フォンターナ広場 イタリアの陰謀 -2- Romanzo di una strada
イタリアの陰謀 -2-
Romanzo di una strada
©2012 Cattleya S.r.l.-Babe Films S.A.S
ジョルダーナ監督といえば「ぺッピーノの百歩」(‘00)や「輝ける青春」(’03)などで
政治的社会的に揺れ動いた60年代のイタリアを描いた社会派監督。
「自転車泥棒」(‘48ヴィットリオ・デ・シーカ監督)のネオレアリズモの風合いを
思い起こさせてもくれる監督です。
マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督
1950年ミラノに生まれる。
処女作“呪われた者たちを愛す”が1980年ロカルノ映画祭でグランプリ受賞。
その後も戦後イタリアの現代史に題材を取りながら、政治映画とは一線を画した人間ドラマを
描いている。1995年の“パゾリーニ、イタリアの犯罪”はパゾリーニ暗殺事件に迫った問題作。
「ぺッピーノの百歩」(‘00)はベネチア国際映画祭はじめ多数の映画祭で絶賛された秀作。
爆破事件の容疑者とみなされるアナキストのピネッリ。
その他にも軍警察、内務省情報局、アナキスト、ファシスト、報道関係者、NATO、CIAと
登場人物は数十名に及びます。
40数年間にわたって監督の心を占めてきた事件をこの時期になってつきつけてきた監督。
今、大変な時代を迎えようとしている私たちも真剣に向き合っていかなければなりません。
多少の登場人物の多さに辟易しているわけにはいきますまい。
ストーリー
ミラノ。デモ隊が警官隊と衝突。流血の事態となる。
カラブレージ警視は上司からの電話で現場に急行。
混乱の中で一人の若い警官が死亡。それをきっかけに共産主義陣営、アナキスト、極右勢力が
ひしめき合う国内の緊張関係は高まっていった。
カラブレージ警視はアナキストたちの情報を入手し、8月に起きた列車爆破事故の真相を探ろ
うとミラノのアナキストグループのリーダー的存在であるピネッリに接近。
一方、ローマの内務省情報局では副局長のダマートと局員の“教授”が各組織の動向を探って
いた。そして、ファシストの情報収集のため、極右のジャーナリストに接触する。
その結果、ファシストの一員ヴェントゥーラとフレーダが実は8月の列車爆破に関与していた
ことがわかってきた。ピネッリたちアナーキストの犯行と思われていた事件だ。
そして、資産家でありながら、武力行使も厭わない出版人フェルトリネッリは
極左の大物で国内の緊張をさらに煽りたてていた。
左右あい乱れての国内の動きにモーロ外相も危機意識を募らせていた。
そんな中――
1969年12月12日16時37分。
ミラノ大聖堂の裏手フォンターナ広場に面した全国農業銀行が爆破された。
左翼の関連を疑う捜査当局はアナキストたちを次々に連行していく。
だが、現場を指揮するカラブレージ警視はアナキストのリーダー的存在である鉄道員の
ピネッリを人間的に信頼していた。
そのため、今回の残虐な爆破事件が彼らの犯行だと信じることはできなかった。
そして、ある夜、事件が起きる。
カラブレージ警視が取調室を離れた隙にピネッリが転落死してしまったのだ。
不法拘留されて3日目の夜のことだった。
自殺なのか、事故死なのか、それとも殺人なのか。
爆破事件の真相、ピネッリの死の真相はいかに?
イタリア政府、情報局、軍警察、極右組織、ネオファシスト、共産活動家、アナキスト、
さらにはNATO軍、CIAまでが関わる巨大な闇がカラブレージ警視を覆い包んでいくのだが……
爆破事件から33年後、すべての容疑者は無罪になり、裁判費用は犠牲者の家族に請求され、
取り調べ中、警察の窓から転落したピネッリの死に警察は責任無しとされました。
まるでハリウッド映画のようにイタリアでの爆破事件にCIAやNATOまでが関わってくる国際政治の暗黒部分。
70年代。
東西冷戦のさなかにあって、共産圏ユーゴスラヴィアに隣接するイタリアが共産化すれば、
イタリアはそのままヨーロッパの下腹部につきたてられる刃となることを恐れたのでありましょう。
それを阻止するために西側勢力はいかなる手段を講じることにもためらいはありません。
そして、それを調べる者の前に国家機密の大きな壁が立ちふさがり、
納得のいかない薄気味悪さが迫ってきます。
ひとりひとりの人間を情愛こめて持って描き出すことに冴えを見せるジョルダーナ監督が
あえて権力の暗闇を前面に押し出した作品です。
その暗闇におしつぶされた人間の無念さは消えることはありません。
例え、秘密の期間をどんなに長くしたとしても。
国家は個人に先行するのか――
それでいいのでしょうか?
終
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☆2013年12月22日に更新しました。いつも応援してくださって本当にありがとうございます☆
フォンターナ広場 ~イタリアの陰謀~
監督/マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ、原案・脚本/マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ、サンドロ・ペトラッリャ、ステファノ・ルッリ、パオロ・クッキアレッリ著”IL SEGRETO DI PIAZZA FONTANA”(フォンターナ広場の秘密)を元にした調査に基づく)
撮影/ロベルト・フォルツァ、編集/フランチェスカ・カルヴェッリ、美術/ジャンカルロ・バジーリ、製作総指揮/ジーナ・カルディー二、製作/リカルド・トッツィ、ジョバンニ・スタビリーニ、マルコ・キメンズ
出演
ヴァレリオ・マスタンドレア/ルイージ・カラブレージ、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ/ジュゼッペ・ピネッリ、ミケーラ・チェスコン/リチャ・ビネッリ、ラウラ・キアッティ/ジェンマ・カラブレージ、ファブリッツィオ・ジフーニ/アルド・モーロ、ルイージ・ロ・カーショ/予審判事ウーゴ・パオリッロ、ジョルジョ・コランジェリ/フェデリコ・ウンベルト・ダマート、オメーロ・アントヌッティ/ジュゼッペ・サラガト大統領、トマス・トラバッキ/マルコ・ノッツァ、ジョルジョ・ティラバッシ/”教授“、ファウスト・ルッソ・アレジ/グイード・ジャンネティーニ、デニズ・ファゾロ/ジョヴァンニ・ヴェントゥーラ、ジョルジョ・マルケージ/フランコ・フレーダ、アンドレア・ピエトロ・アンセルミ/グイード・ロレンツォン、セルジョ・ソッリ/警察署長マルチェロ・グイーダ
12月21日(土)よりシネマート新宿にてロードショー、全国順次ロードショー
2012年、イタリア・フランス合作、129分、イタリア語、字幕翻訳/鈴木昭裕、配給/ムビオラ、http://moviola.jp/fontana/
恐ろしい事件ではあるけれど、それでもそれを映画にし表現する自由があるイタリアが羨ましいです。日本ではどうだろう?秘密保護法案が通った今、作りたくても手が出せないのでは?(国策に沿ったものなら別だけど)。
仕事に追われてもいましたが、何という国になってしまったんだろうと、12月はずっと気持ちが萎えているなえなのです(ダジャレをゆうとるバヤイじゃない!)。
なんとなく、
なんとなく、なんですけど
日本に居る時「イアタリア人ってカッコいい」って
思ってました。
ちょい悪おやじ・・・なんて言葉の旗振り役のひとりは
イタリア人のジローラモさんでしたし、ね。
ところがNYで暮らしていると
イタリア人の評価が微妙なのを感じるのです。
なんとなく、
なんとなく、なんですけど
「あまり働かない」とか「いい加減」とかネガティブぽい
のです。全てのアメリカ人へアンケートとったわけでは
ないのですよ。
かつてのローマ帝国を作った国が・・・
個人が尊重されない国とは・・・
なんとなく、
なんとなく、ですが
では祖国日本はどうなんだ、っていう・・・ポチッ!
お疲れ様でした。
もうお仕事は片付きましたか?
秘密保護法を強行に通過させ、原発を主要電源とし、
武器輸出もありとし、どんどんヤバい方向に進んでいくこの日本。
どうするわたし、どうなる日本・・・・・
なえさん同様萎えるとのでありますが、
今こそ再びレミングの大行進を!
イタリアは欧州の下腹部なんですね。
下腹部に例えられるイタリア半島には申し訳ないのですが・・・
だからといって、CIAかっ!
イタリアって欧州の浪速っていうイメージがあって、
いつも陽気で人生万歳って感じですのにね。
でも、関西人だっていつもボケたり突っ込んだりしてるだけではないように、イタリアも苦悩しているのでした。
今日もポチッをありがとうございました。
日本も「秘密保護法」が通った日が
「青春と決別した日」にならないと良いのですが・・・。
イタリア、失業率が高いですよね。
そんな話をしていたら、イタリア通の人が
「彼ら、特に南の人は普段でも仕事なんかしたくないから、
そんな人たちの数字まで入っちゃうから、
失業率高いんだよ。」と言ってましたが、
ホントの所は どうなんでしょうねぇ。
試写会見ていろいろな事 考えます。
今日はクリスマス・イブですね。
FMを聞いてたら、「今朝起きたら枕元に夫からのプレゼント
がありました。中身は以前『欲しいな』って言ってたもの。
覚えててくれたんです」という投書を別所哲也さんが読んで
いました。
あ、全然頂いたコメントとも、映画とも関係ないんですが、そんな良い夫さんがこの国にもいるんだ、とビックリし、
羨ましくなり、書いてしまいました。
イヤなことは忘れて素敵なクリスマスを送りましょう(^^)/
何故だか、偶然に昨日、ブラザーサン、シスタームーンを観ました。この映画もイタリアでした。
ひかちゃん、その後いかがですか?
わたしも同じく一人っきりのイブで~す。
自分用に鶏ももを買ってきて、ひかちゃんに凝視されながら
食べました。
ブラザーサン、シスタームーン、歌はよーく覚えています。
イタリア映画でしたか。
やっと動き回れるようになりましたが、一昨日までは傷跡が
痛々しくパンツをはかせたり、包帯をまいたりしましたが、
股関節に布がかかるとひっくり返って歩けなくなってしまう
のでガーゼを絆創膏ではりつけました。
元気になると食欲も出てきて、一人で食事をするときには盗
まれないよう、えらく苦労します(--〆)
鶏モモ、しっかり食べることができましたです。
あ、そうそう、ひかちゃんは間もなくブログをアップすると
言ってましたよ。
私もチキン焼いて食べました。何故日本はチキンなんでしょうね?
鳥の骨は縦に裂けると言うので、猫には食べさせないように…ゴミ箱注意ですぞ!
ブログアップ、ひかちゃん、待ってるよ!
ひえ~~~~~っ!
本当にそんなことがあるのですね。
わたしも中身が出てきたらどうしよう、と心配をしました。
そしたら縫い目は中と外と二重になってるんですってね。
びなちゃんさんちのおねえさんはその後またお医者さんに
行ったんですか?
そうそう、私もなんで日本はチキンなんかなぁと思いなが
ら、焼き鳥屋さんのモモ焼きを買って帰りましたよ♪
ひかちゃん、やっと重い腰をあげてブログアップしました!
今年も&今後とも宜しくお願いします。
この映画、日本でも同じ時代にあった三菱重工ビル爆破事件
を思い出させました。もしかしたら、日本でもこのイタリア
のような背後関係があったのでしょうか・・・
いやあ、それにしても随分たくさんの登場人物でしたよね。
こちらこそ今後ともよろしくお願いします。