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殿様の試写室

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桃さんのしあわせ -2- 桃姐

桃さんのしあわせ -2-
桃姐

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©Bona Entertainment Co.Ltd.

桃(タオ)さんは本作のプロデューサー、ロジャー・リーの一家に60年仕えてきたメイドさんです。
彼女は出生後、養子に出されましたが、戦争中に養父が死に、
13歳で使用人としてリーさんの一家に預けられ、以後ずっと働いてきました。
今の香港では、桃さんのような中国人がメイドとして働くことはないのでしょうが、
革命前後の中国にはこういうことは普通だったのでしょうね。

桃さんとリーさん一家との関係――
その関係は、古き良き時代という言葉はありますが、
必ずしも良い部分だけではなかった時代から続くものでした。
(あ、現在が良い時代とも言えませんよね・・・・・)

何年経っても他人のまま、という関係ももちろんありましょうが、
こんな暖かい関係を紡ぎ出すことのできる年月というものもまた一方にはあるのですね。

どんなお話なのでしょうか。


ストーリー
香港の雑踏を桃さんが歩いていきます。手には夕飯の食材がつまった買い物袋。
綺麗に整頓された部屋の食卓には、豪華ではありませんが、手の込んだ料理が並び、
ロジャーは黙々と口に運びます。
一言も声を出さなくても、桃さんにはロジャーの欲することは全てわかっています。

ロジャーは中国大陸と香港を行き来する有能な映画プロデューサー。
その日もいつものように打ち合わせを終えて自宅に戻ったところ、鍵が開きません。
ベルを鳴らしても桃さんは出てきません。
彼女は室内で倒れていました。

脳卒中でした。幸い数日で退院できるとはいうものの、医師はマヒが残るといいます。
「仕事を辞める」という桃さんの希望にしたがって、ロジャーは老人ホームを探しました。
どのホームも法外な値段でしたが、老人施設の経営を手広く展開する
ロジャーのかつての仕事仲間のバッタが手ごろな施設を手配してくれることに。

ホーム入居初日。雨の中、桃さんは一人で新しい生活の場へ。
主任のチョイさんに出迎えられ、大勢の老人たちも桃さんを見つめています。
桃さんは杖をつきながら、自室に。
チョイさんは個室といいますが、隣の部屋とは衝立で仕切られているだけの部屋です。
今までロジャーと二人で暮らしてきた桃さんはそっと溜息をつきます。

翌朝ロジャーが訪ねてきました。部屋の掃除をする桃さんの箒を取り上げ、
代わりに部屋を掃いてあげるロジャー。
二人のやりとりを見た入居者が「義理の息子さん?」と問いかけます。
ロジャーが「そうですよ」と答えると桃さんは恥ずかしそうに微笑みました。

ホームにはいろいろな人が暮らしています。
入居した桃さんに初めて声をかけてくれたガムさん。
調子が良くて踊りが大好きなお爺さん、キンさん。
まだ若いけれど透析治療を受けながら入居するムイさん。

ホームでの生活に次第に慣れ始めた桃さんはリハビリに励み、
他の入居者に頼まれて裁縫をしてあげたり、ホームでの信頼も得るように。

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正月も過ぎたある日、ロジャーがプロデュースした映画のプレミアム上映が行われました。
桃さんはよそゆきを着て出席。
上映後、二人は手をつなぎ、映画の感想を言い、笑いながら家に帰りました。

桃さんがホームに入って1年余り過ぎた頃、ガムさんが亡くなり、
ムイさんも転院し、そして、桃さん自身の容態も悪くなってきます。

しかし、桃さんはしあわせでした。

日に日に衰弱し、自分に残された時間が僅かしかないことを感じてはいましたが……

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みんな良い人ばかり。ありえないなぁ、と思いつつ、あって欲しい話だなぁ、と思います。
でも、ロジャー・リーさんの実体験を映画化したんですよね。

きちんと生き、きちんと老い、きちんと死んでいく桃さんの姿に
昔聞いた象の墓場の話を思い出しました。
人間は象のように死に場所に向って一人で歩いていくことはできません。
でも、ロジャーのような人がいてくれたら、
死を恐れることなく粛々と受け入れることができるのかもしれません。

ちゃんと死ぬということはちゃんと生きることと同じくらい大切なことなのですね。





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☆9月29日に更新しました。いつも応援ありがとうございます☆

桃さんのしあわせ
監督・製作/アン・ホイ、製作・原作/ロジャー・リー、脚本/スーザン・チャン、製作/チャン・プイワー、製作総指揮/ドン・ユードン、アンディ・ラウ、ソン・ダイ、撮影/ユー・リクウァイ
出演
ディニー・イップ/桃、アンディ・ラウ/ロジャー、チン・ハイルー/チョイ主任(老人ホーム)、ワン・フーリー/ロジャーの母、イーマン・ラム/カルメン(ロジャーの助手)、アンソニー・ウォン/”バッタ“、ボボ・ホイ/ガム(老人ホーム)、チョン・ブイ/キン(老人ホーム)、ホイ・ソーイン/ムイ(老人ホーム)、エレーナ・コン/ガムの娘、ジェイソン・チャン/ジェーソン、サモ・ハン/映画監督、ツイ・ハーク/映画監督、ニン・ハオ/本人役、レイモンド・チョウ/本人役、ジョン・シャム/本人役、ロー・ラン/本人役、和田裕美/歌手
10月13日(土)Bunkamuraル・シネマほか全国順次公開
2011年、中国・香港、広東語、119分、字幕/遠藤壽美子、後援/香港特別行政区政府駐東京経済貿易代表部、提供・配給/ツイン
http://taosan.net/

by Mtonosama | 2012-09-29 06:45 | 映画 | Comments(6)
Commented by ライスケーキ at 2012-09-29 21:13 x
「息子さん?」の問いに
「そうですよ」と答えるロジャーが良いですね。

「笑い合える人がいれば ささやかでも 人生はバラ色」。
思ったように年を重ねるのは難しいかも知れないけど
良い言葉を教えてもらいました。
Commented by Mtonosama at 2012-09-30 06:45
♪ライスケーキさん

最初、ロジャーは使用人に対して主人目線でいるのかなぁ、
ちょっとイヤな感じかなぁ、
と思って観ていました。

でも、ロジャーも桃さんとの日々を大事に思っているんですね。
彼も変わっていく様子をアンディ・ラウが好演していました。
暖かい映画でしたよ♪
Commented by poirier_AAA at 2012-10-02 17:46
予告編を観ているだけで、じわっと来てしまいました。
涙腺刺激度が高すぎて、映画館では観られないかも。。。

>みんな良い人ばかり。ありえないなぁ、と思いつつ、あって欲しい話だなぁ、と思います。

という部分、本当に同じことを思いました。こういう人の繋がりがあって欲しいですよね。
Commented by すっとこ at 2012-10-02 21:53 x
おおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!

実両親、義父、と3人がそれぞれ施設に入っている身
としては、なんだかひとごとでない映画であります。
去年から、一時帰国は施設3か所巡りからスタート
することになりました。

ロジャー自身の両親はもう亡くなっているのでしょうか?
桃さんってメイドさんによくある名前なの?

英国人のメードだった女性はジューンという名前でした。
ポーランド出身でした。
欧州におけるポーランド人メイドさんは
香港における革命前後の中国本土の人のような
ところがあったのでしょうか。

”産みの親より育ての親”という言葉も
思い出しました。

桃さん、しあわせに一生を終えたのだと
思いたいです・・・・。

施設の親3人のことをあれこれ思いながら
複雑な心境でポチッと押して帰ります。
Commented by Mtonosama at 2012-10-03 06:37
♪poirier AAAさん

良い映画でした。
桃さんはきちんと生きる人で、
こういう風に生きなくてはならないな、と、彼女と近い立場で考える
年齢になっているので、案外泣かずに観られました。

香港の裏通りって良い感じです。なんか懐かしいです。

Commented by Mtonosama at 2012-10-03 07:06
♪すっとこさん

施設3ヶ所めぐり、お疲れさまでした。

ロジャーのことお伝えしますね。
ロジャー一家はアメリカに移住して、ロジャーもお正月になると
アメリカに行って家族で集まるんですよ。
お父さんは亡くなりましたが、お母さんは健在です。
映画の中でもNYからやってきたお母さんが
老人ホームの桃さんに燕の巣やフカヒレをお土産に持ってきてくれたりしていましたよ。

桃さんは良い人生を送りました。
僭越ながら、わたくしめが保証いたします。

ポチッをありがとうございました。