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殿様の試写室

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君を想って海をゆく -2- WELCOME

      君を想って海をゆく -2-
                     WELCOME

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     (C)2009 Nord-Ouest Films-Studio37-France 3 Cinema-Mars Films-Fin Aout Productions.

     とののスポーツクラブにはドーバー海峡を複数回横断したつわものがいます。
     60歳を超えたスポーツマンで日常的に日に10kmは平気で泳ぎます。
     その人でさえ、最初にドーバーを渡る時は駅伝方式で数km泳いでは交替しながら
     泳いだといいます。
     しかし、最後に一人で挑戦したとき、波やうねり、水の冷たさと闘いながら、
     15時間50分かけて完泳。わがクラブのヒーローであります。

さて、本題に戻ります。
17歳のクルド人少年ピラル。
彼はイラクから陸路を3ヶ月もかけて、フランス北部のカレに到達したとき、
目の前に黒々と広がる海峡を目にして、どんな思いを抱いたでしょう。
少なくとも、いきなり泳いで渡るという気にはならなかったと思います。
だって、今までにちゃんと泳ぎを学んだこともなかったのですから。
いえ、例え、泳げたとしても真冬のドーヴァー海峡をイギリスまで泳ぐ気にはなれなかったでしょう。

カレ
ベルギーと国境を接するフランス最北端の都市。ドーバー海峡をはさんでイギリスに臨んでいます。英仏海峡トンネルのフランス側の玄関口。東部には広大な難民キャンプがありましたが、2009年に仏政府により解体されました。


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ストーリー
2008年2月、イラク国籍のクルド人難民ピラルはカレにやっとの思いで辿りつきました。
彼が目指すのは英国・ロンドン。そこに恋人のミナが住んでいるのです。
カレでは英国渡航をめざす多くの難民が生活していました。
ピラルはそこで同郷の友人ゾランに再会。
ゾランと一緒に、仲介人に500ユーロを支払い、海峡を渡るフェリーに乗船するトラックの荷台に忍び込み、密航を試みました。
しかし、失敗。トラックに忍び込んだ密航者全員が逮捕されてしまいます。
なんとか送還を免れたピラルは、ドーバー海峡を泳いで英国へ渡ることを決意するのでした。

フランス人のシモンはかつては水泳選手として勇名をはせた人物。
今はカレ市民プールで子どもや老人に水泳を指導する日々を送っています。
英語教師の妻マリオンとは別居し、現在、離婚調停を進めています。

シモンと市民プールで会ったピラルはクロールの指導を受け始めます。
ピラルの目的に気付いたシモンは真冬の海峡を10時間以上泳ぐことはできないと忠告。
しかし、ピラルは断固として練習を続けました。

シモンがピラルに水泳を教えるのは、ボランティアで難民支援活動をする
離婚調停中の妻マリオンを自分に振り向かせるためでした。

ある晩、シモンは街を歩いていたピラルとゾランを家に招きます。
イギリスに渡ったら、サッカーをやってマンチェスター・ユナイテッドに入団するんだ、
と夢を語るピラル。

翌日、ピラルたちを家に泊めたことを隣人に通報され、警察に呼び出されるシモン。
不法入国者に手を貸すことは犯罪だと警告されます。

警察や隣人の難民への態度に反発を覚えながら、ピラルへの指導を続けるシモン。
またも隣人が通報し、警察が来たとき、
ピラルは既にイギリスへ向けて泳ぎ始めていました……


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冒頭の密航シーンはフィルム・ノワールを思わせる緊張感がみなぎり、
ここでガッツリとつかまってしまいます。
そして、
難民に対して関心を持っていなかったシモンが、ピラルに水泳を教えることを通して、
水泳教師とその生徒という以上の交流を構築していく心温まる展開にひきこまれました。
ピラルのめちゃくちゃだったフォームが確かなストロークに変わっていくのを観ながら、
次第にピラルへの親ごころのようなものが生まれてきます。

どんな状況にあっても、力いっぱい生きるピラルの若さが眩しい―――

シモンが「彼は息子なんだ」と叫ぶのを、うんうんと頷きながら
猛烈に感情移入してしまったとのです。

しかし、第二次世界大戦時レジスタンスとしてナチスドイツに抵抗したあのフランス市民が
今や立場を変え、密告者として難民と難民支援者を警察に売る姿には、
とてもわりきれないものを感じます。

原題の“WELCOME”はシモンやピラルを警察に密告した隣人の玄関マットに書かれた言葉です。「いらっしゃい!」この歓迎の言葉はあまりに皮肉です。

水泳がらみで出かけた映画でしたが、いろんなものを受け取ってきました。
お薦めです!



君を想って海をゆく
監督/フィリップ・リオレ、脚本/フィリップ・リオレ、エマニュエル・クールコル、オリヴィエ・アダム、製作代表/クリストフ・ロシニョン、撮影/ローラン・ダイヤン(A.F.C.)
出演
ヴァンサン・ランドン/シモン、フィラ・エヴェルディ/ピラル、オドレイ・ダナ/マリオン、デリヤ・エヴェルディ/ミナ、ティエリー・ゴダール/ブリュノ、セリム・アクジュル/ゾラン、フィラ・セリク/コバン、ミュラ・スバシ/ミルコ、オリヴィエ・ラブルダン/警察代理官、ヤニック・ルニエ/アラン、ムアファク・ロシュディ/ミナの父親、ベイ・ジャナティ・アタイ/ミナの母親、パトリック・リガルド/シモンの隣人、ジャン=ポル・ブリサール/裁判官、ブランディーヌ・ペリシエ/家事担当裁判官、エリック・エルソン=マカレル/収容所の警官、ジル・マッソン/拘置所役人、エマニュエル・クールコル/スーパー店長
12月18日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町他にてロードショー
2009年、フランス、1時間50分、フランス語・英語・クルド語、配給/ロングライド
http://www.welcome-movie.jp/


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♪12月3日に更新しました。いつも応援ありがとうございます♪
by mtonosama | 2010-12-03 06:13 | 映画 | Comments(2)
Commented by すっとこ at 2010-12-04 01:41 x
うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!

まず泳げないし
寒いのが大の苦手の自分なので

冬のドーバーを泳いで渡る主人公にも
殿様のスイミングクラブの猛者にも

限りない尊敬を覚えます!

カレといえば
ロンドンに居た頃、アンティークツアーで
フランスに渡るバスツアーに参加したことがあり。
小さな村を巡り、帰りのフェリーを待った街でした。
大型バスから、「ここで1時間ほど待ちます」と
降ろされてぶらぶら歩いてたら
あれ?ロダンの”カレーの市民”が大きな建物の
前にあって、んじゃここってカレーだったの?と
初めて知ったのでした。お恥ずかしい。

日本じゃあカレー、て伸ばすよね。
カレーライスを想起させます。
Commented by mtonosama at 2010-12-04 05:55
♪すっとこさん

さすが!すっとこさん。いろいろなところ行ってますね。
そうですね。日本じゃカレーといいますね。
カレーといえばココ壱です。

しかし、この映画はすごかった!
すっとこさん一時帰国の飛行機の中でやるかなぁ?
やってたら、絶対観てね♪