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殿様の試写室

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故郷よ -1- Land of oblivion

故郷よ -1-
Land of oblivion

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(C)2011 Les Films du Poissons

1986年4月26日
春の遅いウクライナにもようやく花が咲き、鳥がさえずり、
恋人たちがボートを川に浮かべる季節がめぐってきた頃、
それは起こりました。

その日、アーニャは結婚式を挙げ、
6歳のヴァレリーはプリピャチ川のたもとに父とリンゴの苗木を植えました。

そんなのどかな春の一日、アーニャやヴァレリーたちに襲いかかった出来事――
そう、チェルノブイリ原子力発電所4号炉の爆発事故でした。

チェルノブイリ原発事故。
あの事故から今年で27年目になります。多くのドキュメンタリー映画もつくられました。
当試写室でも昨年2月「プリピャチ」を上映しています。
http://mtonosama.exblog.jp/17244517/ http://mtonosama.exblog.jp/17256592/

「故郷よ」はチェルノブイリ原発事故の映画です。
が、ドキュメンタリーではありません。
事故後25年経って初めて撮られた劇映画です。

しかし、パニック映画でも、政治的な告発の映画でもなく、
事故によって引き裂かれた男女、父子のつながりを軸に描いた静かな映画です。
愛の映画といってもいいかもしれません。

イスラエル出身のミハル・ボガニム女性監督が言っています。

「登場人物や人々の人生をより密接に描くため、大惨事が人々の関わりに影響を与え、
人生を壊してしまうことを示すためにはフィクションが良かった・・・」


原発事故そのものが充分にパニックであり、告発すべきできごとなのですから、
このような静かなドラマこそ、
人と人のつながりを壊し、人生を狂わせていく原発事故の持つ悲劇性を
より際立たせることになるのかもしれません。

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フィクション、劇映画ではありますが、
チェルノブイリ原発から4キロしか離れていない立入制限区域であるプリピャチの市内や
かつて原発で作業する人々が住み、今や廃墟となったアパートの中に、
俳優とカメラが入り、撮影しています。

本作撮影時、初めて撮影隊が入るというので、検閲も大変厳しいものでした。
もし、チェルノブイリ事故の中で消防士たちが命をかけて人々を救助するというようなストーリーであれば
撮影許可も簡単におりたことでしょう。
しかし、監督が描きたかったのは当局の事故隠蔽策のために
人々がどれほどの犠牲を強いられたか、ということ。
その妨害の程度は予想がつきますよね。

で、彼女のとった解決策は偽の脚本を書くことでした。
撮影時期は迫っており、更に、プリピャチにこれ以上滞在すれば被曝量が増えるばかりです。
検閲パスのための止むを得ない策でありました。

さて、「故郷よ」は劇映画としてチェルノブイリ事故から25年を経て初めて撮影されたわけですが、
日本では昨年、園子音監督「希望の国」が公開されました。
こちらは福島事故後1年で撮影されたことになります。

「希望の国」 園子音監督


こちらも鑑賞したいのですが、とりあえずは予告編だけで。

偽の脚本まで書いて検閲をのりきった「故郷よ」。一体どんなストーリーなのでしょうか。



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☆2月9日に更新しました。いつも応援ありがとうございます☆

故郷よ
監督、脚本/ミハル・ボガニム、共同脚本/アントワーヌ・ラコンブレ、共同脚本、編集/アン・ウェイル、撮影/ヨルゴス・アルヴァニテス、アントワーヌ・エベルレ、製作/ラエティティア・ゴンザレス、ヤエル・フォギエル
出演
オルガ・キュリレンコ/アーニャ、アンジェイ・ヒラ/アレクセイ、イリヤ・イオシフォフ/ヴァレリー(16歳)、セルゲイ・ストレルニコフ/ディミトリ、ヴャチェスラフ・スランコ/ニコライ(森林警備員)、ニコラ・ヴァンズィッキ/パトリック、ニキータ・エムシャノフ/ピョートル、タチアナ・ラッスカゾファ/アーニャの母
2月9日シネスイッチ銀座他全国順次公開
2011年、仏・ウクライナ・ポーランド・ドイツ、フランス語・ロシア語・ウクライナ語、108分、後援/イスラエル大使館、字幕/川又勝利、提供・配給/彩プロ
http://www.kokyouyo.ayapro.ne.jp/

by Mtonosama | 2013-02-09 06:57 | 映画 | Comments(4)
Commented by すっとこ at 2013-02-10 10:55 x
あっらーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!

思わず”希望の国”の予告編を見たら
大谷直子が目を整形してたーーーーーーー!

ってゴメンなさい、ここで絶叫する場面ではなかった。

話を”故郷よ”に戻します。
脚本を偽って・・・違法建築考えてる際、市役所
などに偽の図面出してOKとって OK出たらすぐ
違う建築に取り掛かる、というのを思い出しました。
違法建築はいかんけど撮影許可さえもらったら
こっちのもの!女流監督、やりましたね!!
正攻法では決して許可が出なかったのでしょうね。

チェルノブイリ・・・早い段階でアメリカでは
フクシマはチェルノブイリを超える規模だろうと
報道されていました。

できたら”故郷よ”と”希望の国”と両方を
殿様試写室で紹介くださいませ。

アメリカのある店に日本から来た友達と一緒に
入ったら「日本人?」と汚染物を見る目で見られた
ことがありますた。フクシマ直後でした。

いろいろ思いながらポチッ!
次号を楽しみにしています!
Commented by Mtonosama at 2013-02-10 19:36
♪すっとこさん

アメリカって福島がチェルノブイリ以上と言っていながら、
日本の原発ゼロ提案に難癖つけてるんですね。

福島いわき市に住む友人も車の福島ナンバーに冷たい視線を
感じたと言っていました。

迫害や差別は無知から来るのですね。
アメリカでも日本でも(--〆)

ポチッを今日もありがとうございます。
Commented by ライスケーキ at 2013-02-11 19:56 x
「チェルノブイリ事故」から25年ですか。

日本で「原発反対」叫んでも、
なかなか思うように なりません。
「希望の国」の予告を見るのが辛いです。

まだまだ、避難生活を送っている方々が沢山いるのに。
原発の恐怖が無くなったわけじゃないのに。

何もできない私、私達・・・。
この国は一体どこへ行くのでしょうか・・・。
Commented by Mtonosama at 2013-02-11 20:12
♪ライスケーキさん

チェルノブイリから27年。この歳に生まれた子はもう27歳。
そのまた子どもも生まれているような年齢です。

「原発反対」はすぐになんとかなることではないと思います。息長く想い続けていかなくてはならない問題でしょうね。