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殿様の試写室

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複製された男 -2-  Enemy

複製された男 -2-
Enemy

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(C)2013 RHOMBUS MEDIA (ENEMY) INC. / ROXBURY PICTURES S.L. / 9232-2437 QUEBEC INC. / MECANISMO FILMS, S.L. / ROXBURY ENEMY S.L. ALL RIGHTS RESERVED.


主人公は38歳の孤独な歴史教師。

本作は現代人の抱える心の暗闇を追及した心理ミステリーです。
ポルトガルの作家と聞くとどこか馴染みの薄い印象もありますが、
テーマは現代的でもあり、グローバルでもあります。

どんなお話かと申しますと――


ストーリー
大学の歴史講師アダムは判で捺したような平凡な毎日を送っている。
高層マンションにある彼の住まいは清潔ではあるが、どこかうつろ。
恋人メアリーとの関係も終わりかけている。
彼は無視しているが、息子の生活を心配する母からは毎日のように電話がかかってくる。

ある日、同僚から勧められ『道は開かれる』という映画をDVD で鑑賞していたアダムは驚く。
その中でホテルのボーイ役を演じている俳優が彼と瓜二つなのだ。
エンドロールを手掛かりに割り出したその俳優の名前はダニエル・センクレア。
アダムはセンクレアが所属するエージェンシーのホームページからその出演作を調べ、
過去の出演作をDVDで確認したが、そこに映っている男はどこから見てもアダムと同じ風貌だった。

いても立ってもいられず、センクレアのエージェンシーを訪ねるアダム。
そこで警備員からセンクレアと勘違いされ、彼宛の郵便物を入手する。
それによれば、センクレアの本名はアンソニー・クレア、郊外のマンションに住んでいた。
アダムは彼の自宅へ電話をする。
電話に出たアンソニーの妻ヘレンはアダムの声が夫とあまりにも似ていたため、
夫の悪戯と思い込んでしまう。
二度目の電話でやっと彼と直接話すことのできたアダムは、自分の置かれた状況を説明し、
面会の約束を取り付けようとするのだった。

だが、アダムからの電話はアンソニーと妊娠6ヶ月のヘレンの結婚生活を揺るがすこととなる。
浮気の前科がある夫アンソニーへの不信を抱えるヘレンはアダムの勤務先を訪れ、
そこで見た彼はあまりにも夫に酷似していた。

次の日曜、とうとうアダムとアンソニーは街外れのさびれたホテルの一室で顔を合わせた。
洋服こそ違うものの、髭も、かつて事故で負った左胸の傷跡まで同じ――
逃げるようにホテルを後にしたアダムの胸に拡がるのは得体の知れない恐怖だった……

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なにやら淫靡なクラブの、淫らで見せものまがいの全裸の女性が登場するイントロダクション。
一転して、教壇に立つ歴史教師の主人公。
更にスクリーンに映し出される「カオスとは未解読の秩序である」という一節。
これって、この映画はカオスだよ、とことわっているのか。
なかなか面倒くさそうな始まりではあります。
しかも一貫して寒々しいカナダの弱い光が充満しています。
う~ん、文芸大作ということか。

冒頭のセックス・クラブのシーンと理屈っぽい言葉にうんざりしていたにもかかわらず、
うすら寒いトロントの都市風景と映画の思いがけない展開に思わず吸い寄せられていました。
映画の第一印象とはいい加減なものですね。

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自分にそっくりな人間というのはどのようにも解釈できます。
広い世間には必ず自分にそっくりな人間がひとりはいるものだ、という説。
あるいはドッペルゲンガー?
ドッペルゲンガーを見てしまった者は必ず死ぬ、という話も聞いたことがあります。
映画の原題は『Enemy』ですしね。そっくりな人間とは敵なのでしょうか。
いや敵らしき人間は他にも登場します。
ミステリー仕立てなので、頭を使わざるを得ません。

主人公のアダムとそっくりさんのアンソニーの一人二役を演じたジェイク・ギレンホールの神経質な演技と
その母を演じたイングリッド・バーグマンの娘イザベラ・ロッセリーニも見ものでした。

それにしても昔の映画館は良かったな。
あれ、あそこはどうだったっけ、なんて思った時、そのまま居座り、もう一度観ることができましたからね。
今のような全館入替制はこの映画には合わないと思います。
絶対「あれっ?」と思ってもう一回観たくなってしまう映画ですから。





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☆7月16日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

複製された男
監督/ドゥニ・ヴィルヌーブ、原作/ジョゼ・サラマーゴ著「複製された男」、脚本/ハビエル・グヨン、製作/ニヴ・フィッチマン、M.A.ファウラ、共同製作/サリ・フリードランド、リュック・デリー、キム・マクロー、製作総指揮/フランソワ・イヴェルネル、キャメロン・マクラッケン、マーク・スローン、ヴィクター・ロウイ、撮影/ニコラ・ボルデュク
出演
ジェイク・ギレンホール/アダム・アンソニー、メラニー・ロラン/メアリー、サラ・ガドン/ヘレン、イザベラ・ロッセリーニ/キャロライン、ジョシュ・ピース/学校の先生、ティム・ポスト/管理人、ケダー・ブラウン/警備員、ダリル・ディン/ビデオ屋の店員、ミシャ・ハイステッド、メーガン・メイン、アレクシス・ウイガ/暗室の女性たち
7月18日(金)TOHOシネマズシャンテ、新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー
2013年 、 カナダ・スペイン合作 、90分、配給/クロック・ワークス
http://fukusei-movie.com/

by Mtonosama | 2014-07-16 06:16 | 映画 | Comments(8)
Commented by すっとこ at 2014-07-16 08:00 x
なななななななーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんと!

懐かしい名前が!

イザベラ・ロッセリーニ!
デビッド・リンチの”ブルー・ベルベッド”が鮮烈でした。

あの彼女が
ジェイク・ギレンホールの母親役とは・・・・しみじみ。

時間は流れる。 のだなぁ。

「もういっぺん観たい映画」そ・そ・そ・そ!
昔は終わっても もういっぺん観られました。
途中から見て またそこまで観る、というのも
好きでした。
最初から観てないぶん ここまでのストーリーを
あれこれ想像するのがワクワクしました。

ブルー・ベルベッドも わけわからん映画でしたけど
これも わけわからんかも?

イザベラ見たさに観たいなぁ。遠い目でポチッ!
Commented by Mtonosama at 2014-07-16 21:48
♪すっとこさん

イザベラ・ロッセリーニは母親役なんだけど、
これがまたタダものじゃないときておりますのよ。

ね、昔は良かったですよね。
映画を観終わった後、しばし呆然としていたいときは再びスクリー
ンに戻れたもの。今じゃ、ああた、容赦なく追い出されますわよ。
なんか余裕のない時代ですわねぇ。
そうそう、途中から見て、そこまで観るなんざぁ、贅沢な鑑賞法です。

この映画、格闘させられるような作品でした。
原作にも挑戦してみたい。

やっぱり『ブルー・ベルベット』わけわからんかった?
150歳になった今なら、もう一度観たらわかるかな。

遠い目のポチッをどうもありがとうございます。
Commented by ライスケーキ at 2014-07-16 22:36 x
ノーベル賞作家のミステリ-。
おもしろそう。
私ミステリー好きなんです。


「あなたは、一度で見抜けるか?」
ムリでしょう。
だから、DVD出たら、
借りて何度も見て、 ゆっくり楽しみます~。

[昔は良かった」って言うセリフ。
私も最近よく使います。
音楽も、映画も、生活そのものも「昔は良かった」

でも、今は、こうして公開前の映画の情報まで分かっちゃう。
DVDなんてものもあるし。
今の世も現役で楽しみたいと思ってま~す。
Commented by Mtonosama at 2014-07-17 06:48
♪ライスケーキさん

たしかに、この映画DVD向きかも。
こんなこと言っちゃいけないけど、観終わったら出なくてはならない
映画館じゃ一回で出るのは無理、無理。

でも、この映画の持つカナダの暗い冬の雰囲気はスクリーンで満喫したいし・・・
実に悩ましい映画です。
Commented by poirier_AAA at 2014-07-17 22:10
すっかり出遅れました。

サラマーゴ、本だけは持っていて、一度はチャレンジしてみようと思ったわたしです。ただでさえ癖があるといわれる作家の文章を、不自由なフランス語で読もうとしたのが無謀だったと思います。ぜんぜん食い付けなくて、最初の2ページで挫折しました。

でも、映画で観てもわかり難いんですね。。。。
まず映画で観て、それで相性が良さそうだったら、もう一度本に挑戦してみるというのが(わたしには)いいかもしれません。あ、でもフランス語字幕でみたら、やっぱりわからないかもしれない。あぁ、日本語字幕で観られたらなぁ。。
Commented by Mtonosama at 2014-07-18 06:30
♪poirier AAAさん

ポルトガルの作家なのでpoirier AAAさんはお読みになっているだろうなぁ、と思っていたのですが。

文章世界の方を知らないのでなんともいえないのですが、薄気味
悪さとか形而上的な恐怖感というのは映画でもかなりずしんと感
じられます。
サラマーゴ作品の映画化は2本目のようですが、映像作家をそそ
る何かがあるのでしょうか。

Commented by kogarinta at 2014-08-05 14:21
との様
こんにちは。
私はこの作品…ダメでした。
なんか、あまりにも思わせぶりな割には言いたい事が伝わってこない、というか。
でも、監督も出演者も大好きなので、スルーできないっ!!
Commented by Mtonosama at 2014-08-05 21:15
♪kogarintaさん

実は私もそうです。
DVDで観たので、「あれ?」って思った疑問点を確認できたから
良かったようなもので・・・・・

ただ、あのマンションや2人が会ったホテルの雰囲気のさびれた
不気味さは気に入りました。

最初のシーンなんて「なんなんだよ」とちょっとイラッときましたもん。
蜘蛛だって、怖がらせようと思ってるんだろうけど「わたしは蜘蛛
なんて怖くないからね。逆に蜘蛛の登場によって安っぽくなるじゃ
ないかっ!」とブリブリしてました。

サラマーゴの本を読みたいです。