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殿様の試写室

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思秋期 -2- Tyrannosaur

思秋期 -2-
Tyrannosaur

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(C)CHANNEL FOUR TELEVISION/UK FILM COUNCIL/EM MEDIA/OPTIMUM RELEASING/WARP X/INFLAMMABLE FILMS 2010

イギリス映画の奥深さを感じさせてくれる作品でした。
これを俳優出身の弱冠38歳のバディ・コンシダイン監督が撮ったとは驚きであります。

監督の実父がモデルだという救いようのない男と
穏やかで何の不自由もなく暮らす主婦が、人生の秋を迎えた時期に出会います。

これが、例えばロバート・デ・ニーロとメリル・ストリープだったとしたら、
「恋におちて」(‘84)みたいになるわけですが――
う~ん、そうはいかないんですね。

さあ、一体どんなお話なのでしょうか。

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ストーリー

リーズ。イギリスの工業都市。
ジョセフは失業中のアル中男。妻は糖尿病で早世していた。
失業手当を受けながら、日々町で飲んだくれている。
彼はキレやすく、怒りと暴力の衝動を抑えることができない。
犬を蹴り、ガラスを割り、周囲に当たり散らす。
いつもあちらこちらにトラブルの種をまいて回っているような男だ。

f0165567_6293156.jpg今日もそんなトラブルで仕返しを受けたジョセフは血を流しながら、
とあるチャリティショップに逃げ込んできた。
そこにいたのがハンナ。チャリティの古着屋を営む40代半ばの女。
信心深く、古着の間に蹲って出てこようとしないジョゼフのために祈ろうとする。

彼女はこぎれいな高級住宅地に住み、夫のジェームスと2人で暮らしている。
何不自由なく暮らしている金持ちの有閑マダム・・・・・か。

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明るく、優しいハンナと出会い、ジョセフの心も少しずつ癒されていくように。
だが、彼女もまた酒に逃げ道を求め、その内部に大きな闇を抱える存在だった。

その闇がある日とんでもない事件に発展することに……

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どうしてそんなに理不尽なキレ方をするの?
どうしてそんなことでそこまで怒らなくちゃならないの?
あ~、止めようよ。自分の飼い犬をそこまで思いっきり蹴るのは。

人生の理不尽さに腹を立て、自分の不運はすべて周囲のせいと決めつけ、
人々はすべて自分に悪意を持っているものと思い込むジョセフ。
わかるような気はします。
でも、そこまで暴れる彼を観ていたら暗澹とした気持になってきます。

そして、生活を保証され、親切を押し売りするかのようにチャリティショップで
仕事をするハンナに、ジョセフ同様、八つ当たりしたくなりました。
でも、彼女の抱える闇にゾッとしました。
人って、表から見ただけでは何もわかりません。

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糖尿病で早世した妻をティラノザウルスと呼び、
おそらくは不幸な結婚生活を送ったジョセフ。
仕事も人生もうまくいかず、労働者階級の底辺で這いずり回る彼は、
酒を飲み、周囲に当たり散らすしかないのかもしれません。

およそ対照的なハンナもうわべを装わなくてはならないだけ、
薄気味悪いDV夫との日々には耐えがたいものがあったに違いありません。

人生って一筋縄ではいかないものです。
でも、もしかしたら、良い方向に展開するかもしれない――
そう思えるから生き続けていけるのでしょうけれど。

もの想う秋。思秋期
人生について深く考えてしまう映画です。





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☆10月16日に更新しました。いつも応援ありがとうございます☆

思秋期
脚本・監督/バディ・コンシダイン、製作/ディアミッド・スクリムショウ、撮影監督/エリック・アレキサンダー・ウィルソン
出演
ピーター・ミュラン/ジョセフ、オリヴィア・コールマン/ハンナ、エディ・マーサン/ジェームズ、サミュエル・ポットモレイ/サミュエル、ネッド・デネヒー/トミー、ロビン・バトラー/ジャック
10月20日(土)新宿武蔵野館、梅田ガーデンシネマ他全国順次ロードショー
2011年、カラー、98分、英語、イギリス、字幕翻訳/岸田恵子、提供/新日本映画社、配給・宣伝/エスパース・サロー、後援/ブリティッシュ・カウンシル
http://tyrannosaur-shisyuuki.com/

by Mtonosama | 2012-10-16 06:20 | 映画 | Comments(8)
Commented by poirier_AAA at 2012-10-16 20:17
見逃しちゃいました(泣)。今年、ちょうど一時帰国した時に公開されていたみたいです。DVDになったら観て見ます。

でも、痛くて怖そうな外見(?)ですよね。こういうの、すごく苦手なんです。殿様の試写室で紹介されなかったら、きっとに選択肢にも入らなかったでしょう。

パリでは今、下水に隠れたユダヤ人のお話が公開されていますよ。今日は無理だけれど、見に行こうと思います。
Commented by すっとこ at 2012-10-17 05:09 x
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!

これは是非是非是非観たいです!

NY郊外でもやってないだろうか、調べてみます。
これだけの話題作だから上映してて欲しい!

ハリウッド大作、それはそれとして
どうしてもジーンとくるのは欧州映画・・・
それもイギリス映画がいいわ、と思うのは偏見でしょうか。

誰もが心にティラノザウルスを飼っているのかも
しれない。
夜更けに独り歩きするティラノザウルスの制御に
苦しむ者は ここにもいる。

イギリスのチャリティ・ショップも懐かしいし
主演の爺様俳優(意外に若かった!)の
ピーター・ミュランのファンになりそうです。
まだ観てないのに。

なんだかトキめいてポチッと押して帰ります。
Commented by Mtonosama at 2012-10-17 06:50
♪poirier AAAさん

痛いし、怖かったです。息をつめて観ていました。
ここまでキレてしまう人間の悲しさを思いました。

地下下水道に隠れたユダヤ人・・・
邦題「ソハの地下水道」ですね。フランスでは今公開ですか!?
良かったですよ♪
Commented by Mtonosama at 2012-10-17 06:53
♪すっとこさん

そうなんです。
どうしてでしょうね。
良いんですよね。ジーンとくるんですね。欧州映画。

NY郊外でやっているかな?
あ、NYにも名画座みたいな映画館、ありますか?

ポチッを今日もありがとうございます。
Commented by ライスケーキ at 2012-10-17 15:05 x
「自分の不運はすべて周囲のせい」。
「自分がどうしようもないのは 社会が悪いんだ」
と言って 犯罪にまで手を染める輩がいる。

実父がモデルってことは
こういう家庭環境で育った青年が
俳優になって、監督にまでなったて事ですね。
バディさん自身にも興味あります。

イギリス映画好きなので 観たいです。
Commented by Tsugumi at 2012-10-17 17:14 x
リーズ。。うちのだんな様の故郷に超近いです。大学もリーズ大出身です。
予告見て英語なまりうちのお兄さんや家族そっくり。
イギリス映画暗いのや救いのないの結構ありますよね。
DVDになったらだんな様とみてたいと思います。
Commented by mtonosama at 2012-10-17 19:03
♪ライスケーキさん

そうそう、監督はきっと殴られながら、怒鳴られながら育ったんだと思います。

今週の土曜日に公開です。
是非ご覧になってください。
Commented by mtonosama at 2012-10-17 19:06
♪Tsugumiさん

だんな様、リーズですか!?

やっぱりなまりがあるんですね。
私には英語にしか聞こえなかったけど(苦笑)。