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殿様の試写室

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冬の小鳥 -2- 겨울새(旅人)

             冬の小鳥 -2-
                겨울새(旅人)
                Une Vie Toute Neuve
                A Brand New Life

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  © 2009 Copyright DCG Plus & NOW Films, GLORIA Films. All Rights Reserved.

♪あなたは知らないでしょうね
 どれだけ愛していたか
 時が流れればきっと後悔するわ
 寂しい時や沈んでいる時は
 名前を呼んでください
 私はそこにいるわ…… 「あなたは知らないでしょうね」 

     1975年に韓国で大ヒットした清純派歌手へウ二のデビュー曲。
     2001年にアイドルグループ「ピンクル」が歌いリバイバルヒットしました。

少女は細い声で大好きなおとうさんに連れてきてもらった焼肉屋さんでこの歌を歌います。
新しいよそゆきの服を着て、おとうさんと二人で宿に泊まり、ケーキを買い、バスに乗り、
そして、冬枯れの畑の中に建つ大きな門のある建物に着きました。

ストーリー
1975年。9歳のジニが父に連れられてやってきたその建物の庭では
小さな子どもたちが遊んでいました。
ジニは父と離され、子どもたちのいる部屋に通されますが、
事情がわからないジニは表へ飛び出します。
その時、彼女の眼に映ったのは門の向こうへ去っていく父の後姿でした。

そこは、事情があって親と暮らすことのできない女の子たちを集めた
カトリック系の児童養護施設。

ジニは自分には親がいるのだと主張し、
院長先生に父と連絡を取ってくれるように頼みます。
食事にも手をつけず、寮母やシスターたちに反抗し続けるジニ。
とうとう脱走し、門の外へ飛び出しました。
でも、小さなジニがひとりでどこへ行けるというのでしょう。

日曜日、子どもたちはよそゆきに着替えて教会に向かいます。
年上のスッキが支度の遅いジニの世話を焼いてくれます。
礼拝中「父よ。なぜ私をお見捨てになったのですか」
という聖書の一節を聞くともなく聞くジニ。
その視線の先には仲良く寄り添う信者の父娘の姿がありました。

健康診断の日、施設に来た理由を医師に問われたジニはポツリポツリと語ります。
父親と新しい母との間に生まれた赤ちゃんの足に安全ピンが刺さっていたこと、
それが彼女の仕業だと思われたこと―――
語りながら、ジニの目から大きな涙がこぼれました。

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ジニとスッキは仲良しになりました。
ある日、2人は庭で傷ついた小鳥をみつけ、世話をすることに。
遠い外国で養子になることへの憧れを楽しそうに話すスッキのおしゃべりを聞きながら、
「わたしはどこにも行かない」とつぶやくジニ。
養子縁組を望むアメリカ人夫妻が施設にやってきたときも、
スッキは英語を交えて積極的に自己アピールしますが、ジニは何も話しません。
小鳥も死んでしまいました。

2人に関心を持ったアメリカ人夫妻が再び施設を訪れました。
スッキはジニに一緒に外国へ行こうと誘います。少しだけその気になるジニ。
ですが、スッキだけが彼らの養子になって、施設を出て行ってしまいました。

再び、心を閉ざすジニ。
そして、ジニはもう一度、院長先生に父の住所を訪ねてほしいと懇願するのでした…

9歳の少女は自分が父に捨てられるなどと、思ってもいませんでした。
スクリーンでジニが抵抗し、諦め、やがて、受け入れる様を観ながら、
エリザベス・キューブラー・ロスの「死の受容のプロセス」を思い出しました。

エリザベス・キューブラー=ロスが『死ぬ瞬間』の中で発表したもの。
以下のように纏められている。すべての患者がこのような経過をたどるわけではないとも書いている。
    否認 :自分が死ぬということは嘘ではないのかと疑う段階
    怒り :なぜ自分が死ななければならないのかという怒りを周囲に向ける段階
    取引 :なんとか死なずにすむように取引をしようと試みる段階。
    何かにすがろうという心理状態である。
    抑うつ :なにもできなくなる段階
    受容 :最終的に自分が死に行くことを受け入れる段階
(Wikipediaより)

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子どもが親に捨てられるということは、死に等しいことです。
施設に預けられれば、体だけは生きていくことができます。
でも、その心は死にかかっています。

ラストでは1人で飛行機に乗ってフランスに向かうジニの姿が映し出されます。
この映画のすべてがウニー・ルコント監督の実人生と重なるというわけではありませんが、
そのシーンを観れば、
ジニは新しい両親に迎えられ、素晴らしい子ども時代を過ごせるかもしれないし、
もしかしたら、やがて優れた映画監督になるかもしれない、という期待感が湧いてきます。

9歳でジニは「捨てられたこと」を受容し、
フランスで生きるという新しい人生を選択することになったわけです。

キム・セロンがいなければ、生まれなかったかもしれない映画です。
いやぁ、良い映画でした。

                            

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♪8月18日に更新しました。いつも応援してくださって、ありがとうございます♪

冬の小鳥
脚本・監督/ウニー・ルコント、プロデューサー/イ・チャンドン、ロラン・ラヴォレ、イ・ジュンドン
出演
キム・セロン/ジニ、パク・ドヨン/スッキ、コ・アソン/イェシン、パク・ミョンシン/寮母、オ・マンソク/院長、ソル・ギョング/ジニの父、ムン・ソングン/医者
10月9日(土)より岩波ホール他全国順次公開
2009年、92分、韓国・フランス、韓国語、配給/クレスト・インターナショナル
http://www.fuyunokotori.com/

by mtonosama | 2010-08-18 06:21 | 映画 | Comments(6)
Commented by すっとこ at 2010-08-18 07:05 x
いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああん!!

ジニちゃん、寂し過ぎる哀し過ぎる惨すぎる。
9歳だなんて、いろんなことわかってる年齢だ。

新しい赤ちゃんの足にささった安全ピンが
ジニちゃんの運命を替えてしまったのか。

フランスへもらわれ、母国語を操ることも
なくなったけど、ジニちゃん:監督の心には
いつまでもいつまでも溶けない氷が存在して
たんだね。

誰も心に形こそ違えど氷のかけらを抱えている。
誰もが誰かを捨てるんだし、捨てられる。
    と、思ってしまう私はひねくれているのか。
Commented by mtonosama at 2010-08-18 08:38
♪すっとこさん

誰かを捨てたか、すっとこさん…
この歳になれば、それはあります。
この歳って…

9歳のころのこと、確かによ~く覚えてる。
3歳のころのことも覚えてる。
子どもを侮ってはいけないよね。
Commented by tsugumi at 2010-08-18 12:02 x
私の乏しい記憶ですがココシャネルの映画思い出してしましました。。


しかし昔から子供は親の犠牲になっているんですよね。。って最近は親が子供の犠牲になってたりもして。。
いやいや・・昔から姥捨てもあったわね。。

人間生きていくって大変。。。
Commented by mtonosama at 2010-08-18 14:03
♪Tsugumiさん

ホント、生きていくって大変です。

姥捨てもありましたね。
でも、今はお葬式も出さないで、何年も前に
この世からいなくなったおじいちゃんやおばあちゃんの年金を
もらっていたり…

大変な世の中です。
Commented by アイスケーキ at 2010-08-18 22:19 x
ジニがフランスに行くところでエンドなんですか。
フランスでの生活はどうだったのでしょうね。

よくハリウッドスターが色々な人種の子を養子にするけど、
まぁ、それは良いとして、忙しいから自分で育てている訳でもなさそうだし、沢山養子もらった後に離婚したり。  養女と結婚したなんて ひどい監督もいた。  日本とは感覚が違うんだろうけど
養子を迎えて育てるのも なかなか大変ですよね。

 
Commented by mtonosama at 2010-08-19 08:41
♪アイスケーキさん

生まれてきた子どもにはなんの罪もないのだから、
せめて安心できる生活をしてもらいたいものです。