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殿様の試写室

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パリ20区、僕たちのクラス -2- Entre les murs

パリ20区、
僕たちのクラス
   -2-
Entre les murs

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                 © Haut et Court – France 2 Cinéma

学校を舞台にした映画って、どこか嘘っぽいものが多くないですか?
先生は生徒と一緒に熱く燃え、
子供たちは純真無垢でスポーツに青春をかける。

「先生、そんなに燃えていると暑苦しいです」
「スポーツが苦手な生徒たちだって多いです」

嘘っぽいと知っていながら、学校モノって、妙に魅かれるのは
やはり、多くの人にとっての共通体験だからでしょうか。

さて、フランスの学校は、どうでしょう。

ストーリー
フランソワーズ・ドルト中学校の新学期。
始業ベルが鳴って15分経ちましたが、誰も着席しないし、帽子はかぶったまま。
フランソワ先生が言い間違いをすると、
鬼の首でもとったように楽しげに指摘する生徒たち―――
この中学に来て4年目を迎える国語教師フランソワ先生の新学年が始まりました。

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この学校には様々な出身国の生徒たちがいます。
フランソワ先生は24人の生徒たちに正しく美しいフランス語を教えたい国語教師。
でも、生徒たちは
「おばあちゃんだって、そんな話し方しない」
「中世の話し方だ」
と逆らいます。

フランソワ先生は生徒たちに自己紹介文を書くように、という課題を出しました。
すると
「私たちの人生なんておもしろくありません」
「13歳の私たちに語ることなんかありません」
「学校に来て、帰って、食べて、寝るだけです」――-

「はい、クンバ、次を読んで」
「読みません」
は?教科書の朗読を拒否?
クンバは去年もフランソワ先生の受け持ちで、従順な生徒だったはずです。
授業後、「夏休みに何かあったのか?」と問うフランソワ先生に何も答えず、
反抗的な態度を崩さないクンバ。

彼女の自己紹介文には「先生とはもう話しません」とだけありました。
反抗的なスレイマンも「僕のことは僕にしかわかりません」とただ一言。
しかし、いつもふざけてばかりいるエスメラルダが「警察官になりたい」と、
成績優秀な中国人のウェイはうまく人と話せない悩みを正直に書いていました。

スレイマンは自己紹介文の書き直しを命じられます。
実は書くことが苦手なスレイマン。
自己紹介文の代わりに家族や友人の写真を持ってきて発表します。
フランソワ先生は「素晴らしい!」と賞讃。
最初はからかわれていると思っていたスレイマンも笑顔に変わっていきます。
しかし…

フランソワ先生は特に熱血漢というわけでもない普通の先生です。
この映画は、
ワルのスレイマンが先生と心を通わせて良い子になる、という話でもなければ、
反抗的なクンバが先生と仲直りして、めでたしめでたしという話でもありません。

良い子、悪い子、普通の子と枠にはめることもなく
24通りの13歳の学校生活や心の成長が描かれています。
そして、先生たちの「もう教えられない」と頭を抱えて悩む姿も。
「壁の内で」という原題のように、
教室という壁の中で悩み、学ぶ13歳の姿が生き生きとしていて、魅きつけられます。
みんなすごい演技力です!

映画の中で
「君たちの言葉が年長者に対する言葉としてふさわしくないから注意しているんだ」
という先生の言葉がとても心に残りました。

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いまどきの子どもたちに迎合するのでなく、
だからといって、教師として強権的な態度で生徒に臨むのではない―――
成熟したものを感じます。
大人は年長者として、若い人たちに伝えるべきことは伝えなくてはならないんですよね。
当たり前のことなのに、目からうろこが音を立ててはがれおちました。
さすがフランス!自由と平等と博愛の国です。

身体は大きくても、まだまだ迷い、悩む13歳。
こんなふうにビシッと言ってくれる年長者がいる、
そして、それが毎日接する教師であるということはとても幸せなことですね。
彼らもきっと素晴らしい大人になっていくのでしょう。

この映画が嘘っぽくないのは、
フランソワ先生の教師体験が生きているからだし、
24人の生徒たちがキャラクターをきちんと飲みこんで演技しているからだと思います。

いいなぁ、やっぱり学校ものは。

パリ20区、僕たちのクラス
監督/ローラン・カンテ、脚本/ローラン・カンテ、フランソワ・べゴドー(「教室へ」早川書房)、ロバン・カンピヨ、撮影監督/ピエール・ミロン、製作/キャロル・スコッタ、キャロリーヌ・ベンジョ、バルバラ・ルテリエ、シモン・アルナル、編集/ロバン・カンピヨ、音響/オリヴィエ・モヴザン、アニュス・ラヴェズ、ジャン=ピエール・ラフォルス、衣装/マリー・ル・ガレック、制作担当・助監督/ミシェル・デュポア、ホストプロダクション/クリスティナ・クラサリス
出演
フランソワ・ベゴドー/フランソワ先生
ナシム・アムラブ/ナシム、ローラ・バケラー/ローラ、シェリフ・ブナイジャ・ラシェディ/シェリフ、ジュリエット・デマーユ、ダラ・ドゥコワ―ル/ダラ、アルチュール・フォレジュ/アルチュール、ダミアン・ゴメズ/ダミアン、ルイーズ・グランベール/ルイーズ、チーフェイ・ホァン/チーフェイ、ウェイ・ホァン/ウェイ、フランク・ケイタ/スレイマン、アンリエット・カサルアンダ、リュシー・ランドロヴィー/リュシー、アガム・マレンボ・エメネ/アガム、ラバ・ナイト・ウフェラ/ラバ、カルル・ナノール/カルル、エスメラルダ・ウェルタニ/エスメラルダ、ビュラク・オジルマズ/ビュラク、エヴァ・パラディゾ/エヴァ、ラシェル・レグリエ/クンバ、アンジェリカ・サンシオ/アンジェリカ、サマンタ・スピロ/サマンタ、ブバカール・トゥレ、ブバカール、ジュスティーヌ・ウー/ジュスティーヌ
ジャン=ミシェール・シモネ/校長、アンヌ・ラングロワ/ソフィー先生、ジュリー・アテノール/教育指導主宰CPE
6月12日(土)より岩波ホール他全国順次ロードショー
2008年、フランス映画、128分、配給:東京テアトル
http://class.eiga.com/


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♪5月3日に更新しました。いつも応援してくださり、ありがとうございます♪
by mtonosama | 2010-05-03 05:39 | 映画 | Comments(10)
Commented by Tsugumi at 2010-05-03 09:13 x
今の私の状態では映画見に行くのは不可能ですなぁ(苦笑)

とのさんのレビューで見たことにしておきます。
Commented at 2010-05-03 09:14 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by mtonosama at 2010-05-03 15:21
♪Tsugumiさん

そうですねぇ。お忙しいですものね。
ま、DVDもあり、としますか(笑)
Commented at 2010-05-03 15:24
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ライスケーキ at 2010-05-03 22:04 x
フランソワ先生、国語教師の経験があるから生き生きした教師像、生徒像が描けるんでしょうね。
それにしても原作・脚本・出演とは凄い。
ルックスも良いし「パリのフランソワ先生」ですね。 
Commented by すっとこ at 2010-05-04 00:19 x
プロバイダーの調子が悪いんですぅぅぅうううううう!

(北アメリカ大陸の東端から西の端に来たらプロバイダー調子悪くて
コメント遅れがちになっております。)

うんうん。
学校者ってつい見入ってしまいますよね、殿様の名調子、
さすが説得力あります!
それも小さな子のもいいけど13歳といえば立派な青春群。

24の瞳、ならぬ48の瞳、ですね。
悩め若者よ。
よく悩んだものだけがよい大人になる・・・のかな?

相変わらず悩みの多い自分なのをも、殿様文章によって
知るのでした。
Commented by mtonosama at 2010-05-04 06:04
♪ライスケーキさん

フランソワ先生、お気に召しました?

原作・脚本・出演。そして、パルムドールですもんね。
こういう人生の花を迎える時期って、あるんですねぇ。
おめでとう!フランソワ先生。
Commented by mtonosama at 2010-05-04 06:08
♪すっとこさん

そうですか、プロバイダのせいでしたか。
異国で問題が起きると困りますね。

おきばりやす。
(といっても、パソコン音痴の私たち、どうきばればよいのやら、
ですが)

12歳は子どもっぽいけど、13歳になるとぐんと大人っぽく
なりますね。どうしてだろう?
Commented at 2010-05-05 13:21 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2010-05-05 15:03
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。