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殿様の試写室

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オロ -2- OLO.The boy from Tibet

オロ -2-
OLO.The boy from Tibet

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子どもの出生率が少ないとまくしたてながら、
適切な手を差し伸べられないようなどこかの不器用な国もありますが、
どんな国でも、どんな時代でも、どんな民族でも、おとなは子どもに未来を託すもの。

子どもが生まれたり、孫が生まれると、
人が様変わりしてしまうのは
自分によく似たこの小さな存在がこれからの時代を生きていくことに、
知らず知らずの内に喜びと期待を託しているからなのでしょうね。きっと。

オロ少年のおかあさんもそうだったのでしょう。
まだ6歳のオロを遠い国へ旅立たせるのは不安も大きかったけれども、
おかあさんはチベットとオロ自身の未来を託したのでしょう。
それは、まだ6歳のオロがその肩に負うには重すぎる未来だったかもしれませんけど。

ヒマラヤ山脈の北側に広がるチベットは、今は中国の一部になっています。
1959年にダライ・ラマ14世が亡命し、インド北部のダラムサラにチベット亡命政府を樹立して早や半世紀以上。
現在のチベット難民数はインド・ネパールを中心に全世界で約15万人と言われています。

オロが、笑顔の陰に隠してなかなか語ろうとしないチベットからのつらい旅の後、
辿り着いたダラムサラのチベット子ども村(Tibetan Children’s Village)は,
危機に瀕するチベット語、チベット文化の教育機会を子どもたちに与えたいという
ダライ・ラマ14世の意向で1960年に設立されました。
現在はインド各地で7校が運営され、約15,000人が学んでいます。

オロのおかあさんが「しっかり勉強してくるんだよ」とオロを送りだしたのは
この学校でチベットの言葉やチベットの文化を学ばせたかったんですね。

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ストーリー
監督の「よーい、スタート」の声を受けて、ダラムサラの路地を駆け抜けるオロ。

チベット子ども村で勉強するオロ少年は6歳の時、母と別れ、この地にやってきました。
だから、学校が長い休みを迎えるとおじさんの家で過ごします。
おじさんは遠い親戚。中国と闘い、中国の刑務所に入ったこともある人です。

ダドゥン姉妹はチベット子ども村の同級生。休みはいつも一緒に遊びます。
今日はダドゥンの誕生日。ダドゥン姉妹とオロの歌合戦を楽しそうに見守る姉妹の母ラモ・ツォおばさん。でも、この家には姉妹の父親の姿はありません。

今日はダドゥン姉妹の父ワンチェンの映画上映会です。
ワンチェンさんは実はこの映画を撮ったために中国警察に逮捕され、刑務所にいるのです。
ラモ・ツォおばさんは観客に夫の無実を訴えます。

夏休みも終わり、山の上のお堂で五体倒地のお参りをした後、
ヒマラヤが眺望できる丘にたたずむオロ。

f0165567_7172944.jpg冬休み。ダラムサラの街に5年ぶりの大雪が降った日、オロは岩佐監督に誘われて旅に出ます。
監督の友人のツェワンさんも通訳として一緒に来ました。
3人はインド・ネパール国境を越え、バスに乗ってネパールのポカラに向います。

ポカラにあるタシ・パルケル難民キャンプには、監督が10年前に作った映画
「モゥモチェンガ」(‘02)の主人公モゥモチェンガおばあちゃんが住んでいるのです。
オロはおばあちゃんに礼をつくした挨拶をし、おばあちゃんの親戚の三姉妹のおねえさんたちともすぐに仲良くなりました。

三姉妹の家で開いてくれた歓迎の宴でオロは歌います。
宴の中心にある焚火と姉妹たちの暖かいもてなしに心が溶けたかのように、
今まで決して語ることのなかった亡命のつらい体験を語り始めるオロ。

チベットのことを語り合うおばあちゃんとオロ。
歳は離れていても故郷への想いは同じです。
おばあちゃんはもうチベットに戻ることはできないでしょうが。
オロもまた6歳の時に別れて以来一度も会っていない母を想って祈ります……

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ドキュメンタリー映画でありながら、夢のような、幻想のような映画です。
過酷なチベットの置かれた状況を描きながら、逞しく、明るい人々が登場します。
辛いこともあれば、楽しいこともある人生。
もちろん楽しい日々もそうですが、辛い日々だっていつまでも続くことはない筈です。
辛い日々の中にも楽しいひとときはあります。
「生きるということはそもそも大変なことなんだよ。だから、笑える時には笑おうよ」
とオロくんやおばあちゃんたちに教えてもらったような気がしました。

チベットの路上で見た五体倒地の巡礼の一行の姿をまた思い出しました。





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☆7月6日に更新しました。いつも応援ありがとうございます☆

オロ
監督/岩佐寿弥、プロデューサー/代島治彦、撮影/津村和比古、音楽/大友良英、絵・題字/下田昌克、編集/代島治彦、整音/滝澤修、通訳・コーディネーター/ツェワン・ギャルツェン、ボランチ/南椌椌、制作・配給/スコブル工房、企画・製作/オロ製作委員会
現地コーディネーター/中原一博、チベット語監修/貞兼綾子、翻訳/クンチョック・シタル、ロディ・ギャツオ、ソナム・ツェリン、ドルマ・セーリング、日本語字幕/赤松立太、特別協力/ダライ・ラマ法王日本代表部事務所、チベット子ども村
出演
オロ、姉ダドゥン、妹ラモ・ドルマ、ダドゥン姉妹の母ラモ・ツォ、ダドゥン姉妹の父ドンドゥップ・ワンチェン、ダラムサラのおじさん、長女ドルマ、次女デチェン、三女ツェリン・ラモ、三姉妹の両親、モゥモ・チェンガ、チベット難民受付センターで出会う青年、ホーム23の友達
6月30日(土)ユーロスペース他全国順次ロードショー
2012年、108分、日本、チベット語・日本語、http://www.olo-tibet.com/

by Mtonosama | 2012-07-06 07:27 | 映画 | Comments(6)
Commented by すっとこ at 2012-07-06 08:57 x
ああああああああああああああ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~。

「チベットではこうやって赤ん坊をあやすんだよ」
♪オーロ~ オーロ~ オーロ~♪
笑顔で身振りをやってみせるオロ君自身が
なんと
6歳で亡命したのですね。

まだ♪オーロ~♪とあやして欲しいときもある年齢
ですよね。

インドに“チベット子供の村”が
ダライ・ラマの意向でたくさん建てられて
いたのですか!

世の中、知らないことばかりです。
またひとつ殿様試写室で勉強させて頂きました。

予告編の♪オーロ♪のイラストが
なんとも素晴らしい!!

では次作UPを楽しみに
ポチッと押してから帰りま~~~す。




Commented by Mtonosama at 2012-07-06 16:37
♪すっとこさん

じわ~~~~っ。
私も予告編観てたらまた涙が滲んできてしまった。

おんぼろバスや砂埃の舞う道路。
そして雄大なヒマラヤ。
アジアによくあるこんな風景に懐かしさを感じるのは
私の前世はヒマラヤに暮らした山の民なのか?

ね、イラスト素敵でしょ?
孫悟空の乗るきんとうんみたいな雲のイラストも可愛いし、
オロ少年のちょっと大人びた顔を描いたイラストも良いよね。
予告編には出てこないけど、狼のイラストなんか最高です。

オロ少年、「アクション!」なんて言いながら元気いっぱいなんだけど、
寂しくない訳ないよね。強く生きていってほしいです。
岩佐監督も頑張ってください。

お、いけない。鼻もズルズルしてきた。歳をとると涙もろく
ていけないねぇ。

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Commented by 薄荷グリーン at 2012-07-06 19:29 x
こんばんは!

チベットの問題は中国の共産主義的な覇権主義のようなものがなくならない限り、解決は無理と思うし、なかなか難しいですよね。日本も中国に隣接してる上に日ごろの中国の言動なんかを見てると、チベットのことは他人事とは思えないところもあるから、関心を持つ人が増える切っ掛けになれbが良いなぁと思ったりします。
映画というとブラピ主演のがすぐに頭に思い浮かぶけど、ドキュメンタリーという形でチベットを扱うのは結構新鮮な感じがしました。チベットの内部からでは出来ないことも周辺国からは可能なこともあるので、こういうものが絶えることなく作り続けられたら良いのにと思います。

子供に未来を託すのは親の心情ではありますけど、その子供が自らの未来を託せる国を十全に用意できない親の苦悩もまた計り知れないほど深いものなんでしょうね。そんな状況だからこそ笑えるときには笑おうっていう姿勢は本当に必要なものなんだろうなぁと思ったりしました。
Commented by Mtonosama at 2012-07-07 08:49
♪薄荷グリーンさん

おはようございます。
チベットでブラピといえば「セヴンイヤーズインチベット」でしたね。
あのラストシーンで中国の軍隊がドドーッとチベットに侵入してくるところを俯瞰から撮ったシーンは圧巻でした。

本作はあのような派手な場面はもちろん無いのですが、じんわり浸みる映画です。劇映画でもなく、かといって真面目すぎるドキュメンタリーとも違って、監督や周囲の人々、難民そのものの穏やかさ、人の良さが救いとなる映画でした。
Commented by ライスケーキ at 2012-07-07 22:33 x
国のため、息子自身のためと言っても 6歳の子供を手放すのはお母さんも辛かったでしょうね。

大国の横暴で辛い思いをしている人々は沢山います。
人類の歴史を見ると その繰り返しですね。

辛い思いを知っても 何も出来ない無力感を感じます。
Commented by Mtonosama at 2012-07-08 06:39
♪ライスケーキさん

6歳っていったら幼稚園終わったばかり、まだまだ小さな男の子ですものね。

戦争を起こす側はなんでもいえますけど、侵略された側の気持を代弁する側はまだまだ無力。
まずは一日をしのぐことから始めていかなければならないのでしょうね。
オロ君は今日も五体投地のお祈りをしていると思います。