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殿様の試写室

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愛を読む人 The Reader

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          © 2008 TWCGF Film Services II, LLC. All rights reserved.

愛を読む人
The Reader

「愛を読む人」とはまた気恥かしい邦題です。
原題は”The Reader”。ドイツ語タイトルは”Der Vorleser”。
ベルンハルト・シュリンクのあの小説「朗読者」を映画化した作品です。

        ベルンハルト・シュリンクは1944年ドイツ生まれ。
        1995年出版の「朗読者」は40ヶ国語に翻訳され
        世界的なベストセラー小説となりました。
        1982年以降、ボン大学で教え、現在はフンボルト大学法学部教授。
        短編集「逃げてゆく愛」(‘00)、長編小説「帰郷者」(’08)、
        推理小説シリーズなどもあります。

ドイツ好きの殿はこの小説を読みました。
ハナとミヒャエルのそのいけない関係も含めて
高熱にあえぎながら壁紙の模様を凝視するミヒャエルの内面世界とか
幼い思慕が深く悲しい愛に変わっていく「朗読者」の世界に
すっぽりはまりました。
この小説の持つある種の静けさがどのように映画に反映されるのでしょうか?
なんかちょっとこわい気がしたのですが。

        「朗読者」の映画化権を得たのは
        辣腕プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインとミラマックス映画でした。
        1996年のことです。
        ワインスタインの希望でアンソニー・ミンゲラが監督と脚本を担当。
        シドニー・ポラックが製作に加わることに。
        ところが、映画化が進まないまま、10年が経過。
        そうこうする内、スティーヴン・ダルドリーから
        「自分が監督をしたいのだが」という申し出がなされました。
        ミンゲラは自分とポラックがプロデューサーとして残ることを条件に
        ダルドリーが監督することに同意したのだそうです。
        《ミンゲラは昨年3月に54歳の若さで、その2ヶ月後にはポラックも74歳で
         映画の完成を見ることなく亡くなってしまいました》

ま、そんな経緯はさておき、ダルドリーといえばあの「リトル・ダンサー」(’00)で
幸運な監督デビューを果たした人物。「めぐりあう時間たち」(’02)も彼の監督作です。
「『朗読者』は、ずっと心に残る小説だ」と語っているのですから、期待してみましょう。

        あ、ちなみにこの映画は英語です。
        ハナはハンナ、ミヒャエルはマイケルとなっていますので、ご承知おきください。

    《ストーリー》
   1958年ドイツ。15歳のマイケルは学校の帰り道、具合が悪くなってしまいます。
   座り込む彼を一人の女性がてきぱきと世話をして、家の近くまで送り届けてくれました。
   3ヶ月後、ようやく回復したマイケルはお礼を言おうと
   一人暮らしのその女性の部屋を訪ねます。
   彼より21歳年長のハンナという名の彼女はそっけなくマイケルを迎えます。
   しかし、マイケルは次の日も、また次の日も彼女の部屋に向かってしまうのでした。
   ある日のこと、彼はハンナに言われて地下から石炭を運びます。
   石炭の煤で真っ黒になったマイケルは彼女に言われてお風呂に。
   浴槽から出た彼を大きなタオルでくるんだのは、裸のハンナでした。
   その日から、放課後を待ちわびるようにハンナの部屋を訪れるマイケル。
   その時間にはハンナも路面電車の車掌の勤務を終えて帰ってくるのです。
   顔を合わせるや激しく愛し合う二人。
   そんなある日ハンナはマイケルに「本を読んで聞かせて」と頼みます。
   一心に朗読するマイケル。いつしか、それはベッドでの習慣になっていきました。

   マイケルの誕生日。友人たちがパーティを計画してくれました。
   パーティには参加せず、いつものようにハンナの部屋に向かったマイケル。
   なのに、不機嫌なハンナ。朗読するマイケルは邪険にさえぎられてしまいます。
   次にマイケルが部屋を訪れた時、部屋は空っぽに。
   書き置きすら残されてはいませんでした。
   立ちすくむマイケル。

   8年後、法学部の学生になったマイケルは戦争犯罪を裁く法廷の傍聴に出かけます。
   そして、そこで耳にした被告の声こそ
   あの日以来忘れたことのなかったハンナのものだったのです…

原作者のシュリンクは、ハンナ役には最初からケイト・ウィンスレットを思い描いていたそうです。
胸の奥深くになにかを秘めているような悲しげなまなざし
マイケルをとまどわせる不可解な行動
ミヒャエルの視線と思考から判断し、形作るしかなかったハナという女性が
ケイト・ウィンスレットによって、この映画で体現されました。

少年時代のマイケルを演じたデヴィッド・クロスも
思索的でありながら無垢な少年を見事に演じていました。
そして、大人になったマイケルを「イングリッシュ・ペイシェント」のレイフ・ファインズが
陰影と憂いの中に深く刻み込んでくれました。

圧倒的なキャスティングの妙であります。
ベルリン、ゲルリッツ、ケルンと、ドイツでの撮影にこだわった映像も加えて
「朗読者」は十二分に納得のいく映画化でした。

しかし、「タイタニック」のときのあのコロコロした女の子がここまで成長するとは。
ケイト・ウィンスレットに脱帽です。

愛を読む人
監督/スティーヴン・ダルドリー、脚本/デヴィッド・ヘア、原作/ベルンハルト・シュリンク、
製作/アンソニー・ミンゲラ、シドニー・ポラック
キャスト
ケイト・ウィンスレット/ハンナ・シュミッツ、レイフ・ファインズ/マイケル・バーグ、
デヴィッド・クロス/青年時代のマイケル・バーグ
6月19日(金)TOHOシネマズスカラ座他にて全国ロードショー
http://www.aiyomu.com/

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by mtonosama | 2009-05-17 05:58 | 映画 | Comments(12)
Commented by ヴィッキーです at 2009-05-17 16:47 x
じつは、夕べ「天使と悪魔」を観に行ったら、
予告編で「愛を読む人」が流れていました。
スーパーに、「朗読者」の映画化の文字……
おっ!   と視線がとまり、
同時に 本のカバーが浮かんできました。

当時(いつだったかな〜)の
「その年、最もよかった一冊」でしたね。
かなり気に入ったもんだから
「これいいよ〜」と押し売りしてましたっけ(笑)

その本の、十二分に納得の映画化とあらば、
ぜひ観たい! いっちゃおっと(ピース)
Commented by との at 2009-05-17 19:41 x
おー!
ヴィッキーさま、ごぶさたしてます。
当時…
ん~、10年近く前になるんでしょうか?
いいですよねぇ。「朗読者」。
映画年増になってしまいましたが、そこんところ割り引いても
かなりいい出来だと思います♡
Commented by すっとこ at 2009-05-17 21:28 x
読みました、読みましたとも。「朗読者」
ケイト・ウィンスレット、いい女優に成長したんですねえ。
こないだのオスカー、彼女は大興奮して檀上にあがり
言葉もうまく出ないほどだったのだけが印象に残ってて
あれ?どの映画での受賞?主演?助演?
この「朗読者」でだっけ?

殿様ー 教えてくだされーーー。

この映画は誰と行こうかな。本読みの友人の都合を聞いてみよう。


Commented by mtonosama at 2009-05-18 06:54
すっとこさん
ケイトってほんとにきれいになりましたねぇ。
艱難汝を玉にするですかねぇ。
どんな艱難があったかは知りませんが。
でも、オスカー主演女優賞とれれば
艱難なんて消えてしまいましょう?

「愛を読む人」誰と観るのがいいんでしょう?
Commented by Tsugumi at 2009-05-18 11:01 x
ケイト・ウィンスレット大好きです。
レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで
ネバーランド
ホリディ
あるスキャンダルの覚書
もちろんタイタニック
よかったです。

リトル・ダンサーはDVD持っています。
楽しみです。
Commented by mtonosama at 2009-05-18 11:22
Tsugumiさん
最近のケイト・ウィンスレット、素敵ですよね。
彼女って西洋梨体型っていうイメージが強かったんですけど
この映画では
外面は背中に定規を通したようなドイツの元女看守を演じつつ
内面では深い懊悩を抱えた女性を表現してて
素晴らしかったです。

こんなに成長できる女優さんってほんとに素敵です。

あ、「リトル・ダンサー」好きです。
彼の出たバレエも観に行っちゃいました。
Commented by ひざ小僧 at 2009-05-19 15:27 x
熟女がうら若き青年をかどわかす映画は数あれど、殿の紹介文から立ち上るこの香気は何だ! ケイトさんの変身振りには目を見張っていたけれど、こういう役を気品を持って演じられるのは大した女優だと思う。原作は知らないけど、シドニー・ポラックは好きでした。今じゃなんか気恥ずかしいけど、「愛と悲しみの果て」。女の才能と能力に敬意を払い、サポートする男がいるのであるか、と女学生だった私は感動に打ち震えたものです。彼が映画化しようと情熱を傾けた作品なら、とうなずけます。
Commented by mtonosama at 2009-05-19 16:28
ひざ小僧さん
おほめにあずかってうれしうございますことよ。
と上品に応えてみたものの後が続かぬ。

「愛と悲しみの果て」。メリル・ストリープとロバート・レッドフォードだね。二人とも細くて若くてきれいだったね。
「追憶」もシドニー・ポラックだ。この時のロバート・レッドフォードも
素敵だった。
この映画で殿は自分が海軍の白い制服フェチだってことがわかってしまった。
バーブラ・ストライサンドは顔はこわいけど、
この時の歌は良かった。

女学生ならぬ殿も遠い昔を思い出し、感涙にむせびます。
Commented by ライスケーキ at 2009-05-19 21:57 x
私はこの作品を読んでいないので、レイフ・ファインズに会いたくて この作品が見たいです。 「シンドラーのリスト」でナチ収容所の冷酷な所長を見事に演じた彼。 どこからともなく漂うブリテッシュの気品。 良いねぇ。 この作品ではどんな演技を見せてくれるだろう。   これも一人でゆっくり観に行こうっと。
Commented by mtonosama at 2009-05-20 06:46
ライスケーキさん
確かにレイフ・ファインズは素敵でした。
ブリティッシュの気品すごいです(今回の旅で見たイギリス人は皆超のつくメタボで、気品を感じさせてくれるような人はいませんでしたが)。

殿はデヴィッド・クロスくんが気に入ってます。
Commented by 芸者ガ~ル at 2009-08-29 10:54 x
やっと観て来ました! 日比谷で昨日までの上演です。

殿はデヴィッド・クロスくんが気に入ってます。

私もです♪
出だしはそんなにイイ男とは思わなかったんですけど・・・
そこかしこで涙ぐみ、楽しいときには透明感のある笑顔が弾けて、ハンナが去った後一人で思い返すようにベッドを撫でる仕草や表情は、今思い出しても胸が苦しくなりますね。

設定がドイツで英語というのはちょっと強引さも感じましたけど。
電車や建物に容赦なくドイツ語がありましたしね。

私にとってデニーロの「恋に落ちて」同様、”Der Vorleser”は何度観てもそのときの自分の環境や年齢に応じて、違った感想が出てきそうな気がします。
Commented by mtonosama at 2009-08-29 15:39
芸者ガールさん
お久しぶりです。
間に合ってよかったですね。やはり、Der Vorleserはスクリーン
で観たいですものね。

デヴィッド・クロス。英語のせりふを話したり、朗読用英語のために
特訓受けたといいますが、せっかくドイツの話なのに、
なんかかわいそう。

と、少年びいきの殿です。