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殿様の試写室

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掌の小説 -1-

掌の小説 -1-  

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                  ©「掌の小説」製作委員会

昨年来、日本の文芸作品がたくさん映画化されています。
昨年は社会現象や流行語にもなった小林多喜二「蟹工船」。
生誕100周年を迎えた太宰治の「ヴィヨンの妻」。
今年も太宰治「人間失格」、川端康成の本作「掌の小説」
芥川龍之介「トロッコ」そして村上春樹「ノルウェイの森」と続いています。

「ノルウェイの森」はキャストも発表され、今秋公開の予定です。
ちなみに主人公ワタナベ役は松山ケンイチ、直子役は菊池凛子だとか。
読んだ人が多い小説なだけにそれぞれ思い入れも深く
このキャスティングにはいろいろな意見がありそうですね。
監督がベトナム出身のトラン・アン・ユンだけにちょっと意外な配役でした。

いえいえ、今回は「ノルウェイの森」は関係ありません。
恥ずかしながら、ちょっと熱くなってしまった殿ですが
おなじみの小説が映画化されるのって、緊張します。
お気に入りの作家の、それも、好きな作品だったりすると
映画化によってイメージが変わってしまうのって、絶対イヤですよね。
殿の最大ガッカリは江戸川乱歩小説の映画化作品です。
(あ、でも、乱歩の「芋虫」を原案にした若松孝二監督の「キャタピラ」は観てみたいですが)

いけない、いけない。話がそれてしまいました。
「掌の小説」です。川端康成です。

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「掌の小説」
川端が40年余にわたって書き続けてきた作品集で、話の長さは短いもので2ページほど、長いものでも10ページに満たない122編の短編小説を収録したもの。

本人は「この巻の作品の大半は二十代に書いた。多くの文学者が若い頃に詩を書くが、私は詩の代りに掌の小説を書いたのであったろう。無理にこしらえた作もあるけれども、またおのずから流れ出たよい作も少くない。今日から見ると、この巻を『僕の標本室』とするには不満はあっても、若い日の詩精神はかなり生きていると思う」と評しています。(WIKIPEDIAより)

かなりの自己評価ですね。でも、12年後に出された全集ではこれを覆し
「わたしの歩みは間違っていた」と自己嫌悪を述べているそうですが。

川端康成といえばノーベル文学賞受賞作家
あるいは「伊豆の踊り子」「雪国」の作者というように日本を代表する作家です。
映画化された作品も多いですよね。

f0165567_5263572.jpgところが、この作家ほど本人のイメージと作品が違う人っていないんじゃないでしょうか。
殿なんて、川端康成の「眠れる美女」を読んだとき、そのじっとりとしたエロティシズムにびっくりしました。
「眠れる美女」は2005年ドイツで映画化され、ヴァディム・グロウナが監督、製作、脚本、主演をこなしましたが、いやぁ、まいりました。
小説も映画も、あのぎょろりとした目の大先生という川端の風貌とエロティックな老人愛がどうしても結びつかず当惑したものです。

文芸作品の映画化は監督の思い入れの激しさみたいなものにがっかりというか、ちょっとひいてしまう部分もあるものです。


しかし
時代の空気を描きだすことを大切にした4人の監督の映像には
おおげさなものがなく、川端康成の「詩精神」が漂っていました。

あ、そうなんです。
この映画は「笑わぬ男」「有難う」「日本人アンナ」「不死」という4作を
4人の監督がオムニバス形式で綴ったものです。

というところで、4話のご紹介は次回までお待ちください。乞うご期待であります。

To be continued.

「掌の小説」
監督/坪川拓史、三宅伸行、岸本司、高橋雄弥、原作/川端康成(新潮文庫)、プロデューサー/浅野博貴、坪川拓史、小林洋一、撮影/板垣幸秀、八重樫肇春、主題歌/「四季」Kagrra(KINGRECORDS)
出演
吹越満、夏生ゆうな/寉岡萌希、中村麻美、長谷川朝晴/福士誠治、清宮リザ、菜葉菜/香椎由宇、奥村公延
3月27日(土)より、ユーロスペースにてモーニング&レイトショー 他全国順次公開予定
2010年、日本、80分、カラー&モノクロ、配給/エースデュース、配給協力/グアパ・グアポ、www.tenohira-kawabata.com/


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♡3月7日に更新しました。いつも応援ありがとうございます♡
by mtonosama | 2010-03-07 05:57 | 映画 | Comments(10)
Commented by Tsugumi at 2010-03-07 06:55 x
殿様相変わらずの博学ぶりに脱帽です。

ノルウェーの森3度ほど挑戦したのですがいまだかつて読み終えてません(苦笑) 映画なら理解できるかなl。。

キャタピラは乱歩の「芋虫」を原案ですか。。
若いころ芋虫読んだときの衝撃はすごかったです。。
怖いもの見たさで私も見てみたいかも。。
Commented by mtonosama at 2010-03-07 08:43
♡Tsugumiさん

「ノルウェーの森」もう一回読もうと、本箱探したら
行方不明になってました。
まったくだらしがなくて嫌になります(涙)。

「芋虫」すごかったですよね。
昔、「ジョニーは戦場へ行った」という映画がありましたが、
これも「芋虫」でした。
Commented by すっとこ at 2010-03-07 09:21 x
ぁららららららららあららららららっらら

今、どういうわけか
芥川の短編を読み返していたとこでした。

川端の書籍が手元になくって
・・・でも読み返したくなっちゃいますね。
このお方、本当にギョロ目。

自分の人生の幕を自ら引いたというニュースには
日本列島に衝撃が走りました。

うう、殿様の続編が待たれますぅ。

Commented by mtonosama at 2010-03-07 10:43
♡すっとこさん

あらまぁ、芥川ですか。
殿は中学のとき、ためていたお年玉で芥川全集を買い揃え、
●十年経った今も、引っ張り出しては読んでます。
芥川 い・の・ち です。

川端康成は吉永小百合や山口百恵という健康優良優等生
達が演じた「伊豆の踊り子」のイメージが強すぎて、ネ。
たまに読んだ「眠れる美女」は超老人愛で、これまた、ネ。

「掌の小説」は面白そうです。
Commented by ライスケーキ at 2010-03-07 14:49 x
皆さん良く本を読んでますね。 私は川端さんと言うと 伊豆の踊り子 雪国 だけです。 殿様の続編 期待してまぁーす。
Commented by mtonosama at 2010-03-07 19:59
♡ライスケーキさん

[伊豆の踊り子]よりも石川さゆりの「浄蓮の滝」が
頭に浮かぶ私って…
Commented by すっとこ at 2010-03-07 21:55 x
石川さゆり♪天城越え♪ですね。

「ハなたっと~
 こえったい~
 ハッまぎぃーごぉぉえ~」
Commented by mtonosama at 2010-03-08 05:48
♡すっとこさん

ハッ、間違えた。すっとこさん、訂正ありがと♡
Commented by ひざ小僧 at 2010-03-09 10:12 x
ほんとに知ってるようで知らない作家ですよね、川端康成(現存する作家なら大江健三郎あたり)。
その昔、名作は盛んに少女漫画化されましたっけ。古都とかたけくらべとか、「りぼん」の付録についてたりしてね。
Commented by mtonosama at 2010-03-09 10:21
♡ひざ小僧さん

そうですね。あと、谷崎潤一郎あたりも読みませんよね。

「りぼん」かぁ。懐かしい♡ そうそう、明治時代の話なのに
主人公は瞳に星が入った美少女なんだよね。