ブログトップ | ログイン

殿様の試写室

mtonosama.exblog.jp

殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

ザ・コーヴ -2- THE COVE

ザ・コ―ヴ -2-
THE COVE

f0165567_4404691.jpg


(c)OCEANIC PRESERVATION SOCIETY. ALL RIGHTS RESERVED.

日本では、映画の舞台となった和歌山県太地町のほか
静岡県伊豆半島の富戸でも、イルカの追い込み漁が行われています。

伊東市出身の知人は「スーパーでイルカ肉を売っていた」と言いますし
〈イルカ料理〉で検索すると、出てくる、出てくる!
「イルカ味噌煮」「イルカステーキ」「イルカたれ焼き」などなど。
本当にイルカを食べていました。
ところ変われば、品変わる――です。

イルカを食べることを知らない地域に育った人や、欧米人にとっては
かなりビックリですが、食文化として定着している地域があるのは事実でした。

f0165567_4421717.jpg


「ザ・コーヴ」で太地町の漁師さんを悪役に仕立てたスタッフたちは
太地町の町民や漁師たちの意見にも耳を傾けたのでしょうか。

ストーリー
60年代「わんぱくフリッパー」の調教師として活躍し
今は世界中でイルカ解放運動の活動をするリック・オバリー。
彼は日本で行われているイルカ漁をやめさせたいという強い思いで
和歌山県太地町へやってきた。
太地は400年にわたる捕鯨の歴史を持つ町である。

オバリーの情熱に導かれるように
イルカ保護に共感するスタッフが続々と太地に到着。
太地町に着いた監督のルイ・シホヨスは
オバリーがマスクや帽子で顔を隠していることに不審をいだく。
だが、シホヨス監督自身、太地町内で常に数台の車に尾行されているのを知り
オバリーの変装の理由を理解する。
ある日、彼らは太地町の海岸で行われているショー用のイルカの捕獲を目撃。
それは海岸に行けば、誰でも見物できるのだが
実はその入り江のさらに奥、鎖や鉄条網で守られた入り江で
町の人も知らない秘密のイルカ漁が行われていたのだ…

よくあるB級映画の筋書きのようですね。

映画はさらにIWC(International Whaling Commission/国際捕鯨委員会)で
調査捕鯨の正当性を語る日本側の発言を批判し
ロンドンで開かれた反捕鯨集会で、クジラの悲しい鳴き声を大音量で流し
捕鯨がいかに野蛮であるかと口々に訴える人々の様子を映し出しています。
そこでは興奮した市民が日の丸を燃やしています。
日本でも、銀座を歩く人々にマイクを向けて
「え、イルカを食べるの?」「知らなかったわぁ」
などというコメントも取っています。

でも、長年クジラ漁、イルカ漁に従事してきた太地の漁師さんたちに
マイクが向けられることはありませんでした。
後でモザイクをいれたという漁師たちの映像は
「写真撮るな!」とか「帰れ!」とすごんでいるものばかり。

f0165567_4415085.jpg


リック・オバリーさんやスタッフは
「なぜイルカ漁をするのか?」と冷静な取材をしたのでしょうか。
クジラ漁400年の歴史を持つ太地の漁師にとって
アメリカ人から「金を出すからイルカを殺すな」といきなり言われて
「はい、お説の通りです。やめましょう」
と身をひくわけにはいかないでしょう。
こういう取材って地元になじみ、じっくりと話を聞きつつ
了解点を見出していくというのが基本のはず。

この映画
「自分たちこそ、正義の味方だ」
「賢いイルカを残虐な方法で殺すことは許せない」
という《上から目線》でイルカ漁関係者に接しているようで、すごく気になります。
ハリウッド映画お得意の〈イルカを愛する文明人〉と〈イルカを殺す野蛮人〉という
勧善懲悪ものになっています。
エンタテインメントってことでしょうが、一方的に悪者にされるのってイヤな感じです。

リック・オバリーさんは
「私たちは人道的な視点からのみイルカを食べることに反対しているのではない」
と言います。
「食物連鎖の頂点に位置するイルカの体内には水銀が蓄積している――
このこともイルカ漁に反対する理由です」。
なるほど、これは今日的な問題です。
たしかに、沿岸に生息するイルカの体内に蓄積された水銀量は400年前とは
比べ物にならないほど高濃度にのぼっているでしょう。

ご指摘いただき、ありがとうございます。
リックさんにご心配いただくまでもなく
私たちは水俣病のもたらした悲惨な状況を知っております。
国民の健康のため、厚生労働省や水産庁にしっかり調べていただきましょう。

と、ブツブツ言いながら、映画はラストへ向かいます。
入り江全体が殺されたイルカの血で真っ赤に染まっていくシーンは
心優しい我々には見るに堪えないものであると同時に
彼らの撮りたかったのはまさにこれだったのだ、と納得できます。

これを撮りたいがために、ハリウッド映画技術の粋をこらした隠し撮りをしたわけですね。

しかし、ここまで日本を悪者にして描かれると
「攘夷ぜよ」と叫びたくなってしまいます(オイ、オイ)。
シー・シェパードがしつこく日本の調査捕鯨船を追い回す理由も
「ザ・コーヴ」を見て、よーくわかりました。

イルカは人間より大きな脳を持っていて賢いから殺してはいけないと
いうのがこの映画の底流としてありますが
ならば、他の頭の悪い動物(人間も含め)なら殺していいのですかねぇ。
イルカにせよ、クジラにせよ、牛にせよ、豚にせよ、マグロにせよ
人間は彼らの死によって、生かしていただいているんですけど。

「ザ・コーヴ」のスタッフの皆さんに提案です。
この次は、皆さんを生かしてくれるあらゆる生き物
牛や豚、羊、鶏の屠殺から解体、そして食するまでを映画にしてみませんか?

屠殺現場の隠し撮り、すごいシーンになるでしょうね。

ザ・コーヴ
監督/ルイ・シホヨス、プロデューサー/フィッシャー・スティーヴンス、ポーラ・デュプレ・ペスマン、エグゼクティブプロデューサー/ジム・クラーク、編集/ジェフリー・リッチマン、キャクホン/マーク・モンロー、共同プロデューサー/オリビア・アネマン、音楽/ジェイ・ラルフ
出演
ルイ・シホヨス、リック・オバリー、サイモン・ハッチンズ、チャールズ・ハンブルトン、ジョー・チズルム、マンディ=レイ・クルークシャンク、カーク・クラック
6月26日(土)、シアターN渋谷他全国ロードショー
2009年、アメリカ映画、91分、提供/メダリオンメディア、配給/アンプラグド
http://thecove-2010.com/


ブログランキングに参加しています。
今日もポチッとお願いします。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
にほんブログ村 映画ブログ 新作映画・試写会へ
にほんブログ村
♡4月3日に更新しました。いつも応援ありがとうございます♡
by mtonosama | 2010-04-03 05:05 | 映画 | Comments(10)
Commented by すっとこ at 2010-04-03 10:51 x
いやあ、胸のすく思いの殿様節!
ほんまにその通りや!!
豚や羊や牛の屠殺現場に隠しカメラと隠しマイク
をとりつけたら
いったいどれだけの悲鳴が響き渡ることやら。

つぶらな子牛や子ヒツジのいたいけな瞳、長いまつげ
のショットにかぶせて彼らの皮を剥がされたつりさげられた姿を見せて欲しいものだわ。

シーシェパードは日本じゃないどっかの国(えーと)
にも捕鯨邪魔しに行って半殺しの目に合わされたということで。
それからは大人しい日本人ばかりを狙ってるらしい。
クヤシーーーっ!!

なんだか釈然としない映画。ぷんっ。

Commented by mtonosama at 2010-04-03 11:18
♡すっとこさん

ほんまや、ほんまや。ぷんっ、ぷんっ。

日本人も言うこと言うたらんといけまへんわなぁ。

岩にしか見えないセットつくって、そこにカメラやマイク隠して
やることが姑息でんがな。
Commented by 寅二郎 at 2010-04-03 11:38 x
前記事へのコメントの続きです。

件の料理屋さんでのエピソード、続きがありまして、鯨カツの次に、うねすという部位の刺身(色が紅白)を頼んだんです。したらば、皿を一瞥した白人の彼が、“more cruel food なんとかなんとか…”ってつぶやいたんですよ。英語の苦手な寅二郎は「クルーエル」ってどんな意味だっけ? と思い、あとで英語のできる連れにたずねたら「“残酷な”だよ」と。がびょーん! ま、こんな店に来るんだから、ある程度日本の食文化に理解がある人だとは思うんですけどね。

さて、どうなんでしょうね。頭の悪い(本当に?)家畜ならいくら屠ってもよいのでしょうか。このあたり、人と自然、人と動物、に関する文化論が潜んでいて、僕の専門(?)でもある地域猫問題にも実は遠くないテーマでもあり、考え込んでしまうのです。

中国の広州には、ニャンコ専門店(ペットショップではありません)が、つい最近まで存在しました。しかし、中国の人を非難するつもりは1ミクロンもありませんし、中国の食文化全般に対して最大級の尊敬の念を抱いています。寅二郎は、このスタンスを貫こうと思います。

長文、失礼いたしました。
Commented by mtonosama at 2010-04-03 13:19
♡寅二郎さん

クジラの刺身があるのですか!?知りませんでした。
cruelといえば
昔♪the cruel war is raging,Jonny has to fight♪
という歌がありました。
あ、すいません。急に思い出したもので。

猫専門店って(絶句)
いくら四本足はテーブル以外なら
なんでも食べるというお国柄とはいえ…


だから、中国で猫を見なかったのか。
ショック。

しかし、殿も寅二郎さんと同意見です。
蛇もモルモットもあえて食べたくはありませんが、その風土にあった
食物として愛されている以上、一切ケチなどつけますまい。
Commented by Tsugumi at 2010-04-04 04:53 x
「自分たちこそ、正義の味方だ」

そのおごりが許せない~~~!

地球環境や温暖化などストリクトに考えると人間はこの地球に人間は生きてゆけませんよね。。

すみません・・私あまり地球のこと考えて生きていません(苦笑)

これはいろんな本や情報によった私の考えですけど。。。

地球は自ら浄化作用を持ってる惑星で・・・そのうち氷河期のような時代がいつか訪れると思っています。。

でも明日や明後日じゃないのよね。。

多分私が生きているうちは来ないと思う。。

何か大げさになっちゃいました(爆)

多分この映画は見に行かないと思います。

だって殿様のプレビューでしっかり内容把握しましたもの(爆)
Commented by mtonosama at 2010-04-04 09:04
♡Tsugumiさん

この映画が良い映画だとは思わないけど
自分が日本人だから腹が立つのか
イルカが可愛いから怒れるのか
アメリカ人が独善的だから腹立ててるのか
イルカをひどい殺し方するから怒っているのか

腹を立てつつ、いろいろ考えました。
一聞は一見にしかず。
(なんて言っちゃうと、映画紹介も無意味ですけど^_^;)

ぜひ、だんな様と一緒にご覧になってくださいな(英語ですし)。
親日派のだんな様、英国人としてどうお感じになるか、
訊いてみたいです♪
Commented by ライスケーキ at 2010-04-04 16:13 x
豚 羊 牛 家畜たちは食べるために飼育しているから
殺すことにあまり罪の意識がないのかな。
もちろん人間の勝手だけれど。
子どもに可愛そうな家畜さん達の話をしたら 肉を絶対に食べなく
なったって。 人類皆ベジタリアンにならなくてはいけません。
しかし、何でこれがアカデミー賞なのか 理解できない。
まぁ、理解できない受賞作がたくさんあるけどね。
所詮 アメリカの賞なんでしょうね。  
Commented by mtonosama at 2010-04-04 18:00
♡ライスケーキさん

ルイ・シホヨス監督はベジタリアンなんだそうです。

でも、野菜だけじゃ力出ないしねぇ。

魚だって自分じゃさばかない時代なんだから、
お肉も最初っからケースに入って工場で作られてると
思ってる人がいるかもしれないね。

野菜も、生えてるものをひっこぬいて食べてるのだし、
魚だって、お肉だって、殺して食べてるわけだから、
所詮、人間は罪作りな存在ですよね。
せめて「いただきます」と手を合わせて感謝して食べましょう♪

ベジタリアンならぬオバタリアン(古いなぁ)は
真面目にそう思います。
Commented by ふん at 2010-06-17 01:27 x
私もこの映画のことを知ってとても憤りを感じました。
この監督、頭おかしいんではないかと思います。
自国、アメリカが行っている捕鯨については認識しているのでしょうか。アメリカとロシアが北極で行っているザトウクジラの捕鯨の数はは日本が行っている捕鯨の数よりもはるかに多いという事実があります。
そして、監督の気になるコメントが、イルカ漁を行ってはいけない理由がイルカは知能の高い哺乳類だからというものです。
信じられません。
では、牛や豚などの知能の低い家畜は殺していいんですか。
あなたはその家畜や魚介類を食べて生きてきたのではないですか。
牛や豚は知能が低い、イルカは知能が高い、だからなんなんですか。
同じ命に変わりはないんじゃないですか。
映画で太地町のイルカ漁の様子、真っ赤な血の海が撮影されていますが、そういう残虐に見える部分だけをいかにも日本人は残虐なやり方でイルカを大量に殺しているんだと映す。大声を張り上げ、乱暴な口調で取材スタッフを追い払おうとする日本人を映す。残虐に見える部分だけを映し、人々の共感や同情を得ようとする。
これで数々の賞を受賞?
笑わせないでほしい。私は怒りで震えました。絶対に許せません。
Commented by mtonosama at 2010-06-17 05:39
♪ふんさん

コメントありがとうございます。

私もこの映画を見て、怒ってました。

最初に”イルカを殺す残酷な日本人”という編集方針ありきで
撮っている映画です。
捕鯨委員会で発言する日本人委員を愚弄する態度も
頭にきました。

世界の警察官、世界の学級委員長のアメリカは
なぜ日本人が怒っているか、わからないんでしょうね。

アメリカが日本人をどう見てるか、知るためにも
上映中止処置をとらず、もっと多くの日本人がこの映画を見て、
怒りを表明した方がいいと思います。

臭いものに蓋をするのではなく、
多くの映画館で上映してほしいものです。