孫文の義士団 -1-
十月圍城
(c)2009 Cinema Popular Ltd.All Rights Reserved.
「孫文の義士団」。
このタイトルを見て、まず多くの方は「中国製作の歴史映画かな?」と想像なさるでしょう。
とのはそうでした。
が、
これ、とんでもなく痛快なアクション映画です。
痛快無比なアクション映画といったら香港映画ですが、
その香港映画スタッフが艱難辛苦を乗り越えて撮った映画がこの「孫文の義士団」。
隆盛を誇り、日本にもファンの多かった香港映画も、
93年頃から国民の映画離れや不景気ゆえに斜陽化の一途を辿っていました。
しかし、「かつての華やかさを」と模索の道を求めるそんな香港映画人の前に、
思いがけない救世主が。
それが中国だったんですねぇ。
2001年に世界貿易機関に加盟し、自由化が始まった中国映画界。
これまでとは違い、世界も意識したエンタテインメント性の高い商業映画をつくるようになりました。
(チャン・イーモウ監督「HERO」(’02)などもその動きの中でつくられました)
激増する市民の消費力、膨大な人口。
香港映画復興を悲願する香港の映画人にとっては、これはおいしい!
まさにエンタの神様として中国映画の一歩も二歩も先を行く香港。
さあ、香港映画人。中国との合作に活路を見出しました。
2003年、中華人民共和国の中央政府と香港特別行政区政府の間で調印されたCEPA
(Mainland and Hong Kong Closer Economic Partnership Arrangement)という自由貿易協定。
CEPA以前、中国国内での上映が認められる外国映画(香港映画を含む)は年間20本までとされていたのが、
この調印によって、すべての香港映画が中国の自国映画として公開できることになりました。
ま、中国当局による検閲という余計なおまけはつきましたけど―――
しかし、あるものですねぇ。
香港・中国という合作の形を取りつつ、製作費を集め、検閲をクリアし、なおかつ、
香港映画らしい映画をつくる道が。
それが、古装片(時代劇)、武侠片(チャンバラ映画)、功夫片(カンフー映画)といったジャンルでした。
これなら「少林サッカー」「インファナル・アフェア」のような現代ものとは違って
中国本土で上映禁止になる可能性はより少ないのでしょう。
本作に登場する辛亥革命が時代劇になるのかどうか、の議論は脇に置くとして、
「革命の父」として尊敬される孫文を描いたアクション映画なら、
検閲はなんの問題もなくクリアされたと思います。
孫文と辛亥革命
1911年10月。300年近く続いた清王朝を倒し、
2000年にわたる中国の君主制に終止符を打ったのが辛亥革命です。
孫文は言わずと知れたこの革命の指導者であり、初代中華民国臨時大総統。
民族・民権・民生の三民主義の提唱者であることはご存知の通り。
中国では「革命の父」、台湾では「国父」と呼ばれ、敬愛される英雄です。
日本とも縁が深く、彼の号である中山は日本に由来を持っています。
さて、孫文先生と辛亥革命を時代背景とした痛快アクション映画「孫文の義士団」とは?
どんなお話かは次回までのお楽しみ。乞うご期待であります。
続
孫文の義士団
監督/テディ・チャン、脚本/チュン・ティンナム、グオ・ジュンリ、ジェームズ・ユエン、ウー・ビン、アクション監督/トン・ワイ、撮影監督/アーサー・ウォン、美術監督/ケネス・マク、スタント・コーディネーター/谷垣健治、製作/ピーター・チャン、ホアン・チェンシン
出演
ドニー・イェン/シェン・チョンヤン、ワン・シュエチー/リー・ユータン、レオン・カーフェイ/チェン・シャオバイ、ニコラス・ツェー/アスー、フー・ジュン/ヤン・シャオグオ、クリス・リー/ファン・ホン、エリック・ツァン/シー・ミーフ、サイモン・ヤム/ファン・ティアン、ファン・ビンビン/ユエル、チョウ・ユン/アーチュン、ワン・ポーチエ/リー・チョングアン、メンケ・バータル/ワン・フーミン、カン・リー/チェンシャン、レオン・ライ/リウ・ユーバイ
4月16日(土)シネマ・スクエアとうきゅう他全国順次ロードショー
2009年、中国・香港合作、139分、配給/ギャガGAGA★
http://sonbun.gaga.ne.jp/
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☆4月2日に更新しました。新しい季節の始まりに期待を持ちたいです☆
こんな私ですが、孫文さん、どんなお話を見せてくれるでしょう。 期待してます!
「蒼穹の昴」おもしろかったですね。
本作は「~昴」とは違って西太后が悪者という従来通りの
設定です。
でも、写真の黒服着た人のアクション見てください。
すごいでしょ?こういうシーンが次々に展開しますよ。
おっと、また熱くなってしまった。
ライスケーキさんも、もしかしてアクションのすごさに
はまるかもしれませんよ♪
いろんなことが次々に起こって縮こまってしまった心を
元気にしてくれる映画かも☆