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沈黙の春を生きて -1- Living the Silent Spring

          沈黙の春を生きて -1-
                  Living the Silent Spring

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                         〈ツーズー病院を訪れたヘザー〉   
                      ©2011 Masako Sakata/Siglo

          その昔、休みが明けて、実家のある町から新幹線に乗り、東京へ戻ってくるとき、
            必ず「ああ、東京に着いてしまったなぁ」と実感した場所があります。
               (すいません。まだまだおうちが恋しかった年頃でして…)
               新横浜を過ぎ、多摩川を渡り、左方面へ眼をやったあたり。
                 少し小高くなった丘陵に家がびっしり建っています。

               江戸時代まで逆行しなくても、明治時代や昭和の初期には、
                    多分丘陵しかなかったのでしょう。

             そこにびっしりと磯のフジツボのように家々がはりついている様子は
                     悪性の細胞を思わせるものでした。
                     まだ年端もいかない小娘でしたから、
             自分も、自分の家も、フジツボみたいにはりついて生きていることに
                    思いを馳せることはありませんでしたが。

                       なにが言いたいのかというと、
         人間は自然を損なうことなく、存在することはできないのではないか、ということです。

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                            〈キエウと母〉
                         
                         今だったら、原発です。

                今から半世紀前、次のように警告している学者がいました。

化学物質は放射能と同じように不吉な物質で
世界のあり方、そして生命そのものを変えてしまいます。
いまのうちに化学薬品を規制しなければ大きな災害を引き起こすことになります

                           レイチェル・カーソン著「沈黙の春」

レイチェル・カーソン(1907年5月27日―1964年4月14日)
アメリカの作家で海洋生物学者。
1962年に出版した「沈黙の春」(新潮社刊)で、殺虫剤などの「合成化学物質」の無分別な大量散布は生態系を乱し、生物環境の大規模な破壊をもたらし、人間の生命に関わることになると警告。
本書は社会に大きな衝撃を与え、世界が環境問題に目を向けるきっかけになった。

原子力発電所も化学物質も、人間がより快適に暮らすために必要なものとして作り出されたものではあります。
        しかし、いったん動き始め、使われ始めてしまえば容易に止めることはできません。
                 まして、不測の事態が起こったときにどうなったか、
               警告を無視して動かし続け、使い続けていれば、どうなるのか、
                  それはもう私たちの眼前で起こっていることです。

                この映画は放射能の映画ではなく、化学物質の映画ですが、
                      レイチェル・カーソンが指摘している通り、
              両者は世界のありかたも、生命のありようも変えてしまう物質です。

                  ベトちゃんとドクちゃんを覚えていらっしゃいますか?

ベトナム戦争で使われた枯葉剤のために、腰部から下が合体した形で生まれてきた結合双生児です。
兄はグエン・べト(1981年2月25日―2007年10月6日)、弟はグエン・ドク(1981年2月25日―)。
1986年、兄ベトが急性脳症を発症し、治療のために日本へ緊急移送。手術を受けました。
その2年後、兄が意識不明に陥り、2人とも死亡してしまう事態を避けるため、
ホーチミン市立ツーズー病院で2人の分離手術が行われました。
日本赤十字社がこの手術を支援し、手術は成功。兄には左足、弟ドクには右足が残されました。
弟には日本から義足が送られ、その後、彼は職業学校でコンピュータープログラミングを学びます。現在はツーズー病院で働き、ボランティア活動も行っています。2006年にはボランティア活動で知り合った女性と結婚。結婚後は兄をひきとり、26歳で亡くなるまで夫婦で介護していました。(Wikipediaより)


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                       〈ヘザーとベトナムの子どもの手〉

                多くのベトちゃんドクちゃんを生んだ枯葉剤は
       ベトナムの大地に1ヘクタールあたり約27リットルの割合で散布されました。
          散布から24時間でジャングルの木々は変色し、1ヶ月で落葉します。
         次の新芽を殺すため、枯葉剤は繰り返し、繰り返し、散布されました。
         通常の10倍の濃度を持つ枯葉剤はジャングルの植物をことごとく枯らし、
              その散布面積は四国全体の面積に匹敵するといいます。
               http://ha6.seikyou.ne.jp/home/AALA-HOKKAIDO/kareha.htm              

             え、なぜジャングルを枯らす必要があったか、ですか?
   それはジャングルに潜み、アメリカ軍を悩ましていたゲリラたちの隠れ場所をなくすためです。

            しかし、そのために当時のベトナム人ゲリラ兵士だけではなく、
        ジャングル周辺の農民、そして、その子や孫まで枯葉剤の害を受けるということに
           アメリカ政府や枯葉剤製造会社は考えが及んでいたのでしょうか?

       また、ベトナム人だけではなく、枯葉剤を散布したアメリカ兵士とその子どもたちも
                    被害者になっていました。

       「沈黙の春を生きて」は前作「花はどこへ行った」でベトナム戦争の実態に触れた
                 坂田雅子監督が撮影・監督した作品です。

                放射能だけでも気が重いのに、化学物質まで…
                   生きるってつらいことばかりです。
            でも、私たちは被害者であるだけではなく、加害者になりうる、
         いえ、既に加害者であることに考えを及ぼす必要があるんですよね。はぁ―――

                                 続

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沈黙の春を生きて
企画・監督/坂田雅子、製作/山上徹二郎、編集/ジャン・ユンカーマン、ナレーション/加藤登紀子、撮影/ビル・メガロス、山田武典、坂田雅子、ロバート・シーモン、整音/小川武、音楽/グエン・タイン・トゥン、難波正司、写真/Philip Jones Griffiths /Magnum、資料映像/米国公文書館、Thought Equity Motion/CBS News,Jerome Kanapa、ベトナム語翻訳/武田玲佳、製作事務局/佐々木正明、西晶子、奥野尚子、長沢義文、石田優子、協力/ベトナム枯葉剤被害者の会(VAVA)、グエン・ミン・イ、ハ・ティ・マック、ツーズー病院、シンクワイヤ、岩波ホール、宮田興、吉岡雅春、石原大史、西世賢寿、大重裕二
出演
クイン・トゥとファン・クック・フイ、グエン・タイン・タムと家族、ホアン・チャン・ルイと娘ルエン、ヘザー・A・モリス・バウザー、グエン・ヴァン・リエンと家族、シャロン・L・ペリー、シャリティー・キース=ライカード、ツーズー病院 平和村の子どもたち
9月24日(土)から10月21日(金)まで岩波ホールにて4週間限定上映ほか全国順次公開
2011年、日本、日本語、英語、ベトナム語、87分、配給/株式会社シグロ
www.cine.co.jp/chinmoku_haru/

by mtonosama | 2011-09-07 06:56 | 映画 | Comments(4)
Commented by アイスケーキ at 2011-09-07 22:03 x
我が夫 ハエを見付けると プシュー プシューと殺虫剤を掛けるのです。 キッチンの中でもね。 ハエの害より、殺虫剤の害の方が大きいと思うんたけど。 まぁ、ハエも嫌ですけどね。 さて、映画は私達に何を訴えてくれるでしょうか。
Commented by mtonosama at 2011-09-08 05:06
♪アイスケーキさん

ゴキブリを発見すると新聞を丸めていきりたつとのです。
煙で一斉にゴキ退治という薬も食器についたら気持ち悪い
ってことで、使えません。
そんなわけで相変わらず深夜になると黒い彼らと
台所で遭遇しています。
Commented by Tsugumi at 2011-09-08 20:38 x
昔TVで見たベトちゃんドクちゃんの映像にはすごいショックを受けたこと覚えています。
人間は本当にわがままで救いようがありませんね。
Commented by mtonosama at 2011-09-09 06:19
♪Tsugumiさん

救いようがありませんよねぇ。

今、風邪ひきで力が抜けているから、余計に悲しい気持に
なります…