あの夏の子供たち -1- Le père de mes enfants
Le père de mes enfants
皆さまは映画をご覧になるとき、何を基準になさいますか?
1.好きな俳優が出ているから?
2.タイトルが気にいったから?
3.ひいきにしている監督の作品だから?
4.プロデューサーが気になるから?
5.「殿様の試写室」が紹介していたから?
(な~~んて、ちょっと言ってみたかっただけだからお気になさらないように)
4.も5.もあまり無いですよね。
しかし、本作「あの夏の子供たち」は普段あまり意識に上ることのない
映画プロデューサーが主人公。
配給会社、現像所など、いままでスクリーン上でお目にかかることのなかった
映画を影で支える人たちも登場しています。
この映画では、映画の舞台裏、家族の愛、不況に翻弄される経営者が描かれ、
実在のプロデューサーがモデルになっています。
「なぜ、そこまで…」と思わせるほど
映画が好きで好きでたまらないプロデューサーのグレゴワール。
そんな彼を支えるスタッフと家族
他にも
芸術至上主義の監督、生活の悩みを訴える俳優、新作を持ち込む若い脚本家、
経営者が代替わりした現像所、製作された映画を劇場で上映するまで
公開劇場への営業、プリントの量産、宣伝活動を行う配給業者―-
これまでの映画ではあまり観たことのない映画界の舞台裏
それもインディ系(独立系)映画の舞台裏がこれでもかとばかりに登場します。
監督も「今までになかったんじゃないかしら」と言っているそうです。
本作が二作目となる監督・脚本を担当したのはミア・ハンセン=ラブ。
17歳で女優デビューした彼女は、その後22歳から25歳まで映画批評活動、
同時期に短編映画を監督。
さらに、監督、脚本家への道に進んだ根っからの映画人間です。
彼女の脚本家としての処女作「すべてが許される」(‘07仏)に着目したのが
アンベール・バルザンというプロデューサーでした。
そして、彼こそがこの映画のモデルであり、
彼と監督との出会いが
この映画を生み出すきっかけになったのです。
バルザンとの出会いは2004年初頭のこと。
しかし、彼は翌年2月に自殺してしまいました。
彼は死んでしまいましたが、「すべてが許される」は別の製作会社が引き継いで完成。
本作もその会社が製作しています。
プロデューサーというのは映画のために資金集めをし
映画完成に向けて、さまざまな条件を整える縁の下の力持ち。
本作の主人公も、こよなく映画を愛するインディ系映画のプロデューサーです。
監督や俳優の要求に耳を傾け、金策し、
良い脚本をみつけたら、どれほど金銭的に追い詰められていても、
なんとか世に送り出そうとする芸術の支援者であり、
同時に、製作会社という零細企業の経営者でもあります。
この映画の主人公だった映画プロデューサーのグレゴワールは
金策に行き詰まり、自殺してしまいます。
こんなご時世ですから、それは結構身につまされますが、
実は、映画はそれで終わらないし、それがテーマでもありません。
主人公だった――と過去形にしているのは、
プロデューサーの自殺が映画の終わりを意味しているのではないからです。
映画前半の主人公はプロデューサーである父親グレゴワールですが、
後半の主人公は彼の妻、そして娘たち。
監督も言っています。
「私は彼(アンベール・バルザン)への感謝の念から本作を書いたわけではないの。―-中略――
失敗や挫折に押し潰されてしまったとしても、(映画には)それを超えるものが残っています。
自殺は事実ではあるけれど、たった一つの真実ではないわ」
《亡きプロデューサーにオマージュをささげるためにこの映画を作りました…》
という映画ではどうもなさそうです。
さて、いったい、どんなストーリーなのでしょうか?
続きは後編で。乞御期待!
To be continued.
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♡4月18日に更新しました。いつも応援してくださり、本当にありがとうございます♡
あの夏の子供たち
監督、脚本/ミア・ハンセン=ラブ、撮影/パスカル・オフレー、録音/ヴァンサン・ヴァトゥ、オリヴィエ・ゴワナール、美術/マチュー・ムニュ、スクリプト/クレモンティーヌ・シェーファー、編集/マリオン・モニエ、キャスティング/エルザ・ファラオン、衣装/べトサベ・ドレフュス、ヘアメイク/ラファエル・ティエルスラン、製作監督/エレーヌ・バスティド、製作/レ・フィルム・ペレアス(フィリップ・マルタン、ダヴィッド・ティオン)、共同製作/27フィルム・プロダクション(オリヴィエ・ダミアン)、アルテ・フランス・シネマ、参加/文化・コミュニケーション省(国立映画センター)、カナル・プリュス、シネシネマ、フィルムフェルデルングスアンシュタルト
出演
キアラ・カゼッリ/シルヴィア・カンヴェル、ルイ=ド・ランクザン/グレゴワール・カンヴェル、アリス・ド・ランクザン/クレマンス・カンヴェル、エリック・エルモスニーノ/セルジュ、サンドリーヌ・デュマ/ヴァレリー、ドミニク・フロ/ベレニス
初夏、恵比寿ガーデンシネマ他全国順次ロードショー
2009年、110分、フランス、フランス語、提供・配給/クレストインターナショナル
http://www.anonatsu.jp/
土日は仕事帰り映画鑑賞の日にあてていたのですが。。。。
今のシチュエーションだと映画見るの難しそう。。。(涙)
これからDVDやブルーレー鑑賞が多くなりそうな予感。。
って見る時間あるのかなぁ(苦笑)
は・は~~~~<(_ _)>
なんと、ありがたいお言葉でございましょう。
ほんとに、これから忙しくなりますね。
昨日今日はいかがだったんでしょう?
GWに秩父パブ行きたいなって思っております。
もし、行けたら初対面ですね♪ よろしくですぅ♡
この映画も映画の裏がわかって面白そう。
次回期待しています。
な、なんと恭悦至極に存じますぅ~<(_ _)>
「龍馬伝」観た後なので、言葉が大時代になっていけませぬ(笑)
皆さまのお言葉に大きな責任を感じる昨日今日であります。
確かに、この映画、映画界の裏事情を垣間見ることができて、
映画界の皆様のご苦労をあらためて知ることができました。
恵比寿ガーデンシネマだし、時間をつくっておでかけください。