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殿様の試写室

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海の沈黙 -1- Le Silence de la mer

海の沈黙  -1-
Le Silence de la mer

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© 1948 GAUMONT

レジスタンス――抵抗運動。特に第二次大戦中のフランスにおける対独抵抗運動を指す。 (「広辞苑」)
記憶と歴史のかなたに飛んでいってしまった言葉です…

しかし、分厚い記憶の地層を掘り起こしていくと

墨のように黒い地下水道の中を、身体を屈め、
その視線の先にある仄明るい光に向かって進むパルチザン(*)の
緊張した白い顔が、昭和の映画館の雰囲気とともに、浮かび上がってきます。
(*)労働者・農民などで組織された非正規軍

映像の記憶が、なつかしい湿り気とともに白から黒へのグラデーションで色分けされて
浮上してくるのも、モノクローム映画の持つ魅力のひとつですね。

フランスは善玉で、ドイツは悪玉。
レジスタンス映画ほど黒白はっきりしたものはないし
その昔、どこかの名画座で観たときも、パルチザンに肩入れ---
というより、パルチザンになりきって、観ていたような記憶があります。

それから幾星霜。
昔の元気が影をひそめる昨今では
ナチの兵士にも個人的には良い人だっていたんだろうなぁ、と思うようになりました。
みんながみんな、ゴリゴリのファシストだったわけではないでしょう、と。

ま、それは元気がないというよりは大人になったということにしておきます。

第2次世界大戦終了後、ヨーロッパでは
物資も資金も人も少ない時代に、すぐれたレジスタンス映画がいくつもつくられました。
多くの犠牲を払い、歳月を費やして闘ってきたレジスタンスの日々を
遺しておきたいと考えるのは必然です。
フィルムの不足、限られた予算、何よりも、俳優はじめ多くの映画関係者たちも
戦禍に飲み込まれていたでしょう。

そんな中で作られた作品は、すばらしい芸術であり、歴史の大いなる遺産です。

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戦争が終わって65年。
制作後、半世紀を超えるこれらの作品がデジタル処理を施され、
再度、登場のときを待っています。

そして

あの岩波ホールが「名作映画は普遍的なものであり、映画を通して時代と文化を考える」
という高邁なヴィジョンのもと
今年から、旧作も含めた上映プログラムを立てていくことになったのだそうです。

その第1回が「抵抗と人間」をテーマにしたレジスタンス映画です。
岩波ホールでは「海の沈黙」(‘47 仏)と「抵抗」(’56 仏)の2作品が連続上映されます。

さあ、前説はここまで。
当試写室、次回は「海の沈黙」を上映いたします。
上映まで、しばしのお待ちを。

To be continued.

海の沈黙 デジタルリマスター版
監督・脚本/ジャン=ピエール・メルヴィル、原作/ジャン・ヴェルコール、撮影/アンリ・ドカ、
音楽/エドガー・ビショフ、製作/ピエール・ブロンベルジェ、製作主任/エドモン・ヴァクスレール、製作総指揮/マルセル・カルティエ
出演
ハワード・ヴェルノン/ヴェルナー・フォン・エーブルナック、二コル・ステファーヌ/姪、ジャン=マリー・ロバン/叔父
2月20日(土)より、岩波ホール他でロードショー
1947年、86分、モノクロ、フランス映画、配給/クレストインターナショナル
公式サイト:http://www.crest-inter.co.jp/selection/index.html


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♡1月22日更新しました。いつも応援ありがとうございます♡
by mtonosama | 2010-01-22 06:08 | Comments(7)
Commented by すっとこ at 2010-01-22 08:03 x
うわぁぁぁぁぁぁああああああああああああああ
なんと自分が産まれる前の映画だぁぁぁぁあああああああああ!

優しい殿様、今回は未公開映画でないから
ストーリー最後まで「是非」語って聞かせてくださいましね。
だってだって・・・この後どーなんのよーーーーーーっ
って欲求不満になっちゃうですもん。

クリック「是非!」ということで モノクロオサレなバナー、
クリックさせていただきやした。
Commented by mtonosama at 2010-01-22 09:05
♡すっとこさん

うわぁぁぁぁぁぁあああ
はぁ、はぁ、息が切れて絶叫続きません。

この作品はメルヴィル監督の処女作なんだって。
メルヴィル監督はその後「サムライ」(’67)とか「仁義」(’70)とかの暗黒街を舞台にしたフィルム・ノワール(なんかフランス語って響きが
かっこええなぁ)の作品をたくさん作りました。
あ、ゴダールの「勝手にしやがれ」では空港でインタビューされる
作家役で俳優として登場してるんですよ。

フィルム・ノワールの監督がこのように静謐なレジスタンス映画を
作ってるなんて、感動します。

ストーリーねぇ。どうしよっかなぁ。

そして、クリックありがとうございました。
Commented by ライスケーキ at 2010-01-22 09:28 x
わぁ、崇高ですねぇ。 昔の映画好きです。              歴史を語り歴史を作るような。
こういう作品こそ映画館でじっくり観たいです。
映画館の近いところに引っ越すしかないね。  
Commented by mtonosama at 2010-01-22 09:34
♡ライスケーキさん

岩波ホールへ行って、ついでに神保町で古本あさりしたら
交通費も無駄にならなくていいと思いますよぉ♪

しかし、東京まで遠いよねぇ。
Commented by mtonosama at 2010-01-22 09:37

殿のひとりごと

メルヴィル監督が、あの時代、とらざるを得なかった自主制作、
低予算、ロケ撮影、無名キャスト、少人数スタッフという撮影方法。
それが後のヌーヴェル・ヴァーグに先んじたものだとして
監督はヌーヴェル・ヴァーグの父とも呼ばれています。

でも、彼は
「ヌーヴェル・ヴァーグは経済的に映画を撮るためのひとつの方法に
過ぎないよ」とクールに応えていたそうですが。
Commented by Tsugumi at 2010-01-24 10:19 x
岩波ホールは学生のころから近いのに遠い存在。。。

まだ近くは通ったことあっても一度も足を踏み入れたことがないのです。。

きっと昔から岩波新書って難解・・ってイメージが私の弱いおつむにインプットされているからかも。。全然関係ないですけどね(爆)
Commented by mtonosama at 2010-01-24 16:46
♡Tsugumiさん

たしかに…
岩波ホールは入りにくい、
とうのはわかるような気がします。

でも、岩波ホールの中には
岩波新書や岩波文庫も置いてないので(笑い)、
ぜひ一歩、足をふみいれてください。
そして、早起きブログに、岩波ホール発神保町ウォーキングを
アップしてくださいませ<(_ _)>