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殿様の試写室

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阿賀に生きる -1-

阿賀に生きる -1-

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©阿賀に生きる製作委員会

まず、最初にお断りしなくてはなりません。
実は「阿賀に生きる」は新作映画ではありません。
20年前に撮影された映画です。
そして、この映画の監督・佐藤真さんも、ここに映っている登場人物の皆さんも
ほとんどあちらの世界に行ってしまっています。

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映画の主役は3組の老夫婦。
長谷川芳男さんとミヤエさん。芳男さんは、昔は鮭漁の名人でしたが、
今はミヤエさんと2人で田んぼを守っています。
遠藤武さんとミキさん。
武さんは阿賀野川を行き来する200隻以上の川舟を造り続けてきた誇り高い船大工でした。
元気なミキさんにやりこめられては苦笑しています。
加藤作二さんとキソさん。餅つき職人の仲の良い夫婦です。
寝たり起きたりのキソさんですが、
にこやかに笑いながらも大酒呑みの作二さんへきつい一発を繰り出します。

このどこにでもいるおじいさん、おばあさんたちはみな新潟水俣病の患者です。


水俣病
環境汚染による食物連鎖により引き起こされた人類史上最初の病気であり、「公害の原点」といわれる。(2009年9月4日朝日新聞)
1956年に熊本県水俣市で発生が確認されたことがこの病名の由来であり、英語では「Minamata disease」と呼ばれる。この後、新潟県下越地方の阿賀野川流域で昭和電工が起こした同様の公害病の病名も水俣病であることから、これを区別するために前者を熊本水俣病、後者を第二水俣病または新潟水俣病(にいがたみなまたびょう)と呼称する。ただし、単に「水俣病」と言われる場合には前者を指す。水俣病、第二水俣病、イタイイタイ病、四日市ぜんそくは四大公害病とされ、日本における高度経済成長の影の面となった。
(Wikipediaより)

「阿賀に生きる」は1992年佐藤真監督によって制作されました。


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佐藤真監督
1957年青森県弘前生まれ。東京大学文学部哲学科卒業。1981年「無辜(むこ)なる海-1982年水俣-」(監督/香取直孝)に助監督として参加。1984年同作品の自主上映の旅で、新潟県阿賀野川とそこで暮らす人々に出会い、映画制作を決意。1989年からスタッフ7名で阿賀野川流域の民家で共同生活をしながら撮影、1992年「阿賀に生きる」を完成。長編映画初監督にして二ヨン国際ドキュメンタリー映画祭銀賞ほか4賞受賞、サンダンス・フィルム・フェスティバルIN TOKYOグランプリ受賞、文化庁優秀映画作品賞など国内外で高い評価を受ける。1996年(有)風間フィルム設立。1999年よりNPO法人映画美学校ドキュメンタリー科専任講師となり、2001年には京都造形芸術大学教授に就任。著作に「日常という名の鏡―ドキュメンタリー映画の界隈―」(‘97)、「映画が始まるところ」(’02)など。2007年9月4日急逝。

ドキュメンタリーといっても映画ですから、編集意図があり、
テーマへと観客をひきずりこんでいく整合性のあるストーリーがあることは承知の上です。
例え、それがマイケル・ムーアのようにはっきりはしていないにしても、です。
しかし、本作にはそんな強引さはありません。
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それは、監督やスタッフたちが、3年にわたって阿賀野川の民家で共同生活をし、
老夫婦の田植えを手伝ったり、お餅をついたり、酒を呑み交わして歌を歌ったりと、
息子や孫のようにつきあってきた生活者だったから。
おじいさんおばあさんたちの笑顔を見てると、それはしっかり伝わってきます。
温かい撮影現場だったのでしょう。

4大公害病のひとつである新潟水俣病患者の悲痛な訴えとか、裁判とか、
そういう肩を怒らせるような記録ではなく、
その地に根を生やして生きてきた生活者の記録です。
さあ、いったいどんなお話でしょうか。
続きは次回までお待ちくださいませ。



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☆11月12日に更新しました。いつも応援ありがとうございます☆

阿賀に生きる
監督/佐藤真、撮影/小林茂、製作/阿賀に生きる製作委員会
提供/カサマフィルム、協賛/シグロ、配給・宣伝/太秦、配給協力/コミュニティシネマセンター
11月24日よりユーロスペースほか全国順次公開
1992年、日本、115分、カラー、16ミリ、スタンダードサイズ、モノラル
http://kasamafilm.com/aga/

by Mtonosama | 2012-11-12 07:28 | 映画 | Comments(4)
Commented by ライスケーキ at 2012-11-13 21:38 x
「水俣病」  辛い記憶です。

20年前に制作された映画が今上映されるのは何故?
20年前にも上映されたのかな?

次回、お話 待ってます。
Commented by すっとこ at 2012-11-13 23:22 x
わたしもライスケーキさんと同じ質問です。

えぇえーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
「なぜ、今公開なのですか?」

もうひとつの水俣病があったなんて
まったく知りませんでした。

次回のストーリーが待たれます。
待ち遠しい気持ちを込めてポチッと押してかえります。
Commented by Mtonosama at 2012-11-14 06:40
♪ライスケーキさん

すいませ~ん。言葉が足りなくて^_^;
20年前にも上映されました。この手の映画としては珍しく、
ロードショー公開もされたんです。

20年という年月は人にもフィルムにも容赦なく、
劣化という老化現象のため、ニュープリントにされました。(フィルムはいいな。若返ることができて)

あ、余計なことを。

そんなわけで今回ニュープリント版で上映されます。
Commented by Mtonosama at 2012-11-14 06:44
♪すっとこさん

同じくすいませ~ん。
20年後に公開されるのはライスケーキさんにお知らせした通りです<(_ _)>

20年前の作品とは思えない、
現在、私たちが迎えている状況を先取りしているともいえる映画です。

今日もポチッをありがとうございました。