ムサン日記~白い犬 -1- Musanilgi
Musanilgi
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次から次へと新しい事件が起きるので、1週間前に起きたことは遠い過去のことになってしまう昨今。
つい先日も北朝鮮が人工衛星と称するものを飛ばし、大騒動になりました。
でも、今はもう次のニュースへと、目も気持も向いています。
今回、ご紹介する映画はその北朝鮮に関係があります。
自称・人工衛星を打ちあげたその足元では多くの人々が脱北者となって、
必死の思いで国を後にしているのですが、本作はその脱北者が主人公の映画です。
脱北者について実感としてはなかなかとらえることはできません。
でも、韓国でそれが映画になるということは、もう無視できない数の脱北者が存在するということなのでしょう。
茂山郡には北東アジア最大規模の埋蔵量を持つという鉄鉱山・茂山鉱山があり、
西北方向に流れる豆満江の対岸は中国です。
脱北者の多くがこの町を経て国境を超えていくそうです。
脱北者とは朝鮮民主主義人民共和国の政治体制や生活環境を苦にして同国を脱出する人のこと。北朝鮮難民。かつては帰順者と呼ばれていた。韓国における法律上の用語は北韓離脱住民である。本来は大韓民国(韓国)で朝鮮民主主義人民共和国から亡命してきた人のことをこう呼んでいたが、北朝鮮からの脱出者の増加によって対象範囲が拡大された。(Wikipediaより)
貧しく辛い北朝鮮での暮らしから抜け出し、韓国にやってきた青年です。
このスンチョルにはモデルがいました。
それは本作の監督パク・ジョンボムの友人で実際にムサンを経て、
脱北してきたチョン・スンチョル青年です。
監督の映画製作を手伝い、同じ夢を追いかけていた彼。
ですが、彼は、胃ガンを宣告され、30歳という若さで亡くなりました。
その最期の言葉は
「先輩の長編映画を観ずに先に逝くことを許してください。
僕らが作ろうとしていた映画を撮ってくれることを願っています」・・・・・
むごいです。
苦労して韓国へやってきたのに夢半ばにして斃れてしまったスンチョル青年。
青年のこの言葉がひきがねとなって、パク・ジョンボム監督は
「ムサン日記~白い犬」の製作を決意したといいます。
パク・ジョンボム監督。1976年生まれの若い監督です。本作が長編映画デビュー作。
自身が主演し、製作・監督・脚本の1人4役で、借金に借金を重ねて完成した作品です。
あ、このジョンボム監督、今年2月に当試写室で上映した「ポエトリー アグネスの詩」http://mtonosama.exblog.jp/17150701/ http://mtonosama.exblog.jp/17162642/
で、イ・チャンドン監督の助監督を務めています。
“Musanilgi”(「ムサン日記」)というタイトルもチャンドン監督のアドバイスによってつけたということです。
さて、話は長くなりますが、邦題の「白い犬」。気になりませんか?
とのはこの白い犬が画面に登場したとき、思わず「キャッ♡」と声をあげてしまいました。
まあ、可愛いったらないんです。ペックという名で出演していますが、本名もペック。
ペックというのは韓国語で白のことです。
チンド(珍島)犬とプンサン(豊山)犬の雑種で、黒いくるくるした目と黒い鼻。
その丸く黒い瞳を縁取るまつ毛も白ければ、全身真っ白。もう、ホントに可愛いです。
余談ですが、チンド(珍島)犬は韓国原産。
プンサン(豊山)犬は北朝鮮の金亨権郡(旧名:豊山郡)原産、北朝鮮の天然記念物です。
2000年初めて開かれた南北首脳会談で金大中大統領と金正日総書記が交換しあったことでも知られています。
韓国の脱北者を主人公にした映画で、南北朝鮮それぞれを原産とする犬、
それも両犬種のミックス犬が重要なポイントになるわけです。
期待が高まってきませんか?さあ、どんなお話でしょう。
続きは後篇まで乞うご期待でございますよ。
続
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ムサン日記~白い犬
脚本・監督・エグゼクティブ・プロデューサー/パク・ジョンボム、共同エグゼクティブ・プロデューサー/キム・ナンスク、プロデューサー/イ・ジヌク、撮影/キム・ジョンスン
出演
パク・ジョンボム/スンチョル、チン・ヨンウク/ギョンチョル、カン・ウンジン/スギョン、ペック/ペック(白い犬)
5月12日(土)シアター・イメージフォーラム他全国順次ロードショー
2010年、127分、韓国、カラー、字幕/根本理恵、配給/スターサンズ、http://musan-nikki.com/
北朝鮮に拉致された人々。 脱北者・・・。
何かが変われば 人々が幸せになれるのに・・・。
キム・ジョンウンさん 何かを変えてください・・・。
白いワンコが
南北それぞれの韓国純粋種の混血、
というのが すでに象徴しているのでしょうか。
この映画の主題を。
あまりにわからない北の事情です。
この映画紹介で少しでも
勉強したいです。
次号のストーリーUPを楽しみにしています!
このペックちゃん可愛いでしょ?
お耳とお耳の間が離れてて、ちょっと鉄腕アトムみたいなの。
北の事情はわかりませんが、韓国には大勢の脱北者が住んでいるようです。
韓国サイドは彼らに対してそれなりの対応はしているみたいです。
でも、あくまでも”それなりに”ってことなのでしょうね。
この映画は北と南の問題という面もあるのですが、
日本の正規労働者と非正規労働者という側面や、
もっと普遍的な「どう生きるか」という問題も含んでいるようです。
生きる、と言うことはまことに大変なことだと今さらながら
思い知るとのであります。
ふーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーう……
戦争の愚かさを考えさせられした。
普通の人間は生活に追われ世相に流され何も分からず時間を過ごす。。
北の人たちもきっと同じなのかも知れません。
でもたくさんの脱北者がいるという事実はきっと何か起こる可能性があるのでは。。。
たとえばベルリンの壁。
飛躍しすぎですかね。
「キャタピラ」ご覧になりましたか?
私、観たい観たいと思いつつ、まだ観てないんです。
ずっと昔アメリカ映画でやはり同じテーマの作品がありました。「ジョニーは戦場へ行った」だったかな?
Tsugumiさんのおっしゃる通り、絶対に何かが変わる気はします。
ベルリンの壁が破れるなんて思ってもみなかったのに、
あの感動的な光景をこの目で見ることができたんですものね。