17歳のエンディングノート -2- NOW IS GOOD
NOW IS GOOD
(C)2012 Blueprint Pictures (Now) Limited, BBC and The British Film Institute. All Rights Reserved.
テッサのやりたいこと。
お酒を飲む、パーティで一晩中踊る、一人暮らし、SEX、有名人になる、ハワイでサーフィン、法律を破る、
ドラッグ、車の運転、グラストンベリー・フェスへ行く、タトゥーを入れる、インドで象に乗る、レイシストを殴る、
マウンテンスキー、朝日を見て、夕日を見る・・・・・・
おいおい。
とのがテッサの母親だったら、「ちょっとそれはどうかな、テッサちゃん」なんて部分もあるかも。
でも、「この子は後数カ月しか生きられないんだから」って思ったり――
と、そんな自問自答に耐えられなくなったのか、
テッサの母親は、娘のことを夫に全て任せて、病気に目を向けようとしません。
現実逃避のママとテッサにのめりこむパパ。
実はどっちも少し面倒くさいから、彼女はこのリストを誰にも見られないように隠しているんですけどね。
そもそも、なぜ彼女はあと数カ月しか生きられないのでしょうか?
映画は、テッサが白血病と診断されてから4年後に始まります。
彼女は医師から病気が末期に入ったことを告げられ、
彼女が選んだのは治療を続けることではなく、今まで通りの生活を保つこと、
QOL(Life Of Quality)の維持でした。
つまり、〈今、この瞬間を大切にすること〉を選んだのです。
オル・パーカー監督は言っています。
「僕たちは少女が死ぬまでの悲劇ではなく、
自分が間もなく死ぬだろうことを自覚した少女の新しい人生の物語を始めようと思った」
なるほど。
さあ、どんなお話なのでしょうか。
ストーリー
大人になるまで生きられないと宣告されたテッサ。
会社を辞めて治療法探しにのめりこむ父と
現実を受け入れられずテッサを看病できない母。
「おねえちゃんは死んだら僕に取り憑く?」と訊いてくる小さな弟。
そんな家族と暮らしながら、
どうすれば生きていることを実感できるのかと、テッサは考え続けていました。
17歳になり、その時が近いことを知ったテッサは、親友のゾーイを呼び出し、
9ヶ月で一生分の経験をするためのTo Doリストを作り上げます。
Sexあり、ドラッグあり。この瞬間をできる限り充実して生きるためのリスト――
そんなテッサに番狂わせが。
隣家に越してきた青年。若いのにガーデニングが趣味のアダムを好きになってしまったのです。
事故で夫を亡くし立ち直れない母親のために、入学したばかりの大学を休学して、
面倒を見ているといういまどき珍しい男の子でした。
テッサの病気を知ったアダムは彼女をバイクに乗せてどんどん外の世界へ連れ出します。
美しい森や友人のホームパーティ。
クールなテッサがどんどんアダムにのめりこんでいきました。
しかし、テッサの気持を知った父親はアダムとの交際に猛反対。
どうするアダム、そして、テッサ……
難しい年頃です。
でも、死は誰にでも平等に訪れます。
かなり、残酷・・・・・
だとすると、開き直りにも似た“Now is good”という言葉は意味深いし、重いですね。
「明日どうなる?」なんて誰にもわからないことで思い悩むより、
今を思いっきり生きる方が大切。
僅かな余命の内にも、大きく燃え上がる可能性のある種火は灯り続けているのですから。
テッサのTo Doリストは実現しないことの方が多かったけれど、
リストに書きこみもしなかった思いがけない〈恋〉を知ったテッサの笑顔に乾杯したい気分です。
ダコタ・ファニング、良い女優さんになりました。
終
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☆4月26日に更新しました。いつも応援ありがとうございます☆
17歳のエンディングノート
監督・脚本/オル・パーカー、原作/ジェニー・ダウンハム「16歳。死ぬ前にしてみたいこと」(PHP研究所)、撮影/エリック・ウィルソン、製作/ピーター・チャーニン、グレアム・ブロートベント、製作総指揮/クリスティーン・ランガン、アダム・クーリック、ピーター・ハムデン、提供/BBCフィルムズ、UKフィルム・カウンシル、提携/TF1、ライジング・スター・フィルムズ、リップシンク・プロダクションズLLP
出演
ダコタ・ファニング/テッサ、ジェレミー・アーヴァイン/アダム、パディ・コンシダイン/パパ、オリヴィア・ウィリアムズ/ママ、カヤ・スコラデラリオ/ゾーイ、エドガー・キャナム/キャル、ジョー・コール/スコット、ジュリア・フォード/サリー、ジュリアン・ウェイダム/ドクター・ライアン、ジョセフ・アルティン/ジェイク、レイキー・アヨーラ/フィリッパ、トム・ケイン/ポール、フランツ・ドラメー/トミー、サイモン・ウィルソン/スーツ、スーザン・ブラウン/シャーリー、クレア・スウィンバーン/看護士、サラ・ハドランド/キャロライン、ケイト・ディッキー/ドクター、ローズ・レスリー/フィオナ、イザベラ・ラフランド/ベス、パトリック・バラディ/リチャード、ルーク・キャロル/インストラクター、ダレン・モーフィット/マーク
4月27日(土)新宿武蔵野館他全国ロードショー
2012年、イギリス、103分、日本語字幕/松岡葉子、配給/キノフィルムズ
http://www.17ending.com/
To do list になかった“恋をする”。
それが突然目の前に現れたのですね。
少女は17歳・・・・・。
ううううう、この恋を応援してあげたい。
それは彼女が死にいく人だからではなく
当たり前の、青春の入り口に佇む人だから。
白石かずこが かつて
私達は行くでしょう
私達は寄るでしょう
私達は人生にちょっと寄るでしょう
死にに行く前に
と真っ赤なエナメルのホットパンツで
自作の詩を吼えていました。
あれは新宿の夜だったか。
私達みんなちょっといい人生に寄りに
行きたいですね。その前に。
いろいろ考えながらポチッと。
おまけの人生どう過ごそう。
と 思っていた時の 余命宣告と
17歳の 余命宣告では
受け止め方が違うだろうな。
To Do リストにはなくても、
「恋」を知った彼女は幸せ。
でも、「死」が余計に辛くなるのではないか、心配。
私も「明日」より「今日」を大事に生きたいな。
17歳の