カルテット! 人生のオペラハウス -2-
人生のオペラハウス -2-
Quartet
(C)Headline Pictures (Quartet) Limited and the British Broadcasting Corporation 2012
ダスティン・ホフマンが75歳なら、
カルテットの面々も花のセブンティ・イヤーズ・オールド。
イギリスの名優たちの名演技とダスティン・ホフマンの采配。
芸達者な面々が繰り出す気のきいた台詞と「これぞユーモア!」というシーンの連発に
息つく暇もありません。
歳はとっても、
若干、物忘れするようになっても、
才能に溢れ個性豊かな男女が同じ屋根の下に暮らせば、ドラマも感動も生まれます。
そうですとも。
感動には年齢なんて関係ないんです。
さあ一体どんなお話でしょうか。
ストーリー
時は秋、木々は黄金色に輝き、広い庭園を持つ瀟洒な邸宅から素晴らしい歌声が聞こえてくる。
ここは引退した音楽家たちが暮らす老人ホーム〈ビーチャム・ハウス〉。
ヴェルディ生誕200年を祝うコンサートに向けて、練習の真っ最中なのだ。
その中にはテノールのレジー、メゾソプラノのシシー、バリトンのウィルフの姿も。
レジーは近隣の学生たちに音楽を教え、
ウィルフはホームの女性スタッフたちを口説くのを日課としている。
いつもCDプレイヤーを手放さないシシーは最近物忘れが目立ってきたようだ。
そんなビーチャム・ハウスに新しい住人がやってきた。
その名はジーン。名プリマ・ドンナとして活躍したソプラノ歌手で、
レジー、シシー、ウィルフとカルテットを組んでいたスターである。
住人たちは彼女を拍手で迎えるが、レジーの心境は複雑だ。
というのも、たった9時間だけとはいえ二人はかつて夫婦だったことがあるのだ。
優雅なビーチャム・ハウスも、実は、深刻な経営難。
コンサートを仕切っているセドリックも焦っていた。
コンサートが成功し、資金を調達できない限り、ビーチャム・ハウスの存続は危ういからだ。
ジーンは他の住人との交流を避け、自室に閉じこもっていた。
そんなジーンを無邪気なシシーが外へ連れ出す。
久々にかつてのカルテットの面々が顔を合わせた。
レジーに謝罪するジーンだったが、彼の心は頑ななまま。
立ち去るレジーを追いかけ、許しをこうジーン。
涙ぐむ彼女にレジーはハンカチを渡す。
香り立つ懐かしいコロン――
一方、セドリックはコンサートのトリをどうするかで悩んでいた。
「そうだ。ジーンがやってきて英国オペラ界を代表する4人が揃ったのだ!
『リゴレット』のカルテットを4人が歌えば、間違いなく客を呼べるじゃないか」
大喜びするシシー。
彼女がいつも手放さなかったCDはまさに自分たち4人で録音した想い出の「リゴレット」だったのだ。
セドリックからホーム存続のためジーンを説得するよう頼まれた3人は彼女をディナーに誘う。
だが、一緒にリゴレットを歌おうと切り出した時、ジーンの顔色が変わった。
彼女はカルテットは歌わないと言い放ったままレストランから出ていってしまった……
光背のように彼らの輪郭をふちどる光の中に浮かぶ彼らのシルエット。
そこに響く「リゴレット」の四重唱こそ、20世紀オペラ上演史上にその名を残す名録音。
英国ロイヤルオペラなどの舞台で共演したルチアーノ・パヴァロッティとジョーン・サザーランドの歌声です。
そんなすごい録音とは知らなかったけれど、その圧倒的な歌声に度肝を抜かれました。
すごいなぁ。ルチアーノ・パヴァロッティ。そして、ジョーン・サザーランド。
オペラはあんまり好きじゃないなんて思っててごめんなさい。
素晴らしい歌唱は時を経ても心を打つものでした。
それにしても、四人の背中を観る位置に置かれた観客は
まさに彼らを舞台へと送りだす側に立ったということです。
撮影カメラの位置によって観客も映画に参加できるんだと感じました。
これってやはり名優ダスティン・ホフマンならではの監督術なのかもしれません。
良い映画でした。
終
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☆4月20日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆
カルテット!
監督/ダスティン・ホフマン、脚本/ロナルド・ハーウッド、製作/フィノラ・ドワイヤー、スチュワート・マッキノン、撮影/ジョン・デ・ボーマン、編集/バーニー・ピリング、美術/アンドリュー・マッカルパイン、音楽/ダリオ・マリアネッリ
出演
マギー・スミス/ジーン、トム・コートネイ/レジー、ビリー・コノリー/ウィルフ、ポーリーン・コリンズ/シシー、マイケル・ガンボン/セドリック、ギネス・ジョーンズ/アン・ラングレー、シェリダン・スミス/ルーシー・コーガン先生、アンドリュー・サックス/ボビー・スワンソン
4月19日(金)全国ロードショー
2012年、イギリス映画、99分、配給/ギャガ、字幕翻訳/栗原とみ子
http://quartet.gaga.ne.jp/
この豪華すぎる顔ぶれは!
4人が4人とも「アカデミー賞受賞者またはノミニー」では
ないですか!
うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!
この顔ぶれで映画初監督というのだから
殿様が仰るように きっとダスティン・ホフマンの
お人柄をして この4人に承諾の”こっくり”を
させてしまったのでしょうね!
音楽家たちの老人ホーム・・・英国なら本当に
ありそうですね。
オペラはNYメトロポリタンに2シーズン通ったけど
どうも今ひとつ入り込めなかった困った音痴ですが
この映画なら素直に入り込めそう。
殿様、いつもありがとうございます!ポチッ。
ノミニーってアカデミー賞候補者のことで?
さりげなくこういう単語の出てくるすっとこさん、
さすが海外生活者だなぁ。
かっこいい!
音楽家たちの老人ホーム。
ヴェルディも良いこと考えましたよね。
オペラは一番最初の出会いに問題があり、すっとこさん同様
入り込めなかったとのです。
でも、この映画にはそんなオペラへの鬱屈した思い(?)や
歌えないカナリヤの心境など、脇へ置いておいて
十二分に楽しめる映画でした。
今日もポチッをありがとうございました。
老人ホームでも、同じ趣味、興味、人生観を持っている
人が集えば それなりに老後も豊かに暮らせるけど、
なかなか そうは いきません。
老いてもなを 最高の音楽が奏でられる。
良いですね。
私も 老いても「最高の音楽」を楽しみたいです。
私も
わたしはオペラが大好きなので、ギネス・ジョーンズが出て来たところで卒倒しそうになりました。まさか、ご本人が歌われるとは想像もしなかったので。。。嬉しい驚きでした。
マギー・スミスがエレガントで素敵。でも、個人的にはシシーが可愛らしくて良かったです。
少し前の「アムール」が現実路線だとすると、こちらは夢のような老後生活ですね。
ヴェルディの先見の明に拍手ですよね。
ビバルディなんかも教会で孤児たちの歌唱指導をしていたと
聞いたような気がするし、
音楽家たちの社会的な活動に「ありがとう」です。
ダスティン・ホフマン監督は仕事がなくなっても日々練習を
重ね、いつだって最高の音を出せるようにしているジャズ・
トランペッターの話をしていました。この映画で良い味を
出しているので是非ご覧くださいね♪
poirier AAAさんのようなオペラ愛好家にもご満足いただけたんですね♪
エンドロールで俳優や音楽家たちの若かりし頃の写真が
出てきました。ダスティン・ホフマン監督はその趣向にも
彼らはいまだ現役であるという思いをかぶせたようです。
私はマギー・スミスがかっこいいなぁって思いました。
昔のようには歌えない、そんな無様な姿をさらしたくないという思いを抱えつつ、
でも、スターのオーラを輝かせ続ける・・・
しみじみ来ました。わたしは彼女の2倍近く歳をとっているからでしょうか^m^