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殿様の試写室

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シリアスマン -2- A Serious Man

シリアスマン -2-
A Serious Man

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©2009 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

この映画の主人公ラリー・ゴプニックはまじめなユダヤ人です。

ユダヤ人というと、ペルーで同じツアーだった中年ユダヤ人男性を思い出すとの。
この人もすごくまじめだったんです。
例えば、こんな具合。
ある遺跡に向かう道に落ちていた乾電池を深刻な顔で指差し”Pollution!“と。
う~ん、捨てられた乾電池はたしかに遺跡にはふさわしくありませんが、
「公害」とまでは……

ま、数少ないユダヤ人との出会いだけで、ユダヤ人の性格を決めつけてはいけませんが、
「シリアスマン」を観て、ペルーで出会ったユダヤ人を思い出してしまいましたよ。

さて、ストーリーです。


ストーリー
1967年アメリカ中西部。
地元の大学で物理学を教えるラリー・ゴブニックは郊外の住宅地に、
妻と2人の子ども、そして、ちょっと訳ありの実兄と平凡に暮らしていました。
気になっていることといったら、
現在勤務している大学に終身雇用されるかどうかということと、
2週間後に迫った13歳の息子ダニーのバル・ミツバー(ユダヤ人男子が13歳になるときに行われる成人式)くらい。

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が、実は、問題大ありなんです。
兄アーサーは無職、無気力、病気持ちでラリーの家から出て行く気配がなく、
娘のサラはこの伯父がいつもバスルームを占拠していることがイヤでイヤでたまらず、
息子ダニーは乱暴者の同級生にマリファナの代金を支払えず、ビビりまくり、
ラリーはラリーで、落第点をつけた学生からなんとかしてくれと賄賂を送りつけられます。
そして、きわめつけとして、
妻ジュディスから、何の前触れもなく、別れ話を切り出されました。
既に、ジュディスは再婚相手まで決めており、その相手はラリーの友人だというのです!

次から次へとラリーを襲う災難。
困り果てたラリーはユダヤ人コミュニティの指導者であるラビに相談するのですが……


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もう、まるで空港の荷物用ベルトコンベアーみたいに次から次へと災難が運ばれてきます。
かわいそうだよ、止めてくれー、と叫んでも、誰も止めてくれません。
ああ悪夢だ、と思いながら、
「ここまで来たら、最後まで見届けよう」
と妙にきまじめに観ている自分がいました。
そう、なぜか笑ったりしながら。

人の不幸は蜜の味?
いえ、そこまで意地悪では。
ただ、あまり悪いことばかり続くと、ひとつひとつ悩んでいても落ち込むばかりだから、
とりあえず笑っておこう、という心境でしょうかね。

この映画、ミネアポリスの抜けるような青空とは似ても似つかない雪の夜から始まります。
悪霊を退治するユダヤの民話が挿入されるのですが、
ヨーロッパの暗い夜と1967年の明るい青空との対比が奇妙に際立ちました。
ま、どちらもユダヤ人社会ですけど。

アメリカのユダヤ人コミュニティで子ども時代を送ったコーエン兄弟が描いた映画です。
といっても、それで彼らの生い立ちを知るとかって作品では全然なく(当然です)、
ただただ不運のスパイラルコースター、不幸の観覧車に乗せられて
笑ってしまうしかないブラックコメディ。

でも、彼らの父親も大学教員だったし、
彼らも映画の中のダニーと同じくヘブライ学校に通い、
バル・ミツバーの儀式を受けたのも本当のこと。

「刑事ジョン・ブック目撃者」(’85)のアーミッシュもそうでしたが、
アメリカの宗教コミュニティって、本当に意固地なまでに自分たちの暮らしぶりを
守っているので、ゲラゲラ笑いながらも、実はかなり驚かされました。

世界は広いですね。



シリアスマン
監督・脚本・プロデューサー/ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン、エグゼクティブ・プロデューサー/ティム・ビーヴァン、エリック・フェルナー、ロバート・グラフ、撮影監督/ロジャー・ディーキンスASC,BSC
出演
マイケル・スタールバーグ/ラリー・ゴプニック、リチャード・カインド/アーサー伯父さん、フレッド・メラメッド/サイ・エイプルマン、サリ・レニック/ジュディス・ゴプニック、アーロン・ウルフ/ダニー・ゴプニック、ジェシカ・マクマヌス/サラ・ゴプニック、アダム・アーキン/離婚弁護士
2月26日(土)ヒューマントラストシネマ渋谷他全国順次ロードショー
2009年、アメリカ、106分、配給/フェイス・トゥ・フェイス


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♪2月19日に更新しました。いつも応援ありがとうございます♪
by mtonosama | 2011-02-19 06:20 | 映画 | Comments(8)
Commented by leoleo at 2011-02-19 07:57 x
まぁ~おもしろそう!・・人の不幸を楽しむわけでは
ないけど、ストーリーを読んでいたら、観たくなりました。
拒絶反応は、いけませんね。

コーエン兄弟の作品も怖くない!
でも、不幸の観覧車は、やはり怖いから乗りたくないな~

Commented by ライスケーキ at 2011-02-19 10:23 x
人間真面目に生きていても 次々に不幸が襲ってくる事があるものです。 そんな時はひたすら泣いているか、ジッと耐えるか、心で泣いて顔で笑うか・・・。 ラビさんは何て言ったんでしょうね。
Commented by mtonosama at 2011-02-19 20:12
♪leoleoさん

観覧車はやはり楽しくないとね(^_-)

コーエン兄弟もホントいろいろです。
この兄弟のひきだしはいろんなものがたくさん詰まってますよね♪
Commented by mtonosama at 2011-02-19 20:16
♪ライスケーキさん

そのラビがまたとんでもないんです^_^;

ジッと耐えつつ、顔は笑ってるとのが言うんですから、確かです(苦笑)。
Commented by すっとこ at 2011-02-20 00:49 x
そそそそそそそそそそそそそそそそそそそそーーーーなんです!

あんまりよろしくないことが次から次へ起こると
不感症になる、っちゅーかなんちゅーか
不幸が日常化する、いいますか。

ブラックも続き過ぎると笑えますね。
だからブラック・ジョークってのがあるのでしょうか。
「笑ってゴメンだけどたまらなくオカシイ」って。

コーエン兄弟、自分達の出自を笑いのめせるなんて
素晴らしいですね!

観たいなあ~。
そんな気にさせる殿様の紹介文がうまいんだな~。
Commented by mtonosama at 2011-02-20 06:49
♪すっとこさん

不幸が日常化しているとのです(汗)。

観たいですか?また、飛行機の中で観られるといいけどネ。

うれしがらせるすっとこさん、名人だな~♪
Commented by Tsugumi at 2011-02-20 09:26 x
不幸の連鎖その果てには何が待ち受けているのでしょうか。。

人の不幸を見たり聞いたりするとまだ自分はいいほうかもとか思っちゃうから不思議。。

でもこの映画あまり見たくないかも(苦笑)
Commented by mtonosama at 2011-02-20 11:17
♪Tsugumiさん

そうなんです。
何が待ち受けていると思います?

「まだ自分のほうがいいよ」と思える余裕が生まれて、
つらい時には良い映画かも…です。