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殿様の試写室

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楽園からの旅人 -1-  Villaggio di cartone

楽園からの旅人 -1-
Villaggio di cartone

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(C) COPYRIGHT 2011 Cinemaundici

外国の街で歩き疲れたとき、安心して休めるのはどこですか?
カフェとかいろいろありそうですが、お金を使いたくないとのは教会です。
なんといっても安全ですし、頼りになります。
都会の教会はいつでもウェルカムでしたから、一人歩きで疲れたときは遠慮なくお邪魔していました。
教会堂の中なら怖い人も悪い人も何もできないですよね。きっと。
クリスチャンではありませんが、神様はきっとお許しくださるはずです。

というわけで、本作「楽園からの旅人」は教会の聖堂が舞台。
っていうか、教会しか出てきません。まるで舞台劇を思わせる映画です。

間もなく取り壊されることになった教会にひとり残る老司祭。
そこへお金もなく、疲れ果てたアフリカからの難民たちが救いを求めてやってきました。
そして、礼拝堂の中に段ボールの村がつくられます。
(原題の”Villaggio di cartone”は“段ボールの村”という意味です)

二夜だけの新しい村に生まれた新しい命。
教会の消える日に自らの使命を見出す老司祭。

礼拝堂に突如現れた段ボールの村で交流する人々を描いた荘厳な物語です。
段ボールと荘厳って似合いませんよね。
でも、人の営みって本来荘厳なものなのだよ、と教えてくれる作品でした。

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監督はエルマンノ・オルミ。
「木靴の樹」(‘78)、「ポー川のひかり」(‘06)などで知られるイタリアの巨匠です。
「ポー川のひかり」は2009年当試写室でも上映しています。
同年末「殿様の試写室」ベスト10でも堂々の1位に輝きました。
自分で選んだのだから「堂々」もないんですけど。
http://mtonosama.exblog.jp/11533228/

しかし、オルミ監督は「ポー川のひかり」を最後にもう劇映画は撮らないと言っていたのですがねぇ。
どうしたのでしょう。
「ポー川のひかり」では現代に姿を現したイエス・キリストともいうべき人物を描きました。
混迷する世界に現れた現代のキリスト。
最後の劇映画とするにふさわしい作品でした。

なのに、どうして?
世界は未だ彼の映画を必要としていると判断したということでしょうか。
しかし、再び、82歳となった巨匠の作品を観られるとは僥倖以外の何物でもありません。


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エルマンノ・オルミ監督
1931年ベルガモ生まれ。父は鉄道員。2歳の時、家族でミラノに移る。
大戦終了後、水力発電所についての映画を撮る。
その後40作以上のドキュメンタリーを制作。
1959年初の長編劇映画「時は止まりぬ」を発表。
その後、ミラノから来た若い2人の男が初めての仕事で出会う困難と夢を描いた「就職」は1961年ヴェネチア国際映画祭でOCIC賞と批評家賞をダブル受賞、国際的な映画祭でも数々の賞を受ける。
1963年の「婚約者」ではイタリア北部から労働力が流出したことにより、南イタリアの工業化が急速に発展した後の顛末を描いた。
この3本は初期の傑作三部作として評価が高い。

1965年には労働問題から離れた作品「一人の男がやってきた」を発表。
ローマ法王ヨハネ23世に捧げている。

1978年、ベルガモの農夫の生活を描いた「木靴の樹」でカンヌ国際映画祭グランプリを受賞。
1987年「偽りの晩餐」でヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞、翌88年には「聖なる酔っ払いの伝説」で同映画祭金獅子賞を受けた。
2005年アッバス・キアロスタミ監督とケン・ローチ監督とのオムニバス映画「明日へのチケット」を発表。
2006年「ポー川のひかり」。これを最後の長編劇映画とし、今後はドキュメンタリー映画を制作していきたいと公表。

2008年ヴェネチア国際映画祭は監督の功績を讃え、栄誉金獅子賞を贈っている。

前言を翻し、再びメガホンをとったエルマンノ・オルミ監督。
エジソンのもとで働いたこともあるという82歳の老監督をいったい何が突き動かしたのでしょうか。

以下は次回まで今しばらくお待ちくださいませ。
乞うご期待でございます。



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☆8月3日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

楽園からの旅人
監督・脚本/エルマンノ・オルミ、撮影監督/ファビオ・オルミ、編集/パオロ・コッティンニョーラ、音楽/ソフィア・グバイドゥリーナ
出演
マイケル・ロンズデール/老司祭、ルドガー・ハウアー/教会堂管理人、アレッサンドロ・アベル/保安委員、マッシモ・デ・フランコヴィッチ/医者
8月17日(土)より岩波ホールにてロードショー
2011年、87分、イタリア、イタリア語、カラー、日本語版字幕/吉岡芳子、配給/アルシネテラン、http://www.alcine-terran.com/rakuen/

by Mtonosama | 2013-08-03 07:05 | 映画 | Comments(4)
Commented by すっとこ at 2013-08-03 22:14 x
おおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!

最後の写真がまるで宗教画のようなんですけど!

エジソンの下で映画を撮った人がまだ存命なの
ですか?なんだかびっくり。
NY州となりのニュージャ-ジー州にエジソン研究所が
あって博物館になっているとうので車走らせて見学に
行ったら、なぜだか閉じられていました。
たまたまなのか、しばらくなのかはわかりませんでした。

エジソンが電球開発に苦慮してたのはフィラメント材質に
最適なものがみつからなかったそうで。
ついに発見した最適物質とは・・・
京都産の竹だった、というのは聞いた話ですが
いったい何がエジソンに京都の竹を思いつかせたの
でしょうね。

って話がすっかりエジソンでゴメン。ポチッ。
Commented by Mtonosama at 2013-08-04 06:10
♪すっとこさん

おーっと、すいません。エジソンはオルミ監督の生まれた
1931年に亡くなってますから、監督はエジソンの会社で映画
を撮ったということでしょうね。
日本の竹がフィラメントの材料になったというのはエジソン
の伝記かなんかで読みましたが、なんで思いついたんでしょ
うね。オカルトにも関心を持っていたというエジソンですか
ら、広範囲にいろんなことをしっていたのでしょうか。

エジソンって晩年に結構いろんなことしてて面白いですね。
あ、わたしもエジソン話になってしまった^_^;

今日もポチッをありがとうございました。
Commented by アイスケーキ at 2013-08-04 22:26 x
「段ボール村」って言うと、
ホームレスの人たちを 思い浮かべちゃいます。
昔 新宿駅に段ボール住宅があって
側を通るの怖かった記憶があります。
あれって、 ホームレス村じゃなかったっけ?

男性ストリップの話の後に、
聖堂で繰り広げられる荘厳なお話。

いゃあ、映画って 
私たちを いろいろな所に 連れて行ってくれますね。
Commented by Mtonosama at 2013-08-05 06:58
♪アイスケーキさん

段ボールは便利なものですよね。
あっという間に家を作ることもできるし、
あっという間に解体し、撤去もできる。
もうこれ以上使わないとなれば、猫の爪とぎにもなります。

今後、世界はいろんな国の人やいろんな民族がどんどんシャッフルされていきますね。