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殿様の試写室

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ル・アーブルの靴みがき -2- LE HAVRE

ル・アーブルの靴みがき -2-
LE HAVRE

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© Sputnik Oy

とのはアキ・カウリスマキの前作「街のあかり」(‘06)を観ましたが、
その時もなんとも不思議な印象を受けました。
なんといったらいいのでしょう。映像に動きがないのです。
いえいえ、これは悪い意味で言っているのではありません。
日照時間の少ない冬のフィンランドの街が紙芝居のようなテンポで映し出されるんですね。
このゆったり感が独特な世界観を醸しているとでもいうんでしょうか。
妙に魅かれるものがありました。

本作「ル・アーブルの靴みがき」でも、カウリスマキ・ワールドは十分に満喫できますよ。
さあ、どんなお話かというと・・・・・


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ストーリー
北フランス、ノルマンディ地方の港町ル・アーブル。
主人公はマルセル・マルクス。昔は彼もパリで芸術家として鳴らした男。
しかし、今はル・アーブルの街かどで靴磨きをして暮らしています。
8年かけて身分証明書を手に入れたベトナム人のチャングと連れだって、
駅や高級靴店の前で客を待ちます。
でも、お客はそんなには来ないし、靴店の前からは追い払われる始末。
稼ぎは僅かですが、マルセルは幸せでした。
なぜなら愛妻アルレッティと愛犬ライカが彼の帰りを待っていてくれるし、
近所に暮らすパン屋のイヴェットや八百屋のジャン=ピエール、仕事の帰りに立ち寄る
カフェの女主人クレールとの語らいもマルセルの楽しみだったからです。

ある日のこと、港でアフリカ・ガボンからの難民が乗ったコンテナが発見されます。
その時いち早く警察の手をすり抜けた少年イドリッサ。
埠頭でランチを食べていたマルセルは、桟橋の下に隠れていたこの少年とばったり。

突然の病で入院したアルレッティと入れ替わるように家へやってきたイドリッサ少年。
友人たちの協力で少年を迎え入れることに成功はしたものの腕利きの警視モネや密告者が
マルセルたちを脅かし続けます。

一方、不治の病の宣告を受けたアルレッティ。
「ああ、お医者さま、決して彼にこのことは伝えないで」。
アルレッティは主治医に懇願します。
それは、幼子のような心のマルセルにこの現実は受け入れ難いと判断したからです。
毎日花を持って妻の病室に通うマルセル。
しかし、日毎にやつれていく身体を見せたくないアルレッティは
「あなたに会うと心が乱されて身体に障るからしばらく来ないで」と優しい嘘をつくのでした。

そして、イドリッサ。彼は、今はロンドンにいる母に会おうとしていました。
マルセルは難民キャンプに収容されたイドリッサの祖父と面会し、
なんとしてもイドリッサをロンドンに送り出してやりたいと思うようになりました。
しかし、それには大きな危険が伴い、3000ユーロという莫大な費用もかかります。
挫けることなく、必死に奔走するマルセルはチャリティコンサートを企画。
見事3000ユーロを手にし、港に着いたイドリッサとマルセルでしたが、
そこにはあの鬼警視モネの姿。

同じ頃、病院ではアルレッティの容体が急変。

さあ、イドリッサはロンドンへ向かうことができるのでしょうか。
そして、アルレッティとマルセルの運命は……


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本作は北フランスが舞台で、フィンランドほどではないにしても、
陽光に満ち溢れているという訳ではありません。まして、季節は冬。
登場人物には美男も美女もいないし、それどころか、人相だってあまり良くない俳優さんばかり。

なのに、このほのぼのとした感覚はなんでしょう。
貧乏で、愛妻は病に倒れ、おまけに難民の少年を抱え込み、警察にはつけ狙われ、
大きな金額のお金もつくらなくてはならない。
どこがハッピーなんだ?ああ、どうなってしまうのか。ハラハラ、ビクビク。
といった観客の思惑などいっさい関係なし。
マルセルは、楽しげに、伸びやかに、難局を打開していきます。
いいなぁ。超がつくほどハッピーな展開。

「映画だからね」。「所詮、つくり話だし」。
わかっています。わかっていますよ。
でも、人生、谷底を歩いているときはこういう映画って必要なんです。
カウリスマキ・ワールドにありがとう!です。





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☆4月18日に更新しました。いつも応援ありがとうございます☆

ル・アーブルの靴みがき
監督・脚本・プロデューサー/アキ・カウリスマキ、助監督/ジル・シャルマン、撮影/ティモ・サルミネン
出演
アンドレ・ウィルム/マルセル・マルクス、カティ・オウティネン/アルレッティ、ジャン=ピエール・ダルッサン/モネ警視、ブロンダン・ミゲル/イドリッサ、エリナ・サロ/クレール、イヴリヌ・ディディ/イヴェット、ゴック・ユン・グエン/チャング、ライカ/ライカ、フランソワ・モニエ/ジャン=ピエール、ロベルト・ピアッツァ/リトル・ボブ、ピエール・エテックス/ベッカー医師、ジャン=ピエール・レオー/密告者
4月28日(土)よりユーロスペースほか全国順次ロードショー
2011年、フィンランド・フランス・ドイツ、フランス語、93分、字幕翻訳/寺尾次郎、提供/ユーロスペース+キングレコード、配給/ユーロスペース
http://www.lehavre-film.com/

by Mtonosama | 2012-04-18 05:51 | 映画 | Comments(8)
Commented by ライスケーキ at 2012-04-18 13:39 x
「人生の終盤」何かやりたいですね。

私 美男・美女が出てくる映画より
こういうフツーの人達を描いた映画が好きです。

まぁ、ルックス観るだけじゃ 美男の方が良いけど。

どんな、ハッピー・エンディングになるのでしょうね。
Commented by Mtonosama at 2012-04-18 17:37
♪ライスケーキさん

確かに、ルックスが良いにこしたことはないですけど(^_-)-☆

でも、歴史も物語も映画も、普通の人がつくりあげていくものですもんね。
Commented by すっとこ at 2012-04-18 20:18 x
きゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ。

前の号でのアルレッティの黄色プリントワンピも
良かったし
今回のオレンジっぽいアウトフィットもいいなぁ。
これってまさかエプロンじゃないよね、二重衿もついてるし。

     となぜかアルレッティの洋服に目がいく今回なり。


前途多難そうな展開なれど
メルヒェンってことなので
安心して観ていられそう!!

殿様試写室、次号UPも楽しみにしています!!

Commented by Mtonosama at 2012-04-19 05:08
♪すっとこさん

アルレッティの黄色ワンピは彼女の大のお気に入りなの♡

今回のオレンジ色はエプロンでしょうね。おそらく^_^;

前途多難なれど、閉まった扉もたたいていれば開かれます。
南無~
Commented by Tsugumi at 2012-04-19 06:26 x
とのさまの試写室で上映される映画は上質で本当にみたいと思いますが・・うちの近所じゃなかなかやってないし。。
いつもYouTubeでみたつもりになっております(苦笑)

それに言語が英語以外だとうちの夫婦一緒では楽しめないし。。
困ったものです。

Commented by summersail at 2012-04-19 18:40
カウリスマキ監督の最新作ですね.いわゆる敗者三部作なんて言われている作品,以前みまして,なかなか個人的には気にいってますので,ぜひこの作品も見てみたいですね.
Commented by Mtonosama at 2012-04-20 17:19
♪Tsugumiさん

観たい映画が近くでやってないのって、寂しいですよね。

なんて、言っちゃって。
うちも実は映画館から遠いんです。
街中に住んで、観たいときにはポッと出かけられたらいいですね。

Commented by Mtonosama at 2012-04-20 17:21
♪summersailさん

カウリスマキ監督、いいです♪

前作の雰囲気も良かったけど、本作のチョ~ハッピーエンド
ぶりは本当にうれしいです。是非、ご覧になってくさい。