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殿様の試写室

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楽園からの旅人 -2- Villaggio di cartone

楽園からの旅人 -2-
Villaggio di cartone

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(C) COPYRIGHT 2011 Cinemaundici

当試写室で上映しただけでも
「海と大陸」
http://mtonosama.exblog.jp/19020859/ http://mtonosama.exblog.jp/19092898/
「ぼくたちのムッシュ・ラザール」
http://mtonosama.exblog.jp/17762227/ http://mtonosama.exblog.jp/17772823/
「ル・アーブルの靴みがき」
http://mtonosama.exblog.jp/17426967/ http://mtonosama.exblog.jp/17438978/
「君を想って海をゆく」
http://mtonosama.exblog.jp/15073145/ http://mtonosama.exblog.jp/15091252/
などなど。

難民を描いたヨーロッパ映画は結構目につきます。
難民問題はもう限定された一地域の問題でも、特殊な問題でもないのでしょう。
ヨーロッパの人々とアフリカやイスラム圏の人々という大きなくくりの中の
経済や政治社会問題として描かれるのではなく、
人と人の関わりとして映画化されるようになってきているのかもしれません。

さあ、劇映画に復帰したオルミ監督、いったいどんな映画をみせてくれるのでしょうか。


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ストーリー
イタリアのとある街で、
もう半世紀もの間、人々が集い、祈りをささげた教会が取り壊されようとしていた。
椅子も祭壇もキリストの磔刑像も撤去された。

夜、ひとりの男が怪我をした家族を連れて司祭館にやってくる。
男は技師で、怪我をした家族は不法入国者だった。
それを皮切りに、教会堂には“旅人たち”が次々とやってきた。
皆アフリカから長い旅路を経て辿り着いた人々。
教会堂には段ボールでつくった家ができあがっていく。急ごしらえの小さな村である。

そんな小さな村にもいくつかのグループがあった。
身重の女性以外はみな旅の途中で亡くなったグループ。
世界を良くするためには暴力しかないというイスラム原理主義のグループ。
言葉の力を信じる技師のグループ。
どのグループも旅の途中で多くの仲間を失っていた。

その中のひとりの少年は難破船の中で一冊のノートを拾っていた。
そこには世界が始まる頃の美しい大地が描かれ、
「すべての子はひとりの母から生まれた」という言葉が記されていた。
その後のページは水にぬれたためか、開くことができない――

身重の女性が出産する。“旅人たち”は女性や生まれてきた赤ん坊の世話をし、
老司祭はそこにキリストの誕生を見るのだった。
若者たちの間には恋も芽生えようとしていた。

そこへ、保安委員が不法移民を取り締まるために教会を訪れた。
老司祭は「教会はすべての人に開かれています」と彼らを退ける。

翌日、“旅人たち”は老司祭と技師を残して、フランスへと旅立つ。
聖堂は明日になればあとかたもなく壊されてしまうだろう。
しかし、人間たちの物語は明日もまたとぎれることなく続いていく……


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天井に開いた天窓。そこから降り注ぐ雨。洗礼盤に集められるその雨水。
その水で生まれたばかりの赤ん坊を沐浴させる。
相も変わらぬ難民たちの厳しい現実を背景としながら、それでも希望が香り立つ映画です。

旅人たちも老司祭もすべてを失った人々でした。
破壊された教会もそうです。
祭壇やキリスト像をひきおろされ、権威もなくし、ただの家になってしまいました。
ところが“旅人たち”はその何もかもなくした“家”へ救いと安らぎを求めて訪れたのです。
そこでの出会いや新しい命の誕生がなにかをひきおこしたようです。
絶望の淵に立っていた司祭は生きがいを見出し、
通り過ぎていくだけの“旅人たち”を通じ、真の愛に気づきました。
“旅人たち”はまた次の地へ向かう力を得ました。

現実は何も変わったようには見えないかもしれません。
しかし、なにかに小さな火がともったようです。

「人生を信じなさい」
その一言を言いたくてエルマンノ・オルミ監督はもう一度劇映画をつくったのかもしれません。






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☆8月6日に更新しました。いつも応援してくださって本当にありがとうございます☆

楽園からの旅人
監督・脚本/エルマンノ・オルミ、撮影監督/ファビオ・オルミ、編集/パオロ・コッティンニョーラ、音楽/ソフィア・グバイドゥリーナ
出演
マイケル・ロンズデール/老司祭、ルドガー・ハウアー/教会堂管理人、アレッサンドロ・アベル/保安委員、マッシモ・デ・フランコヴィッチ/医者
8月17日(土)より岩波ホールにてロードショー
2011年、87分、イタリア、イタリア語、カラー、日本語版字幕/吉岡芳子、配給/アルシネテラン、http://www.alcine-terran.com/rakuen/

by Mtonosama | 2013-08-06 07:08 | 映画 | Comments(8)
Commented by すっとこ at 2013-08-06 23:41 x
なーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんて綺麗なんだ!

予告編を見ました。
光が素晴らしい撮影ですね!

光と影がこれほど美しい映画は
教会内部が舞台だからだとしても
そうそうないと思います。

どうやら難民は全てが無事にフランスへ
渡れた模様ですね。
行った先にはまたあれこれありましょうが
それはまた別の物語・・・。

こういう静かな映画も観たいと思いました、ポチッ。
Commented by Mtonosama at 2013-08-07 06:22
♪すっとこさん

ね、ね。昔のヨーロッパ映画のようですよね。
「自転車泥棒」とか「鉄道員」とかを思い出します。

こういう映画をNYの名画座でやってくれるといいですね。

今日もポチッをありがとうございました。
Commented by よもぎ at 2013-08-08 16:35 x
こんにちは! 久しぶりにおじゃまします♪

この映画、なんとなく「社会派」の映画(社会の問題点を取り上げ掘り下げ、解決を迫る?)なのかなと思い、
社会の現実なら映画にしてもらわなくても周りを見渡せばいっぱい見られる。。。と敬遠の気持ちでしたが。。。
殿様の「『自転車泥棒』とか『鉄道員』とかを思い出します」のお言葉に、見てみようかな。。と考えた次第です。
(声高にメッセージを言う映画は、疲れちゃうトシになった私です。)

「自転車泥棒」も「鉄道員」も、むかし、テレビで見ただけですが、心に残る忘れられない映画でした。
岩波ホール、遠いけれど、時間があればぜひ行って見たいと思います。

それから、さきほどサム・メンデス監督の「お家に帰ろう」を読ませていただきました。 こちらはDVDを借りるしかないですけど、終わりは、ハッピーエンドでしたか?(お聞きしてよければ)、悲しい結末なら、見たくないけど、「これからどうなるのか? ふたりはがんばるのだろう」と思える結末なら、見てみたいと思います。
今、悲しい映画は見たくない心境なのです。(喪中でして。。。)
ながながとすみません。
Commented by Mtonosama at 2013-08-08 19:47
♪よもぎさん

お久しぶりです♪
暑いですね。

この監督がさん、結構キリスト教にこだわってる(?)部分
があって、いつも神や宗教について考えさせられます。

オルミ監督はご高齢だけあって映画のつくりがきちんとして
て、「自転車泥棒」や「鉄道員」などの昔のイタリア映画を
思い出させてもらいました。
やはり昔っぽいつくりの映画はいいなと思う歳になった私で
す^_^;

「お家をさがそう」ですが、悲しい結末ではなかったです。


Commented by よもぎ at 2013-08-08 21:24 x
さっそくお返事ありがとうございます^^。

「お家をさがそう」、今度DVDで見てみます。(^0^)

岩波ホールにも行けるといいなと思います。
Commented by アイスケーキ at 2013-08-08 21:53 x
聖堂を舞台に 宗教、難民、民族・・・。
いろいろな問題を描いているんですね。

こう言う映画は1人で  じっくり見てみたい。
映画館を出るときは 何かが変わるような気がします。
Commented by Mtonosama at 2013-08-09 07:23
♪よもぎさん

岩波ホール、遠くて大変ですよね。
でも、神保町は映画の他にもお楽しみが多いので、
涼しい時間におでかけになってくださいね(^^)/
Commented by Mtonosama at 2013-08-09 07:24
♪アイスケーキさん

良い映画でした。
わたし、やっぱりこの監督さん好きです♡

いつまでも心に残る作品です。