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殿様の試写室

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殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

光のほうへ -1- SUBMARINO

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                 邦題と原題がこれほど真逆というのも奇妙なもの。
        原題Submarinoというのはデンマークの作家ヨナス・T・ベングトソンの小説のタイトル。
          この映画の原作となった「Submarino」は、コペンハーゲンの下層社会を描き、
    人間の光と影を巧みに表現するスタイルが絶賛され、5月には日本でも出版が決まっているそうです。

                         Submarino。「海の下」?
            ここでは、水中に頭を突っ込まれる刑務所内での拷問を意味しています。
           デンマークのような人権先進国でもこのような拷問が行われたんでしょうか。

                 後頭部を押さえられ、水中に無理やり顔を突っ込まれ、
          う~、空気、空気、ともがいていると、限界寸前、肺に流入する新鮮な空気。ふう。
                              繰り返し・・・

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               いつも邦題にケチをつけることの多い当試写室ですが、
      今回ばかりは「光のほうへ」というこの日本語タイトルには心を魅かれたし、ホッとしました。
       邦題が「光のほうへ」なら、きっと映画も光に向かう内容に違いないと思ったからです。

    本作は、貧困とかアルコールや薬物依存という厳しいSubmarinoを受けながら過ごした少年たちが
    成長した姿を描いた映画。そして、皆さまがご想像していらっしゃる通り、成長しても彼らは貧しく、
                   アルコールや薬物漬けになっています。

           「この時期にそんな映画観たくないよ」とお思いですね。ごもっともです。

           しかし、ここで効力を発するのが「光のほうへ」というこの邦題です。
                  そして、なによりこの映画の持つ力と救いです。
          そうなんです。限界寸前に肺に入ってきた新鮮な空気のような映画でした。

監督は1969年コペンハーゲン生まれのトマス・ヴィンターベア
16歳から短編映画を撮り始め、19歳でデンマーク国立映画学校に入学。
創立以来最年少での入学だそうです。
早くから実力を見せていましたが、
96年「The Biggest Heroes(偉大なるヒーローたち)」で長編映画デビュー、
98年には「セレブレーション」でカンヌ国際映画祭の審査員賞、批評家賞、観客賞を受賞。
その後、ハリウッドに渡り、
「アンビリーバブル」(‘03 ホアキン・フェニックス、ショーン・ペン出演)や
「ディア・ウェンディ」(‘05 脚本/ラース・フォン・トリア)を監督。
それ以降はデンマークに戻り、デンマーク語の映画を撮っています。
“ドグマ95”の創設メンバーでもあります。

ドグマ95
1995年、トマス・ヴィンターベアやラース・フォン・トリアーらによって、デンマークで生まれた映画運動。
「カメラは必ず手持ちであること」
「撮影はすべてロケーション撮影」
など、映画製作の10のルールが設けられています。

                          ここで一言、老婆心。
               ドグマ95のルールを守ってつくられた映画をご覧になる場合は
                  一番前の座席では観ないようになさってくださいね。

          とのの場合、ラース・フォン・トリアー監督の「ダンサー・イン・ザ・ダーク」(‘00)を
              大画面の劇場の最前列で観ていて、気持ち悪くなってしまいました。
  カメラマンが、カメラを構えながら、足を上げて踊っていたんじゃないかと思わせる程の揺れを感じました。
   乗物酔いしやすい方は小さな画面の映画館で、できるだけ後方に座ってご覧になった方が良いかも。
               実験的な映画運動は三半器官が弱いと、ちょっと……です。

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                   しかし、本作は小さな試写室で観たせいか、
   それとも、カメラマンが手ぶれしなかったためか、それとも、踊らなかったせいか、平気でした。
       と言うより、映画に圧倒されていて揺れに気付かなかったのかもしれません。

       さ、高福祉の国デンマークの生んだ映画。いったいどんなお話なのでしょう。
                        乞うご期待であります。

                               

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☆5月11日に更新しました。いつも応援ありがとうございます☆

光のほうへ
監督/トマス・ヴィンターベア、脚本/トビアス・リンホルム&トマス・ヴィンターベア、原作/ヨナス・T・ベングトソン「SUBMARINO」(AC Books刊)、撮影/シャーロッテ・ブルークス・クリステンセン、プロデューサー/モーテン・カウフマン
出演
ヤコブ・セーダーグレン/ニック、ペーター・ブライボー/ニックの弟・マーティンの父、パトリシア・シューマン/ソフィー、モーテン・ローセ/イヴァン、グスタウ・フィッシャー・ケアウルフ/マーティン、セバスチャン・ブル・サーニング/少年時代のニック、マッス・ブロー/少年時代のニックの弟、ヘレーネ・ラインゴード・ノイマン/アナ
6月4日(土)シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
2010年、デンマーク、114分、配給/ビターズ・エンド、www.bitters.co.jp/hikari/

by mtonosama | 2011-05-11 06:00 | 映画 | Comments(6)
Commented by leoleo at 2011-05-11 20:15 x
「光のほうへ」・・何て素敵なタイトルでしょう。
今の日本に必要な言葉ですね。原題通りでは、
更に、気分が沈んでしまいそう(-.-)

コペンハーゲンが舞台の映画って、珍しいですね。
Commented by ライスケーキ at 2011-05-11 22:28 x
デンマークというと「福祉国家」というイメージがあるけど、こんな闇の部分もあるのですね。
「限界寸前に肺に入ってきた新鮮な空気のような映画」
ですか。 このキャッチ・コピー気に入りました。
次回、期待しています。
Commented by すっとこ at 2011-05-11 23:09 x
ひゃぁぁぁぁあああああああああ。
いつもながらの
殿様の名調子!

すっとこもライスケーキさん同様に
「限界寸前に肺に入ってきた新鮮な空気」と
いうフレーズにノックアウトされちゃいました。
うまいっ!

このフレーズに魅かれて観てみたいです。
Commented by mtonosama at 2011-05-12 04:51
♪leoleoさん

ね、ね、コペンハーゲンが舞台の映画、珍しいですよね。

コペンハーゲンといえば、人魚姫、
そして、最近では海に林立する風力発電の風車、です。
代替エネルギー、真剣に考えたいですよね。
って、そこへ行くのか^_^;
Commented by mtonosama at 2011-05-12 05:00
♪ライスケーキさん

デンマークって、どうしてもメルヘンチックなイメージとか、
福祉国家のイメージが先行しますよね。

とのもイメージと現実の落差に驚きました。

みんな新鮮な空気を求めて、もがきながら、生きていくんですね。

がんばろ…
Commented by mtonosama at 2011-05-12 05:27
♪すっとこさん

おほめにあずかり光栄でございます。

新鮮な空気は、スイマーとのの実体験ですから、おほめいただき、恥ずかしいやら、心苦しいやら。

ギリギリまで潜水で頑張り、う、う、苦しいぞ、という時に水面に出る快感。
水泳とはもがくこととみつけたり、でございます。