光にふれる -2- 逆光飛翔
Touch of the light
逆光飛翔
(C)2012 Block 2 Pictures Inc. All rights reserved.
いつの時代でも、どこの国でも、若い方々が夢に向って一生懸命努力する姿は、
同じくらいの年齢の人々だけではなく、150歳の年配者をも励ましてくれるものです。
眼が視えないというハンデを抱えながらも、
目標に向って一歩一歩進む主人公やガールフレンドのシャオジェ。
かたやピアノ、かたやダンス。
しなやかな音感や身体表現は耳福、眼福でもあります。
柔らかい色彩、優しい光
台湾は本当に安らぎに満ちた地です。
眼も耳も心も癒されながらの110分。
どうぞお楽しみくださいませ。
ストーリー
音楽大学への入学が決まったユィシアン。彼は生まれた時から眼が視えず、
台中の田舎で花卉農家を営む両親、幼い妹と暮らしていた。
入学の日、寮での一人暮らしが決まったユィシアンは母が運転する軽トラックに揺られ、
台北の大学へ向かう。
授業初日、クラスの日直がユィシアンの教室移動を手伝うことになった。
迷惑そうな顔をするクラスメートたち。
当番にあたった日直は移動の途中で彼を置き去りにして行ってしまう。
夜、ユィシアンは母に頼んで演奏室までの道を必死の思いで頭に叩きこむ。
コツコツと鳴る白杖の音。
寮の部屋に戻るとルームメイトが寝ていた。チンである。
気のいいチンはスーパーミュージックというサークルをつくることを宣言し、
ユィシアンをひきずりこむ。
翌朝、ワンという教師がいきなり小テストをした。
音符が視えないユィシアンは呆然とする。
テスト終了後、ピアノの前に呼び出され、実技試験を受けるユィシアン。
その技量に驚嘆したワン先生は次週の課題であるバッハの演奏をユィシアンに命じた。
彼の姿を教室の外から見ていた母は安心して台中へと戻って行った。
大学構内でサークルの勧誘をするチンとユィシアン。
チンに好きな女性のタイプを訊かれ、ユィシアンは「声のきれいな人かな」と答える。
通り過ぎる女性たちの声に耳を傾ける2人。
そこへバイトで配達中のシャオジェが来る。彼女の声はユィシアンをひきつけた。
ある日、横断歩道を渡れずにいるユィシアンを見つけたシャオジェは彼を目的地まで案内。
視覚障害のある子供たちに音楽を指導するユィシアンに心を開くシャオジェ。
「わたし、踊っているときだけは生きているって感じるの」
「じゃあ、やってみなくちゃ」とユィシアンは彼女を励ます。
母の反対でレッスンが受けられないこと。ダンスのうまい恋人へのコンプレックス。
そんな理由からダンスから逃げていたシャオジェだったが、
ユィシアンの言葉でダンスカンパニーの体験レッスンに参加するのだった。
一方、クラスメートの意地悪から音楽コンクールに参加できなくなったユィシアン。
幼い頃、周囲からいわれた陰口「目が見えないからコンクールに入賞したんだ」が
彼の脳裏に蘇る……
ホアン・ユィシアンのピアノ演奏とシャオジェのコンテンポラリーダンスが
とても印象的です。
台湾のピナ・バウシュって感じでした。
そして、息子の自立を祈る母。
感動ものの急所はしっかりおさえた映画であります。
それぞれが困難な状況にありながら、夢にむかって一歩一歩進む姿には
疲れた心も融けていくに違いありません。
スクリーンにむかっていて感じる柔らかさ。
何でかなぁと不思議だったのですが、紗のかかったような白っぽい画面に
その理由があるような気がします。
眼が不自由な人の目を通した世界といった印象です。
きっとユィシアンの見えない眼に映る世界なのでしょうね。
優しさと同時に台湾の暖かさも感じさせる作品でした。
終
今日もポチッとお願いできれば嬉しうございます♪
↓↓↓↓↓
にほんブログ村
☆2014年1月25日に更新しました。いつも応援していただきありがとうございます。謝々☆
光にふれる
監督/チャン・ロンジー、脚本/リー・ニエンシウ、提供/ウォン・カーウァイ、撮影監督/ディラン・ドイル
出演
ホアン・ユィシアン/本人、サンドリーナ・ピンナ/シャオジェ、リー・リエ/ユィシアン母、ファンイー・シュウ/ダンス講師
2014年2月8日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町、シネマート新宿、川崎チネチッタ他全国ロードショー
2012年、台湾・香港・中国、110分、中国語、日本語字幕/樋口裕子、後援/台北駐日経済文化代表処、配給/クロックワークス、http://hikari-fureru.jp/
殿様の名調子をうっとり読み進めていましたら
<紗のかかったような白っぽい画面
とあり、予告編を見てみましたら
<眼が不自由な人の目を通した世界といった印象です。
その通りですね!
それで思い出したのが”恋する惑星”
画面がとても緑色っぽかったのです。
ラストシーンはもう緑一色!
これだウォン・カーウァイなのか。
なんだか彼の他の作品の色調も確かめてみたく
なりました。いつもながらお勉強になって ポチッ!
台湾にも盲目のピアニストがいるんですね。本人自身が出演て、その演奏を満喫できますね。辻井信行さんとジョイントがあれば、楽しいけど、そんな映画はできないかなあ。
え~、前回のとのさまの「山田洋次監督が作者に映画化をお願いする手紙を出したということに納得できる原作ですか?」という質問ですが、答えは「もっちろん!」です。映画化の話を聞いた時、
「やっぱりいい本は、誰が読んでもいいと思うんだな」と思いました。
あの~、私も今右目だけ涙目になり、ちょっと眼が不自由な
のでそのせいなのかなぁ、とも思っていましたが、お目々の
いいすっとこさんがご覧になっても白い優しい画面を感じら
れます?よかった、よかった。
「恋する季節」は未見ですが、「花様年華」のセピアがかっ
たような色調は良かった。ハイカラーのチャイナドレスが
素敵だったよ~。
ウォン・カーウァイ監督、チャン・ロンジー監督のような
若い監督とお仕事するのも大切なことだけど、監督自身も
また作品を見せてほしいですね。
今日もポチッをありがとうございました。
そうそう辻井さんと一緒になんかできるといいですね。
聴衆全員眼隠しして音楽に耳を傾けるとか。
映画の中でダンサーのガールフレンドが眼隠しして主人公の
故郷を歩くシーンがあるんだけど、二人の信頼が増す大切な
場面でした。
「小さなおうち」のこと。
なるほどねぇ。良い作品は誰をもうならせるんですね。
今、読んでる多和田葉子の白クマの話を読んじゃったら、
絶対読むぞ~!
台湾、、、行きたいなあ…しみじみ。(BSNHKで放映してる、岩合さんの、”世界猫歩き”でも、のんびり感がありました。どうも、猫の話になっちゃってスミマセン)
台湾はね、いいです。猫もあっちこっちにいます。
大陸の方にはいませんけど(なんかね、外に出すと食べられ
ちゃうからみんな家猫として飼っているという話もききまし
た)。
わたしは3泊4日29,800円で台湾に行ってきました。
故宮見学時間が50分というのは不満ですが、あとは結構満足
できましたよ。
是非お薦めしたいところですが、
猫さんたちをお留守番させるのはちと心配か・・・^_^;
あのね、台湾というのがやはり魅力的なんですよね。
ユィシアンさんのピアノ聴いて、
シャオジェさんやファンイ―先生のダンスを観ていると
心が伸びやかになります。
また二ッキュッパでユィシアンさんの故郷・台中の方へも
行きたいなぁ。
では、二泊三日で行って、(猫も留守番できる)その時は故宮なし。再訪して故宮を堪能する方向ですね。ニッキュッパなら何回か行けるし?
そうなんですよね~中国人(香港出身)の友人が、可愛がっていた猫が学校から帰ったら、お母さんによって、食材にされていたそうです。(ブランカニエヴェスの、鶏もショックでしたね)
本土も店先にいるのはリードつけてるようですね。
びなちゃんさんちの猫さんは二泊三日もお留守番できるので
すか!?偉いなぁ。
なんか良からぬ方向へ話が向いますが、大陸では蛇は龍とい
う食肉名、猫は虎という食肉名で料理に変身するようです^_^;
そうそう鶏は食肉とはいえ、ブランカニエヴェスのトリさん
は可哀想でした。なんかヤンチャで元気でいたずらで猫みた
いなにわとりさんでしたから・・・(涙)
こうやってサポートしながら背中を押してくれる人がいたから、青年もちゃんと外に向かって歩きだせたんでしょうね。こちらでもいつか観られると良いなぁ。
あ、おかあさんに注目して下さってありがとうございました。
良い表情のおかあさんですよね。
優しそうなだけでなく、どこかにしっかり芯を持っています。
遠く離れた土地に目の不自由な息子をひとり置いてくると
いうのはとてもつらかったに違いないのに。
私が初めて親元を離れ、東京へ出てきたとき、
大学から戻ってきたら置き手紙を残して母がいなくなって
いときのことを思い出します。
150歳になった今でも涙がにじみます。
おかあさんも息子もエライです。拍手です。