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殿様の試写室

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オレンジと太陽 -1- Oranges and Sunshine

オレンジと太陽 -1-
Oranges and Sunshine

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(C)Sixteen Midlands (Oranges) Limited/See-Saw (Oranges) Pty Ltd/Screen Australia/Screen NSW/South Australian Film Corporation 2010


世界には知らないことばかり。
知らないことは知らないままにしておけばいい、と思うこともありますが、
やはり隠された不都合な真実はあらわになるよう運命づけられているのです。
このことが神や仏のいることの証明になるのか、
人間には良い人も悪い人もいるという証なのか・・・・・

あ、この映画の主題から離れてしまいました。

いや、しかし、とんでもないことが行われていたものです。
それも、ごく最近の1970年代まで。
たかだか40年前までこんなことがイギリスで行われていたとは、知りませんでした。

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http://www.childmigrantstrust.com/

それは児童移民制度。
児童が移民するといっても、親と一緒に外国へ行くというのではなく、
文字通り、子どもだけで異国へ渡り、その地に入植するという制度です。

英国ノッティンガムで社会福祉士として働くマーガレット・ハンフリーズが
その仕事を通じて知り、やがて調査を始めて明らかになった制度、
それが1896年から1970年代にかけて行われていた「児童移民制度」でした。
貧困家庭や親の麻薬依存症、そしてアルコール中毒などを理由に
親から引き離された13万人もの児童や孤児が、
福祉の名のもとにオーストラリアやニュージーランドの施設に送り込まれていました。

この児童移民、その動機はさまざまでしたが、
確かなことは子どもたち自身を最優先としてはいなかったということ。
カナダでは便利で安価な労働力として、オーストラリアでは人口を押し上げる手段として、
旧ローデシアでは白人の経営エリートを保護する方法としてみなされていたそうです。

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「オレンジと太陽」はそうした児童移民制度の事実を告発した実在の社会福祉士マーガレット・ハンフリーズの物語です。彼女が書いた「からのゆりかご---大英帝国の迷い子たち」が原作となっています。

さて、このマーガレット・ハンフリーズという女性。
1987年には児童移民トラストを設立し、児童移民の問題に対処しています。
戦後には下は3歳の子どもまでもが、カナダ、ニュージーランド、ジンバブエ(旧ローデシア)、オーストラリアへ、1970年まで送られ続けていた児童移民。
彼らへのカウンセリングや離散家族との再会を含む社会福祉サービスを提供しているのが
児童移民トラスト、オーストラリアとイギリス両国に登録された慈善団体です。

本作では、オレンジと太陽という暖色の優しいイメージからは程遠い衝撃の事実がガツンと描かれています。
監督はイギリスの誇る社会派監督ケン・ローチの息子ジム・ローチ。
「オレンジと太陽」は彼の初監督作品であります。
蛙の子は蛙。息子もまた父と同じく社会派のテーマで長編映画監督デビューを飾りました。
さあ1969年生まれのジム・ローチ、どんな映画を観せてくれるのでしょうか。
続きは次回までお待ちくださいませ。乞うご期待でございますよ。



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☆4月3日に更新しました。いつも応援ありがとうございます☆

オレンジと太陽
監督/ジム・ローチ、脚本/ロナ・マンロ、原作/「マーガレット・ハンフリーズ著「からのゆりかご---大英帝国の迷い子たち」(日本図書刊行会)、撮影/デンソン・ベイカー
出演
エミリー・ワトソン/マーガレット・ハンフリーズ、デイヴィッド・ウェナム/レン、ヒューゴ・ウィーヴィング/ジャック、リチャード・ディレーン/マーヴ、ロレイン・アッシュボーン/ニッキー
4月14日(土)岩波ホールほか全国順次公開、イギリス・オーストラリア、106分、字幕/斎藤敦子、配給/ムヴィオラ、http://oranges-movie.com/

by Mtonosama | 2012-04-03 06:24 | 映画 | Comments(10)
Commented by 京一郎 at 2012-04-03 12:30 x
おどろきました。
先進国イギリスで、つい最近まで行われていたという「児童移民制度」
これが最近になって、明らかにされるとは。
やはり長生きはするもの、というか。
続を待っています。
Commented by Mtonosama at 2012-04-03 14:39
♪京一郎さん

本当にびっくりしますよね。
1970年といえばつい最近・・・(あ、言い過ぎでしょうか)
のことのような気がします。

置き去りにされた子どもというと中国残留孤児の印象が
強かったので、「え、イギリスで!?」と驚きました。

4月14日公開です。
Commented by Tsugumi at 2012-04-04 07:27 x
イギリスでそんなことが行われていたのですか。。。

驚きです。

40年前と言えばうちのだんな様20代前半・・・知っているのか聞いてみます。
Commented by Mtonosama at 2012-04-04 09:20
♪Tsugumiさん

Tsugumiさん、驚くかなぁと思って、この映画観ました^_^;
イギリスで、ですものね。

だんな様、きっとこのマーガレットさんのことご存知かもしれませんね。
Commented by poirier_AAA at 2012-04-04 23:57
わたしもびっくりしました。イギリスでそんなことが行われていたんですね。

何処の国にもあまり見せたくない知りたくない歴史があるものだと、最近特に思うようになりました。50年60年経って初めて広く知られるようになることもたくさんあります。そういう歴史が他にもまだまだいっぱいあるんだろうなぁと思うと、クラクラします。
Commented by Mtonosama at 2012-04-05 07:11
♪poirier AAAさん

ホントに・・・・・
クラクラするような驚くべき事柄が世界にはいっぱいあるんでしょうね。

でも、いくら隠していても何かの拍子に明らかになったりするもの。この映画のように。
それを改善の第一歩にしていくことが必要なんでしょうね。
Commented by ライスケーキ at 2012-04-05 20:25 x
イギリスでこんなことがあったなんて 私もビックリ。

特に公にもされず 
この事実、 一般のイギリス人は知らないんじゃないでしょうか。
Tsugumiさんのだんな様いかがですか。

このようなテーマで映画を作り 世の中に訴えていく。
ジム・ローチ監督。  親子そろって素晴らしいですね。
次回期待しています。
Commented by Mtonosama at 2012-04-05 21:07
♪ライスケーキさん

フランスで第二次世界大戦中、ユダヤ人が迫害されたことが
明らかになり、大統領が謝罪したように、
イギリスもこのマーガレットさんが疑問を持って
調査することがなかったら、黙ったままでいたのでしょうか?

ひえーっ、びっくりの映画でした。
Commented by すっとこ at 2012-04-06 06:57 x
うわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!

日本に一時帰国中でなかなかPC前に座れませーーーーん。

この児童移民についてどこかでチラッと耳にしたのですが。
オーストラリアだったかな、ここで児童移民として連れてこられた
女性が長じて自分のアイデンティティを求めるようになり
しかし、どこを探しても自分の出自、出生地、親の名前、他の家族など
一切の記録がまったく白紙であったと
国を訴えたのではなかったでしょうか。

一方マーガレットさんのようにこのような児童のために
尽力した方もあったのですね・
そしてそれを映画にした監督もいた・・・。

人の残酷さと聡明さと冷酷と暖かさと。
いろいろ考えさせられる映画です。

ロンドンで「子供は犬を躾けるように扱うべし」という
考え方があると聞いたことがありました。
ちょっと思い出しました・・・。

次号のストーリーUP楽しみにしています!
Commented by Mtonosama at 2012-04-06 07:22
♪すっとこさん

お忙しい中、コメントありがとうございます。
へぇ、すっとこさんはご存知でしたか?!
私なんぞ、この映画で初めて知ってびっくりしちゃいました。

後篇、今朝アップしました。またお忙しい合間を縫って覗いてね(^_-)-☆