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殿様の試写室

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悪童日記 -2-  LE GRAND CAHIER

悪童日記 -2-
LE GRAND CAHIER

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(C)2013 INTUIT PICTURES - HUNNIA FILMSTUDIO - AMOUR FOU VIENN


『悪童日記』というタイトルだと、どうしても腕白坊主のドタバタもの、
というイメージを持ってしまうとの。
だからといってオリジナルの“大きなノート”もなんだかなぁ、です。
映画はやっぱり観ないと始まらないということですよね。

本の方は20数年前、日本でも話題になったそうですが、
不覚にも未読でありまして、今回初めて知りました。
その方がかえってこの映画のものすごさがわかり、良かったかもしれません。

時代は第2次世界大戦下。
双子の兄弟が生まれて初めて会うおばあちゃんの住む町へ疎開し、
そこで経験した日々を描いた話です。

映画は、両親と別れて二人だけで見知らぬ町へやってきたイノセントな兄弟が
母親との約束を守り、日々の暮らしをノートに綴る形で淡々と描くという形式をとっています。

強くならなくちゃいけない。
寒さに負けないようにしなくてはならない。
友だちは大切にしなくちゃ。
そして、生き残っていかなくては――

双子は強く正しく生きるために当たり前のことをこなしているだけなのに、どうしてこうなっちゃうの?
難解な映画ではないのに、とても不条理で、不思議で、とまどってしまい、ズシンときます。


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ストーリー
双子の兄弟は母親と列車に乗ってブダペストからオーストリア国境に近い田舎町へ向かう。
そこには祖母が住んでいるのだ。
1944年8月14日。
父は双子だと目立つから引き離そうと言ったけれど、母が猛反対したからだ。
二人は出発の前、父から大きなノートを渡され、それに日記を書くようにいわれた。

20年ぶりに帰った娘である母を祖母は抱きしめようともしない。
「強くなって。迎えに来るまで生き延びて。
何があっても勉強は続けてね。手紙を書くわ」
と言い残し、母は去っていった。

薪割り、水汲み、家畜への餌やり。双子の仕事は多い。
祖母の敷地には川があり、それを越えればオーストリア。
そこはナチス・ドイツの支配下だ。

祖母と町へ行き、リンゴやジャムを売る。双子より年長の少女がリンゴを万引きした。
彼女は祖母の隣家の娘で目と耳が不自由な母親と暮らしている。
その内、3人は仲良くなり、町の酒場で寸劇などをしながら小銭を稼ぐようになる。

そして、双子たちは身体を鍛える。
祖母に日々言われるような言葉、「牝犬のこども!」「くそがき!」などと罵り合いながら、
互いに殴り合う。

冬になった。雪に埋もれた森で遊んでいた双子は樹にもたれかかる負傷兵をみつけた。
食べ物と毛布を持って引き返すと、兵士はもう死んでいた。
双子はその武器を盗み、兵士のような死に方はしたくないから空腹に耐える訓練もする。
ある日、祖母が郵便配達夫から小包を受け取るところを見た。母から送られた衣類と手紙だ。
それらを祖母はずっと隠し、双子には渡さないでいたのだ。

母を思い出すと心が痛む。だから、母を忘れなければいけない。
双子は精神を鍛える訓練として母からの手紙と母の写真を焼く。
ニワトリを可愛がってから殺す。残酷さに慣れるため、虫、魚、カエルなどを次々と殺す。

隣家の少女は飢えと寒さで衰弱していた。薪と食べ物を持っていく双子。
少女は司祭のところに行けばお金をもらえることを教えてくれた。
どんな手段かはいえない。
双子は司祭から得たお金で長靴を買いにいく。
1足分のお金しかなかったのに、親切な靴屋さんは2足をただで双子にくれた。

祖母の家に司祭館の若い女中がジャガイモを買いに来る。
双子がジャガイモを持っていくと、表の通りを大勢の人が連行されていくところだった。
女中は「靴屋がいないよ!」と兵士に知らせる。
急いで靴屋まで走っていった双子の前で親切な靴屋さんは既に殺されていた。
双子は森でみつけた負傷兵から奪った手榴弾を司祭館のストーブに放り込んだ……

両親から切り離され、見知らぬ土地で暮らしながら、強く逞しくなっていく双子。
強いということ、逞しいということ、生きるということ。

冬枯れの明るい森の中で双子は大きな決断をします。
親も子もない。家族もない。一心同体であった双子すら分離できる存在なのか・・・・・

彼らはモンスターなのでしょうか。
そんな感想は
戦争を知らない、真の困窮も知らない、悲しみを乗り越えることも知らない
甘ちゃんのものなのかもしれません。

こういう映画にありがちなニワトリのようにガリガリの祖母ではなく、
身動きも不自由なぐらいに太った祖母が怖かったです。

これ、必見です。





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☆9月24日に更新しました。いつも応援ありがとうございます☆

悪童日記
監督/ヤーノシュ・サース、脚本/アンドラーシュ・セーケル、ヤーノシュ・サース、原作/
アゴタ・クリストフ「悪童日記」ハヤカワepi文庫、撮影監督/クリスティアン・ベルガー、製作総指揮/アルベルト・キッツラー、ジェルジ・ズーフ、ヤーノシュ・サース、製作/サンドル・ソス、パル・サンドル
出演
アンドラーシュ・ジェーマント、ラ―スロー・ジェーマント/双子、ピロシュカ・モルナ―ル/祖母、ウルリク・トムセン/将校、ウルリッヒ・マテス/父、ギョングベール・ボグナル/母、オルソルド・トス/口蓋裂の娘、ザビン・タンブレア/将校のボーイフレンド、ペーター・アンドライ/牧師
10月3日(金)TOHOシネマズシャンテ、新宿シネマカリテ他全国順次ロードショー
2013年、ドイツ・ハンガリー合作、ハンガリー語、111分、字幕翻訳/吉川美奈子、後援/駐日ハンガリー大使館、配給/アルバトロス・フィルム
http://akudou-movie.com/

by Mtonosama | 2014-09-24 05:58 | 映画 | Comments(2)
Commented by ライスケーキ at 2014-09-25 15:32 x
奥の深い映画のようですね。

この作品を 勉強した外国語(フランス語)で書いたのですか。

自国語(日本語)でも 書けない私は信じられない。

この映画も 観なくては語れない映画ですね。
Commented by Mtonosama at 2014-09-25 20:40
♪ライスケーキさん

アゴタ・クリストフさんは最初ハンガリーから逃げ出した時点では
ハンガリー語しかできなかったんだそうです。

でも、猛勉強の結果、書いたこの原作小説が大ヒットしたというの
だからすごいですね。完成した映画を観ることなく亡くなったのは
残念です。

何かズシンと来る映画でした。