ある愛へと続く旅 -1- Twice Born
Twice Born
(C)Alien Produzioni / Picomedia /Telecinco Cinema/ Mod Producciones 2012
ユーゴスラヴィア。
7つの国境、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字、
そして、1つの国家といわれた国。
旧ユーゴスラヴィアという国家がはらんでいた多様性であります。
それでもチトー大統領というカリスマ的指導者の存命中はこの国はまとまりをみせていました。
1984年には、サラエヴォで冬季オリンピックも開催されています。
カタリナ・ヴィット。東ドイツ・フィギュアのゴールドメダリストです。
ご記憶でしょうか。美しい選手でした。
ディナール・アルプスに囲まれたサラエヴォ渓谷の中にあるサラエヴォ。
丘陵地帯に拡がる美しい街です。
この地でかつて血で血を洗う民族紛争が起こったことはいまだ記憶に鮮明です。
実をいうとオリンピックよりもサラエヴォの街で繰り広げられた爆撃や殺戮の方が印象に強いとのです。
写真にある丘陵にもくもくと上がっていた爆撃の土煙りが今も見えるような気がします。
本作「ある愛へと続く旅」はそのオリンピックの余韻も覚めやらず
サラエヴォが豊かで平和だった頃から始まります。
イントロが長くなったのは(あ、いつものことですね)
サラエヴォの平和な時代をなかなか思い浮かべることができなかったからでして、
恐縮でございます。
サラエヴォを描いた映画は数多くあります。
サラエヴォ出身のエミール・クストリッツァ監督の
「パパは出張中!」(‘85)「アンダーグラウンド」(‘95)
マイケル・ウィンターボトム監督「ウエルカム・トゥ・サラエヴォ」(‘97)
旧ユーゴスラヴィア出身のダ二ス・タノヴィッチ監督「ノーマンズ・ランド」(‘01)
この映画、印象的でした。
サラエヴォ出身のヤスミラ・ジュバニッチ監督「サラエヴォの花」(‘07)「サラエヴォ、希望の街角」(‘10)・・・・・
書き出していたらキリがありません。
Wikipediaには、ユーゴスラヴィア連邦解体の過程で起こったユーゴスラビア紛争は、
1991年から2000年まで主要な紛争が継続した、とあります。
2006年にモンテネグロが独立したことで、旧ユーゴスラヴィアを構成していた6つの共和国が完全に独立しました。7年前にやっと落ち着いたことになるのですね。長い戦争でした。
本作「ある愛へと続く旅」はこれまでの映画のように紛争をテーマにした映画ではありません。
戦前から戦後にいたる男女の愛の映画。
そう、ラブ・ロマンス。
映画の王道であります。
ただし、ただのラブ・ロマンスと思ってスクリーンに臨むと手痛いパンチを受けることになりますが。
ペネロペ・クルスとエミール・ハーシュが演じる恋人たち。
さあ、いったいどんなお話でしょうか。
続きは次回まで乞うご期待でございます。
続
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ある愛へと続く旅
監督/セルジオ・カステリット、脚本/マルガレート・マッツアンティーニ、セルジオ・カステリット、原作/マルガレート・マッツアンティーニ(バイキング・ペンギン刊)、撮影監督/ジャンフィリッポ・コルテイチェッリ、音楽/エドゥアルド・クルス、製作/セルジオ・カステリット、ロベルト・セッサ
出演
ペネロペ・クルス/ジェンマ、エミール・ハーシュ/ディエゴ、アドナン・ハスコヴィッチ/ゴイコ、サーディット・アクソイ/アスカ、ピエトロ・カステリット/ピエトロ、ジェーン・バーキン/精神分析医
11月1日(金)TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー
2012年、イタリア・スペイン、イタリア語・英語・ボスニア語、129分、原題/VENUTO AL MONDO、http://www.aru-ai.com/
ペネロペ・クルスって全然知らなくて 始めて名前聞いたのは
トム・クルーズと噂になった時で 同じ頃に日本のパンテーン
ってシャンプーの宣伝に出たので「ホホウこれがペネロペかぁ」
と思ったけど、さしたる強い印象はありませんでした。
それが”帰郷”という映画で
ガツンとやられたのでありましたよ。
なんという存在感!なんというむせかえるような色気!
ははぁ、これにトム・クルーズはヤられたのかと思った
ころにはもう2人の破たんが伝えられていました。
そんなペネロペ。
どんなラブ・ロマンスでせうか?ポチッ!
へぇ、ペネロペってパンテーンのCMに出てたので?
トム・クルーズと噂が出た時は「おいおい、トムや、お前さんじゃあ、お相手はつとまらないよ」(トム・クルーズのフ
ァンのみなさまゴごめんなさい<(_ _)>)と思った記憶があ
ります。
しかし、変わらない女優さんですよね。
今回18歳位からアラフォーあるいはアラフィフまでを演じる
のですが、18歳の役でも違和感ないもの。やっぱりヴェジタ
リアンだからかなぁ。
今日もポチッをありがとうございます。うれしいです♪
この辺りの歴史、何度本で読んでも理解できません。
今ちょうど「ハプスブルク一千年」と言う本を再読しています。
サラエヴォと言えば、オーストリア皇太子夫妻がセルビア人に
暗殺された地。 そして第一次世界大戦勃発・・・。
この映画を見るのに そんな歴史的背景は必要ないのでしょうが
「サラエヴォ」と言うと どうもその辺が気になっちゃいます。
しかし、ユーゴスラヴィアという一つの国だった地域で
何故に あんなに悲惨な紛争が続いたのでしょうね。
100歳を過ぎても 世の中分からないことだらけです。
ソ連の崩壊は東欧圏に大きな影響を与えたのですね。
民族や宗教がシチューのように融け合ってたお鍋がひっくり
返ってしまったんですものね。
最近、ユーゴスラヴィア紛争をバックにしたア映画が多くな
ってきたような気がします。少し落ち着いてあの紛争の全体
を俯瞰できるようになったということでしょうか。