ブログトップ | ログイン

殿様の試写室

mtonosama.exblog.jp

殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

シスタースマイル ドミニクの歌 -2-

シスタースマイル
ドミニクの歌
-2-
Soeur Sourire

f0165567_5572980.jpg


(c) 2009 PARADIS FILMS - LES FILMS DE LA PASSERELLE - EYEWORKS FILM &
TV DRAMA-KUNST & KINO


ギターを持った修道女といえば、絶対に「サウンド・オブ・ミュージック」のマリアですが、
またまた新たなギターを持った修道女が生まれました。シスタースマイルです

さ、皆さん、前編からここまでお読みになって、この修道女にどんな印象をお持ちになりました?
「いつも夢を追いかけて、明るくて、一生懸命で、良いじゃない?」ではありませんか?
♪ドミニク ニクニク♪のメロディが頭の中で響いている限り、
明るく、元気な修道女にしか思えません。

ところが…
人を第一印象やその作品だけで判断してはいけない、という実例が
“シスタースマイル“の物語なのです。

ストーリー
1950年代の終わり。ベルギー・ブリュッセルの近郊で、
ショートヘアーに黒ぶち眼鏡の賢そうな目をした女子学生が
男子学生に混じってサッカーをしています。ジャニーヌ・デッケルスです。
彼女は学校にやってきた修道女からアフリカ救援活動の話を聞き、
いつか従妹のフランソワーズと共に、アフリカへ行きたいと夢見ていました。
しかし、母はジャニーヌの夢には耳を貸さず、平凡な結婚だけを圧しつけるのでした。
ジャニーヌは生きる意味と心の安息を求め、修道院に入ることを決意。
母の「二度とこの家の敷居はまたがせませんよ」の声を背に、
ギターとエルビスのブロマイドを持って家を出ました。

フィシェルモンの修道院に着いたジャニーヌが修道院長から聞かされたのは、
修道女になるには6年間の修行が必要なこと。
ギターも取り上げられてしまいます。
修道院の厳しい規律になじめず、ことあるごとに問題を起こすジャニーヌ。
しかし、次第にその率直な性格が周囲に認められ、
ギターを弾くことも許されるようになります。
音楽の才能を発揮したジャニーヌは
ドミニコ教会の創立者・聖ドミニコを讃える「ドミニク」を作詞作曲します。

その明るいメロディと透き通った歌声はいつしかレコード会社の耳に入り
“歌うシスター”としてレコードデビューを果たします。
ジャニーヌは"シスタースマイル“という芸名で契約し、
印税はすべて教会に寄付されることになりました。「ドミニク」はたちまち世界中で大ヒット。
あらゆるメディアが”シスタースマイル“の素顔を知ろうと修道院に押し掛けてきました。
絶縁していた両親までもが彼女のサインをもらうため、会いにきます。

ある日、修道院からの現場中継でアメリカの人気テレビ番組に出演したジャニーヌは
「コンサート活動をしたい」と発言してしまいます。
ちょうど同じ時期、修道院から彼女の夢だったアフリカ救援活動への派遣を命じられました。
アフリカ救援の専門知識を学ぶため、大学で聴講するジャニーヌ。
彼女は大学で同世代の若者と語りあうことによって、
女性問題や社会問題にも目を向けるようになっていきます。
女性の産児制限を賛美する歌「黄金のピル」をつくったのもその頃でした。
でも、それが問題になり、修道院を去ることを決意するジャニーヌ。

f0165567_603871.jpg


親友のアニーを訪ね、共同生活をしながら、レコード会社を回るジャニーヌ。
しかし、修道衣を脱いだジャニーヌにレコード会社はもはや関心を示すことはなく、
“シスタースマイル”という芸名を使うことも許されませんでした。
そんなある日、カナダでコンサートツアーをしないかという話が持ち込まれます…


60年代という時代は洋の東西を問わず、若い娘が生きるには難しい時代でした。
ましてベルギーはカトリックの国ですし、ジャニーヌは修道女。
ピルはもちろん親友のアニーと暮らすことすら、タブーだった時代に
あまり器用とはいえないジャニーヌは、それでも時代を先取りしてがんばりました。

f0165567_60972.jpg


実は、“シスタースマイル”は1966年にハリウッドで映画化されています。「歌え!ドミニク」。
当時女優としても歌手としても大人気のデビー・レイノルズの主演です。
でも、イチゴのショートケーキのような明るく楽しい典型的な美談にしあがっていて
生前、この映画を観たジャニーヌは「こんなのウソばっかり」と怒ったそうです。
さもありなん、です。

映画の後半、世間知らずのジャニーヌが追い詰められていく様子を見ていると
人生も、教会も、家族も無情だよな、と思ってしまいます。
世界で何百万枚も売れた楽曲だというのに彼女には印税も入らず、困窮していきます。
神のため、人々のため、という彼女の信仰心と、世間のことに無知な彼女を
教会が利用したといっては言い過ぎかもしれませんが、
著作権契約もあいまいなままだったのですね。

f0165567_5574818.jpg


場末の酒場で歌わされ、怒って飛び出すジャニーヌ
行き交う車もないカナダの田舎道で車を降り、マネージャーに背を向けて立ち去るジャニーヌ。
思わず「そんなに癇癪起こして… この後どうするの?」と心の中で訊いてしまいました。
♪ドミニク ニクニク♪のメロディが静かに空からおりてくるような初冬の午後、
薄暗い曇天とジャニーヌの頑なな背中があまりに寂しく、胸がつまりました。

あの有名な歌に、
時代におしつぶされながらも不器用に頑張りぬき、
悲惨な最期を遂げるしかなかったジャニーヌの生き方をかぶせたガツンとくる映画です。
   
                            fin

シスタースマイル ドミニクの歌
ステイン・コニンクス/監督、エリック・ウーマン、マルク・シラム、クリスティーヌ・ピロー、ペーター・ブカ―ト/製作、クリス・ヴァンデル・スタッペン、アリアン・フェート、ステイン・コニンクス/脚本、ブルノ・フォンテーヌ/音楽、イヴ・ヴァンデルメーレン/撮影
出演
セシル・ド・フランス/ジャニーヌ・デッケルス、サンドリーヌ・ブランク/アニー、マリー・クレメール/従妹(フランソワーズ)、ジョー・デスール/ジャニーヌの母、ヤン・デクレール/ジャニーヌの父、クリス・ロメ/修道院長、フィリップ・ペータース/マネージャー、クリステル・コルニル/シスター・クリスティーヌ、ツィラ・シェルトン/最年長修道尼、ラファエル・シャルリエ/ピエール、ヨハン・レイセン/ジャン神父、ベルナルド・アイレンボッシュ/デュボア神父
7月3日(土)、シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
2009年、フランス=ベルギー、124分、配給/セテラ・インターナショナル
http://www.cetera.co.jp/dominique/ 


ブログランキングに参加しています。
今日もポチッとお願いします。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
にほんブログ村 映画ブログ 新作映画・試写会へ
にほんブログ村
♪6月9日に更新しました。いつも応援ありがとうございます♪
by mtonosama | 2010-06-09 06:40 | 映画 | Comments(8)
Commented by すっとこ at 2010-06-09 11:36 x
ぇぇぇぇえええええええええええええええええええ!

悲惨な最期、
ですってぇぇぇええええええええええええええ!

いつの世も革命的な生き方をする人は
世間の常識とか良識とか因習とかに
全身でぶつかって傷だらけになるしか
ないんでしょうか。

シスタースマイル、
がスマイルできない末路とは・・・。

映画観てないのに可哀そうになっちゃったです。
Commented by mtonosama at 2010-06-09 11:50
♪すっとこさん

シーッ。すっとこさん、内緒なの。それは。

シスタースマイルってね、
♪フランシ―ヌの場合は、あまりにもおばかさん
 フランシーヌの場合は、あまりにも悲しい
 3月30日の日曜日、パリの朝に燃えた命ひとつ…♪
の歌を思い出させるのよね。
しんみり
Commented by ライスケーキ at 2010-06-09 21:40 x
「ドミニク ニクニク 粗末ななりで 旅から旅へ イギリスならば
ジョン王の頃 ・・・」 歌詞これしか覚えていないんだけれど 多分こんな風にはじまったと思う。  この歌にこんなストーリーがあったのね。   

スクリーンでジャニーヌに会ってみたいし、「ドミニク」も聞いてみたい。  やっぱり映画館に行かなくちゃあ。

日本ではシャンソン カンツォーネ ボサノバ・・・。 外国の歌が沢山聞けるけど 外国ではどうなの?  アメリカで「シャンソン」 「フランスの歌」と言っても分からないらしいけど?   諸外国の事情に詳しい方がいらしたら教えて!
Commented by mtonosama at 2010-06-10 04:59
♪ライスケーキさん

♪ドミニク ニクニク 粗末ななりで 旅から旅へ どこに行っても
 語るはただ 神の教えよ(くりかえし)

1.イギリスならばジョン王のころ セントドミニクのこの物語

2.他宗のものと 教義を競い 力の限り それと闘い

3.ラクダに乗らず 馬車にも乗らず 貧しさの中に 旅を続けた

と7番まであるけど、異端宗徒を改宗させ、伝道の旅を続けた
聖ドミニコを讃える歌。

でも、ピーナッツの方は違ってます。
ジャニーヌさんはまじめな修道女だったのですね。
Commented by Tsugumi at 2010-06-10 07:24 x
シスタースマイルと思い出すのが天使にラブソングを。。。

すみませんこの映画は悲劇なんですよね。。

ドミニク ニクニクがはやったころ?は物心ついてない子供だったもので(爆)
Commented by mtonosama at 2010-06-10 21:20
♪Tsugumiさん

天使にラブソング。ウーピー・ゴールドバーグ良いですね。

そうなんです。この話、結末は結構さびしいです。
ドミニクはやった頃、私は物心ついてた子供でした((笑)
Commented by えぞももんが at 2010-12-08 18:02 x
シスターは スールスーリールと言われた方だったでしょうか? まだ映画は拝見しておりませんが 教会が彼女を助けなかったのは やはり許せません。どこの修道会だったのか 糾弾したくなりました。
Commented by mtonosama at 2010-12-08 18:38
♪えぞももんがさん

はじめまして。コメントありがとうございます。
「自分のすぐそばで苦しんでいる人も救えないで何のための教会なの?」
と私も思ってしまいました。

機会がありましたら、ぜひ映画をご覧になってくださいませ。

どうぞ、また当試写室にお立ち寄りくださいね。
ありがとうございました。