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殿様の試写室

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おとうと

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©2010「おとうと」製作委員会

おとうと

こんなしょうもない弟がおったら困りますがな(どうぞ、大阪弁で発音してください)。

とはいえ、しょうもない兄やら姉やら妹やらはどこの家にも1人や2人はいます。
その代表格が寅さん。
そんな寅さんが今度こそ帰ってこられない旅に出てから早や14年経ちました。

不出来な兄貴だからこそ、その不在はこたえます。
というわけで、山田洋次監督が10年ぶりの現代劇としてメガホンをとったのが「おとうと」。

幸田文原作の「おとうと」は今からもう半世紀(!)も前
市川昆監督が映画化しています。
1990年4月30日にもTBSでドラマ化〈主演:斉藤由貴、木村拓哉〉されました。

山田洋次監督は敬愛する市川昆監督へのオマージュをこめて
久々の現代劇に、この「おとうと」を選びました。
くすっと、あるいは、ワハハと笑ったり
めそっと、あるいは、しゃくりあげて泣いたり
山田洋次監督流の人情劇に仕上がりました。

「たそがれ清兵衛」(‘02)
「隠し剣 鬼の爪」(’04)
「武士の一分」(‘06)
「母べえ」(’08)と時代劇が続いた監督。
今回は「十五才 学校Ⅳ」以来の現代劇です。
そして「母べえ」で共演した吉永小百合と笑福亭鶴瓶が再び登場しました。
山田組ならではの豪華な組み合わせではありませんか。

しかし、吉永小百合と鶴瓶が姉弟だなんて。
あまりにも似ていなさすぎます(笑い)。
ですが、ま、そこは映画。大目に見ていただきましょう。
(ちなみに市川昆版「おとうと」は姉を岸惠子、弟を川口浩が演じています。
あの川口浩隊長ですが、若い頃は二枚目だったんです)

ストーリー
東京郊外。平凡な商店街の一角で小さな薬局を営み
女手ひとつで一人娘の小春を育ててきたしっかり者の吟子。
早くに夫を亡くし、義母と娘と三人で暮らしていましたが
明日はその小春の嫁ぐ日。お相手はエリート医師です。

吟子には大阪で勝手きままに暮らす独り者の弟・鉄郎がいます。
鉄郎は吟子の夫の十三回忌で大酒を飲んで暴れて以来、吟子とは音信不通。
鉄郎にあてた結婚招待状も宛先人不明で戻ってきていました。

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式当日、吟子の兄・庄平は支度部屋で花嫁姿の小春を見て、もう涙ぐんでいます。
和やかに、穏やかに、披露宴が始まりました。
と、そこへ
羽織袴の鉄郎が。

一瞬かたまる庄平、吟子。
「酒は飲むな!」と兄・庄平に釘を刺され、鉄郎は宴の席につきますが
酒を目の前にして我慢のできるはずもなく、一気飲みをするは
マイクを独占して浪曲をうなるは、テーブルをひっくりかえすは、披露宴は大荒れ。
吟子と庄平は新郎両親の家まで怒られに行きます。

この鉄郎、子どもの頃から学校でタバコを吸ったり、万引きしたりの問題児。
学校や警察へ頭を下げて迎えに行くのはいつも姉の吟子の役目でした。
「もうあなたのために謝りに行くのはいやよ」と言いながら
今回も大阪までの新幹線代を手渡す吟子。

一方、小春は婚家を飛び出してきました。鉄郎の一件が影響したのは確かでしょう。
再び女三人の静かな日々が始まりました。

ある夏の日、薬局に鉄郎の恋人と名乗る女が現れます。
鉄郎直筆の借用書を見せ
「鉄郎さんと連絡が取れないので少しでいいから返してもらえまへんか」
と頭を下げます。
吟子は薬局改築のために貯めていた貯金をすべてひきだし、女に差し出します。

ほどなく上京してきた鉄郎に絶縁を言い渡す吟子。
しかし、去っていく鉄郎のやつれた姿が心にひっかかるのでした…

披露宴で鉄郎が繰り広げる傍若無人なふるまいに「やばいぞ、これは」と。
「渥美清なら、もっと洒脱に演じただろうなぁ」とないものねだりもしましたが
怒らせたり、笑わせたり、泣かせたり、また、笑わせたり、と
名匠の作品は安心して観ていられます。このわかりきったパターンがうれしい。

うまい脇役たちのお約束のくすぐり的笑わせ。
鶴瓶のできそこないの福笑いのようなあの笑顔とコテコテの大阪弁。
吉永小百合が演じるまじめで上品な吟子さん。
吟子さんが鉄郎につられて、時々話す大阪弁がご愛嬌です。
約束通りの泣かせとくすぐりにホッとする映画。

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作家性の高い映画もいいけれど、伝統芸のようなこういう映画も楽しめる日本っていいな、
と思ったのでありました。

おとうと
監督/山田洋次、脚本/山田洋次、平松恵美子
出演
高野吟子/吉永小百合、丹野哲郎/笑福亭鶴瓶、高野小春/蒼井優、長田亨/加瀬亮、丹野庄平/小林稔侍、高野絹代/加藤治子、丸山/笹野高史、遠藤/森本レオ、小宮山進/小日向文世、小宮山千秋/石田ゆり子
2010年1月30日(土)ロードショー
カラー、2時間6分、制作・配給/松竹株式会社
www.ototo-movie.jp

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by mtonosama | 2009-12-08 05:04 | Comments(16)
Commented by Tsugumi at 2009-12-08 08:49 x
実は・・・日本大好きなだんな様寅さんとか釣りばかとか好きなんですよ。。。。

でも私は今いち(苦笑)

今度だんな様と一緒に見に行ってみようかな。。。。
Commented by すっとこ at 2009-12-08 09:46 x
なんでだかわかんないんですが
吉永小百合の出る最近の映画は
・・・理解でけへんのや。

”北の零年”ってのもわからんかったし
あとは・・・見てないやんけ。
なんでだろ。綺麗過ぎるのかな。

加藤治子は好きでおま。
義母って誰やろ思うて見よりましたらこん人の
名前がありましてな、もしかこの人が義母かいな。

んなら観に行こか。
笑わしてもろて泣かしてもろて
「あ~映画っってええもんやなあ」思わせてもらいまひょか。

Commented by mtonosama at 2009-12-08 10:20
Tsugumiさん

え~~!?
だんな様、日本語の映画もご覧になっていらしたのですね。
それも、「寅さん」そして「釣りバカ」!

釣りバカももう終わってしまうし、だんな様、お寂しいですね。
そりゃ、もう、ぜひ一緒にいらしてください(^^ゞ
Commented by mtonosama at 2009-12-08 10:25
すっとこはん

加藤治子、おもしろおすえ。
ほんの少し頭の中に春風が吹いてるお年頃のお姑さんを演じて
おられましたが、おもろかったわぁ。

小百合さんは本当にいつまで経っても若いし、きれいやなぁ。

観にいってや。
あ、飛行機の中でやるかもしれへんで。

大阪弁か、京都弁かどっちやねん。
もう無茶苦茶でござりますがな。
Commented by ライスケーキ at 2009-12-08 19:56 x
吉永さんいつまでも お綺麗ですね。 土台が良い上に努力もしてるしお金もかけているんだろうな。 こちら、土台が崩れかけている上に努力なしお金なしで 最近自分の写真を見るのも恐ろしいです。 グスン・・・。   「寅さん」好きだったな。 これは夫も好きで夫婦2人で見に行ける数少ない作品の一つでした。  これも2人で見に行けそう。  近場で上映したら見に行きます。
 
Commented by mtonosama at 2009-12-08 20:42
ライスケーキさん

吉永小百合と同じ誕生日ということだけが
彼女との唯一の共通点の殿です。
あ、あと、水泳か。
でも彼女のように1年365キロメートル泳ぐというのは無理です。
あ~あ。
Commented by Tugumi at 2009-12-09 08:58 x
うちのだんな様私が日本映画みたいといえば絶対Noとは言いません。。。

でもそれがちょっとプレッシャーなんですよ。。。

これDVDでて英語字幕付きで見ようかな(苦笑)
でもね、うちのだんな様英語字幕付きの映画だと眠っちゃうのよね。。。。
Commented by mtonosama at 2009-12-09 10:12
Tsugumiさん
寅さんとか釣りバカって英語の吹き替えもあるのでしょうか?
「ちょろちょろ流れるお茶の水、粋な姐さん、立ち○○」
は英語ではなんて言うのかなぁ…
Commented by ひざ小僧 at 2009-12-10 15:29 x
 たとえば、姉役がききキリン(漢字が頭に浮かばない)だったらどうでしょう。鶴瓶とバランスがとれて違和感がないんじゃないかな。
 市川作品が頭にあるせいか、同じタイトルで3人きょうだいという設定というのも抵抗があります。
 吉永小百合は「細雪」の雪子が良かったなあ。現実離れしている役じゃないとムズカシイのかな、もはや。
Commented by mtonosama at 2009-12-10 22:03
ひざ小僧さん

きききりん(樹木希林だっけ?)と鶴瓶だと
なまら似過ぎるんでないかい?

吉永小百合はやっぱ「キューポラのある町」!
って、ちっと古すぎるか。
あの頃は小百合さん、お顔がぱんぱんに丸かったね。
Commented by Tugumi at 2009-12-11 10:38 x
最近邦画DVD英語字幕のある映画結構あります。。

ウォーターボーイズとか他にもいろいろあります。

でもうちのだんな様ハリウッド映画と違って中身全然知りませんから隣見ると眠っていること多々。。。

やっぱり私が洋画一緒に見たほうが楽しめます。。

もちろん字幕付きで(爆)
Commented by mtonosama at 2009-12-11 11:05
なるほど(笑い)
でも、「釣りバカ」と「寅さん」は中身を知らなくても
英国人でも楽しんでご覧になれるのですね。
いいですねぇ♪
Commented by 寅二郎 at 2009-12-13 01:23 x
映画オンチの寅二郎ですが、
何かコメントしたくて調べていたら、
音楽家の富田勲との仕事が少なくないんですね、
山田洋次監督は。
本作の音楽も、そうみたいで。
富田勲氏といえば、YMO世代の寅二郎には、
シンセサイザーのマエストロとして、
かなり強烈な印象があります。
新世界紀行の音楽が好きです♪ 
本作の音楽はいかがでしたか?
Commented by mtonosama at 2009-12-13 07:10
寅二郎さん、いやさ、寅さん(笑い)
わざわざ調べていただいてありがとうございます。

殿は映画を観ていると(ミュージカルは別ですが)
音楽が聞こえなくなってしまいます。

音楽が作品より前に出てきて「俺だよ、おれ、おれ」とやるのは
どうも…と思っています。
で、「おとうと」ですが、
富田勲とは全然気づきませんでした(苦笑)。

それを思うと映画音楽担当者って
本当に縁の下の力持ちですよね。
後からしみじみ思うものですものね。
Commented by hanahanaup at 2009-12-16 17:35
またツルベ!?といいたくなるぐらい、
売れてますねーーー!最近ノリまくってる感じですね。
ディア・ドクターみてから、役者として、いいなーと思いました。
実はわたし山田作品見たことないんです。
そんな自分に、日本人として、引け目を感じます。笑

配役をみると、ツボ押さえていますよね。
蒼井ゆうや、加瀬亮なんて!
以前何かのインタビューで、吉永さんと仲良くなったツルベさんが、
大のサユリストであるタモリさんに自慢したら、激怒されて、
しょうがないから、食事会をセッティングしたと読みました。笑
いろいろ楽しめそうな映画ですね!


Commented by mtonosama at 2009-12-16 18:33
hanaさん

まあ、日本人として引け目を感じることはないと思いますが。

鶴瓶ね。この映画のために随分ダイエットしたんですって。
ディア・ドクターではお医者さんでしたが、
今回は患者さん。ほんとに映画づいてます。

それにしても、加瀬亮って、こういうwarm at heart系の映画には
欠かせないですね。めっちゃ草食男子ですもん(笑い)。