ブログトップ | ログイン

殿様の試写室

mtonosama.exblog.jp

殿が観た最新映画をいち早くお知らせ!

郊遊 -2-  ピクニック

郊遊 -2-
ピクニック

f0165567_5294921.jpg

(C)2013 Homegreen Films & JBA Production


なにゆえ蔡明亮監督は劇映画をつくるのをやめたのでしょう。

なんと!彼は映画がイヤになったのだそうです。
才能のある人に限ってこういうもったいないことを言ったりしたりするものなのでしょう。

彼をウンザリさせていたもの。
それは、映画のエンタテイメント性、市場のメカニズム、大衆の好みへの迎合。

監督は自分に問いかけたそうです。
映画とはなにか。
なぜ、そして、誰のために映画をつくるのか。
大勢の観客とは誰のことなのか。スピルバーグの映画を観る人のことなのか。
「率直にいって、私はこれらのことに何ひとつ興味が持てなかった」・・・・・

本作『郊遊』を撮影する前からこういう気持だったらしいです。
だのに、なぜまた監督する気になったか。
監督をその気にさせたのは本作でも主役をつとめる20年来の同志・李康生の存在でした。
2011年に李康生と舞台をやったとき、彼のパフォーマンスに感激し、
もう一度だけ彼を主役に映画を撮りたいと思ったのだそうですよ。

さあ、監督の最後の劇映画。いったいどんなお話でしょうか。


f0165567_533719.jpg

ストーリー
父と幼い息子と娘。水道も電気もない廃墟のような空き家にマットレスを敷き、3人で寝る。
顔を洗い、身体を拭くのは公衆トイレ。
父は不動産広告の看板を持ち、路上に立つ人間立て看板。
毎日の食事はコンビニ弁当。
時に子どもたちは試食を目当てにスーパーマーケットの食品売り場にでかける。
それでも子どもたちは楽しげである。
父はある日、自分が立て看板を掲げている高級マンションに入り込み、
広々とした清潔なベッドに身を横たえる。
土砂降りの雨の夜、親子が過ごす空き家にも不穏な雰囲気がたちこめる。
そして、父はある決意を下す……

f0165567_535145.jpg

主演の李康生(リー・カンシャン)は蔡監督の第1作『青春神話』から20年来出演し続ける
蔡監督の顔ともいえる俳優です。
本作で、デビュー21年目にして中華圏で最も歴史のある映画賞・金馬奨の最優秀主演男優賞を受賞しました。
蔡監督の映画のミューズたち陳湘琪(チェン・シャンチー)、陸弈靜(ルー・インチン)、
楊貴媚(ヤン・クイメイ)も出演しています。
彼女達は母なのか、恋人なのか、それとも3人でひとつの役を演じているのか。
よくわかりません。
観客の解釈に意を介さない監督にとってはどうでもいいことなのでしょうが。

いずれにせよ、
20年来の同志、そして、ミューズたちの出演は
本作への蔡監督の力の入れようを感じさせるものではあります。

気難しい監督の芸術的な閃き。
そして、20年来の映画の上での同志が見せる深い憂いを湛えた演技。
映画界の異才が最後に放つ長編劇映画『郊遊』。
好悪の分かれるところではありましょうが、
ラストシーンの長回しは脳内スクリーンに強烈にプリントされることだけは確かです。





今日もポチッとお願いできれば嬉しいです♪
↓↓↓↓↓
にほんブログ村 映画ブログ 新作映画・試写会へ
にほんブログ村
☆9月6日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

郊遊
監督/ツァイ・ミンリャン、脚本/ドン・チェンユー、ツァイ・ミンリャン、ポン・フェイ、製作/ヴィンセント・ワン、共同製作/ジャック・ビドゥ、マリアンヌ・デュモラン、撮影/リャオ・ペンロン、ソン・ウェンチョン
出演
リー・カンション/シャオカン、ヤン・クイメイ/髪を梳く女、ルー・インチン/子どもを連れ去る女、チェン・シャンチー/涙を流す女、リー・イーチェン/兄、リー・イージェ/妹
9月6日(土)[シアター]イメージフォーラムにて公開
2013年、台湾・フランス、138分、中国語、後援:台北駐日経済文化代表処、配給:ムヴィオラ
http://www.moviola.jp/jiaoyou/

by Mtonosama | 2014-09-06 05:49 | 映画 | Comments(6)
Commented by ライスケーキ at 2014-09-07 11:38 x
台湾って日本と同じようなのね。
風景、人々、コンビニ弁当まで・・・。

廃墟にある 曰くありげな絵。
お父さんの決意は如何に。

これも映画館に足を運ぶしかないですね。

9月に入り、少し涼しくなってきたので
ライスケーキに戻ります。
もう メチャ暑い日が来ませんように。

ボチッ!
Commented by Mtonosama at 2014-09-07 15:51
♪ライスケーキさん

台湾にはココ壱もあったし、ほんと、日本と似てます。

アイスケーキさんがライスケーキさんに戻ると夏も終わりだなぁっ
て感じです。
何もしない内に夏も終わってしまったけど、同じくメチャ暑い日は
もうご勘弁・・・

ボチッをありがとうございます。
Commented by すっとこ at 2014-09-08 10:13 x
えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!

予告篇で
女の子がしきりにちゅるちゅるしてるのって
麺だとばかり思っていたら

お父さんが
「干し豆腐がかり食って」
って言ってるんですけど?

ええええええええええええええええええ!
あれって麺じゃなくて干し豆腐なの?
干し豆腐って あげに長いのぉ?????

大雨の夜の父親の決心って

なに? 何? 何なの?

ああ、気になって続きが観たいなぁ。
力強くポチッとしちゃうぞ!
Commented by Mtonosama at 2014-09-08 13:18
♪すっとこさん

さすが、すっとこさん!干し豆腐に目がいきましたか。

すっとこさんは召しあがったことあります?
わたしは腐り豆腐は食べたけど(くっさいんだよ~。おいしいけど)
干し豆腐はこうや豆腐しか知りませぬなぁ。

力強いポチッをありがとう!
Commented by poirier_AAA at 2014-09-09 20:21
郊遊(ピクニック)って、そういうことだったのか!
って、すっかりわかるわけもありませんが、なんとなく気持ちが伝わってきました。大人のわたしたちからするとええっと思ってしまうような生活でも、お父さんとすごしていた子どもたちには楽しい日々だったのですね。そういうことってありますよね、子ども時代には。

予告編を見て、すごく観たくなりました。予告編だけだけれど、好みです。こういう作品を撮れる監督が引退してしまうなんて、、、、本当に残念ですね。
Commented by Mtonosama at 2014-09-10 06:28
♪poirierAAAさん

なんか台湾の廃墟が次々と出現します。
廃墟好きとしてはたまらない映画です。
台湾で廃墟って・・・とても不思議な感覚です。

新しいビルがたくさん建つ一方で古い文化遺産も残っているのに
廃墟も人知れず存在している。
黒カビが生え、湿っぽい空気に包まれた空間。
とてもそそられます。

監督は劇場映画は引退するようですが、アートは創り続けるみたいです。