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殿様の試写室

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ル・アーブルの靴みがき -1- LE HAVRE

ル・アーブルの靴みがき -1-
LE HAVRE

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© Sputnik Oy

アキ・カウリスマキ。
舌をかみそうな名前ですが、名前を覚えることの下手なとのも
彼の名前は比較的早く覚えることができました。
アキのキ、カウリスマキのキと韻を踏んでいるからでしょうか。
それともアキという日本語っぽい言葉がこの監督の名前だからでしょうか。
秋飼う栗鼠マキ・・・なんてね。

アキ・カウリスマキは1957年4月4日フィンランド・オリマティラ生まれの監督です。
つい先日55歳になったばかりなのですね。
ヘルシンキの大学に在学中は大学新聞をひとりで編集したり、
フィンランドの代表的な映画雑誌に寄稿、雑誌編集にも参加し、全頁を別のペンネームで
書き分けるなど異能の人でありました。

さて、異能の人アキ・カウリスマキの最新作「ル・アーブルの靴みがき」は
「街のあかり」(‘06)以来、5年ぶりの新作で、
そして「ラヴィ・ド・ボエーム」(‘91)に次いで2本目となるフランス語の作品です。
舞台は大西洋に臨む北フランスの港町ル・アーブル。


ル・アーブルはセーヌ川右岸の河口に位置する。港湾の規模はマルセイユに次いで、大西洋岸ではフランス第1位の規模である。2005年戦後再建された中心部の街並みが「オーギュスト・ペレによって再建された都市ル・アーブル」として世界文化遺産に登録された。
第二次世界大戦中、ノルマンディー上陸作戦から続くアストニア作戦の艦砲射撃と空爆で破壊され、戦後「鉄筋コンクリートの巨匠」とも呼ばれた建築家オーギュスト・ペレによって再建された。
(Wikipediaより)

などと、ル・アーブルのことをウィキったのはこの港町が本作にとって重要なポイントになっているからです。
以前、「君を想って海をゆく」(‘10)という映画を2年前の12月に当試写室で上映しました。http://mtonosama.exblog.jp/15073145/  http://mtonosama.exblog.jp/15091252/
運動音痴でありながら、水泳だけは好きなとのにとって極めて印象的かつ感動的な映画でした。
クルド人の難民少年がドーバー海峡を泳いで英国へ渡るという作品ですが、
こちらはカレーが舞台でした。
カレーはル・アーブルと同じく大西洋に面した北フランスの街で
英仏海峡トンネルでイギリスのドーバーと結ばれています。

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というわけで、イギリスをめざす難民たちは大西洋に面したイギリスに近い北フランスの都市に
足を踏み入れる訳です。
では、難民たちはなぜイギリスを目指すのでしょうか?

理由の第1は、フランスやドイツと違って、イギリスでは亡命者としての身分を簡単に取得することができること。
亡命審査が行われている間、住居と食料、さらに週に35ポンド(約6300円、そのうち約4500円が商品交換券)が支給され、場合によってはそのまま逃亡することもできる。そのうえ、国内に6カ月以上留まると、労働許可証も支給されるが、イギリスには大規模な無許可労働市場があるため、実際には許可証なしに簡単に仕事を見つけることができる。
難民にとってイギリスでの生活の1番の魅力的な面としては、他の欧州諸国にあるIDカード制度がないこと。イギリスでは、犯罪者として疑われているとき以外は、国籍などについて聞かれることはなく、安心して生活することができる。
一方フランスでは、難民には働く権利がなく、彼らは月に180ポンド(約3万2000円)が与えられるだけである。また、制度上は難民センターにおいて住居を探す手助けをしてもらえるのだが、実際は、自分たちで探さなくてはならない。さらに、日常生活を営むうえでIDカードが必需となっており、絶えず生活に対する不安がつきまとうことになる。

フランス外務省のスポークスマンはこう語っている。
ロンドンでは民族の多様性を埋めるべく、法律の整備が行われ、あらゆる分野において「公平さ」や「多様性の理解」が周知徹底されようとしているが、大陸はまったく逆の立場にある。この違いが特にイギリスが難民を引きつける要素になっているのであろう。
こうした難民の流入に伴う多くの問題への対応は、現在、イギリス全土の地方自治体において大きな課題となってきている。
「自治体国際化フォーラム」 http://www.clair.or.jp/j/forum/forum/articles/jimusyo/146LOND/INDEX.HTM#4


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と、またまた引用が長くなってしまいました。
もうおわかりでしょうが、本作では難民が描かれています。

とはいえ、難民の抱えるさまざまな問題をしゃっちょこばって論じる映画ではなく、
あるいは、難民はこんなに可哀想なんだから、という社会派の映画でもありません。
だから、どういう映画なんだ?と問われれば、メルヒェンと答えてしまいましょう。
それも、ここまでやるか・・・と思わず開いた口がそのまま閉まらない超ハッピーな映画なんです。

さあ、異能の人アキ・カウリスマキ監督の最新作は、一体どんなお話でしょうか。
乞うご期待でございますよ。



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☆4月15日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

ル・アーブルの靴みがき
監督・脚本・プロデューサー/アキ・カウリスマキ、助監督/ジル・シャルマン、撮影/ティモ・サルミネン
出演
アンドレ・ウィルム/マルセル・マルクス、カティ・オウティネン/アルレッティ、ジャン=ピエール・ダルッサン/モネ警視、ブロンダン・ミゲル/イドリッサ、エリナ・サロ/クレール、イヴリヌ・ディディ/イヴェット、ゴック・ユン・グエン/チャング、ライカ/ライカ、フランソワ・モニエ/ジャン=ピエール、ロベルト・ピアッツァ/リトル・ボブ、ピエール・エテックス/ベッカー医師、ジャン=ピエール・レオー/密告者
4月28日(土)よりユーロスペースほか全国順次ロードショー
2011年、フィンランド・フランス・ドイツ、フランス語、93分、字幕翻訳/寺尾次郎、提供/ユーロスペース+キングレコード、配給/ユーロスペース
http://www.lehavre-film.com/

by Mtonosama | 2012-04-15 06:06 | 映画 | Comments(8)
Commented by ライスケーキ at 2012-04-15 20:09 x
へぇ、、イギリスって そんなに難民に優しいんですか。
                                          
難民が描かれているのに、超ハッピーなんてどんな映画でしょう。
それもメルヒェンだなんて。
これも 観るっきゃないですね。
Commented by Mtonosama at 2012-04-15 21:04
♪ライスケーキさん

「君を想って海を行く」を観た時も不思議だったんですけどね。
前回、児童移民で驚かせてくれた英国ですが、今回も驚かせてくれました。

ホントに超ハッピーエンドな映画でした♡
Commented by すっとこ at 2012-04-16 01:41 x
NYに戻ってまいりました!

ぇッえぇぇエエエエエエエエえええええええええええええええええええええええええ!
イギリスってそんなに難民に優しい国だったんですか。

いつかのイギリス映画・・・ああ・・・・題名が忘却の彼方の・・・
「難民」を指す言葉だったような
    ある教授が仕事場に借りたアパートに
    留守の間に住み着く難民。その母親でしたっけ
    窓ガラス拭く場面がチャーミングな女性、
    彼女に淡く思いを寄せ始める教授。
    しかし彼女は不法滞在者として自国へ送り返され
    どうするこもできない教授は彼女の去った後
    息子から習い始めた太鼓を地下鉄ホームで
    叩いている・・・その音でエンド・マークだったような。

あ、いかん。
本作と関係なかった。

関係なかったといえば
機上で”サラの鍵”を見ました。
殿様の試写室でフランスに於けるユダヤ人迫害を
知ったので見る前から胸が詰まりました。

ああ、また本作と関係ない話を・・・。

めるひぇん本作、ドーバーの白い壁を思いながら
いつか観たいものです!
次号UPも楽しみにしています!!
Commented by Mtonosama at 2012-04-16 05:53
♪すっとこさん

おお、無事到着なさいましたか。お疲れ様でした。
「サラの鍵」ご覧になりましたか?
今回、機内では何本鑑賞なさいましたでしょうか。

すっとこさんの咽喉まで来てて思い出せない映画。
不肖、とのめが思い出してしんぜましょう。

それは「扉をたたく人」THE VISITOR http://mtonosama.exblog.jp/11280186/
でございましょう?
良い映画でしたね。

どうぞ、早く長旅のお疲れをいやしてくださいますように。
またのおいでをお待ちしております<(_ _)>
Commented by すっとこ at 2012-04-16 20:52 x
あぁっあ~~~~~~~~~~!
そうでした、”The Visiter”でした!
さすが殿様、博覧強記っ。

機内映画は ”サラの鍵”から始まって”戦火の馬”
 ”サッチャー鉄の女” ”アーティスト” ちょっと古いけど
”ボーン アイデンティティ”を観ました。

”サラの鍵”が一番重く一番心に残りました。
Commented by Mtonosama at 2012-04-17 05:33
♪すっとこさん

5本もご覧になりましたか!?

「アーティスト」はいかがでしたか?
しかし、良いところ全部おさえましたね。

いいなぁ。
Commented by Tsugumi at 2012-04-17 08:28 x
最近イギリスではテロ以降ビザ取得とっても厳しくなっているみたい。私の友人(日本人)はイギリス人と結婚して子供までいるのにビザが下りるのに半年くらいかかりました。保証人?の欄には必ず知り合いのイギリス人(親はだめ)の署名まで必要だそうです。

ちょっと前までは移民天国だったのにね。
Commented by Mtonosama at 2012-04-17 10:16
♪Tsugumiさん

そうなんですか・・・・・

この映画でも「君を想って海を行く」でも、難民たちは皆
イギリスをめざしていくのに。

二年前、イギリス旅行をしたとき、ロンドンにはアジアの人やアフリカの人、いろんな国の人がたくさん働いていました。
それがまた映画のネタになったりもしてましたよね。

テロが悪いのか、欧米諸国の内向き傾向なのか、
移民を受け入れなくても、受け入れても、問題は起きていますよね。