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殿様の試写室

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殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!


ドリーム
-1-

Hidden Figures

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(C) 2016Twentieth Century Fox

 
1960年代、時代は東西冷戦下にありました。
その頃、アメリカが推進していたのは有人宇宙計画。
ソ連との間で抜きつ抜かれつの
つばぜり合いを展開していました。
 
ところで、
アメリカのこの計画において
黒人女性数学者たちが多大な貢献をしていたことを
ご存知でしょうか。
 
キャサリン・G・ジョンソン
ドロシー・ヴォーン
メアリー・ジャクソン
 
本作はこの3人の黒人女性数学者が主人公です。

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3人が人種差別に直面し、
男ばかりの職場で様々な苦難に遭いながら、
人間コンピュータとも呼ばれた卓抜した数学力と頭脳、
何事にもめげない精神力と努力と根性で
偉業を成し遂げ、夢をかなえた実話を基にした映画。
 
アメリカ宇宙開発史上の
知られざるヒロインたちにスポットライトを当てた
感動的な作品です。
アメリカ映画が本領を発揮しました。
 
ジョン・グレン、アラン・シェパード、ニール・アームストロングという
宇宙飛行士たちを有名にしたのは
こうした名もない女性たちの働きがあったからなんですねぇ。

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キャサリン・G・ジョンソン(1918年8月26日~)
ウエスト・ヴァージニア出身。10歳で高校入学。
18歳で数学とフランス語で学位を取得。
人種差別が撤廃され、
ウエスト・ヴァージニア大学大学院に入学した最初の一人。
1953年にNASAのラングレー研究所勤務を始め、
シングルマザーとして3人の子どもを育てた。
ジョン・グレンの地球周回軌道の主な軌跡や
1969年の月へのアポロ飛行の計算をした数学の天才。
2015年に米大統領自由勲章を受勲
 
ドロシー・ヴォーン(1910年9月20日~2008年11月10日)
ミズーリ出身。19歳で大学を卒業。数学教師を経て
1943年にラングレー研究所に入り、
ウエスト・コンピューティング・グループの責任者に。
最新のIBMコンピュータが登場すると
電子計算とフォートラン・プログラミングを専門にし、
自分と同僚たちを研究所に欠かせない存在にした。
 
メアリー・ジャクソン(1921年4月9日~2005年2月11日)
ヴァージニア州ハンプトン出身。
自然科学と数学の学位を取得。
1951年、ラングレー研究所に入った後、
航空宇宙科学エンジニアになる。
風洞実験や航空データを専門とした。
 
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彼女たちが成し遂げたのは
アメリカにおけるさまざまな意味での平等、
数学分野での功績、
そして
地球の周りを時速17万マイル以上で回った
ジョン・グレンの軌道打ち上げへの道でした。
 
ラングレー研究所は
コンピュータ並みに高度な計算のできる頭脳を
持った女性たちを採用しました。
その多くがアフリカ系アメリカ人の数学教師でした。
 
でも、問題は彼女たちが有色人種だったことなんですね。
彼女たちは天才的な頭脳集団でしたが、
差別は変わりません。
食事は白人たちとは別の部屋、
トイレも別、
給料も白人同業者より少ないままでした。
 
でもね、彼女たちの仕事ぶりはすごかったんですよ。
頭の良さに人種なんて関係ないってこと。
気持ち良い程痛快な映画でした。
 
続きは次回まで乞うご期待でございますよ。
 


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ドリーム
監督/セオドア・メルフィ、脚本/アリソン・シュローダー、セオドア・メルフィ、原作/マーゴット・リー・シェタリー「ドリーム NASAを支えた名もなき計算手たち」(ハーパーコリンズ・ジャパン)、撮影/マンディ・ウォーカー、ASC、ACS、製作/ドナ・ジグリオッティ,p.g.a.、ピーター・チャーニン,p.g.a.、ジェノ・トッピング,p.g.a.、ファレル・ウィリアムズ,p.g.a.、セオドア・メルフィ,p.g.a.
出演
タラジ・P・ヘンソン/キャサリン・G・ジョンソン、オクタヴィア・スペンサー/ドロシー・ヴォーン、ジャネール・モネイ/メアリー・ジャクソン、ケビン・コスナー/アル・ハリソン、キルスティン・ダンスト/ヴィヴィアン・ミッチェル、ジム・パーソンズ/ポール・スタフォード、マハーシャラ・アリ/ジム・ジョンソン、キンバリー・クイン/ルース、グレン・パウエル/ジョン・グレン、オールディス・ホッジ/レヴィ・ジャクソン
9月29日(金)TOHOシネマズシャンテほか全国公開
2016年、アメリカ、147分、字幕翻訳/長尾絵衣子、配給/20世紀フォックス映画、http://www.foxmovies-jp.com/dreammovie/

# by Mtonosama | 2017-09-20 06:19 | 映画 | Comments(1)

三毛猫ひかちゃん
-59-

あたし、ひかちゃん。

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律儀なお花よね。

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過ごしやすくなったわ、と思う頃、
毎年こうやって湧き出してくるのよね。

飼い主なんかこのお花・・・
(あ、彼岸花っていうの?)
伸びすぎてぽきんと折れたのを
拾ってきてはおうちに飾っていたの。

でも、こないだ
「縁起が悪いのよ」
と言われたんだって。

綺麗なお花なのにね。

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実は
あたし、もうここ一ヶ月以上
朝練してないのよね。
なんかおうちでまったり過ごすことが
楽しくなっちゃったの。

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ああ、気持ち良いわね。

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涼しくなってノミ攻撃もおさまって
飼い主に無理矢理お風呂に入れられることもなくなったし。

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うん?だからって図に乗っていつまでも写してんじゃないわよ。

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あ、これ?
名古屋駅の東海道線のホームよ。
新幹線ホームとは違って寂しげね。
飼い主の伯母ちゃんが亡くなって斎場に向かうところなの。
寂しげなのはそのせいね。

そうそう、
急に涼しくなったから皆さんも体に気をつけてね。
もうインフルエンザが流行り出しているんですって。

ひかり


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# by Mtonosama | 2017-09-17 08:08 | 映画 | Comments(8)

50年後のボクたちは
-2-

tschick

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(C)2016 Lago Film GmbH. Studiocanal Film GmbH


原作者も監督も素晴らしいのですが、
なんといっても本作の素晴らしさは
2人の主人公によるところが大きいです。

いますよね。
こんな男の子。
14歳って微妙なお年頃なのに、
女の子に比べればまだまだガキ。

映画の中でも主人公が言ってました。
「この年頃って女子の方が優秀なのさ」って。

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ストーリー
マイクは同級生のタチアナに片思い。
クラスでははみ出し者で、同級生からは変人扱い。
アル中の母親を作文に書き、先生にも怒られる。
でも、マイクの頭の中は
タチアナの誕生パーティのことでいっぱいで、
夜ごと彼女の肖像画を描いている。
プレゼントのためだ。

ある日、転校生が来た。
チチャチョフという名前。
ロシアの方からやってきたらしい。
目つきが悪く、髪形も変。
おまけにどうも二日酔いのようだ。
隣の席になってしまったマイクは
目を合わせないようにした。

いよいよ夏休み。
だが、タチアナからの招待状は
マイクとチチャチョフことチックにだけ来なかった。
似顔絵を破ることもできず、
一人めそめそするマイク。

その夜
マイクは店で酔いつぶれた母親を迎えにいく。
「明日から断酒の専門病院に行くわ」
自転車を漕ぐマイクの背中に向かってつぶやく母親。

翌日、母親は病院へ。
父親は200ユーロを置いて
愛人と2週間の出張(?)に出かけた。
そこへ、突然、チックが
ボロボロのラーダ・ニーヴァに乗って出現。
「盗んだの?」
「借りただけさ。ドライブに行こうぜ!」

迷惑顔のマイクにはお構いなしで
家に上がり込むチック。
渡せなかったタチアナの似顔絵を発見し、
招待もされていない彼女のパーティへマイクを引っ張っていく。
チックに促され、似顔絵を贈るマイク。
驚くタチアナを尻目に会場を後にする2人。

その夜、2人はラーダ・ニーヴァで旅に出ることを決める。
行先はチックの祖父が住む
ワラキア(ドイツ語で未開の地を指す)。

広大な畑を見ながら進むラーダ・ニーヴァ。
マイクがスマホを出すと、
チックは取り上げて窓から放り投げる。
「ひたすら南へ進めばいいんだよ」

夜が来て、2人は風力発電機の下で寝袋に入り、
夜空を見上げながら眠りについた。

翌朝、食料調達に出かけた2人が
出会った少年についていくと子だくさんの母親に出迎えられた。
人並みの食事にありつけるぞ。
だが、デザートの前に母親は子どもたちにクイズをする。
高度なクイズに次々答える子ども達。
別れ際、チックも出題する。
「腕時計で方位をみつけるには、どうする?」
「短針を太陽に向けると12時との中間が南だよ」
「正解!」
南への行き方を知って喜ぶ2人。

ところが、車に乗り込んだチックの横を警官が通りかかると、
マイクを残したまま、慌てて発進していく。
マイクも警官の自転車を奪い、逃走。
どうなる?マイク。
どうなる?チック……

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この後も冒険は続きますよ。
そして、ひと夏を経て
少し大人になったマイクもいます。

「50年後のボクたち」が何を意味するかも
わかるんですけど、それをお話する訳にはいきません。

テンポの良さに片時だってじっとしていられない。
大人の目や女の子の目じゃなく、
14歳の少年たちの目線で笑い、びくびくしながら、
スクリーンに釘付けになってしまうことは請け合い。

アジア的な顔立ちのチックの出現には
マイクならずともびっくりし、
やがて、その魅力に吸い込まれてしまいますよ。

ああ、楽しい映画だった!

少年と夏は永遠不滅のテーマです。やっぱり。





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50年後のボクたちは
監督・共同脚本/ファティ・アキン、脚本/ラース・フーブリヒ、原作/ヴォルフガング・ヘルンドルフ、撮影/ライナー・クラウスマン、製作/マルコ・メーリッツ
出演
トリスタン・ゲーベル/マイク・クリンゲンベルク、アナンド・バトビレグ・チョローンバートル/チック、メルセデス・ミュラー/イザ、ウーヴェ・ボーム/マイクの父、アニャ・シュナイダー/マイクの母
9月16日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ
2016年、ドイツ、93分、配給/ビターズエンド、http://www.bitters.co.jp/50nengo/

# by Mtonosama | 2017-09-14 08:18 | 映画 | Comments(8)

50年後のボクたちは
-1-

tschick

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(C)2016 Lago Film GmbH. Studiocanal Film GmbH


少年、夏、冒険、旅―――

小説にとっても、映画にとっても、
永遠のテーマでありましょう。

先日シネコヤで観た
『グッバイ、サマー』(’15)もそうだったし、
懐かしいところでは『スタンド・バイ・ミー』(’87)も。

ああ、もう30年も前なんですね。
でも、いつ観ても新鮮で、
元気になれるのが少年夏物語。

原作はドイツ国内で220万部以上を売り上げ、
26ヶ国で翻訳されたべストセラー小説
「14歳、ぼくらの疾走」(原題:Tschick)。
ドイツ児童文学賞ほか多くの賞をとり、
舞台版は12、13年シーズンの
最多上演作品になる大ヒットを飛ばしました。

日本でもこの夏、
柄本時生、篠山輝信の主演で
舞台が初演されました。
この二人、14歳というには
ちょっと薹(とう)が立ち過ぎと思いますけどね。
でも、150歳が言うことではないか。

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そして、「14歳、ぼくらの疾走」を映画化したのは
若き名匠ファティ・アキン。

これは期待できますよ。
ファティ・アキン監督といえば当試写室でも
もう何度も上映していますが、
またご紹介させていただきます。

ファティ・アキン監督
1973年トルコ移民の両親のもと、
ハンブルグに生まれる。
俳優志望だったが、
移民役などステレオタイプの役柄を演じることにウンザリ。
ハンブルグ造形美術大学に進学した。
95年、監督デビュー作となる短編“Sensin-Du bist es!”で
ハンブルグ国際短編映画祭観客賞を受賞。
初の長編映画“Kurz und schmerzlos”(’98)で
ロカルノ映画祭の銅豹賞、アドルフ・グリム賞、
バイエルン映画賞など全部で9つの賞を獲得。
その後は皆さまもご存知の通り、
ベルリン、カンヌ、ヴェネチアの三大映画祭での
主要賞の受賞を果たす等、破竹の勢いの監督。

第66回ヴェネチア国際映画祭審査員特別賞を
受賞した『ソウル・キッチン』は
ドイツで100万人以上の観客を動員し、
ヨーロッパ各国でヒットを飛ばした。

ファティ・アキン監督のみならず
多くの読者を魅了した原作の作者は
ヴォルフガング・ヘルンドルフです。

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ヴォルフガング・ヘルンドルフ
1965年ハンブルグ生まれ。
イラストレーターとして活躍の後、作家としても活動開始。
02年“Pluschgenwitten”、
07年“Diesseits des Van-Allen-Gurtels”を出版。
10年、脳腫瘍がみつかる。
その直後から「14歳、ぼくらの疾走」執筆を開始、
同年、刊行。
世界26か国で出版され、
220万部を超える大ベストセラーに。
11年、「砂」を出版。
13年、ベルリンで死去。
翌14年、彼のブログ「仕事と構造」が書籍化。
それに続き、死の直前まで加筆していた
「14歳、ぼくらの疾走」の登場人物の一人・イザが
主人公の未完の小説
“Bilder deiner grofen Liebe”が出版された。

劇的な人生ですね。
病に挑戦するかのように書き上げた小説。
それを知るとなおさら
『50年後のボクたちは』という邦題が胸に迫ります。

さあ、いったいどんなお話なのでしょう。
続きは次回まで乞うご期待でございますよ。



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50年後のボクたちは
監督・共同脚本/ファティ・アキン、脚本/ラース・フーブリヒ、原作/ヴォルフガング・ヘルンドルフ、撮影/ライナー・クラウスマン、製作/マルコ・メーリッツ
出演
トリスタン・ゲーベル/マイク・クリンゲンベルク、アナンド・バトビレグ・チョローンバートル/チック、メルセデス・ミュラー/イザ、ウーヴェ・ボーム/マイクの父、アニャ・シュナイダー/マイクの母
9月16日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ
2016年、ドイツ、93分、配給/ビターズエンド、http://www.bitters.co.jp/50nengo/

# by Mtonosama | 2017-09-11 05:53 | 映画 | Comments(0)

サーミの血
-2-

Sameblod

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(C)2016 NORDISK FILM PRODUCTION


本作では脚本も書いたアマンダ・シェーネル監督。
彼女の祖父母は自分達がサーミ人であることを隠し、
サーミ語を話すこともありませんでした。
監督は年配のサーミ人たちの多くが
ルーツを捨て、スウェーデン人になった姿を
目の当たりにして育ってきたそうです。

本作に登場するのは
故郷を捨てた姉、そして、故郷にとどまった妹。

物語は妹の葬儀に向かう姉の姿から始まります。


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ストーリー
クリスティーナは孫娘と共に息子の運転する車で
妹の葬儀の行われる故郷へ向かっている。
少女の頃に捨てた故郷、本当の名前、
そして、死ぬまで会わなかった妹と
数十年ぶりに出会う旅だった。

家族や親戚を残し、ひとりホテルに戻った彼女は
少女の頃を思い出す―――

1930年代、ラップランドで暮らすサーミ人は
差別的な扱いを受けていた。
エレ・マリャとその妹ニェンナは親元を離れ、
サーミ語を話すことを禁じられた寄宿学校に通っていた。
エレ・マリャは成績優秀で進学を望んでいる。
だが、スウェーデン人の女教師は
「あなたたちの脳は文明に適応できない」
と断言するのだった。

ある日、エレ・マリャは
スウェーデン人のふりをして紛れ込んだ夏祭りで
都会の少年ニクラスに出会う。
その時、彼女が咄嗟に名乗った名前は
「クリスティーナ」。

学ぶこと、自分の未来を自分で決めること、
人間として当然の権利も与えられない生活から
逃げ出したいと思っていたエレ・マリャは
ニクラスを頼って街へ出た。

憧れていた学校に入学し、
スウェーデン人「クリスティーナ」としての
生活を始めたエレ・マリャ。
だが、授業料の支払いを求められ、
現実を思い知らされるのだった。

行き詰った彼女は親元に戻り、
自分のトナカイを売って学費を払ってほしいと頼むが
断られてしまう。

翌日、エレ・マリャは全てを断ち切るように
自分のトナカイを殺す……

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サーミには国の政策や多数民族社会からの偏見や差別に
苦しめられた歴史があります。
スウェーデンは、定住しないサーミに対する
排除政策を取っていました。
サーミは他の人種より劣った人種的特徴を持っているとされ、
骨格や歯などを測定されたりもしました。

映画の中でもエレ・マリャが顔の骨格を調べられたり、
裸にされ、体格を測定されたりするシーンもありました。
窓の外からスウェーデン人の少年が覗いているのに。

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分離や差別は学校教育にも広がり、
1913年の学校法によってサーミ人の子どものため
「移牧学校」が作られます。
これはトナカイ飼育業の児童を公立の学校から排除するためでした。
エレ・マリャや妹ニェンナがいたのもこの学校です。
彼女たちが学校へ向かう途中、
近隣の青年たちがかける罵りの言葉。
それを無視し、相手にならないように
まっすぐ前を向いて歩くエレ・マリャ。

その後、この境遇から逃げ出すために取る彼女の必死の行動――
ここまでするしかなかったのかと
胸がしめつけられます。

少数先住民族の受けるいわれのない差別。
世界中で今も起こっていることです。





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サーミの血
監督・脚本/アマンダ・シェーネル、製作/ラース・G・リンドストロム、撮影/ソフィーア・オルソン、ぺトルゥス・シェーヴィーク
出演
レーネ=セシリア・スパルロク/エレ・マリャ、ミーア=エリーカ・スパルロク/ニェンナ、マイ=ドリス・リンピ/老いたエレ・マリャ(クリスティーナ)、ユリウス・フレイシャンデル/ニクラス、オッレ・サッリ/オッレ、ハンナ・アルストロム/教師
9月16日(土)より新宿武蔵野館、アップリンク渋谷ほか全国順次公開
2016年、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、108分、南サーミ語、スウェーデン語、後援/スウェーデン大使館、ノルウェー王国大使館、配給/アップリンク、http://www.uplink.co.jp/sami/

# by Mtonosama | 2017-09-08 06:47 | 映画 | Comments(6)