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殿様の試写室

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夏の終り-1-

夏の終り -1-

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©2012年映画「夏の終り」製作委員会


先日「あまちゃん」の後、そのままNHKを観ていたら瀬戸内寂聴さんが出演しました。
で、そのままずっとTVの前に居座ってしまったとのであります。

小説を読み、それを作者の実人生と思い込んでしまうことはよくあります。
「夏の終り」という小説は寂聴さんが瀬戸内晴美だった頃、自身の体験を書いた私小説です。

だから、やっぱり彼女の実人生なのですが、
この91歳になるお地蔵様のようなお顔の寂聴さんが
「夏の終り」にあるように、2人の男との関係を同時進行させるという道ならぬ恋をしたことに、
羨ましさ――(もちろん、ありますけどね)
ではなく、なにか熱いものを感じます。

「夏の終り」は瀬戸内寂聴さんが半世紀も前に書いた彼女の代表作で、
発売されてから100万部を超えるロングベストセラーであります。
それが映画化されて、いよいよ夏の終りの8月31日に公開されます。

NHKでも「不倫なんて今じゃ普通よねぇ」とおっしゃっていた寂聴さんですが、
それが50年も前のことであれば、普通どころか、人非人、人でなし、恥知らず――と
ありとあらゆる罵詈雑言を浴びせかけられたことでありましょう。

とのも昨年この小説を読んだときにはあまり良い感じはしませんでした。
ええ、ひがみ、或いは、やっかみ、と、おとりくださって結構でございます。
とはいえ、この作品が妙に気になっていたのも事実。
そんなわけで、本作の試写状を受け取ったときにはいそいそと試写会場へ向かいました。

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監督は「海炭市叙景」(‘10)の熊切和嘉。
主役は満島ひかり。染色家として自立し、2人の男を愛する知子を演じます。
妻子ある不遇の作家・慎吾に小林薫。
身を切るような激しい恋に溺れる年下の男・涼太には綾野剛。

このキャスティングを見て、こりゃ、いいや、と思いました。
知子との愛に身も心も燃やしつくす年下の男、
これを演じるのはやっぱり綾野剛さん以外にはありえません。
NHK連ドラ「カーネーション」でヒロイン糸子の不倫相手・周防を演じた彼、
実に印象的でした。
その涼しい目元にたゆたうなんともいえない色っぽさ・・・
彼が出るのを熱い思いで待ち望んだものです。

この人のえも言われぬ色気は最高ですものね。
この色気があってこそ、一途な恋に身を滅ぼすことも厭わない涼太が生きるのでありますよ。

それと、妻がいながら、知子宅と妻宅にきっちり半分ずつ住まう売れない作家。
優しさとずるさを併せ持つ鼻もちならない男ですが、
小林薫が演じると、こずるいだけでない男の哀れさや身勝手さをも見せてくれるんですね。
はまり役です。

あ、満島ひかりのことを言い忘れました。
ま、どうしても男優の方に目がいってしまうことをお許しください。
彼女も昭和30年代の女らしく、色っぽくなりきらず、好演していました。
話が話しだけに、女性が色っぽ過ぎると下品になっちゃいますからね。

寂聴さんが
「今回の熊切和嘉監督の映画は原作に最も近く、
作者としては生々しさに圧倒され肌に粟を生じて見た」
と言うのも頷けます。

本来なら正視に絶えない結構ドロドロの三角関係が、
昭和30年代のなつかしげな空気の中で、
繁茂する夏草の草いきれのように、あるいは、濃密な闇に浮かぶ仄かに明るい窓のように、
生々しくも美しく描かれています。

これは映画ならではの情景でありましょう。

さあ、いったいどんなお話なのでしょうか。
続きは次回までお待ちくださいませ。



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☆8月29日に更新しました。いつも応援ありがとうございます☆

夏の終り
監督/熊切和嘉、脚本/宇治田隆史、原作/瀬戸内寂聴「夏の終り」(新潮文庫刊)、製作/藤本款、伊藤和明、撮影/近藤龍人、音楽/ジム・オルーク
出演
満島ひかり/相澤知子、綾野剛/木下涼太、小林薫/小杉慎吾
8月31日(土)有楽町スバル座、テアトル新宿、キューマントラストシネマ渋谷他全国ロードショー
2012年、日本、112分、http://natsu-owari.com/

by Mtonosama | 2013-08-29 06:01 | 映画 | Comments(4)
Commented by アイスケーキ at 2013-08-30 10:24 x
私が この小説読んだのは 純情な10代の頃でした。
「不倫」!  とんでもない。
「こんな生き方して 小説書いて何考えてるんだ!」
と思いました。

しかし、今は・・・。
「年下の恋人も良いねぇ」と思うようになりました。

岡本かの子も夫がいて、年下の恋人と一緒に住んでましたよね。

映画は どのように描いているのでしょうか。
次回 ストーリー楽しみです。


Commented by との at 2013-08-30 20:13 x
もう10代の頃にお読みでしたか!?
おくてのわたくしめは昨年読みました。

いやあ、しかし、寂聴さん、
こういう激しい日々を送ってこその今の悟りの境地なのでしょうね。

150歳のとのなどまだまだひよっこであります。
Commented by すっとこ at 2013-08-30 22:24 x
ほーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!

綾野剛クンですか。”ひまわり”も良かったし
今は”八重の桜”の松平容保公も楽しんでいます。

でも機内映画で見た”その夜の侍”のチンピラが
最高に良かったなぁ。髪は金髪で。おどおどしてて。

そんな綾野剛が若い恋人役かぁ・・・

瀬戸内寂聴さんがまだ瀬戸内晴美だったころの
その小説と思うんだけど
家に居る男には「風呂へいってきます」と嘘ついて
若い愛人のもとへひた走るのね。
逢瀬が入浴時間ほどしかないからがむしゃらに
むさぼるように愛し合い・・・

風呂へ入ったきたのをよそおうために
濡らしたタオルで足の間を特に念入りに拭きあげる、
と言う描写があって

私小説というのかリアリズムというのか

真に迫っておりましたっけ。

次号、楽しみにポチッ!

Commented by Mtonosama at 2013-08-31 09:36
♪すっとこさん

「その夜の侍」の綾野くんはまた全然感じが違ってて、
”あ、これがあのカーネンションの?”って思ってしまったとのです。
あれは山田くんの演ずるチンピラが異様に怖かったですねぇ。
山田くん、あれからすっかり鬼気迫るお兄さん的役割が
身についてしまったようです。

って、その話じゃなかった。

「夏の終り」、寂聴さんの今のお顔からはまったく想像も
できないお話でした。

今日もポチッをありがとうございました。

暑さをぶり返した日本ですよぉ~。
気をつけて帰国なさってくださいませね。