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殿様の試写室

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明日の空の向こうに -1- JUTRO BEDJIE LEPIEJ

明日の空の向こうに -1-
JUTRO BEDJIE LEPIEJ

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(C)Kid Film 2010

3人の子どもが主人公の映画です。なかでも一番小さなペチャくんの可愛いことといったら。
最近、子どもが気になるとの。
150歳になり子ども還りしてしまったのか?と、ちょっと不安ではあります。

古くは「禁じられた遊び」(‘52)、「鉄道員」(‘56)、
昨年末、当試写室でも上映した「駆ける少年」、
子どもの登場する映画には記憶に残る名画が多いのですが、
本作も子ども映画の傑作に加えたいと思います。

最近、日本でも子役が人気です。
彼らは彼らで可愛いし、演技も上手ですけれど、
達者な子役さん程、妙にこまっしゃくれていて、実はちょっと苦手。
ヘンにお芝居しない方がいいのに、と思うのですが。

その点、ペチャはじめヴァーシャ、リャパを演じた3人は、
いわゆる子役という玄人俳優ではありません。
実の兄弟であるウクライナ出身の10歳のエウゲヌイ・ルィバと6歳のオレグ・ルィバ、
チェチェン出身の11歳、アフメド・サルダロフはオーディションの末に選ばれたまったくの素人。
でも、だとしたら、彼らこそ天性の俳優です。

おねだり上手なレディキラーのペチャ。
小さくて足手まといな弟ペチャが、邪魔くさくって仕方なくて
かまったりいじめたりしながらお兄ちゃんとしてキメるときはバシッとキメるヴァーシャ。
そして、リーダー格のリャパ。
演技初体験の彼らは、原っぱのバッタや小川の魚、頭上を吹き抜ける風が自然である以上に自然です。
大地の子どもたちでした。

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本作「明日の空の向こうに」はドロタ・ケンジェジャフスカ監督の
「木漏れ日の家で」(‘07)以来4年ぶりとなる新作。
「カラス達(Wrony)」(‘94)、「僕がいない場所」(‘05)等でも描いた子どもたちの世界を
母親あるいは近所のおばさんのように優しくさりげない視線でみつめた作品です。


ドロタ・ケンジェジャフスカ監督
1957年、ポーランドのウッチ生まれ。母親が映画監督のヤドウィガ・ケンジェジャフスカ。76年にウッチ大学で文学を学び、78年からはモスクワで映画演出法を学んだ。その後、ウッチの国立映画大学で映画製作をより専門的に学び、81年に卒業。82年に短編劇映画「卵Jajko」を発表し、ミュンヘンでのヨーロッパ学生映画賞で1位。数多くの映画賞を受賞して注目される。91年に発表した初長編映画「ディアブリィ・悪魔(Diably, diably)はダディニャ・ポーランド映画祭で最優秀監督賞・審査員特別賞をはじめ、数々の映画祭で受賞。94年「カラス達(Wrony)」では国際的に高い評価を受け、同作で撮影を担当したアルトゥル・ラインハルトと結婚。以後、98年「何もない(Nic)」、05年「僕がいない場所(Jestem)」、そして2011年に日本で公開されミニシアター系最大のヒット作品となった「木漏れ日の家で(Pora Umirac)」(‘07)と、彼女が監督と脚本、アルトゥル・ラインハルトが製作と撮影を担当している。

ポーランドはどちらかといえば地味な印象、それに、歴史的にはいつも虐げられてきた国。
でも、伝説的な映画監督を大勢輩出している国であります。
アンジェイ・ワイダしかり、
ロマン・ポランスキーしかり、
クシシュトフ・キェシロフスキーしかり。
そのアンジェイ・ワイダに指導を受けたアグニェシュカ・ホランド監督(「ソハの地下水道」)。
http://mtonosama.exblog.jp/17961754/ http://mtonosama.exblog.jp/17971415/
そして、本作のドロタ・ケンジェジャフスカ監督。
いずれもポーランド映画が世界に誇る優れた女性監督です。

幾多の名作を世に送り出してきたポーランド映画界。
地味などと言ったらしかられてしまいます。

しかし、どんな名画も先立つものがなければ始まらないというのがこの世の非情なる現実。
当試写室のラストにポーランド・日本合作とあることにお気づきでしょうか。
実は、資金不足で難航していた本作の企画に出資者として参画、製作を実現したのが、
今回、配給会社として名を連ねているパイオニア映画シネマディスクの丹羽高史さん。
「カラス達(Wrony)」(近日日本公開予定)でケンジェジャフスカ監督の才能に着目、
「僕がいない場所」「木漏れ日の家で」などを日本に紹介してきた人物です。

親のいない小さな子ども達が自分たちの知恵と勇気と愛嬌と、
持てる力のすべてを出して国境を超えるロードムービー。
こんな名画の誕生に日本が関わっているとは、なんとも嬉しいことです。

さて、どんなお話かは次回のお楽しみということで。乞うご期待でございます。



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☆2013年1月22日に更新しました。いつも応援ありがとうございます☆

明日の空の向こうに
監督・脚本/ドロタ・ケンジェジャフスカ、撮影監督/アルトゥル・ラインハルト、編集/ドロタ・ケンジェジャフスカ、アルトゥル・ラインハルト、美術/アルトゥル・ラインハルト、音楽/ミハル・パイディヤク、ホンザ・マルティヌク、歌/「鶴は翔んでゆく」(1974・78年録音)アルカディ・セヴェルヌイ、製作/キッド・フィルム、アルトゥル・ラインハルト、共同出資/ポーランド映画芸術協会、アグニシェスカ・オドロヴィッチ、共同製作/丹羽高史、ズビグニェフ・クラ、チャレフ・リソフスキ
出演
オレグ・ルィバ/ペチャ、エウゲヌイ・ルィバ/ヴァーシャ、アフメド・サルダロフ/リャパ、スタニスワフ・ソイカ/警察官、ズィグムンド・ゴロドヴィエンコ/老人、アレクサンドラ・ビッレヴィチ/花嫁、キンガ・ヴァレンキェヴィチ/かわいらしい少女、スタニスワフ・ザヴァツキ、アントニ・ワンチュコフスキ/国境警備隊、アンゲリカ・コジェ/パンを持った少女
2013年1月26日(土)より新宿シネマカリテ他全国順次ロードショー
2010年、ポーランド・日本合作、118分、後援/ポーランド大使館、配給/パイオニア映画シネマディスク、配給協力/シナジー、http://www.pioniwa.com/ashitanosora/

by Mtonosama | 2013-01-22 06:09 | 映画 | Comments(8)
Commented by ライスケーキ at 2013-01-23 20:12 x
あまり難しい事考えないで、
シンプルに ほのぼのと笑って楽しめる映画が見たくなりました。
これは そんな映画ですか?

オーディションで「天性の俳優」を見いだすなんて
監督も素晴らしいですね。
Commented by Mtonosama at 2013-01-23 20:25
♪ライスケーキさん

シンプルに笑っちゃってください。
もうペチャくんが可愛くて可愛くてたまりません。

この子もあと2年もすれば憎ったらしいこと言うようになる
なんて難しいことは考えないで^_^;
Commented by すっとこ at 2013-01-23 23:00 x
何回もトライしてますが3行以上で強制終了されちゃいます!
これだけ書いてポチッです。短くてゴメン!!
Commented by Mtonosama at 2013-01-24 06:58
♪すっとこさん

あらら、どうしちゃったんでしょう。
それで雄叫びがないんですね。
また、絶叫が復活されることを祈ってます。
短くてゴメン、なんて・・・
コメをいただけるだけで嬉しいです。
その上、ポチッまでありがとうございます。
早く絶叫を聞きたいけど。
Commented by よもぎ at 2013-01-24 22:07 x
せんだって、新聞の映画評でも『明日の空の向こうに』がとても心を打たれる作品と言っていました。
見に行きたいけれど、上映館が遠くて。。(田舎暮らしはいいけれど映画館が遠いのが悲しいです)
こちらでその一端を味わわせていただきます。
いずれ、DVDで見たいです(^0^)/
Commented by Mtonosama at 2013-01-25 06:59
♪よもぎさん

おはようございます。
そーなんです♪
ホントに心打たれる映画でした。

是非、映画館でこの感動を味わっていただきたいのですが、
遠いとなれば大変ですね。よくわかります。
うちの街からも、隣の街からも映画館が消え、
ロードショーを観るにはバスに乗り、電車に乗り、はるばる出かけなければなりませんから。

せめて小さな予告編でほんの少しだけ味わってくださいませ<(_ _)>
Commented by kogarinta at 2016-07-02 18:49
ここなつです。こんにちは。
なんと胸きゅんなレビュー。
こういう名作をご覧になっていて、素敵です。そして、情報をありがとうございました。
Commented by Mtonosama at 2016-07-03 05:54
♪kogarintaさん

ご覧になってくださり、本当にありがとうございます。

夏風邪をひいて今日の日曜日は家でおとなしく過ごさなければならないとのですが、こんな日はペチャ君たちと会いたいです。絶対に元気になれますから。