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殿様の試写室

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路上のソリスト THE SOLOIST

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© 2008 DREAMWORKS LLC and UNIVERSAL STUDIOS
 
路上のソリスト
THE SOLOIST

路上生活をする天才的な音楽家。彼は統合失調症をかかえている。
うーん、よくある深刻かつストイックな社会派映画でしょうか。
ハリウッド映画だし。
と、はなっから猜疑心むきだしで試写にのぞんだ殿です。

つかみは完全にハリウッドでした。
LAの高級住宅街をロードレーサーで疾走するロサンゼルス・タイムズの売れっ子コラムニスト
スティ-ヴ・ロペス。
ロペス氏、目の前を横切るアライグマをよけようとして派手にひっくり返る。
「おいおい、出社前に顔すりむいちゃってどうするよ」。
なんとも明るいオープニングシーンであります。

が、しかし
監督は英国人。「プライドと偏見」(‘05)のジョー・ライトです。
アメリカで映画を監督するのは初めてということ。
きっと純正ハリウッド映画とは違う匂いをどこかで感じさせてくれるかもしれません。

     《ストーリー》
      明るい太陽。道路のわきには丈高いパームツリーがそびえています。
      ここはキャリフォーニア、ロスアンゼルス。
      顔面半分擦過傷のあわれな顔をしたスティーヴ・ロペスがネタを求めて歩いていると
      美しいヴァイオリンの音色が流れてきました。
      ヴァイオリンを---それも、2弦しかないヴァイオリンを---弾いていたのは
      奇妙な格好をした路上生活者。
      ナサニエル・エアーズと名乗るその男はとめどなく言葉を繰り出します。
      言葉の洪水の中から
      〈彼がベートーヴェンを愛していること〉
      〈ジュリアード音楽院にいたこと〉
      などを拾いだしてロペスは驚きます。
      「ジュリアードの卒業生がなんで路上に!?」
      彼の記者魂に火がつきました。
      ナサニエルの姉と元教師を見つけ出し、取材。
      「少年時代からチェロを弾いていた」
      「本気で取り組めば世界がひれふす才能だった」
      ことなどがわかります。
      ナサニエルについて書いたコラムは評判を呼び
      感動して自分のチェロを送ってきてくれる読者まで現れました。
      彼にチェロを届け、車の行き交うトンネルでその演奏を聴いたロペス
      騒音も排気ガスも忘れ、めくるめく感動に包まれるのでした…

スティーヴ・ロペスが書いたコラムを映画化したこの作品は実話です。
―――脚本のスザンヌ・グラントは、ロペスが離婚したことにしたり
    ナサニエルには姉が一人しかいないことにしたり、
    事実と若干変えはしましたが―――
路上生活者で統合失調症の天才音楽家、というショッキングなお題を抱えてはいますが
この映画は実のところ、ナサニエルとの交流を通じてロペスの心が変わっていく様子を描いた
魂の物語ということがいえるかもしれません。

パームツリーの並木の下をローラーブレードで滑走する長くてきれいな足の女子。
LAといったら、そんなイメージしか持ちあわせていない米国未体験の殿にとっては
きらびやかなLAのその裏通りに生きる精神障害を抱えた
老若男女のホームレスの群れには驚きました。

でも、「僕はいつも、あまりに深刻ぶった映画というのは苦手なんだ」と監督自身語っている通り
そのホームレスのひしめく裏通りの雑踏ですら、夜市のにぎわいのように感じさせる映像でした。
イギリス人の目でみたLAの表と裏。余所者だからこそ描けるステレオタイプでないLAです。

精神障害者はかわいそう、あるいは、怖い…
という健常者の思いこみで、彼らを隔離し、強制的に薬を飲ませること。
それははたして正しいことなのでしょうか。

ナサニエルを見出した自分は彼の恩人であり、同時に、保護者であると
どこか‘上から目線’だったロペスに
「僕はあなたのことをMr.Lopezと呼んでいるのに、あなたは僕をナサニエルと呼ぶ」
というナサニエルの抗議がつきささるのでした。
「自分はこの音楽家を救いたかった…」
救う?ナサニエルを何から救うのでしょうか?

本人が治療を望まないなら、それもひとつの選択なのかもしれません。
ロペス同様、ナサニエルをかわいそうな人だと思っていた観客にも変化が訪れます。

ナサニエルは打算抜きで音楽を愛することのできる天才でした。
明るいだけのロスアンゼルスという偏見も消えました。
ジョー・ライト監督、ありがとうございます。

路上のソリスト
監督/ジョー・ライト、脚本/スザンナ・グラント、原作/スティーヴ・ロペス
キャスト
ジェイミー・フォックス/ナサニエル・エアーズ、ロバート・ダウニーJr./スティーヴ・ロペス
トム・ホランダー/グラハム・クレイドン、キャサリン・キ―ナー/メアリー・ウェストン(スティーヴの元妻)、リサ・ゲイ・ハミルトン/ジェニファー・エアーズ(ナサニエルの姉)、
5月30日(土)TOHOシネマズシャンテほか全国順次ロードショー
http://rojyo-soloist.jp/

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by mtonosama | 2009-05-12 19:40 | 映画 | Comments(12)
Commented by すっとこ at 2009-05-12 21:26 x
おお、殿様。
なにか筆にいっそうの冴えが感じられまするハハーッ。
これが実話にもとずくというのは凄いですね・・・
統合失調症の方の世界とそうでない人の世界と
どこがどう違うのだろう。”治す”のは果たして善なのか。
きっといろいろ考えさせられる映画でしょうね。
新緑の空の下、誰と観に行くのがいいんだろう・・・。
Commented by との at 2009-05-13 07:50 x
すっとこさん
NYは新緑ですか。当地はもう夏草の猛々しさを思わせる草木の
繁茂です。スコットランドの緑はベビーグリーンでした。

治さなくとも良い病というのはもっとあるのかもしれません。
パソコンが壊れたのとはわけが違います。

パソコンが壊れたとの
Commented by hanahanaup at 2009-05-13 12:55
とのさん
なんと、スコットランドに行ってたんですね!
いつも(といっても数ヶ所しか伺ってないですが・・・笑)
場所選びのセンス、いいですよねぇ。

この映画、みたいです!
誰かに親切して、自分が気持ちよくなっちゃうと、偽善ですかね。笑
このあたりの気持ちの、さじ加減が、物語の味なのかしら。
うーん、よそ者が見る、LAの話!とっても楽しみです!!!
Commented by mtonosama at 2009-05-13 14:45
hanaさん
えへへ、実はそうなんです。
この時期、行っていいものかどうか
迷ったのですが(ウソ、ウソ)、キャンセル料がもったいなくて
行ってきました。
マスクしてるのは日本人観光客だけ。
あちらの方々は誰一人として
マスクなんかかけちゃいませんでした。

と、インフルエンザで熱くなってちゃいけません。
「路上のソリスト」最初構えて観た分、なんか不思議な印象を
受けました。ぜひ観てくださいませ♡
Commented by ライスケーキ at 2009-05-13 21:39 x
英国人監督の作品は、やはりアメリカ人のハリウッド映画とはどこか違いますよね。  何か考えさせるような、心のひだをかいま見せてくれるような。 この作品も是非観たいです。 我が家の近くで上映してくれるだろうか。 昔は単館物もスペシャルでやってくれたのに、儲かる映画しか上映してくれないのが寂しいです。            スコットランド、私も又行きたくなった。 昔はケルト系の映画よく見ていたな。  又ケルトに燃えようかな。
Commented by mtonosama at 2009-05-14 09:44
ライスケーキさん
●デオンがなくなってからは、映画が観づらくなりました。
この映画も近所では観られないかもしれないけれど
少し足を伸ばして観に行く価値はあると思います。
チェロの演奏と映画の内容。一粒で二度おいしい作品です。
Commented by Tsugumi at 2009-05-14 10:13 x
これ予告みて見たいと思ってたんですよ。。

よさそうですね。
見てみます。
Commented by mtonosama at 2009-05-14 13:19
Tsugumiさん

ぜひぜひ。これなら英語ですしね(笑)。

ご心配をおかけしましたが、メキシコではなく、ご主人様の
お国に行っていました。
Commented by Angie at 2009-05-17 00:52 x
おかえりなさいませ。。此の映画みたいなと思っています。
原書を買って読み始めた所.訳ではわからない表現を感じたくって
なんて行っても音楽家とコラムニストの交流。そして精神の病など?
大変きょうみがあります。
ありがとう!!
Commented by mtonosama at 2009-05-17 05:04
Angieさん
戻ってまいりました。
スティーヴ・ロペスとナサニエル・エアーズとの親交は
今も続いており、
ナサニエルは時々スティーヴのためにチェロを
弾いてくれているそうです。
そうそう、スティーヴは今はナサニエルのことを
ミスター・エアーズと呼びかけるようになったそうですよ。
Commented by Tsugumi at 2009-05-25 11:20 x
イギリスはいかがでしたか?
今イギリスは花が咲き乱れとってもいい季節だと思うのですが。。
時間とお金があったら行きたいです。。。
Commented by mtonosama at 2009-05-25 14:14
Tsugumiさん
そうですね。バラはまだでしたが、マロニエ、エニシダ、ブルーベル
などが満開でとてもきれいでした。
普段の心がけもいいのか、お天気もよく素晴らしかったです(笑)。
一番の収穫はアビーロードへ行けたこと。
4人と同じ歩き方で写真も撮ってきました♪