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殿様の試写室

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ダブリンの時計職人-1- Parked

ダブリンの時計職人 -1-
Parked

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©Ripple World Pictures Ltd・Helsinki Filmi Oy All Rights Reserve

もう、このタイトルにそそられ、早く観にいきたいなぁと思っていました。
時計の一文字が入っているとズキューンと射ぬかれる感じがするとのです。
「時計じかけのオレンジ」(‘72)なんてのもありましたし、
先日映画館で観た作品「鑑定士と顔のない依頼人」のラストシーンでは、
巨大な時計ムーブメントにズキューンでした。

時計ってその小さな体で全宇宙の動きを体現してるって感じがしません?
宇宙であり、摂理であり、時間そのもの・・・・・

あ、すいません。最初から迷走を始めたようであります。

この邦題、ほんとに好きです。
で、うっとりとスクリーンに目をやっていますと、
タイトルが出ました。

ん?
Dublin も clocksmith も clockcraftsman も
「ダブリンの時計職人」という邦題に関連するような単語がどこにも見当たりません。
ただ一言 Parked とあるのみ。
このシンプルな英単語のどこにダブリンとか時計職人とかがあるの?

Parkedですよ。
Park
名詞なら「公園」「遊園地」。
でも、ここではedがついているので動詞。
となれば、他動詞。「駐車させる」、「~を駐車場に入れる」です。
parkedなので「駐車された」、「駐車場に入れられた」ですね。

はい、そこの居眠りしてるキミ!ここ重要ですよ。

そうなんです。「駐車された」。
これがポイントなんです。
駐車場に停められた車に暮らす中年のホームレスが主人公のアイルランド映画です。

監督はダラ・バーン。

ダラ・バーン監督
アイルランドの放送局RTEで20年間にわたりドキュメンタリー映画制作に携わる。
1994年、初の長編ドキュメンタリー監督作「JFK in the Island of Dreams」で欧州メディアプロジェクトの賞に輝く。以後、数々の社会的・政治的テーマを扱ったドキュメンタリーを制作。本作が初の長編劇映画デビューとなる。

ケルティック・タイガーとよばれる好況に沸いたアイルランドも2008年頃からバブルが崩壊。
現在は経済的に深刻な状況下にあります。
失業率は2013年10月で13.2%(日本4.0%)、失業保険申請者数40万9,900人。
アイルランドの首都ダブリンでは毎日7人がホームレス状態に陥っているということです。

これまでドキュメンタリーを数多く撮ってきたダラ・バーン監督。
バブル崩壊以降、街に増え続けるホームレスをテーマに作品を撮っていました。
そして、彼らについてもっと知りたくなり、
リサーチを重ね、大勢のホームレスに話を訊いてできあがったのが「ダブリンの時計職人」。

本作はフィクションであるし、
主人公のフレッドは監督の取材から生まれた仮想の人物ですが、
ダラ・バーン監督が描くとアイルランドのホームレスはこうまで愛すべき人物となる!
ということかもしれません。

そのフレッドが寝泊まりするのが海岸の駐車場に停められた1台の車の中。
そう、ここでparkedという原題に納得できるんです。

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フレッドに深くかかわる人物も紹介しましょう。
1人はフレッドと同じ駐車場に停めた車の住人カハル。
彼はジャンキーですが、根っからの中毒者ではないんですよ。
止めたい止めたいと思いながらも心の傷ゆえなかなかドラッグと縁が切れない青年です。
止めたいと思っても止められないから中毒というんでしょうが・・・

でもね、彼をみて、その人柄を知り、その体験を知ってしまうと
一概にジャンキーは悪い!って切り捨てられないんですよね。
裁判員の悩みがよくわかります。
それにカハルを演じたコリン・モーガンがまた良くって――
おばさんとしてはギュッと抱きしめたくなってしまうんです。
おっといけない。また過剰な感情移入。

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そして、もう1人。
アイルランド人の夫を亡くしたフィンランド出身のピアノ教師ジュール。
暗さと寂しさをたたえた瞳を持ち、フランクにもカハルにも優しい女性です。

あ、もうひとつ、大切なものがありました。
そう。寒々としたアイルランドの海です。
アイルランドってほんとに素敵ですね。

さあ、どんなお話なのでしょう。
乞うご期待でございますよ。



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☆3月18日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

ダブリンの時計職人
監督/ダラ・バーン、プロデューサー/ドミニク・ライト、ジャクリーン・ケイン、脚本/キーラン・クレイ、撮影/ジョン・コンロイ、製作/Ripple World Pictures Limited,Ireland
出演
コルム・ミーニー/フレッド、コリン・モーガン/カハル、ミルカ・アフロス/ジュールス
3月29日(土)より新宿K’s inema、渋谷アップリンク他にて公開
2010年、アイルランド、フィンランド、94分、後援/駐日アイルランド大使館
http://uplink.co.jp/dublin/

by Mtonosama | 2014-03-18 05:34 | 映画 | Comments(6)
Commented by ライスケーキ at 2014-03-18 17:00 x
アイルランドのような田舎へ行こう
人々が祭りの日傘をくるくるまわし
日が照りながら雨の降る
アイルランドのような田舎へ行こう       (丸山 薫)

アイルランドに行きたいな と思ったこともありましたが、
いつになるか分からないので、
映画で雰囲気を味わうことにしましょう。
ホームレス目線でも、
ダブリンの一面が見えると良いな。

Commented by Mtonosama at 2014-03-18 17:21
♪ライスケーキさん

アイルランドでは日が照りながら雨が降るんですか?
ふーん、私も行きたいな。

ライスケーキさんはアイルランドがお好きでしたよね。
アイルランドの雰囲気を味わうなら、最近当試写室で上映し
たジュディ・デンチの映画も本作もアイルランドが舞台です。
去年上映した「アルバート氏の人生」もアイルランドでした。
ああ、アイルランド行きたいな。
Commented by びなちゃん at 2014-03-18 22:31 x
私も行きたいなあ、アイルランド。
20年近く前に、リバーダンスというのにのめりこんで、あの迫力に感激しました。エンヤも彼の国でしたね。
くまさんの紹介で、台湾やら、行きたいところが沢山出来ました…映画で行った気になります。
Commented by Mtonosama at 2014-03-19 06:28
♪びなちゃんさん

あ~っ、リバーダンス!私も見ました。
あの垂直飛び、可愛い!!
エンヤ、アイルランドですね。

アイルランド、ほんとに行きたいです。
でも、遠いなぁ。台湾くらい近いといいのに・・・
Commented by 履歴書 at 2014-06-04 11:33 x
とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
Commented by Mtonosama at 2014-06-04 16:39
♪履歴書さん

いらっしゃいませ。
コメントありがとうございます。
また、是非遊びにいらしてくださいね♪