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殿様の試写室

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オロ -1- OLO.The boy from Tibet

オロ -1-
OLO.The boy from Tibet

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2007年。ですから、5年前ですね。チベットへ行きました。
子どもの頃からこの地に憧れていたのと、ボタラ宮をこの目で見てみたかったからです。
それと鳥葬にも強い関心がありました。怖いもの見たさですかねぇ。
あ、もちろん、鳥葬は見ることはありませんでしたが、
ガイドさんからチベットにはいろいろな弔いの形があることを聞きました。
ちょっとここではご紹介できない内容なので、悪しからず、でございます。

両手、両膝、額という五体を地面にこすりつけながら礼拝する五体倒地をしながら、
聖地へ向かう巡礼の一団も目にしました。
このように厳しい礼拝の姿勢を自らに課すチベットの人たちは
それほどまでに現世に絶望しているということか、と身が震えました。

そして、壮麗なボタラ宮に感動しつつ、本来ならここでダライ・ラマ14世が執務し、祈りを捧げているのだろうに、
とチベットの抱える政治的、宗教的な諸問題にも想いをめぐらせた印象深い旅でした。
更に私的なことでありますが、チベットから帰ってすぐの秋、父が大腸がんの手術を受け、
翌2008年3月に亡くなったことによってもこの国の印象は深く刻まれてしまいました。

「オロ」は、6歳のときにヒマラヤを超え、チベットからインド北部の町ダラムサラに亡命した少年の物語です。

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チベット。
とのが抱く私的なチベットへの印象や、チベットが抱える悲しく厳しい現実。
そして、本作の岩佐寿弥監督が岩波映画出身の監督とあって、
必要以上に、暗く重い映画を想像していました。

が、しかし・・・・・
本作に限らず、先入見にとらわれるというのは世間を狭めますね。絶対に。

「オロ」のお蔭で、ダラムサラに亡命しているチベット人の思いがけない明るさに驚くと同時に、
チベットを舞台にする映画に抱いていたイメージがガラリと変わりました。


岩佐寿弥監督
1934年生まれ。映画作家・TVディレクター。1959年に岩波映画入社。岩波映画時代の任意の運動体「青の会」のメンバーでもあった。1964年フリーランスに。
映画「ねじ式映画―私は女優?―」(‘69)、「叛軍No.4」(‘72)、「眠れ蜜」(‘76)、「モゥモチェンガ」(‘02)
TV作品「プチト・アナコ―ロダンが愛した旅芸人花子―」(‘02)など海外取材によるTV作品多数。
2005年「あの夏、少年はいた」(川口汐子共著)を出版。この本を原作としたドキュメンタリードラマ「あの夏~60年目の恋文~」(‘06)がNHKで放映される。

そして、「オロ」。
先ほども言いましたが、これに登場するチベットの人々の意外な明るさに救われました。
と同時に、ドキュメンタリー映画という表現形式が案外幅の広いものなのだな、
ということにも瞠目させられました。
実際、未だにこれをドキュメンタリー映画とひとからげに呼んでしまっていいのか、迷います。

オロ少年が岩佐監督から映画の主演依頼を受けて
「きっとカンフーみたいな映画なんだろうけど、僕はあまり上手じゃないしなぁ」
と思ったその当惑に似ています。

6歳の時「しっかり勉強するんだよ」と母親に励まされ、チベットから亡命。
苦労を重ねてダラムサラまでたどり着き、チベット子ども村で勉強するオロ少年。
そのドキュメントというより、言ってみればビルドゥングスロマン
(Bildungsroman:主人公の人格の形成・発展を中心として書いた小説。ドイツ文学の主流のひとつ)
のように観てしまいました。

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下田昌克さんによる狼のイラストがめっちゃ可愛いし、
登場人物の似顔絵も色鉛筆の優しいタッチで素敵です。
そんなイラストがそこここに出てくるドキュメンタリー映画、いえ、ビルドゥングズロマン映画。
今までに観たことのなかった映画でした。

どんなお話かは次回までお待ちくださいね。



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☆7月3日に更新しました。いつも応援ありがとうございます☆

オロ
監督/岩佐寿弥、プロデューサー/代島治彦、撮影/津村和比古、音楽/大友良英、絵・題字/下田昌克、編集/代島治彦、整音/滝澤修、通訳・コーディネーター/ツェワン・ギャルツェン、ボランチ/南椌椌、制作・配給/スコブル工房、企画・製作/オロ製作委員会
現地コーディネーター/中原一博、チベット語監修/貞兼綾子、翻訳/クンチョック・シタル、ロディ・ギャツオ、ソナム・ツェリン、ドルマ・セーリング、日本語字幕/赤松立太、特別協力/ダライ・ラマ法王日本代表部事務所、チベット子ども村
出演
オロ、姉ダドゥン、妹ラモ・ドルマ、ダドゥン姉妹の母ラモ・ツォ、ダドゥン姉妹の父ドンドゥップ・ワンチェン、ダラムサラのおじさん、長女ドルマ、次女デチェン、三女ツェリン・ラモ、三姉妹の両親、モゥモ・チェンガ、チベット難民受付センターで出会う青年、ホーム23の友達
6月30日(土)ユーロスペース他全国順次ロードショー
2012年、108分、日本、チベット語・日本語、http://www.olo-tibet.com/

by Mtonosama | 2012-07-03 06:48 | 映画 | Comments(6)
Commented by ライスケーキ at 2012-07-03 19:32 x
この映画 英語のタイトルなので 外国産の作品かと思いましたが 監督、プロデューサー、撮影・・・。
みんな日本人の日本の作品なんですね、

日本人が描くチベットですか?
それとも チベットはこんな所 と思って観て良いですか?
実際に訪れた殿さま、 感想は如何に?
Commented by すっとこ at 2012-07-03 19:46 x
うっわ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ん!!

なぜかPC不安定で 投稿間近の最後で
コメント一瞬に消えてしもうた!

気を取り直して。

この映画、???だらけです。
チベット映画?
ドキュメンタリー?
岩波映画出身の日本人がメガホンを?
ビルドゥングス・ロマン?


そして実際に訪れたことのある殿様の
「とてもここに書けない」鳥葬以外の弔いとは?

いっぱいの?????に答えてくださるであろう
次回UPを楽しみに!!

あ、ポチッとしてから帰ります。
Commented by Mtonosama at 2012-07-04 06:56
♪ライスケーキさん

この映画の舞台はチベット人の亡命先である北インドのダラムサラ。

チベットの映画と言うよりチベット人を描いた映画です。

私の観たチベットは紅衛兵が壊したままになっている寺院とか、トイレ休憩でバスを降りた森とか、マニ車をクルクル回しながら携帯電話をかけている民族衣装姿のおにいさんとか、現代と昔ながらの生活が混ざり合ったチベットでした。

ちなみにトイレ休憩で降りた森にはもちろんトイレの建物などなく、皆茂みに隠れて用を足しました。そして、そこに何も残していかないようビニール袋に入れてホテルに持ち帰りました^_^;
Commented by Mtonosama at 2012-07-04 07:02
♪すっとこさん

うわ~~~~!投稿の瞬間に消えちゃうのってショック!!

にもかかわらず、再び送ってくださってありがとうございました。

あの~、鳥葬以外の弔いについては、ここではつまびらかにできませぬのでご容赦ください。

ああ、チベット。もう一度行きたしと思えども、あの高地に順応するのはつらいです。

あ、そうそう。
私たち平地の人間がチベットに行くと高山病になりますが、チベットの人たちが平地に行くと逆に平地病みたいになるってガイドさんが言ってました。
Commented by poirier_AAA at 2012-07-04 20:13
チベットにいらしたんですか。チベットって、単なる観光気分では行かれない(高山病のこともあるし)、ちょっと特別な場所という気がします。そういう場所に実際に立つことができたら、ものの見方ががらっと変わるかもしれませんよね。

映画で(わたしは本で読むことも多いんですが)、知らない土地で自分と違う生活をしている人のことを知るのが好きです。こういう映画が出てくるのは嬉しいですね。どんなお話なのか、続きを楽しみにしています。
Commented by Mtonosama at 2012-07-05 07:05
♪poirier AAAさん

はい、2007年に行きました。父の亡くなる1年前だったので
数字に弱いわたしも年号をしっかり覚えています。

諸問題が噴出する前、人々の内部でいろいろなことがグツグツと煮えたぎっていた時期なのだと思います。

どこまでも拡がる大地や、ほとんど宇宙といった感じの空や、五体倒地の巡礼の一行・・・・・

観光旅行とはいえ、考え方を変えてくれたチベットでした。