小さいおうち -1-
©2014「小さいおうち」製作委員会
試写室の前から2列目中央というまあまあお気に入りの席に座って悦にいっていると隣に女性が座りました。
すると、そのまた隣に女性の顔見知りとおぼしき方が「あらぁ、こういうの観るんだぁ」
と言いながら、入ってきました。
パンフレットに目を落としながら、2人の会話を聞いていると
「○○さんが良かったって言ってたの」と最初に隣に座った女性が答えます。
「あら~、そうなの」
と応えつつ、お二人は近況報告にうつっていきました。
「山田洋次監督作品だから観ておこっと」くらいの軽い気持ちで試写に来たとのは
それを聞いて期待が高まりました。
根が素直なとのはさりげなく聞こえてくる褒め言葉に影響されやすいのであります。
寅さんシリーズや学校シリーズ、藤沢周平シリーズ・・・
山田洋次作品はどれも皆見ごたえがありますが、
人情やらほのぼのした家族愛がその根底にあるような気がします。
今年84歳を迎える山田洋次監督の82本目となる本作ですが、
これまでと違うのは、家族の秘密を描き出したこと。
原作は中島京子の「小さいおうち」。
2010年に第143回直木賞を受賞したベストセラー小説です。
中島京子
1964年、東京都出身。出版社勤務、フリーライターを経て「FUTON」(‘03)でデビュー。06年「イトウの恋」、07年「均ちゃんの失踪」、08年「冠・婚・葬・祭」がそれぞれ吉川英治文学新人賞候補に。10年「小さなおうち」で第143回直木賞を受賞。著書に「平成大家族」「女中譚」「エルニーニョ」「花桃実桃」「東京観光」「眺望絶佳」「のろのろ歩け」など。ほかエッセイ集に「ココ・マッカリーナの机」、訳書に「地図集」(董啓章・著、藤井省三・共訳)がある。
自身の回想録を元に、かつて働いていた平井家の中で起こった密やかな恋愛について回顧する物語。
昭和初期から次第に戦況が悪化していく中での東京の中流家庭の庶民の生活が描かれます。
この物語を読んだ山田洋次監督、
「ぜひとも自分の手で映画にしたい」と作者に手紙を出し、映画化が実現したといいます。
山田洋次監督の描く恋愛ものというのも珍しい気がするのですが、
女中さんの目を通してみた奥様の恋愛。
それが監督の手にかかるとどんな風になるのか、かなり興味深いと思いませんか?
時代は戦争前の穏やかな時代。
女中さんといい、トトロに出てくるような赤い屋根の小さなおうちといい、
なつかしいような悲しいような不思議な気持になります。
映画って、映画そのものの時代背景だけではなく、
観客である自分自身がどのような時代に生きているか、ということも、
その感じ方に大きな影響を与えると思います。
きっと、とのの気持の奥には時代への不安もあったのかもしれません。
さあ、いったいどんなお話なのでしょう。続きは次回まで乞うご期待でございます。
続
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☆2014年1月16日に更新しました。いつも応援してくださり、ありがとうございます☆
小さいおうち
監督/山田洋次、原作/中島京子(文春文庫刊)、脚本/山田洋次、平松恵美子、音楽/久石譲、撮影/近森眞史
出演
松たか子/平井時子、黒木華/布宮タキ、片岡孝太郎/平井雅樹、吉岡秀隆/板倉正治、妻夫木聡/荒井健史、倍賞千恵子/布宮タキ
2014年1月25日(土)ロードショー
日本、2時間16分、企画協力/文芸春秋、制作・配給/松竹株式会社
http://www.chiisai-ouchi.jp/
この本、持ってるのよーーーーーー。
好きなのよーーーーーーーーーー。
こういう好きな本だと
映画化された時、すでに自分の中にある
ギャップとの戦いになりますね。
とくに俳優さんのお顔・・・・・
ううむ、
いったいどうだかなぁ。
自作の全貌が明らかになるまで
感想は差し控えようっと。
山田洋二監督というのがなるほど、なような
意外!なような・・・ とりあえずポチッ!
ああ、もうお読みですか?
わたしは読んでないから、とくに女中さん役の黒木華さんが
とても良いと思いましたぜ。
朝ドラの「純と愛」は御地でもご覧になりましたか?
あの中で大阪のホテルで純と同期入社の女の子を演じたのが
彼女でした。あの時からなんとなく注目してたから「よう、
ここまで成長したのう」とおばあちゃん気分で喜んじゃいま
したよ。
一時帰国の際に機内上映されるんじゃないかなぁ。
山田洋次監督はあの時代を描くことに精魂傾けたな、って印
象を受けました。
ポチッをありがとう。
昭和って、どんなにモダンなお宅でも「おうち」って雰囲気ではなかったような気がするんですよね。新婚さんの愛らしい奥さんのところでも、何かもっとこうピシッとしたものがあったんじゃないかな、なんて。「おうち」という言葉、個人的にはとても「平成」を感じますね。
あ、でも、これは映画の出来とはまったく関係ない話ですよね。。。。すみません。次回のお話を楽しみに。
なるほど。「おうち」ってそんなイメージもあるんですね。
私は原作を読んでいないので、原作ではどうなのかわからな
いのですが、映画のラスト近くで「おうち」という言葉を使
った背景が見えてきました。
今度、原作も読まなくては。