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殿様の試写室

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マルタのことづけ -2- Los insólitos peces gato

マルタのことづけ -2-
Los insólitos peces gato

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母親の死がテーマときたらこれはもう泣くしかないとお思いでしょうね?

でも、すぐ泣き、すぐ怒るというこらえ性のないとのですら泣きませんでした。
とにかく皆生きているからです。
それも必死に生きているというのではなく、普通に生きているんです。

クラウディア・サント=リュス監督も「この作品はドラマとコメディの中間です」と言っています。
う~ん、コメディとは思わなかったけどなぁ。

チ、チ、との、違うのよ(と、監督はいわなかったけど)。

「コメディというのは登場人物が自分の不幸を笑いのめすことができるから。
ドラマというのは彼らは事態をどうしようもないから。
結局のところ、私たちは人生で一人きり。
でも、同じ感覚を共有する二人の人間が出会うことで人生はもっと楽しいものになるはずです」

なるほど。31歳という若さでなかなか深い人生観をお持ちです。
どんな映画だか楽しみになりませんか?


マルタのことづけ -2- Los insólitos peces gato_f0165567_550582.jpg

ストーリー
メキシコ第2の都市・グアダラハラ。4人の子どもを持つシングルマザーのマルタ。
友人も恋人も家族もいないクラウディアはまったくの偶然から病院で出会った。
2人は同じ病室の隣り合ったベッドに。
虫垂炎を治療し、退院するクラウディアをマルタは自宅での食事に招いてくれたのだ。
戸惑いながらも誘いを受けたクラウディアはマルタの車に乗り込み彼女の自宅へ向かう。
そこにはしっかり者の長女アレハンドラと、フリーターの次女ウェンディ、
思春期真っ盛りの三女マリアナと3人の姉にやられっぱなしの末っ子のアルマンド。

料理中も食事中も彼らのおしゃべりは続く。とにかく賑やかな家族だ。
赤の他人のクラウディアにマリアナとアルマンドの学校の送迎を頼むわ、
マルタの病院の付き添いを頼むわ、
慣れ慣れしく騒々しい家族である。
クラウディアもこの家族にびっくりさせられつつも、
彼らの中にいることに居心地の良さを感じ、家族の一員として時間を過ごすようになる。

マルタは不治の病を患っていた。
間もなく遺していくことになる子どもたちの面倒を見ることと、
自分に残された日々を生きることに全力を注いでいた。
そして、両親を失い、愛を知らずに生きてきたクラウディアに生きることへの
エネルギーを分かち与えていた。

子どもたちもまたお互いに素直になれなかったり、
彼氏とうまくいかなかったり、学校でいじめられていたり、
入退院を繰り返すマルタに心ならずも冷たくしてしまったりと、
近いうちに死んでしまう母親、という喪失感と向き合いながら
学校生活、日常生活を過ごしていた。

そんなマルタや子どもたちにとって
部外者であるクラウディアの存在は潤滑油にもなっていた。

やがて彼らは母との別れを少しづつ受け入れ始め、お互いに結びついていく。
そんなある日のこと、マルタは子どもたちとクラウディアに海へのバカンスを提案。

黄色い小さな車に乗り込み、6人は海へ向う……

おおらかに死ぬことはおおらかに生きることである――
そんな想いを新たにした91分でした。

死をテーマに据えながら、生きるということを積極的に感じさせてくれた映画でした。
砂漠や国境越え以外のメキシコ映画って初めて観たような気がします。
泣かなくてもいい母もの映画です。そして、ひとりの若い女性の再生物語でありました。





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☆10月9日に更新しました。いつも応援してくださってありがとうございます☆

マルタのことづけ
監督・脚本/クラウディア・サント=リュス、プロデューサー/ヘミニアノ・ピネダ、エグゼクティブ・プロデューサー/ルビー・カスティージョ、クリスティアン・クレーゲル、へミニノ・ピネダ、共同プロデューサー/フィリップ・アコカ、アラン・ぺイロラス、撮影/アニエス・ゴダール、オリジナル音楽/マダム・レカミエ
出演
ヒメナ・アヤラ/クラウディア、リサ・オーウェン/マルタ、ソニア・フランコ/アレハンドラ、ウェンディ・ギジェン/ウェンディ、アンドレア・パエサ/マリアナ、アレハンドロ・ラミレス・ムニョス/アルマンド
10月18日(土)シネスイッチ銀座ほかロードショー
メキシコ、2013年、91分、カラー、協力/セルバンテス文化センター東京、配給/ビターズ・エンド、字幕翻訳/林かんな、http://www.bitters.co.jp/kotoduke/

by Mtonosama | 2014-10-09 05:58 | 映画 | Comments(10)
Commented by ライスケーキ at 2014-10-09 22:25 x
「おおらかに死ぬことは おおらかに生きることである」
この言葉 とっても気に入りました。

おおらかに生きて、 おおらかに死にたいです。

そして この物語が本当の物語だと言うこと。
感動的です。
映画って いろいろな事を考えさせてくれますね。

私も死ぬまでに やっておきたい事、
おおらかに ぼちぼち やっておきたいです。
Commented by なえ at 2014-10-09 23:07 x
この監督よりずっと「死」が身近になってるのに、ボヤボヤと
生きてきたなあと思いますです。

西洋史専攻だったんですか?ダンナは経済学部卒ですが
子供のころから歴史は好きで、日本古代史が一番好き
みたいです。古本屋っても客はほとんど来ず(笑)、ま、施設
図書室と言ったところですねん。

びなちゃんさん、たくさんの情報ありがとうございます!!
ブックオフで(笑)色々探してみますね。楽しみがメチャ
増えました!私はエッセイ漫画の大島弓子さんの「グーグー
だって猫である」が好きで(それしか知らなかった)育猫の
参考にしてました。ダンナの古本屋は客は来ず、まったく
趣味の店です。猫専門のネット書店、ぜひ開いて下さい!
Commented by Mtonosama at 2014-10-10 05:49
♪ライスケーキさん

いま、忙しくてわさわさしてますが、
私も落ち着いたらのんびりおおらかにやりたいことをやりたいですなぁ。

映画ってホントに旅であり、人生ですよね(しみじみ)。
Commented by Mtonosama at 2014-10-10 06:00
♪なえさん

おつれあいさまの古書店、「ビブリア古書店堂の事件手帖」みたいですね。
なえさんは剛力彩芽♪ おつれあいさまはAKIRAってところ?
うふっ、素敵・・・・・って完全に妄想の世界に入ってしまいました。

猫で有名になる前から大島弓子、好きでした。
落ち着いたら始めることがたくさんできてうれしゅうおす♡

なんかなえさんとびなちゃんさんのお蔭で楽しみが増えました。
Commented by poirier_AAA at 2014-10-10 20:44
長さじゃないんでしょうね。
長ければ楽しみを味わう機会は増えるのかもしれない。でも、味わう気が無ければ長いだけの人生になってしまうかもしれない。よく生きるのって難しいなぁと思います。

ときどき、自分がいなくなってしまったら家族はどうなるだろうと考えるのですが、、、、とりあえず日々の生活が送れるように家事力をつけさせないと、心配で往生もできません。整理もそうだけど、家事特訓もやらないと、ですわ。
Commented by なえ at 2014-10-10 21:48 x
おおっ!またブックオフで探す楽しみが!
「ビブリア古書堂の事件手帖」、知りまへんどした~。
ネットで見てみましたが、私が剛力彩芽以外みな妄想でっせ(^_^)。、AKIRAはん、おしゃれなお店の店員とか、はたまた
ホストクラブだったらぴったりだけど、あんなん古本屋にいたら
客が腰ぬかしますわ。ダンナはひげ伸ばし放題、ホームレス
みたいなムサイおっさんです(>_<)。

殿さまも大島弓子さんのファン?彼女の漫画はブックオフでは
なかなか見つかりません。グーグー好きでした。死んだと
聞いた時は悲しかったです。大らかなやさしい猫でしたね。
今「きらら」で『キャットニップ』連載中ですね。

楽しみが増えるって、生きる喜びですね♪
Commented by びなちゃん at 2014-10-11 00:30 x
↑ヒゲボーボーなんですか!いい味出ている、旦那様では!?
”キャットニップ”先週でしたか、コミック化されて嬉しい。読みました~。

”マルタのことづけ”が、どうしても”マルタのくちづけ”と読めてしまう。口づけに、ご無沙汰してるんで願望か?~
おおらかに、逝く…できるかなあ。
明日は人間ドッグです。げ~
ここのところ映画を観に行けてないので、くまさんだのみです。
くまさんは西洋史!私はちゃんとお勉強しませなんだ…今更後悔って、多いですなあ。が、大人になってから興味が湧くってのはいいことですよね。美味しいとこだけ深~く楽しめるんですもんね。
娘の大学の授業で、”美術史”があって彼女は取らず、私が受講したかった。彼女いわく、聴講生(中高年)が多かったと。やっぱりね~の魅力的な授業内容で、フィールドトリップなど、先生が添乗員なんて贅沢ですよね。

チョコレートドーナツが、近日DVDになるので待っています。
Commented by Mtonosama at 2014-10-11 08:25
♪poirier AAAさん

長さではないんでしょうね。ほんとに。
今までの人生で一番若い死に出会ったのは小学校2年のとき、
妙子ちゃんという同級生が亡くなったときです。
妙子ちゃんは前髪を切りそろえてサイドの毛はクルクルさせた
小鳩くるみとか松島ともこ(ご存知ないでしょうが^_^;)という
当時有名だった童謡歌手みたいな女の子です。
もう何十年も経っているのに、ときどき思い出すのはどんな短い
人生でも確実に何かを残しているからじゃないのかなぁ。

短い人生も、長い人生も、大切に生きなきゃ。

ところで家事力のことですが、干しダラの塩抜きはpoirier AAAさ
んでなくっちゃダメなんですから。
ああ、ポルトガル料理が食べたいな。
Commented by Mtonosama at 2014-10-11 08:29
♪なえさん

「ビブリア古書堂の事件手帖」。剛力もAKIRAもミスキャストかな
って思ってドラマは観ませんでしたが、小説はまあ面白かったです。
ブックオフあたってください(^^)/

いいなぁ、ひげのおっさん♪
かっこよさげではありませんか。
Commented by Mtonosama at 2014-10-11 08:37
♪びなちゃんさん

ねぇ、ひげのおじさん、良い感じな気がしますよね。

人間ドックですか!?
私も8月に行った定期検査の結果が出ました。
悪者コレステロール高し。
中性脂肪高し。
血糖値高し。
なんなんだよ~。節制してるのに。
ま、暑かったからかな?

もう涼しいからびなちゃんさんの人間ドックの結果は多分良いと思いますよ。
これ、とののくちづけ・・・
あ、間違えたとののことづけです^m^

大学の美術史の講義を盗み聴きってのもいいですね。
老後の楽しみにとっておこっと。
もう老後ですけどね。

by Mtonosama