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殿様の試写室

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夏の終り -2-

夏の終り -2-

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©2012年映画「夏の終り」製作委員会

昭和30年代の東京を背景に展開される男と女の愛の情景・・・・・
とは、いきなり刺激が強すぎますか?

白い砕石の道路が夏の日差しを跳ね返し、
小さな街灯の灯が左右に別れる男女の背中を黒い影に沈めます。
懐かしいというには余りに遠い過去となってしまった昭和の情景が
エキゾチックな感じさえ漂わせます。

少し、もったいぶってしまいました。
さあ、いったいどんなお話なのでしょうか。


ストーリー
年の瀬も迫ったある日、帰宅した相澤知子は一緒に暮らしている小杉慎吾から
「木下くんが訪ねてきたよ」と告げられる。
木下というのは12年前に出会い、夫と娘を捨てて、駆け落ちした相手だ。
だが、その恋は成就しなかった。
知子は今、慎吾との8年間の穏やかな暮らしの中で木下涼太のことはすっかり忘れていた。

大晦日の夜、知子は風邪をひいて寝込んでいた。
慎吾は妻と共に新年を迎えるため、「6日には来るよ」と言い残し、知子を一人残して出て行った。
慎吾には妻があり、週に半分ずつ知子の家と妻の家を行き来しているのだ。
作家である慎吾はもう何年も作品を発表していないが、知子は染色家として自立していた。
妻もまた洋裁で生計を立てていた。

年も明け、身体も回復した頃、涼太から電話がくる。
その電話で知子は涼太に「会いに来て」と言ってしまう。
その日から、慎吾との生活を続けながら涼太とも関係を持つ日々が始まった。

涼太は知子の元夫の教え子である。
2人は知子の元夫の支援する政治家の選挙活動に駆り出されて、働くうちに恋に落ちた。
やがて知子は夫と娘を捨て、涼太と駆け落ちするのだが、いつしか恋も終わる。
それが今回の出会いで関係が復活。
かつては純朴な青年だった涼太もいつしか暗い影を帯びる男になっていた。
そして、いつまでこの不自然な関係を続けるつもりなのかと知子を責めるようになった。

ある夏の朝、知子は長い船旅から帰ると、港には慎吾と涼太の姿があった。
知子の留守中は2人でよく呑みにでかけていたという。

しかし、涼太の知子への執着は旅の前と変わっていなかった。
むしろ、更に高まっている。
慎吾が妻の家に帰ったある日、知子は慎吾にあてた妻からの手紙をみつけた。
そこに書かれた言葉に、妻と慎吾の深いつながりを感じた知子はイライラする思いを涼太にぶつける。
だが、涼太はそんな知子を冷たく突き放すのだった。
そして夜が明け、知子はある決意を固める……

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瀬戸内寂聴40歳のときの作品。
寂聴さんは今91歳ですから半世紀も前に書かれたものです。
小説も映画も淡々と語られていますが、かなり生々しい男女のぶつかりあいですよね。
今さら不倫?今だから不倫?
不倫が良いか、悪いかなんて、言っても始まりません。
だからといって「不倫は文化だ!」なんて開き直る必要もないのでしょうが。

ただ三角関係(厳密には四角関係ですか。姿は見せないけれど慎吾の奥さんもいますから)
って結構合理的な関係ですよね。
慎吾のようにどっちつかずでこずるい男でも、
主人公にとってはそれは穏やかな癒しにつながり、
その穏やかさが物足りなく感じたときには
激情に燃える若い男を選べばいいわけですからね。

そして、そのどちらにもうんざり、というときには
お金も創作の喜びも与えてくれる仕事にのめりこんでいけばいいというわけです。

うん、良い生き方かも。
貧しさにも世間にも負けてない強い女の愛は小気味よいものです。
(って、そこへいくか――)





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☆9月1日に更新しました。もう9月。秋の始まりであってほしいですね。いつも応援ありがとうございます☆

夏の終り
監督/熊切和嘉、脚本/宇治田隆史、原作/瀬戸内寂聴「夏の終り」(新潮文庫刊)、製作/藤本款、伊藤和明、撮影/近藤龍人、音楽/ジム・オルーク
出演
満島ひかり/相澤知子、綾野剛/木下涼太、小林薫/小杉慎吾
8月31日(土)有楽町スバル座、テアトル新宿、キューマントラストシネマ渋谷他全国ロードショー
2012年、日本、112分、http://natsu-owari.com/

by Mtonosama | 2013-09-01 06:21 | 映画 | Comments(6)
Commented by アイスケーキ at 2013-09-01 20:34 x
ある意味「良い生き方」ですよね。
「自由恋愛」?  
お互い納得の上なら それも良いでしょう。

でもね、そこに苦しんでいる人はいませんか?

もう半世紀も前に書かれた作品だから 今更だけど。
作品が書かれた頃は 関係者はご存命だったはず。
今は どうしていらっしゃるのでしょうか。

彼女が捨てた夫、娘、慎吾の妻・・・。
また、むし返すように こんな映画が出来て・・・。

私映画見て こんな事考えてるから
年下の恋人出来ないんだなぁ。  きっと・・・。
Commented by すっとこ at 2013-09-01 21:16 x
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!

崩れた桃に蟻がたかってる映像が
生生しすぎるーーーーーーーーっ!

瀬戸内寂聴は 捨てた娘が編集者になって
再会するんでしたね、確か。
それから娘とつきあいが復活するのでした。

事実は小説より奇なり。
「小説は嘘を書くのだと一生懸命嘘を書いていた時は
売れなくて、じゃあ本当のこと書いちゃえと思って書いたら
売れたのよ」とNHK朝イチで語ってましたね。

とっても魅力ある女性なんだろうなー晴美さんって。

男なら魅かれるのか。出家する前の最後の男性は
作家の井上光晴さんだったらしいです。

ミーハーです。ポチッ。
Commented by millefiorin at 2013-09-01 22:59
はじめまして。murielと申します。

瀬戸内寂聴さん、最近よくテレビでお見かけしました。
夏の終わりに上映される「夏の終わり」
久しぶりに観に行きたいなぁと思っています。

キャスティングもいいですよね。
個人的に小林薫さんが大好きなのですが
こういう役柄はまた、はまってたんだろうなぁと妄想しています。

またお邪魔しますね ^ ^
Commented by Mtonosama at 2013-09-02 06:48
♪アイスケーキさん

作品を書くためには夫も子どもも捨てる・・・・・
ありうることだし、いざ、そういう状況になったら、
なかなかコントロールしがたい気持だと思います。

↑で、すっとこさんも書いておいでですが、
お嬢さんは編集者になったとのこと、
NHKでも寂聴さんは「娘のためになにがあっても小説は書き
続ける。それが捨てた娘への責任のとり方である」とおっし
ゃっておいででした。

家庭も作品も、と双方こなしていらっしゃる女性作家も
たくさんおいでですが、それができなかった作家も
またたくさんいらっしゃるんですよね。
人生には残酷な二者択一も存在するもんですねぇ。

Commented by Mtonosama at 2013-09-02 06:54
♪すっとこさん

「小説は嘘を書くのだと一生懸命嘘を書いていた時は
売れなくて、じゃあ本当のこと書いちゃえと思って書いたら
売れたのよ」
言ってましたねぇ。印象的でしたわ。

っていうか、NYで朝イチも観られるのですか?

すっとこ情報、瀬戸内晴美としての最後の男は井上光晴!?
ジェ、ジェ、ジェ、ジェ、もうひとつおまけにジェ!

そうだったんですか。
いつもタメになるすっとこ情報ありがとうございます<(_ _)>
Commented by Mtonosama at 2013-09-02 07:02
♪millefiorinさん

murielさん、はじめまして。
当試写室へお立ち寄りくださり、ありがとうございます。

寂聴さん、最近よくテレビ出演なさいますね。
やはり「夏の終り」のプロモーションもあるのでしょうが、
彼女のお話を聞くたびに、すとんすとんと納得できるものが
増えていきます。

小林薫、こずるい男を好演していました。
情けなくなんとなく惨めっぽいしょぼんとしたところ、
良かったです。

murielさん、またのお越しをお待ちいたしております。
ありがとうございました。