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殿様の試写室

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オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライブ-2- ONLY LOVERS LEFT ALIVE

オンリー・ラヴァーズ・
レフト・アライブ
 -2-
ONLY LOVERS LEFT ALIVE

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吸血鬼はこれまで数々の小説や映画でとりあげられてきています。
ちなみに、150歳のとのが好きなのはロマン・ポランスキー監督の「吸血鬼」(‘67)です。

吸血鬼というのはその怖ろしさというより、禁断のセクシュアリティゆえに
ここまで人々を惹きつけてやまないのだと思います。
だから、吸血鬼を演じるのは昔から美男と決まっているのでしょう。

今回はカップルで登場ですから、もう美男美女であります。
とりわけイヴを演じたティルダ・スウィントンはすごい!
冒頭、ゴージャスなガウンを身につけ、床の上に横たわるイヴを
上方から延々と映し出すシーンにはやられました。
美しさと湿った土の匂いを感じさせるゴシックホラーな雰囲気を
これ以上は無理なのではないかというほどに見事に映像化されていました。
いやぁ。ティルダ・スウィントン、本当にすごい!!とても53歳とは思えません。

一方、アダムを演じたトム・ヒドルストン。
彼は「ミッドナイト・イン・パリ」でF・スコット・フィッツジェラルド役で登場しましたが、
彼もまた謎のカリスマ・ミュージシャンとして生きる吸血鬼として
フィッツジェラルドとはまったく違う味を見せてくれました。俳優って偉大ですよね。

他にはミア・ワシコウスカ。
これまたヤンチャな吸血鬼でこれまでとはまったく違う側面を楽しませてくれました。

さあ、いったいどんなお話なのでしょうか。


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ストーリー
デトロイト。うらさびれた街の古びたアパートで暮らすアダム。
彼は吸血鬼だが、カリスマ的な人気の謎のミュージシャンとして生きている。
年代物のギターを集め、名前を発表することもなく音楽活動をしている。
もちろん、その彼の活動時間は夜だけ。
必要なものの調達はイアンという男に任せているが、時折、素顔を隠して病院を訪ね、
ひそかに血液を手に入れていた。

ある夜、モロッコのタンジールに暮らす恋人のイヴが夜間の便を乗り継ぎ、
アダムの住むアパートへやってくる。
久々の再会を果たし、音楽のこと、人間たちの犯した歴史上の蛮行のことなど、
語り合うふたり。
何世紀も前の昔話をしながら、彼女はアダムに「あなたのマーロウがよろしくって」と伝える。
マーロウとは人間の歴史上では16世紀末に死んだことになっている異端の作家
クリストファー・マーロウのことだ。
彼は今、タンジールにキットという名で身を潜めていた。
それからふたりは夜の散歩に出かけ、かつては華やかだった街の廃墟をめぐる――

そんな穏やかな日々がイヴの妹エヴァの来訪によって覆されてしまう。
アダムは87年前にエヴァがひきおこした事件のことで未だに腹を立てている。
気の進まないアダムを誘い、ライヴハウスに向った3人。
エヴァはそこで出会ったイアンをアダムのアパートへ連れ帰り、
あろうことか、酔っ払ったイアンの血を吸ってしまう。

エヴァを叩きだし、気の毒なイアンの死体をデトロイトの廃墟で始末した後、
アダムとイヴはタンジールへ飛ぶ。
そして、血液を飲むため、行きつけのカフェへ出向くと、
汚染された血を飲んだキットことクリストファー・マーロウが死の床についていた――

タンジールの街かどで衰弱するアダムとイヴ。
この汚辱にあふれた現代では彼ら吸血鬼は生き続けることはできないのかもしれない……

時空を超えて存在する永遠の恋人たちの世界には
いかにも博覧強記の人・ジャームッシュ監督好みの人物が登場します。
その人物たちのことを知っていたらウフフと笑える部分がもしかしたらもっと多いかもしれませんが、
知らなくても、もちろんグフフなシーンには事欠きません。
いつもオシャレだけれど、あれっと小首をかしげることもあったジャームッシュ。
ですが、今回ばかりは別物。
とのの中で今ポランスキーの吸血鬼と本作の吸血鬼とが激しく鎬を削っています。





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☆2013年12月10日に更新しました。いつも応援ありがとうございます☆

オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライブ
監督・脚本/ジム・ジャームッシュ、製作/ジェレミー・トーマス、レインハード・ブルンディヒ、撮影/ヨリック・ルソー、編集/アフォンソ・ゴンサルヴェス、音楽/ジョゼフ・ヴァン・ヴィセム、美術/マルコ・ビットーナ・ロッサー、衣装/ビナ・ダイヘレル
出演
トム・ヒドルストン/アダム、ティルダ・スウィントン/イヴ、ミア・ワシコウスカ/エヴァ、ジョン・ハート/マーロウ
12月20日(金)TOHOシネマズシャンテ、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷、大阪ステーションシネマ他全国ロードショー
2013年、米・英・独、123分、英語、字幕/高内朝子、提供/東宝、ロングライド、配給/ロングライド
http://onlylovers.jp/

by Mtonosama | 2013-12-10 07:17 | 映画 | Comments(8)
Commented by すっとこ at 2013-12-10 22:43 x
きゃぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーああ!

ティルダ様のおみ脚の美しいことといったら!

これでおん年53歳?

素晴らしい!素晴らし過ぎる!
やはり生まれついての女優さんなんですね。
こういう方が銀幕を輝かせるんですわん。

”隣りのお姉さん”的なタレントもいいけど
こういう”銀幕のスター”はまた格別ですね!

ジム・ジャームッシュだもの!
観たい観たい観たい! 力いっぱいポチッ!

    ところでひかちゃん篇はまだでしょうか?
    秘かにひかちゃんファンなんです。
Commented by Mtonosama at 2013-12-11 06:26
♪すっとこさん

すごいでしょ?
もう、吸血鬼を演じるために生まれてきた女優さんですもん。

今日も力強いポチッをありがとうございます。

from ひかり
あのね、あたし、飼い主を怒らせちゃったの。
しつっこい人だから、怒ると長いのよ。
なんで怒らせたかって?それはおいおいひかちゃん篇の中で
明らかになっていくと思うわ。
飼い主の怒りが落ち着くまで、もう少し待っててね。
Commented by ライスケーキ at 2013-12-11 21:02 x
ホラー映画 苦手だから 
「血液アイス」なんて見ただけで もうダメ。

まぁ、一種の病気なんだから 人を襲ったりしないで、
「善意の献血」してもらったらどうかしら。

そうすれば皆様も、吸血鬼さん達も平和に暮らせると
思うんだけど・・・。  このアイデア ダメかなぁ・・・。

ひかちゃん登場  私も待ってます~。
Commented by Mtonosama at 2013-12-12 06:59
♪ライスケーキさん

吸血鬼が献血ねぇ・・・
良い考えかも。でも、映画にはならないかなぁ。

fromひかり
今朝もまた怒ってるからしばし無理かもしれないわ。
あの人、怒るとホンットにしつこいのよ。
Commented by poirier_AAA at 2013-12-12 18:51
確かに「禁断のセクシュアリティ」としか言いようがないですよね。でも、どうしてこうなってしまったのかなぁと思って。血を吸うだけなら、別にヒルや南京虫みたいな存在だっていいわけですから。首筋へのキスがポイントなのでしょうか。頭に噛み付くとか内蔵から啜るとかだったら、絶対に美男美女を想像しないと思うんですよね。

しかし、全身これ頽廃のような美男美女ですね。この女優さん、この色素の薄さ、線の細さが計ったように吸血鬼向きで。

吸血鬼は切ないです。永遠に生き続けるなんて、あまりにも重すぎる定めだと思います。この映像の雰囲気、そんな切なさにぴったりあう感じがします。
Commented by Mtonosama at 2013-12-13 04:38
♪poirier AAAさん

ひえ~~~~っ、わたし血を吸うヒルの方が怖い気が・・・
ヒルって吸いついたときは白っぽい色をしているのに、
段々膨らんで赤黒くなっていくんですよね。
こんなもんに山の中で吸いつかれたら・・・
ああ、考えただけでも気持悪いです。

頭に噛みついたり、内臓を啜るというおぞましいものは
やはりボロボロのゾンビでしょうね。
吸血鬼は美しく、理想を追求しすぎるがゆえに現代社会では
生きにくい存在なのだと思います。

以前、岸田理生作の800年の命を永らえる女性の舞踊劇を
観たことがあります。かがり火をたいたお寺の境内で奉納さ
れた劇でしたが、永遠に永らえるつらさをしみじみと感じさ
せられました。

デトロイトの衰退、古代都市のようなタンジール。
刹那と永遠を考えさせる映画でした(ちょっとオーバーかなぁ)。
Commented by 中川寛子 at 2013-12-30 08:07 x
昨日見てきました。不思議な美しさの作品でした。吸血鬼の
切なさがよく出ていた。手袋が何の意味か気になった。人間の
世界と関わる時手袋をしなければならないのかなあ。
Commented by Mtonosama at 2013-12-30 09:02
♪中川寛子さん

コメントありがとうございました。
ほんとに美しい映像でしたよね。
あまりに素敵なので2013年の私的映画ベスト1に選んでしまいました♪

吸血鬼ってあまりに繊細なので俗世のものに触れる時には
手袋が必要なのじゃないでしょうか。
この映画に思い入れの深い私めはついついそのような観方をしてしまいます。

どうぞ、当試写室にまたお運びくださいませ。
ありがとうございました。

by Mtonosama