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殿様の試写室

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フタバから遠く離れて Nuclear Nation  -2-

フタバから遠く離れて
 Nuclear Nation  -2-

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(C)2012 Documentary Japan, Big River Films

『フタバから遠く離れて』の試写を観終わった時、舩橋淳監督の挨拶がありました。
「ぼくたちはずっとこの町で定点観察をしていきます」
という言葉が印象的でした。
テレビも新聞もやらないことを映画はできるんだ、と嬉しくなりました。

「フタバから遠く離れて」-避難編- が本作だとしたら、
希望編、復興編、未来編も撮り次いでいってくれるのか、と、
映画というメディアの持つ力強さに感動しました。

本作は避難所の旧騎西高校に暮らす双葉町民たちの9ヶ月の日々を
彼らに寄り添って撮影したものです。
定点観測でもあり、時系列に沿った撮影ですから、
お弁当の配布の様子や
天皇皇后両陛下の訪問や、自衛隊軍楽隊の慰問演奏など、
避難生活のハレの部分もケの部分も記録されています。

カメラの眼が避難者の眼とひとつになっていました。


舩橋淳監督
映像作家。東京大学教養学部表象文化論分科卒業後、ニューヨークで映画制作を学ぶ。
長編映画「echoes」(‘01)は仏アノネー国際映画祭で審査員特別賞、観客賞を受賞。
第2作「BIG RIVER」(‘06 主演/オダギリジョー、製作/オフィス北野)はベルリン映画祭、釜山映画祭でプレミア上映される。
またニューヨークと東京で時事問題を扱ったドキュメンタリーの監督も続けており、
アルツハイマー病に関するドキュメンタリーで米テリー賞を受賞。本作の撮影過程を記録した著書「フタバから遠く離れて――避難所からみた原発と日本社会」を10月に出版予定。
‘01 「echoes」(‘01全国公開)
‘06 「BIG RIVER」(‘06全国公開)
‘09 「谷中暮色(Deep in the Valley)」(‘10全国公開)
‘12 「フタバから遠く離れて」
‘13 「桜並木の満開の下に(仮題)」(‘13公開予定)

監督は広島の被曝2世です。
彼は頻繁に避難所へ通い、ボランティア活動もしながら町民たちとの信頼関係を築いてきたといいます。

そうした過程を経て撮影された映画です。

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牛舎の中で死んでいる牛たちの姿に絶句し、
喫煙所でタバコを吸いながら本音を漏らす、おじちゃんやおばちゃんたちの話にうなずきました。
東京へ抗議デモに向った町民たちの声に、自民党本部前に整列し、
手を振って応えるカメラ目線の政治家たちの茶番に腹が立ちました。
「『フタバを返せ』って言ったって返っちゃこないんだけどね」
と自嘲的に話す町民に、どう答えればいいのかわかりませんでした。

9ヶ月の記録は、事故直後の町民の必死だった様子から
表面上は穏やかさが戻った日常までを、とらえています。
最初はよそものだったカメラが彼らと一体化していきます。
その流れの中で町民も町長も変わりました。
原発所在地の町長や市長の会議で声を荒げるどころか、何も語らなかった双葉町町長が
次第に声を発するようになっていくのははっきりと目に見える変化です。
一方、大臣たちは証拠づくりのためでもあるかのように会議に顔だけ出して、
後は用事があるので失礼します、と帰っていきます。

先の見えない避難生活を送りながら、
原発を推進していたことで自業自得と罵られ、自分で自分を責める町民たち。

長いスパンを覚悟に入れ、定点撮影を決意した映画ならではの視点を感じました。

少しでも早く希望を感じられる続編が撮影されることを熱望します。





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☆10月11日に更新しました。いつも応援してくださって本当にありがとうございます☆

フタバから遠く離れて
監督/ 舩橋淳、プロデューサー/橋本佳子、撮影/舩橋淳、山崎裕、音楽/鈴木治行、エンディングテーマ「for futaba 」作曲・演奏/坂本龍一
出演
双葉町のみなさま、双葉郡のみなさま
10月13日(土)よりオーディトリウム渋谷ほか全国順次ロードショー
2012年、日本、96分、製作・配給/ドキュメンタリージャパン、ビッグリバーフィルムズ
http://nuclearnation.jp/jp/

by Mtonosama | 2012-10-11 06:23 | 映画 | Comments(8)
Commented by poirier_AAA at 2012-10-12 01:13
こういう映画が作ろうとする人がいる、まずそのことにホッとしました。

そこにいる人にしかわからないことってあると思うのです。この作品を観たら100%気持ちがわかるようになるとは決して思いませんが、余所者としてではなくその場所に溶け込んで取材された映像と声は、普通なら隠れてしまって見えて来ないものを見せてくれるのではないかと思うのです。

それを、わたしたちみんなが見ないといけませんよね。前回の記事のコメントにもあるように、他人事ではないです。彼らはそのままわたしたちだ、とわたしも思います。

この映画がたくさんの人の目に触れますように。
そして監督やスタッフが、この続編を作り続けてくれますように。
Commented by すっとこ at 2012-10-12 06:17 x
うううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!

予告編を見て
これは「ほんの序章に過ぎないんだ」と
改めて思いました。

坂本龍一の静謐な音楽も
フタバへの共感に溢れているように
思えました。

自分なら・・・
自分なら・・・ やってゆけるのだろうか?
そういう自問自答すらフタバの方には
失礼なことかも知れない。

天皇皇后両陛下。
息子夫婦もしっかりせいよ、と
よそ様のお宅ながら 思ってしまったり
しました。

複雑な気持ちでポチッと押させていただきます。
Commented by Mtonosama at 2012-10-12 06:22
♪poirier AAAさん

わたしたち全員が、わたしたちの問題としてこの映画を観ませんとね。
なし崩しに原発ゼロ化を引き延ばし、
それをなかったこととされることなどないように、
町で村で学校で至るところで上映してほしい映画です。

問題を解決しないまま、次の問題へ進むことはできませんよね。
Commented by Mtonosama at 2012-10-12 06:26
♪すっとこさん

フタバの皆さんの難民生活。
自国内にシリアやパレスチナのような難民生活があるのに、
私たちは時折忘れそうになってしまっています。

いいのか?わたし。そして、わたしたち。
Commented by Tsugumi at 2012-10-12 17:49 x
お久しぶりです。
日々の生活に追われなかなか映画も見る機会に恵まれず・・
事故当時はあんなに被害の大きさや恐ろしさをマスコミが伝えていたのに最近ほとんど話題にものぼらなくなりました。
のどもと過ぎればでしょうか。。

しかしこのような映画が作られているのはまだ希望が持てるってことですかね。
Commented by ライスケーキ at 2012-10-12 20:30 x
そう、フタバで起こっていること
私達の問題でもあるのですよね。

こんな事が二度と起こらないようにするために
私達は何をしたら良いのでしょうか。
せいぜい、デモに参加するくらいでしょうか。
映画を観て「感動した」とコメントするのはかんたんですが、
私達は何をしたら良いのでしょうか。

行動している坂本龍一。
カッコ良いです。
Commented by Mtonosama at 2012-10-12 21:05
♪Tsugumiさん

時間をかけて、これからもずっと撮り続け、
残していってほしい映画です。

のどもと過ぎても忘れてはいけないですものね。
Commented by Mtonosama at 2012-10-12 21:07
♪ライスケーキさん

坂本龍一さんも頑張ってますね。
舩橋監督も撮り続けていってほしいです。

わたしも祈り続けていきます。