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殿様の試写室

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プンサンケ -1- 豊山犬 Poongsan

プンサンケ -1-
豊山犬
Poongsan

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©2011 Kim Ki-duk Film.All Rights Reserved.

南と北の休戦ラインを厳然と区切る鉄条網のフェンス。
そこには高圧電流が流れ、越えようとする人間を容赦なく痛めつける。
それを軽々と乗り越え、ソウルとピョンヤンを3時間で往復する男――

ある時は北と南に生き別れた家族の最期のビデオレターを携え、
また、ある時は幼い子どもを連れて、半島の冬枯れた光景を背景にひた走る。

人はその男を、彼が吸うタバコから「プンサンケ」と呼ぶ。
国籍もわからず、言葉も名前もない謎の運び屋。プンサンケ。

息を呑む展開と、眼をみはるアクション。
切ない純愛のゆくえ。
そして、北と南の諜報部員たちの暗躍。

さあ、韓国映画がまたまた傑作を送り出しました。

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製作総指揮を担当し、脚本を書いたのは鬼才キム・ギドク。
今年3月、当試写室でも上映しましたが、
脚本・監督・製作・撮影・録音・編集・音響・美術・出演と1人9役を果たした「アリラン」のキム・ギドクです。
http://mtonosama.exblog.jp/17268231/ http://mtonosama.exblog.jp/17280223/

撮影中に起きた事故のために映画から遠ざかって
山ごもりをしていた時の様子を撮った1人ドキュメンタリーでした。
この「プンサンケ」を観て、「アリラン」で垣間見せていた謎めいたシーンの意味がよくわかりました。
やはり、彼は映画を捨てることはできなかったんですね。

といっても本作の監督はチョン・ジェホン。キム・ギドクではありません。
彼はマッチョなキム・ギドクとは違い、文化系の生い立ちであります。
韓国美術界の巨匠キム・フンスを祖父に持ち、幼い頃には絵を、高校では声楽を専攻したオペラ歌手。
本作中、プンサンケが秘密の隠れ家で休む場面に流れるロベルト・シューマンの歌曲「睡蓮の花」。
これはなんとジェホン監督の歌声です。

そんな彼がなぜ映画監督になったのかといいますと、キム・ギドクの作品にショックを受けたため。
彼のいるカンヌへ、アポなし突入。
(思いっきりのいいことをしますね)。
それ以来ギドク作品「絶対の愛」(‘06)、「プレス」(‘07)の助監督を務め、
2008年には長編デビュー作となった「ビューティフル」が第58回ベルリン国際映画祭のパノラマ部門、
第10回ドーヴィル・アジア映画祭オフィシャルコンペティション部門に正式招請され、
第22回福岡アジア映画祭では最優秀作品賞を受賞しました。期待の若手監督です。

本作も北と南の問題を描いた作品ですが、
チョン・ジェホン監督が海外留学した折に体験した「分断」の現実が他国人である観客にも重く伝わってきます。

監督の体験ですか?
はい、留学先で北朝鮮の留学生と会いながら、
お互いに警戒しあって言葉を交わすことができなかったというものです。

監督は、南北朝鮮が今も直面する現実をまだ30代の監督の視点で描きだしたいと語ります。
その根底にあるのは統一への想いなのでしょうか。

南の抱える矛盾、北の諸問題。
双方の持つ問題点をえぐり出しながら、アクション映画としても相当興奮できる映画に仕上がっています。

韓国の高倉健さんといった風貌のユン・ゲサン。すばらしかったです。
さあ、どんなお話なのでしょう。

続きは次回までお待ちください。乞うご期待でございます。
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プンサンケ
製作総指揮/キム・ギドク、豊山犬スタッフ、製作/チョン・ユンチャン、脚本/キム・ギドク、監督/チョン・ジェホン、撮影/イ・ジョンイン、美術/イ・ジョンゴン
出演
ユン・ゲサン、キム・ギュリ、キム・ジョンス
8月18日(土)渋谷ユーロスペースにてロードショー、銀座シネパトス他全国順次公開
2011年、韓国、121分、カラー、提供/マグザム、パルコ、太秦、アジア映画社、配給/太秦
http://www.u-picc.com/poongsan/

by Mtonosama | 2012-08-14 06:57 | 映画 | Comments(6)
Commented by すっとこ at 2012-08-14 21:52 x
えぇぇぇええええーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!

   <留学先で北朝鮮の留学生と会いながら、
     お互いに警戒しあって言葉を交わすことが
     できなかったというものです。

そうなのですか!
留学先ですら。

それが今現在の姿なのですね。
この映画のように 必死の運び屋さんも
きっと存在するのでしょうね。

あまりに思い現実・・・・
次号ストーリーで更に詳しい事情が
明らかになるのでしょうか。

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Commented by Mtonosama at 2012-08-15 06:45
♪すっとこさん

応援ありがとうございます<(_ _)>

ただいま、お盆の真っ最中。
わがままな父も、
捨てられた犬がどのような目に会うかのニュースを観ては
パニックに陥っていた母も、
ウェストサイドストーリーのマリアと同じお洋服を作って
くれたおばあちゃんも、
活弁士だったおじいちゃんも、み~んなこっちの世界に
戻ってきてる時期です。

あ、すっとこさんのコメントと全然関係ないリコメになってしまった。

さて、「プンサンケ」。
重い現実を描いた作品ではありますが、高倉健さん似の
ユン・ゲサンのアクションが圧巻です。

韓国情報部と北朝鮮工作部とのぶつかりあいも
フッと鼻で笑いながら描いている感じ。
冷めていながら熱い・・・・・面白い映画です。
Commented by アイスケーキ at 2012-08-16 20:41 x
韓国といえば 今「竹島」問題でモメてます。

歴史上でも領土問題を巡る紛争は沢山あります。

国が二分されるのも悲劇ですね。

監督はこの映画で何を伝えてくれるでしょう。

次回楽しみにしています。
Commented by Mtonosama at 2012-08-16 21:10
♪アイスケーキさん

おかえりなさ~い♪
モメてますね・・・・・

でも、この映画、面白かったです。
キム・ギドク脚本、新星チョン・ジェホン監督。

次回に乞うご期待です(^^)/
Commented by Tsugumi at 2012-08-16 21:21 x
ドイツへ行ってベルリンの壁を見てきました。。
今は一つの国になって平和に暮らしている。。
韓国・北朝鮮も一つの国になれるといいですね。
Commented by Mtonosama at 2012-08-17 06:56
♪Tsugumiさん

おかえりなさ~い♪
ベルリンにも足をのばされたのですね。

ホントに、ドイツも東西が分断されていた当時は
この状態がずっと続くのか、と暗い気持になったものです。

南北朝鮮に別れた家族が自由に会える日が早く訪れるといいですよね。