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殿様の試写室

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雪の下の炎 Fire under the Snow

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雪の下の炎Fire under the Snow

「われわれはぁ、闘うぞぉ」
オールドな世代なら、その昔、大学構内で耳にしたこともあるフレーズであります。
でも、その闘いのほとんどは卒業までに消えていってしまったようで…

ところが、このチベット僧パルデン・ギャツォさんは33年間に及ぶ投獄と拷問にも
その意志を屈することなく闘い続け
76歳の今もなお、インド北部ダラムサラを拠点にチベットと世界の平和のために闘っています。
あのネルソン・マンデラ氏(当試写室で‘08年5月に紹介した「マンデラの名もなき看守」をご覧ください)
の獄中生活も27年でしたが
劣悪で不潔な環境の中、残酷な拷問を受けながら、何十年も投獄される……
想像を絶する苦しさです。

1950年、チベット人解放という旗を掲げた中国軍がチベットへ侵入して以来、59年という歳月が流れました。
(「セブン・イヤーズ・イン・チベット」(‘96)で中国軍が砂塵を巻き上げてチベットに侵入するシーンがものすごかったですね)
しかし、それは解放などではなく
天然資源の豊富なチベットを支配下に置くための侵略でした。
9年後、チベット国内では抗議行動が激化、民族蜂起が起きました。

その年、穏やかな抗議活動に参加しただけだった28歳の僧侶・パルデンさんは逮捕。
そして、裁判もなく、懲役7年の実刑を受けたのです。
それからは厳しい尋問と拷問に責めさいなまれる日々…

中国人の尋問官に「チベットはチベット人のもの」と答え続ける彼は
その度に厳しい暴行を受けました。
彼の歯が全部抜けてしまったのは、その時の電気ショックが原因です。

パルデンさんは脱獄しました。
しかし、途中でつかまり、その後2年間にわたり、手錠と足枷をつけられたまま、過ごすことになります。

刑務所で23年、労働改造収容所と拘置所で10年を過ごし
61歳になっていたパルデンさんは1992年、33年間に及ぶ投獄生活を終えました。
その後、インドに亡命し、現在はダライ・ラマ師のいるダラムサラに住んでいます。
ですが、パルデンさんはこの地にあっても、闘い続けます。

     ビョークやオノ・ヨ―コなどチベットを支援するアーティストの集った
     第1回チベタン・フリーダム・コンサート。
     1996年、サンフランシスコで開かれたこのコンサートに参加した多くのアーティストの中で
     マイクを握っていたのがパルデン・ギャツオさんでした。

     2006年、トリノ冬季オリンピックで、2008年のオリンピックが中国で開催されることに
     抗議し、死を賭けたハンガーストライキを決行するチベット人の中にも
     73歳のパルデンさんがいました。

「この歳になってもまだ闘い続けるのは非業の死を遂げた彼らのため」
と言ってパルデンさんは涙を拭います。

パルデンさんはとても穏やかで、優しい顔をしています。
彼が経験した理不尽な投獄生活や拷問を強いた中国人を恨む気持ちはないのでしょうか?
彼はこんなことを言うんです。
「暴行の責任がすべて彼らにあるわけではない。殴り方が甘いと、彼らも職を失うことになる。愛国心が足りないと、非難されることになる

     この映画を作ったのはNY在住の日本人女性ドキュメンタリー作家・楽真琴(ささ・まこと)。
     NYでパルデン・ギャツオの自叙伝「雪の下の炎」と出会い、感銘を受け
     ダラムマサラに旅立ち、パルデンさんを取材しました。
     さらに、インド、アメリカ、イタリア、チベットを巡り、パルデンさんの友人や元政治囚、
     フリー・チベット活動家の証言も撮影しました。

チベット問題を浮き彫りにし
民族の自立とは何かを鋭く問いかけてくる映画です。
同時に76歳の老僧の不屈の精神には頭を垂れるしかありません。
何もできない自分が恥ずかしくなります。

     一昨年、チベットを訪れました。
     標高4千メートルを超える山々にチベット人の魂の拠点ともいえるチベット寺院があります。
     その中に破壊されている寺院が。
     ガイドに訊ねると「紅衛兵がやってきて壊したのです」ということでした。
     高山病をものともせず、山を登り、チベット人のよりどころを破壊する中国人の執念に
     たじろいだ殿です。

雪の下の炎
監督・プロデューサー/楽真琴
出演/パルデン・ギャツオ、ダライ・ラマ14世他
4/11(土)よりアップリンクにて公開
http://www.uplink.co.jp/fireunderthesnow/

『雪の下の炎』
パルデン・ギャツオ著/檜垣嗣子訳
ブッキング発行
2,625円

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by mtonosama | 2009-03-30 06:19 | 映画 | Comments(6)
Commented by すっとこ at 2009-03-30 07:19 x
”雪の下の炎”
なんと美しくも哀しい題名でしょうか。

中国の拷問は世界で最も考えつくされ洗練された
拷問だと聞いたことがあります。

ビョークもチベット支援していたのですか。
彼女主演の映画・・・名前が思いだせんですが
工場勤めの少女が初めての恋を得るような映画でした。
   それはともかく
バルデン氏のような不屈の精神、勇気でしょうか意地で
しょうか怨念でしょうか習慣でしょうか。

この映画は元職業革命家を目指したアイツと観に行く
べきなのか。しかし今やプチ・ブルだからなあ。
Commented by すっとこ at 2009-03-30 09:31 x
あ、そうだ!
”ダンサー・イン・ザ・ダーク”ですぅ!
さすが映画の王様殿様キング。
相手役の男優が好みでした。歯並び悪くて。
そうそう”ゆれる”前衛的カメラワークでねぇ。
   あ、前衛的っていまや化石語かなーー。
Commented by との at 2009-03-30 17:23 x
化石語も話せるすっとこさん
上海のこぐまがoasis上海公演のチケットを入手して
しばしブログ上で興奮しておりました。
すると、なんと公演中止!
メンバーの一人がチベット問題に関わっていたからなんだって。

早く大人になってほしいね。中国も。
Commented by ライスケーキ at 2009-03-30 22:35 x
日本に侵略された中国は、立場を変えてチベットを侵略。 人類はいつまで愚かな歴史を繰り返しているのでしょうか。  隣の家に勝手に土足で入り込むような事はしてはいけない、と言う子供でもわかるような事がなんで国家間で行われるのでしょうか。   そんな現実がこの映画を見るとビシビシと伝わるようです。 そして私はこういう作品が日本女性によって作られたと言う事に感激します。  お見事 世界に羽ばたくに日本女性!
Commented by との at 2009-03-31 05:47 x
隣の敷地は、古くから住んでる自分にとってはわがもの同然
と考える人、時々見ますよね。

狩猟社会じゃないんだから、最低のルールは守りたいもの。
あれ?もしかしたら狩猟社会に逆戻りしちゃっているのかも。
Commented by mtonosama at 2009-03-31 06:21
今やプチブルさんと「雪の下の炎」を観に行くすっとこさん

ビョークの映画は「ダンサー・イン・ザ・ダーク」ではないかい?
劇中ミュージカルとして「サウンド・オブ・ミュージック」の出てくる
映画だったね。
殿は満員のシネコンの一番前の座席で観ていたら
動き回るカメラのせいで大揺れする画面に
気持ち悪くなってしまった思い出のある映画です。

中国の拷問もひどいけど
モンゴルもすごいらしいです。
まったくなんで人は人に対してそんなに残酷になれるんでしょうかねぇ。