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ワレサ 連帯の男 -2- Walesa. Czlowiek z nadziei

ワレサ 連帯の男 -2-
Walesa. Czlowiek z nadziei

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(C)2013 AKSON STUDIO SP. Z O.O., CANAL+CYFROWY SP. Z O.O., NARODOWE CENTRUM KULTURY, TELEKOMUNIKACJA POLSKA S.A., TELEWIZJA POLSKA S.A. ALL RIGHTS RESERVED


今またウクライナ・クリミア半島ではロシアが乗り込み、緊張状態にあります。
プーチンさん、あなたはスターリンやブレジネフのようにはならないでください。

という訳で、とてもタイムリーな公開となった「ワレサ 連帯の男」。
公開時の4月5日にはウクライナ情勢も良い方向に向っているといいのですが。

映画は1980年代初頭、イタリアの女性ジャーナリスト、オリアナ・ファラチが
インタビューのためにワレサのアパートを訪問するシーンから始まります。

さあ、ポーランド史の激動のページを見ていきましょう。


ストーリー
1980年代初め。
グダンスクのレーニン造船所で電気工として働くレフ・ワレサの家に
イタリアから有名なジャーナリスト、オリアナ・ファラチが取材に訪れた。

ワレサは1970年12月に起こった食糧暴動の悲劇から語り始めた。
物価暴騰に抗して立ち上がった労働者たちの行動を政府が武力鎮圧した事件だ。
この時、彼は両者に冷静になるように呼びかけたが、混乱の中、検挙される。

グダンスクのアパートでつつましく暮らしていたレフとダヌタ。そして、子どもたち。
この事件の後、家族は大きな歴史の転換期の真っただ中を進み、
レフはそのカリスマ性を高めていくのだった。

1970年の事件から9回目の記念日。
造船所で演説しながらリーダーとしての使命を自覚するワレサ。
それから半年後1980年8月。
ワレサはレーニン造船所のストライキ指導部のトップに立ち、
「連帯」委員長として自由と権利のために闘う反体制の象徴となる。
そして、8月31日。
政府と労働者との間で政労合意が行われる。
これは社会主義圏としては画期的なことであった。

1981年12月。戒厳令。
その布告直後、ワレサは自宅から連れ去られる。
その時ワレサは必ず戻ってくると、腕時計と結婚指輪をはずしダヌタに預けるのだった。
そのまま一年間軟禁されたワレサは自由を奪われ、仲間との接触も遮断される。
孤立の中で政府への協力を求められ続けた。

1982年ソ連のブレジネフ書記長死去。
ワレサは解放され、人々の熱狂的な歓迎の中、再び運動に身を投じていく。

1983年10月ワレサ、ノーベル平和賞受賞。
出国できないワレサに代わり、ダヌタが授賞式に出席、スピーチを行う。

1989年、政府、「連帯」、カトリック教会が円卓会議。
「連帯」の勝利。

1989年11月9日、東西ベルリンの壁が崩壊。
その6日後、ワレサはワシントンに招待され、スピーチを行うのだった……

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実写フィルムを挿入しながらの緊迫感溢れる映像には圧倒されます。

作品中、拘束されたワレサが政府側の人間に「お前も政治家ならイエスかノーか即答しろ」
という言葉を投げかけられ、
「俺は政治家じゃない。一人の電気工なんだ!」と答えるシーンがありました。
ここ、最高!
また、ダヌタが朝から晩までおしかける労働者や支持者に対し、一喝するシーン。
おー、よく言ってくれた!と胸のすく場面や、
思わずクスッと笑ってしまう場面などなど。

電気工から労働者たちのカリスマ的な指導者へと変わっていくレフ・ワレサの成長。
この映画はそんな英雄の記録にとどまってはいません。
これはレフ・ワレサという一人の英雄の話であるだけでなく、
すばらしい夫婦、家族の話でもある点にアンジェイ・ワイダの老成を見ることもできます。

夫だけではなく、弱々しかった若妻ダヌタも歴史の奔流に揉まれ、8人の子どもを産み育て、
公安の手によって夫を何度も連れ去られるという試練をくぐり抜ける内に
力強く変わっていきます。
レフ・ワレサのみが英雄なのではなく妻ダヌタも英雄なんです。
ダヌタを演じたアグニェシュカ・グロホフスカ、素晴らしかった!
(ポーランド映画はいいんですけど、この名前の難しさだけはなんとかしてほしいわ)

ワレサはレジェンドなんかじゃなく、
夫であり、父であり、一家庭人であることを
ダヌタもまた自分を犠牲にして英雄ワレサを支える妻という側面ではなく、
新しい社会のために共に闘った人間であることを描き出している感動的な映画でした。





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ワレサ 連帯の男
監督/アンジェイ・ワイダ、脚本/ヤヌシュ・グウォヴァツキ、撮影/パヴェウ・エデルマン、美術/マグダレナ・デュポン、音楽/パヴェク・ムィキェティン、製作/ミハウ・クフィェチンスキ
出演
ロベルト・ヴィェンツキェヴィチ/レフ・ワレサ、アグニェシュカ・グロホフスカ/ダヌタ・ワレサ、マリア・ロザリア・オマジオ/オリアナ・ファラチ、ミロスワフ・バカ/造船所所長、マチェイ・シュトゥル/神父、ズビグニェフ・ザマホフスキ/公安職員、ツェザルイ・コシンスキ/公安職員
4月5日(土)より岩波ホールにてほか全国順次ロードショー
2013年、ポーランド映画、ポーランド語・イタリア語、127分、字幕翻訳/久山宏一、吉川美奈子、提供/ニューセレクト、NHKエンタープライズ、配給/アルバトロス・フィルム
http://walesa-movie.com/

by Mtonosama | 2014-03-27 06:20 | 映画 | Comments(6)
Commented by なえ at 2014-03-27 15:17 x
前回のお二人のコメント同様、私もワイダ監督もワレサ委員長(?)も亡くなられてると思ってたのでびっくりですう!

あの時代人々が圧政を自ら排除し解放と自由を勝ち取って行くのをリアルタイムで見ていて、ドキドキワクワクでした。こういうことにドキワクする世代なんですわ。ベルリンの壁崩壊のとき、当時ベルリンに住んでた友達は皆と一緒になって壁を壊しに行ったそうです(←乗りやすいヤツ)。ワレサさんはカニを潰したような顔の親しみやすいオジサンて感じでした。

殿様、蒲柳の質て、そうですか、かばやなぎの体質なんですかー。どうぞお大事に!
Commented by poirier_AAA at 2014-03-27 18:30
立派な髭のせいもあって、完全な「公人」のイメージしか持っていませんでした。この人に私生活があって、子どもが何人もいるお父さんだったなんて、とても想像できなかったです。

正しいと信ずることを貫くって、立派で誰にでも出来ることではないと思いますが、そのぶん一緒にいる奥さんは大変だったでしょうね。凡人のわたしなら「そんなことしなくていいから普通の夫、普通の父親でいてくれ!」と言ってしまいそうですもん。奥さんもすごいです。

この映画、きっと観ます!
Commented by Mtonosama at 2014-03-27 20:38
♪なえさん

はい、かばやきの質のとので~す。
って違いますがな。

同じくドキワク世代ですので、ベルリンで一緒に壁を壊した
お友達の気持よーわかります。私だってベルリンにいたら一
緒に壁によじのぼってたでありましょう。

ワレサさん、ちょうど良い時期にいらしたカリスマですよね。
カリスマとお化けは出る時を間違えると大変なことになりますから。
Commented by Mtonosama at 2014-03-27 20:41
♪poirier AAAさん

ワレサ氏の私生活に光を当てた映画でした。
やっぱりアンジェイ・ワイダ監督ならではですね。

奥さんはホントに大変だったと思います。
でもね、この奥さんも黙ってないんですよ。良い夫婦です。

ぜひご覧になってくださいね。
安心して感動できる映画でした。
Commented by すっとこ at 2014-03-28 18:58 x
ふんぎゃぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああ!

びっつら致しました!
ワレサ委員長、お子さんが8人ですと!

なんというか、公私ともにお忙しかったでしょうに
きっと家庭では良き夫、良きパパでいらっしゃったんでしょうね。

娘ひとりを産んで育てて ひぃ~こら言ってたわたしは
8人の母である難しい名前のワレサ夫人を心から
尊敬します!

尊敬の気持ちのまま ポチッ!
(真っ赤っかで押しやすい!)
Commented by との at 2014-03-28 20:46 x
♪すっとこさん

やはりカソリックのお国柄ですわねぇ。
お子さんの多いことといったら。

良き夫であらせられたかもしれませんが、やはりこのダヌタ
夫人が偉大であります。かっこよかったです♡

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