最終目的地 -2- The City of Your Final Destination
The City of Your Final Destination
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さて、前回、ウルグアイ、ウルグアイと騒ぎましたが、
本作の撮影地は実はアルゼンチンです。
未舗装の田舎道。
ずぶずぶと足を呑みこむ底なし沼。
鬱蒼とした密林を背景に、滅びゆくものの色合いを帯びつつ、寂しげに、侘しげに、
しかし、風格を誇示しつつ聳える邸宅。
南米の湖畔に打ち捨てられ、今や朽ち果てようとしているベニスから運んだというゴンドラ。
最高の道具立てではありませんか。
こうしたお膳立てさえ整っていれば、ウルグアイであれ、アルゼンチンであれ、関係ありません。
古色蒼然とした道具、そして、登場人物。
さあ、いったいどんなお話なのでしょうか。
ストーリー
コロラド大学の教員オマー・ラザギは、1冊の著書のみを遺し、自殺した作家ユルス・グントの伝記を書くことを計画。
研究奨励金の認可を得るためには作家の遺言執行人たちの公認を得なければなりません。
彼らに手紙をしたためるオマー。ほどなく返信がきました。
しかし、それは公認を却下するというものでした。
オマーの恋人ディアドラはウルグアイへ行って直接交渉せよとオマーを煽ります。
ウルグアイまで飛んできたオマー。
街から遠く離れたオチョ・リオスにある作家の屋敷には、
作家の未亡人キャロラインと作家の愛人アーデンとその娘ポーシャ、
作家の兄アダムとそのパートナーの日本人ピートが今も共同生活を営んでいます。
キャロライン、アーデン、アダムから伝記執筆の公認を得ようと交渉を開始するオマー。
ところがアダムはあっさりと公認します。
ところが、それには亡母が遺した宝飾品の数々をアメリカで売ってほしいという条件がついていました。
アーデンはオマーと過ごす内、彼に共鳴するものを感じ、公認を与える決意をします。
しかし、キャロラインは頑なな態度を変えません。
夫は決して伝記を望んではいなかったと主張し、公認を与えようとはしないのです。
やがて1冊しか著書がないと思われていた作家が実は2冊目の執筆にあたっていたことがわかります。
オマーの出現は遺言執行人たちの気持を揺るがし、
オマー自身も自分の生き方を問い直し始めるのでした……
次第に溶けてゆく様子を演じ切ったローラ・リニーには感服しました。
はかなげな愛人アーデンを演じたシャルロット・ゲンズブールの影が薄れるくらいの存在感でしたねぇ。
すごい女優さんです。
アンソニー・ホプキンスも良かったです。
あ、そうそう、真田広之が演じたのはその愛人役。
最終目的地――
密林を背景にそそり立つ屋敷が最終目的地であるかのように思わせ、そうではありません。
おそらくは湿気や密林の微生物のために朽ち果てようとしている邸宅。
滅びこそ最終目的地であるという隠喩を匂わせつつ、実は違っていた・・・・・
などと小難しく考える必要はありません。
ガルシア=マルケスやホルへ・ルイス・ボルヘスやマヌエル・プイグなど、
南米の土壌から生まれた作家たちの作品の中に漂う
どこか不思議で、幻想的な雰囲気を感じさせる映画でした。
そうした雰囲気を音楽がまた倍加してくれるんですよね。
これは絶対に映画館で体感すべき映画だ、と思います。
終
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最終目的地
監督/ジェームズ・アイヴォリー、脚本/ルース・プラワー・ジャブヴァーラ、原作/ピーター・キャメロン、撮影/ハビエル・アギーレサロベ、音楽/ホルへ・ドレクスレル
出演
アンソニー・ホプキンス/アダム・グント、ローラ・リニー/キャロライン・グント、シャルロット・ゲンズブール/アーデン・ラングドン、オマー・メトワリー/オマー・ラザギ、真田広之/ピート、アレクサンドラ・マリア・ララ/ディアドラ
10月6日(土)よりシネマート新宿他全国順次ロードショー
2008年、アメリカ映画、117分、字幕/田中武人、提供・配給/ツイン、宣伝・配給協力/太秦、協力/パラマウントジャパン、http://www.u-picc.com/saishu/
でも製作が2008年ならば、もうとっくに公開されてしまったんだろうなぁと思って調べてみたら、な〜んとフランスでは未公開でした。何でも関係者間で問題があって、公開が遅れているらしいです。
日本で公開されるからには、フランスに来る日も近いでしょうか。こういう映像のきれいな作品は好きなんです。話も面白そうですし、すごく楽しみです。
フランスでは未公開ですか?
関係者間の問題って何だったでしょうかねぇ。
でも、劇場で観られるのだからいいですね。
南米って魅力的です。
本作は、映像も、音楽も、俳優陣も素敵で絶対良いと思います。
アンソニー・ホプキンスのパートナーねぇ。
どうもイメージ湧きません。
ストーリー展開面白そうですね。
やはり「映画は映画館で」ですか。
でも最近 全然行ってない。
ふ~。 ため息ばかり出ます。
真田さん、観にいってくださいな(^-^)
海外進出すごいですもん。
この映画は音楽といい、空気感といい、映像以外のすごさも注目です。
だから、自宅で同居人の動きを気にしながらのDVDでの鑑賞はNGかも。
ただいま公開中ですし、映画館に行くため、電車に乗ってしまいましょう♪
”I don't want any other life!"
ひゃああ。カッコええ!
「おまえは自分の人生を生きろ」と
アンソニー・ホプキンスに言われて
「他の人生など」と答える真田広之。
作家未亡人の十祐さん、口元が美しいですね!
ドレスも素敵。いいなぁ。
緑濃い土地には砂漠と違うなにか濃いものの
うごめく気配がします。
そこへ愛が激しくぶつかって混乱に混乱を
重ねそうな。
アンソニー・ホプキンス、
ウェールズ出身ですね。
ウェールズ人の方は”アントニー”と
発しておられました。それはともかく
大好きな俳優さんです。
年取ってもそれが魅力を増してくる・・・
素敵な男優さんですね。
こんな俳優さんの愛人役くなんて
真田宏之見直しちゃいました。
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しまいました。お許しあれ。
無事にNY到着ですね。お忙しい滞日でした。
早く時差ぼけ及びお疲れを癒してくだされ。
いや、最初、十祐さんって何かな?
またまた物知りすっとこさんの新しい知識かなと・・・・・
この十祐、あ、ローラ・リニー、良かったですねぇ。
すごい存在感でした。
無理せず、しっかり休養してくださいね。