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殿様の試写室

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悼む人 -1-

悼む人
-1-

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©2015「悼む人」製作委員会 天童荒太


天童荒太という作家の名前を知ったのは「永遠の仔」を読んでからです。
荒太などというやんちゃそうな名前ながら
深い傷を負った人々が登場するこの静かな作品にのめりこみました。
舟越桂の木彫で飾られたカバー装丁も印象的でしたし。

「悼む人」は未だ読んでいません。
主役を演じた高良健吾くんはハンサム過ぎるし、
え~、また大竹しのぶが出てるの?
などと、あまり期待することもなく試写に向いました。
しかし、行って正解でした。

地球上では多くの人が死んでいきます。
一見、無意味と思える死もあります。
死は禁忌のベールを被っていますから、
人はあからさまにそれを軽視することはありませんが、
だからといって日々ニュースに登場する見知らぬ人々の死に深い追悼の思いを寄せ、
祈ることはないかもしれません。
人は生まれ、死んでいくものですから、
見知らぬ死者にいちいち思いを寄せているわけにはいかないのでしょう。

でも、東北の人々や砂漠の国で人質になっている人を想う時、
その人たちの人生や生活や家族を想像せざるをえません。

悼むということ。
その悼みを映像化した作品が本作「悼む人」です。

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天童荒太が「悼む人」を書いたのは9.11アメリカ同時多発テロがきっかけでした。
そのとき、死者を悼んで旅をする人という着想が生まれたのだそうです。
実際に天童荒太は各地で亡くなった人を悼んで旅をし、
3年にわたって悼みの日記を書き続けました。
その体験を基に2008年に書きあげたのが「悼む人」でした。
そして、その3年後、
またもあの大震災で多くの人が亡くなっていくのを見てしまったのです。


天童荒太
1960年生まれ。愛媛県出身。93年に「孤独の歌声」で第6回日本推理サスペンス大賞優秀作を受賞。96年に「家族狩り」で第9回山本周五郎賞、00年にはベストセラーとなった「永遠の仔」で第53回日本推理作家協会賞、13年に「歓喜の仔」で毎日出版文化賞を受賞。その他の著作に「包帯クラブ」、「あふれた愛」、対談集「少年とアフリカ」(坂本龍一と共著)など。小説以外にも画文集「あなたが想う本」(画・舟越桂)、絵本「どーしたどーした」(絵・荒井良二)など執筆活動は多岐にわたる。本作「悼む人」は08年に発表し、第140回直木賞を受賞。09年には、主人公・坂築靜人の日記という形を取った「静人日記」を発表。

見知らぬ人を悼むために旅をするのは奇妙なことです。
主人公も「なぜ悼む旅を続けているのかぼくにもわからない」といいます。
自分の人生を悼むことに捧げたら、その人の人生は死者のものになってしまうではないですか。

自分にはできません。
でも、自分が車にはねられて予期せぬ死をとげるとき、あるいは溺れて死んでいくとき、
あるいは「一度ひとを殺してみたかった」という人に殺されるとき、
こんなふうに自分を悼んでくれる見知らぬ人がいたら、
もしかしたら嬉しいかもしれません。

この簡単に答えのみつかりそうにない悼みという行為を映像化したのは堤幸彦監督です。


堤幸彦
1955年生まれ。88年に故・森田芳光プロデュースのオムニバス映画『バカヤロー!私怒ってます』内『英語がなんだ』で映画監督デビュー。NTV『金田一少年の事件簿』(‘95)以降、『ケイゾク』(‘99/TBS)『池袋ウエストゲートパーク』(‘00/TBS)『TRICK』(‘00/TBS)、『SPECK』(‘10/TBS)などの話題作を送り出す。一方、若年性アルツハイマーをテーマにした『明日の記憶』(‘06)、ホームレスを描いた『MY HOUSE』(‘12)、ドキュメンタリードラマ『Kesennuma,Voices.東日本震災復興特別企画~堤幸彦の記録~』(‘12/CS・TBSチャンネル)、知的障害者のグループホームを描いた『くちづけ』(‘13)などの社会派作品もてがけている。12年「悼む人」を舞台化、そして本作で監督。

皆さんの目に「悼み」はどのような形にうつるでしょうか。
続きは次回まで乞うご期待でございます。



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☆2015年1月31日に更新しました。いつも応援ありがとうございます☆

悼む人
監督/堤幸彦、原作/天童荒太「悼む人」(文春文庫刊)、脚本/大森寿美男、撮影/相馬大輔、製作代表/木下直哉、主題歌/熊谷育美「旅路」(テイチクエンタテインメント)
出演
高良健吾/坂築靜人、石田ゆり子/奈義倖世、井浦新/甲水朔也、大竹しのぶ/坂築巡子、椎名桔平/蒔野抗太郎、貫地谷しほり/坂築美汐、山本裕典/福埜怜司、麻生祐未/沼田響子、山崎一/沼田雄吉、戸田恵子/比田雅恵、秋山奈津子/尾国理々子、平田満/坂築鷹彦
2015年2月14日(土)ロードショー
2015年、日本、138分、配給/東映
http://www.itamu.jp/

by Mtonosama | 2015-01-31 05:49 | 映画 | Comments(2)
Commented by すっとこ at 2015-02-02 23:24 x
う、うううーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!

天童荒太氏の”永遠の仔”は読みました。
長い重い物語でしたね。
“悼む人”は読んでませんが 氏が沈黙の
後にようよう紡ぎあげた物語だろうこと
は予測がつきます。

それを映像化・・・。

観たいような 苦しいだろうから観たく
ないような。

どんなストーリーなのでせうか。
次号のストーリー紹介を待ちます!
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Commented by Mtonosama at 2015-02-03 06:54
♪すっとこさん

かの地で大変なことが起きてしまいました。

「後藤さん、殺害か」のニュースが流れた時は声にならない悲鳴をあげました。

死を扱ったこの映画とあのできごとが重なってしまったことに、いけないことをしてしまったのではないだろうかの想いにとらわれています。

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