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殿様の試写室

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いのちの子ども -2- 尊い命

            いのちの子ども -2-
                          尊い命

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                          パレスチナ・ガザ地区―――
        イスラエルの管理下で封鎖状態にあり、イスラエル軍が駐留し、しばしば空爆される地区

                  しかし、ここにも人々は暮らし、子を産み育てています。
       ファウジー・アブー=ムスタファーとラーイダ・アブー=ムスタファーもガザに暮らす若い夫婦。
    2人の間に生まれた生後4ヶ月の息子ムハンマドは免疫不全症候群という難病にかかっていました。
                実は、彼らは過去にも娘2人を同じ病気で亡くしているのです。

ストーリー
パレスチナ自治区ガザ地区の最前線で20年以上にわたって取材を続けてきたイスラエルのテレビ記者エルダールが高速道路を急いでいた。
目的地はテル・アビブ郊外のテル・ハ・ショメール医療センター。
ここはイスラエルのユダヤ人とパレスチナのアラブ人をつなぐ唯一の病院である。
そこに勤務するイスラエル人小児科医ソメフから依頼があったのだ。
その依頼とは、骨髄移植が必要なパレスチナ人の4ヶ月半の赤ん坊ムハンマドを救うために
協力してほしいというものだった。

エルダールは手術に必要な55,000ドルの寄付をイスラエルのテレビで呼び掛けた。
ムハンマドの母ライーダは「イスラエルのプロパガンダだわ。誰も寄付なんかしてくれない」
と懐疑的だったが、なんと匿名を条件に全額を寄付するというイスラエル人が現れる。

さっそく家族の骨髄がムハンマドに適合するかどうか検査されたが、残念ながら適合者はなかった。
次の策として、いとこたちの検査をすることに。
だが、25人のいとこたちをガザ地区からイスラエルに連れてくることは不可能だ。
エルダールは採血したサンプルだけを持ち込むよう計画を変更。
検査の結果、従姉の1人が適合した。
ところが、ちょうどその時、ガザで大規模な爆破事件が。
移植手術のため、検問所まで来ていた従姉は直前でイスラエルに入ることができなくなってしまった。

3日後、従姉は検問所を通過。手術はひとまず成功。
あとはムハンマドの小さな身体が新しい骨髄を受け入れるのを待つしかない。

その間、エルダールはラーイダといろいろなことを話した。
エルサレムについて話が及んだ時、2人は互いに「エルサレムは自分たちのものだ」と譲らず、
ラーイダは「エルサレムへ行くのが私の夢」と語る。
しかし、エルダールが動揺したのは彼女の次の言葉だった。

「私たちは死を恐れない。誰もがエルサレムのためなら命を捧げられる。
ムハンマドが殉教者になってもいい―――」

ムハンマドの身体が新しい骨髄を受け入れ、ガザに戻る日が来た。
その日、ソメフ医師はラーイダたちに言う。

「いつかムハンマドと私の息子たちが一緒に遊ぶようになってほしい。
それが無理なら、彼の子どもたちが、それでも駄目なら彼の孫たちがそうできる日がやってくる。
私はその日が来ることを信じている」

彼らがガザに戻って3ヶ月後、またもガザで紛争が起きる。
ソメフ医師も軍医として現地に向かった。
ガザの空を焦がす紅蓮の炎。はたしてムハンマドとその家族の安否はいかに……

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       「命を奪うのは一瞬。でも、私たちは何年もかけて全力で治療する。一人の命のために」
                     という医師の言葉が胸に響きます。
     「いのちの子ども」は2010年のイスラエル・アカデミー賞で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞し、
          トロントをはじめ多くの国際映画祭に正式出品され、絶賛された作品です。

                ムハンマドという1人の赤ちゃんの人命救出を通じて、
                  イスラエルの善意だけを強調するのでなく、
           また、「可哀想なパレスチナ人」を押しつけてくるのでもありません。
       「ムハンマドを殉教者にさせることだって厭わない」と母ライーダに言わせた背景には、
     インターネットへの書き込みから見えてくるパレスチナ人たちの偏狭な敵意だってあります。

                イスラエルとパレスチナの間に存在する深くて暗い溝。
               それを今日明日の内に埋めることはもちろんできません。
                     しかし、エルダール監督の語った
             「パレスチナ、イスラエルともにお互いがそれぞれのことを理解し、
         恐怖心をなくすこと、そして命を大事にすることが1番大切だと気付いてくれれば
                  終わりの見えない問題の糸口になるはずです」

        この言葉は地味ですし、問題解決への道のりの遠さをあらためて感じさせる言葉ですが、
                  かすかな光明を感じさせてくれるのも事実。

   命の現場に生きる人々の感動的な言葉がそこここにちりばめられたドキュメンタリー映画でした。

                                 

     
  

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☆6月29日に更新しました。いつも応援ありがとうございます☆

いのちの子ども
監督・撮影・ナレーション/シュロミー・エルダール、プロデューサー/エフード・ブライベルグ、ヨアヴ・ゼェヴィー
出演
ラーイダ&ファウジー・アブー=ムスタファー、ラズ・ソメフ医師、アモス・トーレン、ナイーム・アブー=ムスタファー、サウサン・アブー=ムスタファー、イッズッディーン・アブル=アイシュ医師、アレックス・ワインガルト
7月16日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町にてロードショー
90分、2010年、アメリカ・イスラエル、カラー、配給/メゾン、http://www.inochinokodomo.com/


                映画『いのちの子ども』公式サイト
by mtonosama | 2011-06-29 06:32 | 映画 | Comments(10)
Commented by わんわん at 2011-06-29 11:08 x
やっぱりやっぱりまた泣いてしまいます。日常の生活なら何よりも大切な息子の命も、イスラエルとパレスチナも問題においては、失うことさえ厭わないと思うなんて。その過酷な境遇があまりに辛すぎて、切なすぎて殿様の文章だけで大泣きしてしまいます。殿様にお聞きしたい素朴な疑問なのですが、辛くて大泣きする思いをしても映画を見ることにはどんな意味あいがあるのでしょう?私が思うに、みんな娯楽映画を見に行ってもこういったシリアスな話はなんとなく敬遠してしまうと思うんです。でも普段の自分の生活からは絶対に垣間みることはできない様々な人々の心の葛藤や喜びや希望に、私たちも「何か」を学ぶのかしら。。。と思うのですがいかがでしょうか?こういったメジャーではない映画の持つ役割ってとても大きい気がするこのごろです。殿様のHPに出会ってから。
Commented by mtonosama at 2011-06-29 12:02
♪わんわんさん

ほんとは、ほんとは、このお母さん、
ムハンマドくんの手術ができると知って、
失神してしまうほどムハンマドくんのことを心配してるんです。
そんなお母さんに「殉教者になってもいい」って言わせる
パレスティナの世間体って一体なに?と思ってしまいました。

ところで、いつも泣かせてごめんなさい。
わんわんさんは犬のわんわんだと勝手に思っていましたが、
もしかしてわんわん泣くからわんわんだったのでしょうか。
って、ひとのこと言えないけど^_^;

私も娯楽映画は好きです。
でも、わんわんさんもおっしゃるように
映画って自分の日常生活からは知ることはできない状況を
教えてくれるものだと思います。
それって、娯楽超大作もマイナーな映画もおんなじかもしれませんね。

映画って心の旅だと思って、いつも泣いたり、笑ったり、
暗い気持になったり、
いろんな気持ちを味わいながら観ている心の旅人・とのです。
(なんちゃって)

わんわんさんのコメント、嬉しいです。とても励みになります。ありがとうございます。
Commented by ライスケーキ at 2011-06-29 20:13 x
「映画」で自分の経験できないことを経験しました。 
行ったことのない所へ旅をしました。
「彼」や「彼女」の人生を垣間見ました。
楽しんだり、悲しんだり、怒ったり、そして夢を貰いました。
最近は、あまり映画館で映画が見られないのが寂しい。
「殿様の試写室」が楽しみ。
作品によっては、作品そのものよりブログの方が面白いこともあります。
Commented by mtonosama at 2011-06-29 20:32
♪ライスケーキさん

ライスケーキさんも映画年増ですか?
私もそうです。
映画観てて、実年齢よりも歳いっちゃいました(実年齢もいっちゃってるけど^_^;)

それにしても、嬉しいことを言って頂き、とのは幸せものです♪
ありがとうございます♡
Commented by すっとこ at 2011-06-29 23:06 x
やっーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーたぁぁぁああああああああああああ!

とすっとこが大喜びしてるのは

わんわんさんも
ライスケーキさんも

   不肖すっとこが思ってることを
   そっくりおっしゃって下さってるからです。

殿様ブログにて 時には映画以上の思いを名調子からいただき

いったい泣くほどの映画を見る意味とは?と考えたり

ああ。殿様、あなたは実に素晴らしい!!!!!!
さて、この映画無はムハンマド君の笑顔だけでも涙ぐみそう。
Commented by わんわん at 2011-06-29 23:54 x
とのさま、ライスケーキさま、すっとこさま

コメントありがとうございました。映画は小さい頃から大好きでしたがシリアスなものは、なぜ泣くほどの映画を見なければいけないのかしら?といまひとつわからなかったことでした。でも、「心の旅人」になった気持ちでいろいろな国のさまざまな人々の喜びや悲しみや怒りや絶望を思いっきり感じてこようと思いました。号泣とともにね(笑)
Commented by mtonosama at 2011-06-30 05:35
♪すっとこさん

わ~~~~ん、わ~~~~ん(泣)
150年生きてきて、こんなに皆さまから嬉しいこと言われた
ことって初めてですぅ。う、う・・・・(嗚咽)

これからも映画館の暗闇で大口開けて笑ったり、
エンドロールの流れてる間に大急ぎで鼻と眼を拭ったりしながら
映画を観ていきたいと思います。

これからも応援をよろしくお願いします。ありがとう!
Commented by mtonosama at 2011-06-30 05:47
♪わんわんさん

今「キネマの神様」(原田マハ著 文春文庫)を年長の友人
から借りて読んでいます。

キネマの神様・・・
♪キネマにはとてもとてもきれいな女神さまがいるんやで♪(笑)

その中に、今、この試写室のコメント欄で展開されたような
シーンが出てくるので、感涙にむせんでいます。う、うぐ、うぐ(嗚咽)

やっぱり《わんわん》は号泣わんわんの意味だったんですね(^_-)
Commented by Tsugumi at 2011-07-01 17:35 x
皆様のコメントを読んで映画が好きだけで過ごしてきたわたしは若輩ものですなぁ。。
やっぱりとのさまのように150年くらい生きてやっと大人かと。

映画は人生の師でもありますね。
Commented by mtonosama at 2011-07-01 19:07
♪Tsugumiさん

いえ、いえ、何をおっしゃいますやら。
映画に、パブのメニュー開発に、日々八面六臂の大活躍!

Tsugumiさんは歳を経ただけのとのなんかより
ずっと色んなことができる大人です。

確かに、映画は人生の師ですよね。