この圧倒的な迫力!

なんてったって
カリフォルニア・ハイウェイ・パトロールが道路を封鎖した
限られた時間内で撮影した
圧巻の群舞が展開されるんですから!

そうなんです。
ミュージカルばっかりは観ないことには始まりません。

久しぶりに素敵なミュージカル映画を楽しめました。





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ラ・ラ・ランド
監督・脚本/デイミアン・チャゼル、製作/フレッド・バーガー、ジョーダン・ホロウィッツ、ゲイリー・ギルバート、マーク・プラット、撮影/リヌス・サンドグレン、作曲/ジャスティン・ハーウィッツ、作詞/ベンジ・パセック&ジャスティン・ポール、エグゼクティブ音楽プロデューサー/マリウス・デ・ヴリーズ、音楽監督/スティーヴン・ギシュツキ、振り付け/マンディ・ムーア
出演
ライアン・ゴズリング/セバスチャン、エマ・ストーン/ミア、カリー・ヘルナンデス/トレイシー、ジェシカ・ローゼンバーグ/アレクシス、ソノヤ・ミズノ/ケイトリン、ローズマリー・デウィット/ローラ、J・K・シモンズ/ビル、フィン・ウィットロック/グレッグ、ジョン・レジェンド/キース
2017年2月24日(金)TOHOシネマズ みゆき座ほか全国ロードショー
2016年、アメリカ、英語、128分、字幕翻訳/石田泰子、http://gaga.ne.jp/lalaland/

# by Mtonosama | 2017-02-22 04:48 | 映画 | Comments(8)

ラ・ラ・ランド
-1-
LA LA LAND

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EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND. Photo courtesy of Lionsgate. (C)2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.


ミュージカルというと
『マイ・フェア・レディ』
『メアリー・ポピンズ』
『サウンド・オブ・ミュージック』
『ウェスト・サイド・ストーリー』でストップし、
後に続く作品のなかった150歳のとのです。

これらに共通するのはどれもみんな曲が良いことなんですよねぇ。
中でも『サウンド・オブ・ミュージック』の「マイ・フェイバリット・シングズ」。
ジョン・コルトレーンも演奏していて最高です。




やはりミュージカルは曲が良くなくっちゃ。
でも、新しいミュージカルを毛嫌いするのも頑固な老人みたいだなあ、と反省して
行ってきました。『ラ・ラ・ランド』

夢を追う人の街・ロサンゼルス。
売れないジャズピアニストのセブと女優志望のミアの恋を描いた映画です。
案外オーソドックスでしょ?
だけど、ちょっとビターで大人の恋なんですよ。

LA LA LANDって?
ロサンゼルス、主にハリウッド地域の愛称、
あるいは陶酔し、ハイになる状態、
夢の国―――

素敵なタイトルです。

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監督はデイミアン・チャゼル。
1985年生まれ。
2015年アカデミー賞を含む50を超える映画賞を受賞した『セッション』('15)から2年。
待望の新作が『ラ・ラ・ランド』であります。


『セッション』

世界的ジャズドラマーを目指して名門音楽学校に入学したニーマンは、伝説の教師と言われるフレッチャーの指導を受けることに。しかし、常に完璧を求めるフレッチャーは容赦ない罵声を浴びせ、レッスンは次第に狂気に満ちていく… (映画.comより)

さて、『セッション』も音楽の映画でしたが、
本作『ラ・ラ・ランド』はすべてがオリジナルのミュージカル映画。
その曲も一度聴いたらつい口ずさみたくなるものばかり。

こんなこと『サウンド・オブ・ミュージック』以来の体験です。
久々にサウンドトラック盤を買いたくなってしまいました。
(あ、これって古いのかな?)

デイミアン・チャゼル監督が本作のアイデアを思いついたのは
ハーバード大学在学中のこと。
彼はこのアイデアを
まずは低予算のミュージカルとして大学の卒業制作にしました。

曲を担当したのは昔からの友人で
『セッション』の楽曲も手掛け、
本作でも作曲を担当したジャスティン・ハーウィッツです。
出来上がったのは本作のパイロット版ともいえる作品でした。

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でも、これは自分がやりたかったことのほんの一部に過ぎなかったんですって。

チャゼル監督が憧れていたのは
『雨に唄えば』だったり
『シェルブールの雨傘』だったり
『ロシュフォールの恋人』
といった往年のミュージカル。

それを聞いて納得しました。

この映画、
新しいのに懐かしい、
古き良き時代のハリウッドを彷彿させるんです。

おっと、いけない、いけない。
またまた先走ってしまいました。

さあ、どんなお話なのでしょうかね。
続きは次回まで乞うご期待でございますよ。



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ラ・ラ・ランド
監督・脚本/デイミアン・チャゼル、製作/フレッド・バーガー、ジョーダン・ホロウィッツ、ゲイリー・ギルバート、マーク・プラット、撮影/リヌス・サンドグレン、作曲/ジャスティン・ハーウィッツ、作詞/ベンジ・パセック&ジャスティン・ポール、エグゼクティブ音楽プロデューサー/マリウス・デ・ヴリーズ、音楽監督/スティーヴン・ギシュツキ、振り付け/マンディ・ムーア
出演
ライアン・ゴズリング/セバスチャン、エマ・ストーン/ミア、カリー・ヘルナンデス/トレイシー、ジェシカ・ローゼンバーグ/アレクシス、ソノヤ・ミズノ/ケイトリン、ローズマリー・デウィット/ローラ、J・K・シモンズ/ビル、フィン・ウィットロック/グレッグ、ジョン・レジェンド/キース
2017年2月24日(金)TOHOシネマズ みゆき座ほか全国ロードショー
2016年、アメリカ、英語、128分、字幕翻訳/石田泰子、http://gaga.ne.jp/lalaland/

# by Mtonosama | 2017-02-19 04:30 | 映画 | Comments(8)

ウィーナー
懲りない男の選挙ウォーズ

-2-

Weiner

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(C)2016 AWD FILM LLC, ALL RIGHTS RESERVED.


舌鋒鋭く政敵に迫るアンソニー・ウィーナー下院議員。
論理的に、かつ、明快に迫るその姿。
タジタジとなっている相手を見るにつけ、
ああ、こんな論戦をはれる人が日本にもいたらなあ、
と、つい無いものねだりをしてしまいます。

若くて、そこそこハンサムで、
「闘う政治家」「勇気ある議員」と讃えられるヒーロー。
妻フーマは長年ヒラリー・クリントンの右腕を務めた才色兼備のゴージャスな女性。
二人で並ぶ姿は人々の憧れと敬意を集め、
オバマ大統領に続く民主党の若手として注目されていた
アンソニー・ウィーナー下院議員。

順風満帆とはまさに彼のためにある言葉でした。

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それなのに、
ある日、
あろうことか、
彼はブリーフ1枚の下半身画像をツイッターに投稿してしまったのです!

ハッカー?
誰のしわざか問うよりも
あまりにも雄弁なその画像。
ウィーナーの性スキャンダルは忽ち米国中に知れ渡り、
「闘う政治家」も「勇気ある議員」も泣く泣く辞職するしかありませんでした。

そもそも2016年11月の大統領選で
圧倒的な優勢を誇ったヒラリー・クリントンの
まさかの失速の原因となった私用メール問題は
FBIが彼の捜査をする中で浮上したのだといいます。

げに恐ろしきセクスティング。
政治家にとっては致命的です。

しかし、何と言われようと
ウィーナーには使命があります。
実力もあります。人々の心を動かす情熱もあります。

で、2年後、
ウィーナーはいま再びの想いをこめてニューヨーク市長選に立候補。
「もう一度、チャンスを与えてほしい」と訴える彼の姿は
人々を感動させ、なんと支持率はトップに跳ね上がります―――

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でも、
なんということでしょう!
またしても同じ疑惑が発覚したのです。

昨日まで彼を持ち上げていた世間も、メディアも、掌を返します。
当時のオバマ大統領も「私なら辞める」と冷たく言い放ち、
あのトランプ氏などは「ヘンタイ市長など許さん!」と語気激しく罵ります。

人間の性(さが)と言い切るにはあまりにも愚かしい不始末。
期待させておいてそこで裏切るか・・・

エネルギッシュで、カリスマ性に溢れ、優秀な政治家なだけに
あまりにも無残な結末ではありませんか。
笑っちゃうし、バカだな、と思うんですけど、
なんか一抹の寂しさが残るのは何故なんでしょう。

撮った監督も選挙キャンペーン開始後6週間目の
思わぬ方向転換にとまどったでしょうが、
撮らせた本人もよく最後まで撮らせたものです。

あ、でも、完成した映画は観なかったそうですが。







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ウィーナー
監督・製作/ジョシュ・クリーグマン、エリース・スタインバーグ、製作総指揮/ジュリー・ゴールドマン、クリストファー・クレメンツ、キャロリン・ヘプバーン、リリー・ファン
撮影/ジョシュ・クリーグマン、編集/イーライ・デプレ、脚本/ジョシュ・クリーグマン、エリース・スタインバーグ、イーライ・デプレ
出演
アンソニー・ウィーナー、フーマ・アベディン、ヒラリー・クリントン、ビル・クリントン、バラク・オバマ、ドナルド・トランプ
2017年2月18日(土)よりシアター・イメージフォーラム他にて全国順次公開
2016年、アメリカ、英語、96分、カラー、http://www.transformer.co.jp/m/weiner/

# by Mtonosama | 2017-02-16 07:43 | 映画 | Comments(4)

ウィーナー
懲りない男の選挙ウォーズ
-1-

Weiner

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(C)2016 AWD FILM LLC, ALL RIGHTS RESERVED.

トランプ大統領がアメリカ中を、
いえ、世界中をひっかきまわしている昨今です。

今回、当試写室で上映する本作の主人公、
ウィーナーが何も問題を起こしていなかったら、
FBIはヒラリー・クリントンの私用メールを調べなかったかも。
そうしたら、トランプ大統領は生まれていなかったかも、しれません。

ま、政治の世界で「たられば」を言っても始まらないんですけどね。

え、ウィーナーって誰かって?

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アンソニー・ウィーナー
1964年、NY・ブルックリンに弁護士の父と高校の数学教師の母の間に生まれる。
1985年、ニューヨーク州立大学プラッツバーグ校で政治学の学資を取得し、卒業。

1991年、27歳で南ブルックリン区からニューヨーク市議選に立候補し、
ニューヨーク市史上最年少の市議に。
1998年、連邦議会選挙に初出馬し、当選。
2005年、ニューヨーク市長選に立候補し、落選したが、強力な次点候補になる。

2010年、長年ヒラリー・クリントンの側近だったフーマ・アベディンと結婚。
2011年5月27日、ウィーナーはツイッターの公式アカウントから
自身の卑猥な写真を女性フォロワーに送信。
当初は否定していたが、
「過去3年間で約6人の女性と卑猥なメッセージや写真のやり取りをしていた」
と認める。

この行為はセクスティング(Sexting)と言われ、性的なテキストメッセージまたは写真を携帯電話間で送る行為であり、sexとtextingの混成語である。textingとはSMSのことである。(Wikipediaより)

2011年6月21日、正式に議員辞職。

2013年5月、本作の始まりでもあるニューヨーク市長選に立候補。

さて、本作は2011年のセクスティング騒ぎで政治の世界から転落した
ウィーナーがNY市長選で奇跡のカムバックを遂げる―――
という感動のドキュメンタリーになるはずだったのですが・・・

ところが、
人生には何が起こるかわかりません。

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監督はジョシュ・クリーグマンとエリース・スタインバーグ。
ジョシュはウィーナーが2005年に市長選に立候補した時、スタッフとして働き、
後にスタッフのNYチーフとなった人物。

政治を離れ、映画の世界に入りましたが、
ウィーナーとの関係は続いていて、2013年の市長選に立候補すると聞いた時、
その様子を記録しようと本作の撮影を開始。
選挙キャンペーン初日から最後まで撮り続けました。

エリースはジョシュと映画やTVのプロジェクトで共同監督を務めてきた人。
映画を撮り始めたときはすごいカムバック・ストーリーになると思っていたそうです。
ま、それが思わぬ方向転換。

エリースの場合、ジョシュとは違ってウィーナーに対する認識は
ニュースで得た程度。きわめて中立的な立場でした。

それにしても、本作はどうして方向転換を遂げることになったのでしょう。

続きは次回まで乞うご期待ということで。



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ウィーナー
監督・製作/ジョシュ・クリーグマン、エリース・スタインバーグ、製作総指揮/ジュリー・ゴールドマン、クリストファー・クレメンツ、キャロリン・ヘプバーン、リリー・ファン
撮影/ジョシュ・クリーグマン、編集/イーライ・デプレ、脚本/ジョシュ・クリーグマン、エリース・スタインバーグ、イーライ・デプレ
出演
アンソニー・ウィーナー、フーマ・アベディン、ヒラリー・クリントン、ビル・クリントン、バラク・オバマ、ドナルド・トランプ
2017年2月18日(土)よりシアター・イメージフォーラム他にて全国順次公開
2016年、アメリカ、英語、96分、カラー、http://www.transformer.co.jp/m/weiner/

# by Mtonosama | 2017-02-13 05:50 | 映画 | Comments(2)

たかが世界の終わり
-2-

Juste la fin du monde

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(C)Shayne Laverdiere, Sons of Manual


グザヴィエ・ドラン監督の監督の背景にはいつも
ゲイと母があったのですが、本作では家族も登場します。
はい。ゲイも母も家族も全部出るということです。

若い監督さんの場合、とがってて
触るとケガをしちゃいそうな部分ってありますよね。

自分のことを思い返してみても
親や家庭、家族なんて「なんぼのもんや」ってとんがらかっておりましたしね。
あ、いまは年の功できわめて温厚ですが。

それにしても、
グザヴィエは28歳にして既に老大家の視点を持っているような。
そんなグザヴィエの最新作とはどんなお話でしょうか。

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ストーリー
空港からタクシーに乗り込み、実家に向かう人気作家のルイ。
12年ぶりに会う兄を待ちわびていたシュザンヌが抱きついてくる。
幼い頃の彼女しか記憶にないルイは戸惑う。
兄の妻カトリーヌに「初めまして」と挨拶すると
「一度も会っていないの?」と大げさに驚いてみせる母。
重い気持ちを抱えて戻ってきたルイを
母、妹、兄嫁は明るく優し気に迎える。

会話を続けようと子供の話をするカトリーヌに
「ルイが退屈してるだろ」と決めつけ、
それを咎めるシュザンヌを「化粧が濃いぞ」とけなす兄アントワーヌ。
言い合いを始める兄妹の傍らで、
カトリーヌはルイのもの言いたげな視線に気づく。

不機嫌な兄を避け、シュザンヌはルイを自分の部屋に連れてゆく。
都会で成功した兄に憧れ、雑誌や新聞に載った彼の記事を集めていたシュザンヌ。
だが、気が付けば絵葉書しか送ってくれないルイを責めていた。
「どうして急に帰ってきたの?」
真相に迫る問いかけをしながら自らはぐらかしてしまう妹。
答えない兄。

一方、物置部屋で母はルイと向き合う。
引っ越し先の住所を教えない息子に嘆きながら、それでも抱きしめる母。
「なぜ帰ってきたの?」
と訊ねた母にやはり答えられないルイ。
母は息子の深刻そうな表情を見ると
「元気そうでよかった」と話を変えてしまう。
「今日は泣いたり、告白したりする日じゃないわ」

昼食の席で兄アントワーヌの憎々しい物言いはさらに激しく、
シュザンヌとの激しい口げんかになる。
怒りのあまり席を立つシュザンヌ。
兄を叱責する母。
ルイもかつての自分の部屋に逃げ込み、
若き日の甘い思い出に耽る。

兄とタバコを買いに出かけるルイ。
車内でも怒るアントワーヌ。
「なんで帰ってきたんだ」とキレ、荒々しく車を走らせる。

帰宅し、母自慢のデザートを囲む家族を前にルイは……

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朝、実家に帰り、夕暮れには戻っていく――その一日を描いているのですが、
ルイの懊悩が昏いまなざしとなって深部を流れているような印象の映画です。

ルイは言おうとしているのに母も妹も兄もそれを聞こうとしません。
まるで耳をふさいでいるみたいに。

「アントワーヌ、なんなの?あんたは怒鳴ってばっかりいて」
とのが親だったら一喝しちゃいます。
「ルイも、ルイよ。話があって帰ってきたんなら、さっさと言っちゃいなさい」とも。

でも、それだったら面白くもなんともないですわね。

もう子供じゃなくなった自分が久々に帰郷しても
居場所もなければ、立ち位置もわからなくなっている。
家族も何かを察していながらそれを聞かないことで家族であり続けようとする―――

そんなの家族じゃない?

それでも、死期が迫ったら帰っていきたいところは家族の許なのかもしれませんね。

それにしても、ヴァンサン・カッセル演じる不機嫌な兄。
すごかったです。
『トム・アット・ザ・ファーム』にも出てきた
怖ろしいおにいさんを思い出してしまいました。

どうぞ、また一回り大きくなったグザヴィエ・ドランの新作をご覧になってください。





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たかが世界の終わり
監督・脚本/グザヴィエ・ドラン、原作/ジャン=リュック・ラガルス、撮影/アンドレ・テュルパン、音楽/ガブリエル・ヤレド、美術/コロンブ・ラビ、編集/グザヴィエ・ドラン
出演
ギャスパー・ウリエル/ルイ、レア・セドゥ/スザンヌ、マリオン・コティヤール/キャサリン、ヴァンサン・カッセル/アントワーヌ、ナタリー・バイ/母
2017年2月11日(土)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAロードショー
カナダ・フランス合作映画、99分、カラー、字幕翻訳/原田りえ、
http://gaga.ne.jp/sekainoowari-xdolan/

# by Mtonosama | 2017-02-10 06:58 | 映画 | Comments(8)